Build 2015 でユニバーサル Windows プラットフォームの機能拡張を発表

本ブログは、Building Apps for Windows ” Expanding the Universal Windows Platform at Build 2015″ の抄訳です。

米国サンフランシスコで 4 月 29 日 (米国時間) に初日を迎えた Build 2015 では、Windows 10 の詳細情報を公開する予定です。29 日の午前中には、Terry Myerson が、今後 2 ~ 3 年の間に Windows 10 を 10 億台のデバイスに搭載するというマイクロソフトの目標を発表し、さらに短期間で多くの個人ユーザー、企業ユーザー、非営利組織を取り込む原動力となる多数の新機軸を紹介しました。

このすべての新機軸の基盤となり、これらの新機軸をアプリにつないでいるのが、ユニバーサル Windows プラットフォームです。David Treadwell が 30 日に登壇した基調講演 (太平洋標準時午前 8:30) では、機能を拡張したユニバーサル Windows プラットフォームの新機能を活用する方法を紹介しました。

技術的な面について詳しく説明する前に、マイクロソフトがユニバーサル Windows プラットフォームの機能を拡張した理由と、この拡張によって開発者の皆様が得られるメリットについて紹介します。

以前にも説明しましたが、このリリースの目的はユニバーサル Windows プラットフォームで開発者に新たな機会を提供することです。この目的を達成するために、3 つのことを行いました。1 つは、あらゆるデバイスに対応することでプラットフォームを拡大すること、2 つ目はユーザー固有のカスタム エクスペリエンスを提供すること、3 つ目はコードの作成環境に関係なく Windows に対する開発者の投資効果を最大化することです。

あらゆるデバイスに対応することでプラットフォームを拡大 2014 年、Windows プラットフォームのユーザー獲得数は、スマートフォン、タブレット、PC で増加しました。この増加は、Windows 8 ランタイムを Windows Phone 8.1 で使用できるようにしたことに起因するものです。統一されたアプリ モデルとツール チェーンを使用することで、アプリでは 1 セットの共通のビジネス ロジックを利用できます。これにより、開発者は初めてユニバーサル Windows アプリを開発できるようになりました。

 

Windows 10 と Windows 10 で動作するアプリでは、スマートフォン、タブレット、PC だけでなく、多数の新しいデバイス ファミリがサポートされます。たとえば、HoloLens や Xbox One、Raspberry Pi 2 などの IoT デバイスがサポートされます。Windows 10 では、単一のコードベースとアダプティブ UI を採用したアプリは、ユーザーと同じようにデバイス間を移動できます。つまり、Windows 10 を搭載したあらゆるデバイスからアプリにアクセスすることが可能になります。また、Windows ストアにより、簡単にアプリやゲームを公開、販売促進、収益化して、世界中で Windows 10 に関心がある一般ユーザーや企業顧客から利益を得ることができます。新しい Windows ストアの詳細については、4 月 29 日に Todd Brix が投稿したブログ記事を参照してください。

ユーザー固有のカスタム エクスペリエンスを提供 Windows 10 では、デバイスの境界を越えるモバイル エクスペリエンスを構築して、アプリとユーザーとの間により強固なユーザー固有の関係を簡単に生み出せるようになりました。API コントラクトを使用すると、ネイティブの .NET とマイクロソフト製デバイス ファミリの API 拡張により、デバイスに最適な形で表示されるよう実行時に調整が行われるアプリを作成することができます。

しかし、重要なのは、すべてのデバイスで動作するアプリを作成することだけではなく、異なるデバイスで一貫したエクスペリエンスを提供することも重要です。4 月 29 日午前中の Build 2015 のセッションで Joe が披露した Continuum のデモをご覧になっていない場合は、ぜひご覧ください。Continuum を使用すると、スマートフォン アプリのエクスペリエンスを、大画面でも利用できるようになります。ユニバーサル Windows プラットフォームと組み合わせて使用すると、ユニバーサル アプリの共有コードと UI がさらに効果を発揮し、スマートフォン アプリで全画面モニター、マウス、キーボードを使用することが可能になります。

