2018年10月5日 5:16 AM

Mixed Reality (複合現実) と Dynamics 365 が 1 つに

※本ブログは、米国時間 10/1 に公開された”Bringing mixed reality and Dynamics 365 together” の抄訳です。

Bringing mixed reality and Dynamics 365 together

皆様、こんにちは。

たくさんの方々にこの記事を読んでいただければ幸いです。マイクロソフトにおける Mixed Reality への取り組みに期待を寄せてご協力くださっている皆様、Dynamics 365 ブログの新しいホーム ページへようこそ。初めましての皆様には、マイクロソフトの Mixed Reality ビジネス アプリケーション開発に携わる全スタッフを代表してごあいさつ申し上げます。

私はマイクロソフトで Mixed Reality ビジネス アプリケーション担当エンジニアリング ゼネラル マネージャーを務めている Lorraine Bardeen です。ビジネス アプリケーション グループの James Phillips の下で世界トップ クラスのエンジニアリング チームを率い、Mixed Reality を世界中のお客様にお届けするために尽力しています。

Mixed Reality の事業に携わって 6 年以上になりますが、今でもお客様、パートナー様、開発者の皆様と協力し、Mixed Reality でイノベーションを生み出したり現実の問題を解決したりできることに毎日ワクワクしています。Mixed Reality を活用すれば、状況に即してデータを理解すること、ワークフローを簡素化して人間の能力を拡張することができます。これにより、従業員が効率化を実感できると共に、企業はさらなる発展を遂げ、だれもがモダン ワークプレースに参加できるようになります。

本日、Mixed Reality ビジネス アプリケーション チームは重要な節目を迎えました。世界初の Mixed Reality ビジネス アプリケーション「Dynamics 365 Remote Assist」と「Dynamics 365 Layout」の一般提供が正式に開始されたのです。

大きな一歩を踏み出したことを記念し、この記事では Mixed Reality と Dynamics 365 を統合した理由、世界初の Mixed Reality ビジネス アプリケーションの機能、そして既に導入済みのお客様の事例をご紹介したいと思います。

Mixed Reality と Dynamics 365 を統合した理由

数週間前、サンフランシスコで報道関係者やアナリストの皆様に向けてマイクロソフトの Mixed Reality ビジネス アプリケーションについてお話しする機会に恵まれました。その際、Alysa Taylor がビジネス アプリケーションに関するマイクロソフトのビジョンについて語り、私からは特に Mixed Reality についてお伝えしました。中でも Mixed Reality と Dynamics 365 を統合した理由については重点的にご説明したので、この記事でも簡単に触れたいと思います。

Dynamics 365 を活用するお客様は、適応性の高いインテリジェントな最新の統合ソリューションを活用してビジネス プロセスを再構築しています。組織内の膨大なデータを統合し、従業員に最新のツールを提供してより効果的に業務を進められるよう支援しています。工場とフィールド サービス担当者、患者と医療機関、店舗従業員とサプライ チェーンなど、両者の間の壁を取り払い、お客様、製品、従業員、そしてデータをこれまで以上に緊密に連携させています。Mixed Reality は、こうしたソリューションにまったく新しい機能をもたらします。

従業員は知識や技能を応用する際に、その場の状況に即した情報を必要としています。2 次元の画面上に表示されるデータだけではなく、状況を理解できる情報を適切な場所と適切なタイミングで入手し、ハンズフリーで扱うことができれば、従業員はこれまで以上に優れた成果を生み出せます。マイクロソフトでは、それを叶える Mixed Reality ビジネス アプリケーションと Dynamics 365 の基盤である Common Data Service を統合することに注力してきました。そうすれば、価値の高いデータをワークフロー全体と結び付けて企業で最大限に活用できるようになると考えたからです。

Dynamics 365 Remote Assist の一般提供開始

今回 Dynamics 365 Remote Assist が正式にリリースされたことで、ファーストライン ワーカーの喫緊のニーズや満たされていないニーズに対応できるよう支援するための取り組みがまた一歩大きく前進しました。ファーストライン ワーカーとは、企業とサービス、企業と製品をつなぐ最初の窓口であり、世界で 20 億人以上がその役目を担っています。多くの場合、お客様に最初に接し、企業ブランドを代表する最初の存在となり、問題に取り組む場面に最初に居合わせるのは、このファーストライン ワーカーです。

