※本ブログは「Windows as a service: Simplified and Aligned」の抄訳です。
4 月にお知らせしたように、マイクロソフトではサービスモデルを整理することになりました。これにより、機能更新プログラムのリリースは 3 月と 9 月の年 2 回を目標に行われ、各リリースのサポート期間は 18 か月となります。足並みを揃えたリリースの第 1 回目となるのが、今年後半に予定されている Windows 10 Fall Creators Update とこれに対応する Office 365 ProPlus のリリースです。ただし、半年ごとのリリース自体は、ひと足早く Windows 10 1703 (Creators Update) から採用されており、今後はこれを含めたバージョンがそれぞれ 18 か月間サポートされることになります。
Windows 10 と Office 365 ProPlus のリリース スケジュールを統一するにあたり、サービス提供モデルをよりわかりやすいものにするために、共通の用語を使用することになりました。最も重要な用語として、以下の 2 つをご紹介します。
- Semi-Annual Channel: 年 2 回、3 月と 9 月を目標として機能更新プログラムをリリースするチャネルです。社内の汎用 PC を利用している広範なユーザーを対象としています。各バージョンは、リリース日より 18 か月間サポートされます (これまで Current Branch (CB)、Current Branch for Business (CBB) と呼ばれていたものが、Semi-Annual Channel となります)。
- Long-Term Servicing Channel: より頻度が低く、2 ~ 3 年おきにリリースされるチャネルです (次回は 2019 年に予定されています)。POS システム、工場の管理、医療機器の制御など、特定の目的を持った PC を対象としたものです。各バージョンは、リリース日より 10 年間サポートされます (これまで Long-Term Servicing Branch (LTSB) と呼ばれていたものが、Long-Term Servicing Channel となります)。
マイクロソフトでは Semi-Annual Channel の機能更新プログラムが完成すると、まずこれを一部のコンシューマー デバイスに展開した後、収集したテレメトリ情報を参照しながら、さらに広範囲の展開へと段階的に移行するという方法を採用しています。Windows Experience ブログの記事 (英語) で John Cable も述べていますが、各企業の皆様にも同様の手順を踏まれることをお勧めします。まず一部のデバイスに導入して、社内で使用中のアプリ、デバイス、インフラストラクチャがこの新しいバージョンで問題なく動作するかを検証し、問題がないことを確認した後に導入範囲を拡大することをご検討ください。
Windows 10 1703 については、実際に企業、ISV、パートナー、OEM、一般ユーザーの皆様に導入していただき、そのフィードバックが反映されているため、既に全面的に導入していただける状態になっています。マイクロソフトでは全面的な導入をまだ始めていない皆様のために、ボリューム ライセンス サービス センター、MSDN、Windows Update、Windows Update for Business、および Windows Server Update Services で提供する Windows 10 1703 のパッケージや ISO を更新して、オリジナルの Windows 10 1703 パッケージに 7 月の累積更新プログラムを統合しました。
共通で使用する用語の詳細については、対応する Office 365 ProPlus のサービスの説明をご確認ください。また今回、このサービス提供モデルについてご説明するために、Microsoft Mechanics から新たな動画を公開しました。ぜひ、こちらもご覧ください。
リース日程やサポート期間が事前にわかるこの提供モデルを採用するのに伴い、Windows 10 の各バージョンについてサポート期間終了の予定日をお知らせすることになりました。この情報は、Windows ライフサイクルのファクト シートに掲載されます。「更新プログラムと Service Pack」セクションの表を見ると、Windows 10 の各バージョンの提供開始日とサポート終了予定日が確認できます。
Windows as a Service は継続的なサービスであるため、新たなバージョンが登場すれば、古いバージョンは廃止される運命にあります。現在は多くのお客様が、Windows 10 1703 のパイロット導入を経て、全面的な導入へと移行しています。その一方で、Windows 10 1511 のサービス期間が 2017 年 10 月 10 日をもって終了するため、それが残っている PC の更新作業に追われているお客様も少なくありません。
Windows のサービスモデルに合わせたプロセスを実施しようとお考えの企業の皆様には、次のような 3 つの主要フェーズから成るプロセスをお勧めします。
- 計画と準備: Windows Insider Program を利用して、Windows 10 の新機能開発の動向をフォローする (新機能の導入に備える) と共に、互換性評価を行って問題点や懸念点があればフィードバックを提出します。
- 範囲を限定した導入: Semi-Annual Channel の機能更新プログラムがリリースされたら、直ちに一部のマシン (一般的には全体の 10% 程度が目安) を対象とした限定的なパイロット導入を開始して、アプリケーション、デバイス、インフラストラクチャの互換性を評価します。
- 全面的な導入: パイロット導入の結果が良好なら、社内への全面的な導入を開始します。全面的な導入に着手するまでに長期間かかる企業もあれば、すぐに取りかかれる企業もあるでしょう。いつ踏み切るかは皆様の判断しだいです。
このサイクルは 6 か月ごとに繰り返され、Semi-Annual Channel のリリース後、次の Windows Insider Preview ビルドが最初に発表されたタイミングで、新たなサイクルが始まります。まさに、継続的な取り組みが必要となります。
マイクロソフトでは、皆様に Windows as a Service のモデルに合わせたプロセスを実施していただけるように、さまざまなツールを用意しています。Windows Analytics では機能更新プログラムの導入プロセスをわかりやすく提示し、Ready for Windows では Windows 10 をサポートしている ISV アプリをご紹介しています。Microsoft Edge や Internet Explorer のエンタープライズ モードでは、最新の Web アプリと従来の Web アプリを同時にサポートできます。また、System Center Configuration Manager や Microsoft Intune では、企業での展開や導入を簡単に管理できるほか、アプリケーションの包括的な互換性を高めることができます。さらに支援が必要な場合は、Microsoft FastTrack (英語) をご利用ください。