2016年6月4日 4:17 AM

Windows 10 Insider Preview ビルド 14342 を発表

※本ブログは Windows Blog “ Announcing Windows 10 Insider Preview Build 14342 “の抄訳です。

5 月 18 日追記:

本日、Windows Insider Program の Slow リングを選択されている皆様にも、ビルド 14342 をリリースしました。Slow リングの皆様はこのビルドにアップグレードすることで、Windows Ink や新しくなったスタート エクスペリエンスなど Windows 10 Anniversary Update に実装される新機能をお試しいただけます。また、今回のビルドに対する更新プログラム (KB3158988) もリリースしました。Microsoft Edge の拡張機能をアンインストールせずにすべて無効化すると、ブラウザーを閉じられない、コンテキスト メニューが機能しないといった問題が発生していましたが、この更新プログラムで修正されています。また、一部のデバイスで発生していた、バグ チェック (ブルー スクリーン) が表示される問題も修正しました。ISO も間もなくリリースされます。

皆様、こんにちは。
このたび、Windows Insider Program の Fast リングを選択されている皆様を対象に Windows 10 Insider Preview ビルド 14342 をリリースしました。このビルドの言語パックは、明日リリースする予定です。

ビルド 14342 の変更内容

Microsoft Edge の拡張機能に関する更新:
従来、Edge の拡張機能はローカル フォルダーに展開してから読み込む必要がありましたが、今後は利用可能なすべての拡張機能を Windows ストアから直接ダウンロードできるようになります。今回の変更により、現在インストールされている拡張機能が削除されます。必要な拡張機能はストアから再びインストールしていただくようにお願いいたします。今後リリースされるビルドでは、お使いの拡張機能が自動的に再ダウンロードされ、インストールされるようになります。

その他にも、お勧めの拡張機能をいくつか追加しました。
今回のビルドと併せて AdBlock と Adblock Plus の 2 つがリリースされており、Pin It Button、Mouse Gestures、Reddit Enhancement Suite、Microsoft Translator、OneNote Web Clipper などと同じく Windows ストアからダウンロードできます。なお、AdBlock と Adblock Plus はどちらか一方のみをインストールすることをお勧めします。両方を同時に実行すると、Microsoft Edge での Web サイトの閲覧に問題が生じるおそれがあります。

重要な注意点:

今回のビルドにはバグがあり、拡張機能をアンインストールせずにすべて無効化すると、ブラウザーを閉じられない、コンテキスト メニューが機能しないといった問題が発生するおそれがあります。不要な拡張機能がある場合には、この問題を回避するために、無効にするのではなく必ずアンインストールしてください。この問題が発生してしまったら、いずれかの拡張機能を有効化するか、すべての拡張機能をアンインストールしてください。その後、タスク マネージャーで Microsoft Edge の実行中のプロセスをすべて終了し、Microsoft Edge を再起動すると、問題が解消されます。

Microsoft Edge でリアルタイムの Web 通知をサポート:

Microsoft Edge でリアルタイムの Web 通知をサポートしました。ユーザーが許可すれば、対象の Web サイトから、アクション センター経由で通知が送信されるようになります。たとえば、Xbox アプリでゲームに熱中していても、友達から Skype for Web 経由でメッセージが来ると、通知が表示されるので、受信したことがすぐにわかります。Web サイトからの通知は、Windows アプリの通知と同じように表示されます。通知をクリックすると Microsoft Edge が開き、通知元のサイトが表示されます。

Microsoft Edge でスワイプによるナビゲーションが可能に:
Windows 10 Mobile のリリース以来、Microsoft Edge に関して最も多く寄せられたご要望は、スワイプ ジェスチャで前後のページに移動できる機能を復活させてほしいというものでした。この機能は、PC 向けビルドでもリクエスト数トップ 10 にランクインしています。そこで今回のビルドから、ページ上のいずれかの場所をスワイプすると前のページに戻れるようにしました。この機能は、次のモバイル向けビルドでもサポートされます。

Bash on Ubuntu on Windows のサポートを強化:

  • Windows Subsystem for Linux 内のシンボリック リンクが、マウント済みの Windows ディレクトリで機能するようになりました。この修正により、npm インストーラーなどの多くのシナリオがサポートされるようになります。
  • Windows ユーザー名に非ラテン系文字を含むユーザーも、Bash on Ubuntu on Windows をインストールできるようになりました。
  • その他にも Windows Subsystem for Linux に関して多くの機能強化を実施しました。詳しくは、リリース ノート (英語) を参照してください。