Dynamics 365 Remote Assist では、ヘッドセットによってハンズフリーでビデオ通話、注釈付け、ファイル共有を行えるため、技術者と遠隔地のエキスパートがリアルタイムに問題を解決できます。問題を正確に特定して対処できるため、高額の出張費を節約できると共に、業務の効率性も向上します。

企業にとっては、Azure Active Directory をはじめとする業界トップ クラスの ID 管理およびセキュリティ対策によって通信の安全性を確保できるというメリットもあります。また、Common Data Service を使用することで、Dynamics 365 Field Service の作業指示データを現場で活用できるようになります。

従業員を支援し、より円滑な共同作業によって問題解決を図るための新たな手法を模索しているビジネス意思決定者にとって、Dynamics 365 Remote Assist は理想的なアプリケーションです。説明はこのくらいにして、Microsoft Dynamics 365 Remote Assist を実際に使用しているようすをご覧に入れましょう。

Dynamics 365 Layout の一般提供開始

また今回は、Dynamics 365 Layout も正式にリリースされ、部屋のレイアウトを実際のスケール感で視覚化できるソリューションをお客様やパートナー様にお届けできるようになりました。Dynamics 365 Layout では、提案されたレイアウトを物理空間や仮想現実で視覚化し、自由に歩き回ることができます。関係者と共にリアルタイムに確認、変更できるため、時間とコストの節約になります。3D モデルを移動したり、サイズを変更したり、回転させたりして、その場でレイアウトを編集できます。Dynamics 365 Layout をどのように活用できるのか、以下のビデオでお見せします。

 

Mixed Reality ビジネス アプリケーションの活用事例

この 2 つの Mixed Reality ビジネス アプリケーションは、約 4 か月前にパブリック プレビュー版がリリースされており、以来多くの企業の皆様にご協力いただき、たくさんの学びを得ることができました。その一部をここでご紹介したいと思います。

ZF Group

Remote Assist と Layout の実際の活用例を見るには、ドイツのフリードリヒスハーフェンに本社を置く自動車部品メーカー ZF Group の事例が最適です。同社は早期導入パートナーとして、この数か月間ご協力くださいました。どちらのアプリケーションもまだプレビュー段階でしたが、日常業務に利用していただいたうえで、製品の完成度を高めるためのご意見を伺いました。マイクロソフトは、お客様のご協力の下で開発を進めるにあたり、単にアプリケーションの品質を高めることだけでなく、アプリケーションによってファーストライン ワーカーを支援するためにはどうしたらよいかという観点を重視しました。

ZF Group がどのようにマイクロソフトの Mixed Reality ツールを活用しているのか、こちらのビデオ (英語) をご覧ください。

Chevron

同社は既に HoloLens をグローバルに展開して、実際に大きな成果を上げています。以前は、検査担当者が月に 1 回はヒューストンからシンガポールの施設へと出張し、設備の点検を行っていました。現在では、Dynamics 365 Remote Assist を使用して検査と同時に問題の特定や承認を迅速に行っています。さらに、リモートでのやり取りやサポートによって、作業環境が改善され、安全性が向上しました。最前線で働く従業員とリモートのエキスパートとの連携が強化され、従業員の出張に伴う費用やリスクが削減されました。

Chevron が Microsoft Dynamics 365 Remote Assist と Microsoft HoloLens をどのように展開しているのか、以下のビデオでご確認ください。

Mixed Reality への取り組みはまだ始まったばかりです。今後数か月のうちに、さらに多くの情報をお伝えしてまいります。私個人もたくさんの情報をお届けできることを楽しみにしています。

いつものお願いではありますが、Mixed Reality の利用に関するアイデアがありましたら、ぜひ私の Twitter アカウント (@lorrainebardeen) 宛にお送りください。

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