2018年9月20日 7:41 AM

Microsoft Dynamics 向けの AI と Mixed Reality (複合現実) の新たなビジネス アプリを発表

※本ブログは、米国時間 9/18 に公開された”Announcing new AI and mixed reality business applications for Microsoft Dynamics” の抄訳です。

今回私は、サンフランシスコで報道関係者やアナリストの皆様に向けて、マイクロソフトのビジネス アプリケーションのビジョンについてお話をする機会に恵まれました。また、間もなくリリースされる、複数の新しい Dynamics 365 AI アプリケーションと、世界初の Mixed Reality ビジネス アプリケーション (「Dynamics 365 Remote Assist」と「Dynamics 365 Layout」) という 2 点の重要な発表を行う大役も務めさせていただきました。

マイクロソフトのビジネス アプリケーションのビジョン

ネットワークにつながった今日の世界で、企業は日々イノベーションを生み出すための課題に直面しています。どの企業も新しいトレンドの一歩先を行き、ビジネス モデルを再編することで、新たなチャンスを活かし、増大するお客様のニーズに応えようとしています。

イノベーションを生み出すには、企業内のプロセスを再構築する必要があります。最新のソリューションによって新たなエクスペリエンスを実現し、お客様との関係を構築したり、従業員の生産性を高めたりすることが重要です。統合システムによってデータを連携させれば、ビジネス、お客様、従業員について包括的に把握できます。プラットフォーム全体に張り巡らされたインテリジェンスを活用すれば、データに解釈を加えて傾向を予測し、先回りしてスマートに対応することができます。適応性の高いアプリケーションがあれば、新たなビジネス チャンスが訪れたときに俊敏に対応することもできます。

2 年前に Dynamics 365 を発表したとき、マイクロソフトには、従来の顧客関係管理 (CRM) とエンタープライズ リソース プランニング (ERP) の間にあった壁を取り払うという目的がありました。まず、ビジネス アプリケーションを再考することから始め、適応性の高いインテリジェントな最新の統合ソリューションとして再構成しました。そして、Office 365 に統合し、Microsoft Azure 上に構築しました。

今回の新しい AI アプリケーションと Mixed Reality アプリケーションがリリースされれば、地球上のすべてのお客様がより多くのことを達成できるように支援するというマイクロソフトの取り組みが、ビジネス アプリケーションという「アクセル」によってさらに加速します。それでは、今回の 2 つの発表について詳しくご説明しましょう。

Dynamics 365 と AI

1 つ目の発表は、新しい Dynamics 365 AI サービスが間もなくリリースされることです。この新たな AI アプリケーションは、一元化されたデータと高度なインテリジェンスを統合してすぐに利用できるインサイトを提供します。これを利用することで、より適切な意思決定が可能になり、十分な情報に基づいてアクションを起こせるようになります。これらのインサイトは Microsoft Power BI、Azure、Common Data Service で簡単に拡張できるため、それぞれのビジネスに固有の非常に複雑なシナリオにも対処できます。

Dynamics 365 AI for Sales: AI の活用によって、営業担当者がより重要な活動に時間をかけられるようにします。また、AI によって、営業チームの成績を左右するよくある問題を解消したり、営業パイプラインを詳細に分析したり、営業チームのコーチングに活かせるインサイトを得られるようにします。

Dynamics 365 AI for Customer Service: マイクロソフトの AI と自然言語認識機能を活用することで、カスタマー サービスのデータからインサイトを自動生成し、担当者が適切に対応できるよう支援します。また、バーチャル エージェントも活用できるようにし、サポート関連コストの削減とカスタマー エクスペリエンスの向上を促進します。いずれも AI のエキスパートを社内に配置する必要がなく、コーディングも必要ありません。

Dynamics 365 AI for Market Insights: マーケティング、ソーシャル メディア、市場リサーチの各チームが市場に関するインサイトを活用して、より的確な意思決定を下せるよう支援します。マーケティング担当者は、Web やソーシャル メディアに関するインサイトを活用して顧客とのより良い関係を構築し、適切にやり取りしたり、変化にすばやく対応したりできるようになります。

こうした機能を実際にご覧いただけるよう、ビデオをご用意しました。このビデオでは、マイクロソフト CEO の Satya Nadella と Dynamics 365 エンジニアリング チームの Navrina Singh が、カスタマー サービス部門での AI の活用事例を紹介しています。

動画はLinkedin上で再生されます

Dynamics 365 と Mixed Reality

2 つ目の発表は、Mixed Reality とビジネス アプリケーションの統合に関するマイクロソフトの取り組みが中心です。

Microsoft HoloLens を 2 年前にリリースして以来、お客様やパートナー様から多くのことを学んできました。ビジネス界からの評価はポジティブなものが圧倒的に多く、世界中の革新的な企業において、HoloLens の需要が高まり導入が進んでいる状況からも、好調な滑り出しだったことが伺えます。

従業員の多くは知識や技能を応用する際に、その場の状況を把握できる情報を必要としています。2 次元の画面上に表示されるデータだけではなく、状況を理解できる情報を適切な場所と適切なタイミングで入手できれば、従業員はこれまで以上に優れた成果を生み出すことができます。まさにそれを叶えるテクノロジが Mixed Reality です。 これによってビジネス アプリケーションはまったく新しいものに生まれ変わります。それが今回発表する「Dynamics 365 Remote Assist」と「Dynamics 365 Layout」です。

この記事では、HoloLens を導入して、Dynamics 365 Mixed Reality ビジネス アプリケーションを活用している Chevron の事例も初めてご紹介します。

同社は既に HoloLens をグローバルに展開して、実際に大きな成果を上げています。以前は、検査担当者が月に 1 回はヒューストンからシンガポールの施設へと出張し、設備の点検を行っていました。現在では、Dynamics 365 Remote Assist を使用して検査と同時に問題の特定や承認を迅速に行っています。 さらに、リモートでのやり取りやサポートによって、作業環境が改善され、安全性が向上しました。

最前線で働く従業員とリモートのエキスパートとの連携が強化され、従業員の出張に伴う費用やリスクが削減されました。 Mixed Reality を活用した Chevron での業務のようすをぜひご覧ください。

Dynamics 365 の 2018 年 10 月リリースの新機能

米国フロリダ州オーランドで来週開催される Microsoft Ignite (英語)Microsoft Envision (英語) では、数千人のお客様、パートナー様、開発者様、IT ビジネス リーダーの皆様に向けて、Dynamics 365 と Power Platform の 2018 年 10 月リリースの情報をお届けします。これらの新しいサービスや機能は、10 月 1 日に一般提供が開始されます。製品ファミリ全体にわたってたくさんのイノベーションが活用され、数百の新機能が追加されています。
今後数週間、数か月のうちに、さらに多くの情報をお伝えできると思います。どうぞお楽しみに!