プレビュー版 Skype UWP アプリを更新:
皆様のご要望にお応えして、プレビュー版 Skype UWP アプリがストア経由で明日 (5 月 12 日) 更新されます更新されました。今回リリースされたバージョンでは、ダーク テーマの設定と、複数の Skype アカウントの切り替えがサポートされています。6 月にはモバイル版もリリースする予定です。

Windows Ink ワークスペースのアイコンを更新:
タスク バーに表示される Windows Ink ワークスペースのアイコンが新しくなりました。新しいアイコンでは、インクの線をもっと表現豊かなものにし、通知領域の他のアイコンとの一貫性を高めました。また、アイコンのサイズを大きくしたので、見やすくなっています。

ユーザー アカウント制御 (UAC) ダイアログのビジュアルを変更:
UAC ダイアログでダーク モードをサポートしました。これに伴い、ヘッダーの色も黄色から青に変更しました。

dark-mode-uac

中央クリックでアクション センターの通知を消去:
中央クリックは、何かを消去する操作として広く浸透しつつありますが、今回アクション センターの通知でもこの方法が採用されました。任意の通知の上でマウスの中央ボタン (スクロール ホイール) をクリックすれば、その通知を消去できます。また、アプリ名の上で中央クリックすると、そのアプリの通知がすべて消去されます。

Web サイトに対応したアプリ:
Build 2016 で発表したように (英語)、間もなく所定の Web サイトをブラウザーではなくアプリにリダイレクトして開けるようになります。現在、この機能をサポートするアプリはまだ提供されていませんが、これに先駆け、[Settings]、[System] の下に [Apps for websites] の設定ページを新たに追加しました。このページでは、Web サイト対応アプリを管理することができます。詳細については今後の発表にご注目ください。

Feedback Hub を改良:
皆様から、フィードバックを送信するときにどのカテゴリが適切か判断に迷うことがあるというご意見が寄せられていました。これを受け、新しいフィードバックの作成時に、皆様が入力したタイトルと本文の内容に基づいてカテゴリとサブカテゴリを提案する機能を Feedback Hub に実装しました。提案されたカテゴリが適切であることを確認してクリックすると、必要な項目が入力されます。こうして皆様のご意見が、適切なエンジニア チームにすばやく届くようになります。

PC 向けビルドで修正された問題点

  • プレビュー版のデスクトップ アプリ コンバーター (Project Centennial) が実行できない問題を修正しました。現在は Windows の Enterprise エディションおよび Pro エディションのどちらでもコンバーターを実行できます。本日これからリリースされるすべての機能強化を活用するには、こちら (英語) から最新のコンバーターと基本イメージをダウンロードする必要があります。
  • Tencent のオンライン ゲームが Development Branch の最新ビルドで動作しない問題を修正しました。
  • DRM で保護されているコンテンツを Groove ミュージック、Microsoft 映画 & テレビ、Netflix、Amazon ビデオ、Hulu などのサービスで再生できず、0x8004C029 または 0x8004C503 のエラーが発生していましたが、この問題が修正されました。
  •  S/PDIF 接続または HDMI 接続の受信機を通じてオーディオを再生するユーザーが、Dolby Digital Live または DTS Connect などのテクノロジによってリアルタイムのエンコードをサポートするドライバーを使用している場合に、オーディオがクラッシュする問題を修正しました。
  • ロック画面で Cortana を起動するときのアニメーションを改良しました。また、マイクの問題を修正するためのリンクをタップしても不具合が直らない問題を解消しました。
  • 高 DPI のデバイスで、ネットワークのポップアップ ウィンドウ内にある OK ボタンおよびキャンセル ボタンの一部が欠ける問題を修正しました。
  • 指紋認証で既にログインしているにもかかわらず、Windows Hello のメッセージが画面に表示されることがある問題を修正しました。
  • 任意のアプリで 260 文字を超える URL を持つリンクをクリックすると、既定のブラウザーが起動せず [Open with…] ダイアログが表示される問題を修正しました。
  • フォト アプリ内でマウスを使用しているときに発生していた、ズーム中の写真を移動できない問題と、トリミング範囲を調整できない問題を修正しました。
  • 刷新された UAC UI でも、キーボード ショートカット Alt + Y によって [Yes] を選択できるようになりました。
  • 資格情報 UI が新しくなり、ユーザー名フィールドおよびパスワード フィールドへの貼り付けがサポートされます。
  • 各設定ページを示すアイコンのデザインを改良しました。特にバッテリー アイコンは、他のアイコンとの統一性を考慮して変更されています。
  • アクション センターのデザインを改良し、DPI が 175% に設定されている場合にタスク バーのアイコンが正しく表示されない問題を解消しました。
  • 縦向きが標準のデバイス (Dell Venue 8 Pro) で画面スケッチを使用しているときに画像が 90° 回転してしまう問題を修正しました。また、画面スケッチで画像をトリミングする際のエクスペリエンスも改良されています。
  • タスク バーからポップアップ表示される時計とカレンダーのウィンドウで 24 時間形式を選択したにもかかわらず、スケジュールの項目が 24 時間形式ではなく 12 時間形式で表示され、特定の項目が 12 時間経つと無効になってしまう不具合を修正しました。
  • タスク バー上で日付と時刻の部分を 2 回クリックすると、時計とカレンダーのポップアップ ウィンドウが消せなくなる問題を修正しました。
  • 「場所の設定」の通知を更新し、通知のどこをタップしても既定の場所を設定できるようにしました。
  • UWP アプリで一部のキーボード ショートカット (CTRL + C、CTRL + V、ALT + Space など) が機能しない問題を修正しました。
  • タブレット モードでバッテリー アイコンをタップしても、バッテリーのポップアップ ウィンドウが表示されない問題を修正しました。
  • スタートのナビゲーション ウィンドウで要素をクリックすると、目的のアプリではなくストアが表示されることがある問題を修正しました。
  • バックグラウンドのオーディオ タスクがボリューム コントロールに表示されることがある問題を修正しました。
  • IME の設定ウィンドウに、入力履歴をクリアするオプションを追加しました。
  • クイック アクセスにピン留めされたフォルダーにアドレス バーを使ってアクセスした後、そのフォルダー内のファイルを操作しようとすると、エクスプローラーが誤ってクイック アクセスに移動する問題を修正しました。
  • Xbox アバター アプリのアバターを Cortana と共有すると、Cortana がクラッシュする問題を修正しました。
  • 言語設定ページの検索ボックスが機能しない問題を修正しました。
  • Norton Antivirus や Norton Internet Security といった Symantec 製品が原因となって PC でブルー スクリーン (バグ チェック) が表示される問題を解決しました。