これは、ユーザーが優れた成果を上げるのに役立つ Windows 10 に用意されている数多くの使用方法の一例にすぎません。Windows の象徴となっているライブ タイルから、新しい Web ブラウザー (Microsoft Edge)、コルタナ、アクション センターに至るまで、開発者は Windows の機能を統合して拡張できます。開発者が最初に直面するハードルは、開発したアプリをユーザーにインストールしてもらうことです。ユーザーに絶えず働きかける必要があります。Windows 10 では、現在コルタナがユーザーを支援している方法と類似した方法で、ユーザーをアプリや機能と関連付けることによって、アプリがユーザーの目にとまりやすくなります。今後、ユーザーに合わせてカスタマイズされた Windows ストアのコンテンツ (アプリ、デスクトップ ソフトウェア、ゲームなど) が、新しいスタート メニュー、ロック画面、コルタナといった場所に表示されるようになります。

コードの作成環境に関係なく Windows に対する開発者の投資効果を最大化 これまで Windows は、開発者に選択肢を提供することを重視して、C++、Java、.NET、Open GL、Ruby、Python、Web、C#、XAML、Silverlight などを使えるようにしてきました。ユニバーサル Windows プラットフォームと Windows ストアでは、この方針を継続するため、既存のコードを活用することをサポートします。マイクロソフト自身も開発を行っているため、開発者の皆さんが (コードとスキルセットの両面において) 既存の投資を持っていることや、それらの投資を継続して利用できるようにする方法が重要であることを認識しています。

Build 2014 では、オープン ソースと広く使用されているミドルウェア パートナーのサポートについて詳しく解説し、.NET をオープン ソース化して、Vusual Studio で Cordova をネイティブ サポートすることを発表しました。この 1 年で、マイクロソフトはこれらの約束を果たしただけでなく、学生やオープン ソースの開発に携わる開発者向けの無料開発環境として Visual Studio Community エディションをリリースしました。また、つい先日には、Unity、Unreal、Cocos2d とのパートナーシップ関係を結び、ゲーム開発者向けの開発環境の提供にも乗り出しました。

4 月 29 日午前中の Build 2015 のセッションでは、さまざまな開発者が Windows 10 エクスペリエンスを簡単に構築して、ユニバーサル Windows プラットフォームと Windows ストアへの橋渡しをマイクロソフトがどのように行うのかについて Terry が紹介しました。これらを実現する立役者となるのが、”Universal Windows Platform Bridge” です。

Universal Windows Platform Bridge モデルは、ユニバーサル Windows プラットフォームが誇る革新的なツールキットです。Universal Windows Platform Bridge の各ツールは、開発ツールとランタイム テクノロジで構成されており、このツールを使用すると既存のコードをユニバーサル Windows プラットフォームに適した方法で実行できるようになります。4 月 29 日午前中の Build 2015 のセッションでは、次の 4 種類の Universal Windows Platform Bridge ツールキットを紹介しました。これらのツールキットは、2015 年後半に提供予定です。

  • 従来の Windows アプリ – 従来のデスクトップ アプリケーションと PC ゲームを Windows ストアで公開できるようにします。これにより、.NET や Win32 を使用する PC ゲームとアプリの配布と収益化しやすくなります。
  • Web アプリ – 通知によって Web サイトをアプリとして Windows ストアで公開し、Windows ストアの支払い方法を使用して収益化する新しい方法です。このツールについては、3 月にバルセロナで開催された Mobile World Congress でも紹介しました。
  • 現代のアプリ開発者向けに、いち早く Android RuntimeiOS 向けのツールキットを公開しました。これらのツールキットを使用すると、開発者は、C++、Java、OpenGL、Objective C のいずれを使用している場合でも、既存のコードを活用してユーザー数を簡単に伸ばすことができます。

詳細については、Windows デベロッパー センターの Universal Windows Platform Bridge に関するページをご覧ください。さらに、関心をお持ちの方は、Android RuntimeiOS を対象とした人数限定の開発者プレビュー プログラムへの参加候補者としてご応募いただくこともできます。

今週公開予定の新しい情報 Windows 10 とユニバーサル Windows プラットフォームは、Windows の進化において非常に重要なステップになります。ぜひ最新の Windows 10 開発者ツールのプレビュー版をダウンロードしてご利用ください。

午前 8:30 (太平洋標準時) から始まるBuild 2015 のライブ ストリームで David が紹介する新しい情報にもぜひご注目ください。また、Build 2015 のセッション コンテンツは、すべて Channel 9 でご覧いただけます。ぜひ、ご活用ください。

 

 

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