 

 PC 向けビルドの既知の問題

  •  Feedback Hub はローカライズされておらず、言語パックがインストールされている場合でも UI は英語 (米国) でのみ表示されます。
  • 今回のビルドにアップグレードした後、スタートから Feedback Hub を起動すると、ダウンロードと事前構成に約 20 ~ 30 分かかります。[All apps] から Feedback Hub を起動すると、アプリの事前構成が自動的に実行されます。
  • Norton Antivirus や Norton Internet Security といった Symantec 製品が原因となって PC でブルー スクリーン (バグ チェック) が表示されます。
  • Tencent の QQ アプリがクラッシュします。この問題は現在修正中です。
  • 英語以外のキーボードでは Bash のプロンプトを使用できません。
  • 一部の言語で Insider Preview ビルドを実行している場合にスタートの [All apps] リストの内容が表示されません。この問題については現在調査を進めています。アプリケーションを検索してから起動すると、この問題を回避できます。
  • アプリで新しい絵文字を使用すると、空白の四角形として表示されることがあります。この問題については現在対応中で、将来のビルドで修正される予定です。
  •  5 月 19 日追記: Intel HD Graphics 3000 または Intel HD Graphics 2000 の GPU を使用している場合、Microsoft Edge のレンダリングに関する問題が発生し、不安定になることがあります。この問題は、GPU レンダリングに代わってソフトウェア レンダリングを使用することで、一時的に軽減できます。ソフトウェア レンダリングを使用するには、[Internet Options]、[Advanced Settings] の順に移動し、[Use software rendering instead of GPU rendering] を有効にしてください。

その他の注意点

このたび Wi-Fi センサー機能を廃止しました。Wi-Fi センサーとは、連絡先に登録したユーザーと Wi-Fi ネットワークを共有でき、また、共有されたネットワークに自動的に接続できる機能です。この機能を維持するためにはコードを更新する必要がありましたが、ニーズも利用率も伸び悩んでいたため、これ以上投資するメリットはないと判断しました。Wi-Fi センサーが有効化されている場合は引き続き、クラウドソーシングを通じて認識されたオープンな Wi-Fi スポットに接続されます。

いつも Windows Insider Program にご協力くださりありがとうございます。今回のビルドで問題が発生した場合には、Feedback Hub (英語) からフィードバックをお寄せください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
Gabe Aul