2019年11月13日 7:22 AM

新しい Microsoft Edge と Bing のご紹介

※本ブログは、“Introducing the new Microsoft Edge and Bing”の抄訳です。

ビジネス向けのブラウザーと検索エンジン

Laptop displaying Microsoft Bing

マイクロソフトのミッションは、人々が Microsoft 365 を使ってナレッジを有効活用できるように支援することです。インターネットは、このミッションを達成するための重要なカギとなります。PC を利用している時間の 60% が Web ブラウザーを開いている時間だというデータがあります。このことからも、ブラウザーが今日の私たちの仕事、学習、遊びの主要ツールとなっていることがわかります。インターネットは日常的で実用的なものとなり、私たちは日々息をするようにインターネットを利用しています。しかし、普及が始まって 20 年が経過した今でも、インターネットをめぐる課題や障害がなくなったわけではありません。たとえば、次のような疑問が頭をもたげることがあります。

  • ネット サーフィンをしている間、私たちのデータやプライバシーは安全に保護されているのか。
  • Web 検索と同じように、ブラウザーや検索エンジンを使って、給与明細や同僚のオフィスの所在地を確認したいのに、なぜ職場で社内情報を簡単に検索できないのか。
  • Office 365 のような使い慣れたツールを使って Web をシームレスに活用できたら、研究や他のユーザーとのコラボレーションが効率化するのではないか。

マイクロソフトは、個人的な利用かビジネスでの利用かを問わず、IT 管理者も Web 開発者も、より優れた Web エクスペリエンスを求めていると考えています。今回の記事では、ビジネス パーソンに的を絞り、マイクロソフトの新しいビジネス向けのブラウザー Microsoft Edge と検索エンジン Microsoft Bing をご紹介します。

マイクロソフトが対応できる完成度の高いソリューションを提供することで、今日の Web 検索で発生している問題を解決するこれまでにないチャンスだと考えています。Bing の Microsoft Search を使ってインターネットとイントラネットを結び付ければ、1 回の閲覧や検索のエクスペリエンスによって、より多くの重要なデータにアクセスできるようになります。既定で有効になる強力なプライバシー保護機能に加え、Web パーソナライゼーションにも引き続き対応しています。優れた Web リサーチから Microsoft Office アプリケーションに直接移動できるため、より効率的です。

本日発表した新しい Microsoft Edge のロゴは、マイクロソフトがもたらそうとしている「イノベーションの波」を表すデザインになっています。

Animation of new Edge logo

職場の生産性を向上させるチャンス

職場における大きな問題の 1 つは、社内イントラネット上にあることがわかっている社内の情報を見つけにくく、アクセスが容易でないことです。皮肉なことに、イントラネットよりずっと規模の大きいインターネットで情報の断片を見つける方が簡単なのです。社内イントラネットでは、給与明細ポータル、職場へのペット同伴ポリシー、同僚のオフィスの所在地のようなシンプルな文書すらなかなか見つけることができません。会社情報の容量はテラバイト級、ペタバイト級、さらにはゼタバイト級にまで増え続けるので、事態は深刻になるばかりです。このよくある課題について検証した McKinsey & Company の調査報告書によると、従業員は所定の場所にあるはずの情報を検索するのに業務時間のおよそ 20% を浪費しています1。週あたり丸 1 日が無駄になっている計算ですが、もしこの時間を有効に使えれば、仕事で生産性を上げたり、家族とゆっくり過ごす時間を取ったりできるはずです。

IT 管理者にとって、最新の Web ツールの管理には手間も費用もかかります。ほとんどの企業は、最新の Web サイトと従来の Web サイトの互換性を最大限に高めるために、すべての主要デバイス プラットフォームで最低 2 つのブラウザーをサポートする必要があるからです。Ponemon Institute の 2019 年の調査によると、データ侵害の平均被害額は 392 万ドルです2。マイクロソフトでは、IT 管理者向けにセキュリティと管理を簡素化できると見込んでいます。そこで、企業の従業員とIT 管理者の方々の管理性、安全性、生産性を向上させるために、以下を発表します。

  • Windows と macOS を対象に、新しい Microsoft Edge のリリース候補版のダウンロード提供を開始します。一般提供開始は2020 1 15 日を予定しています。このリリース候補版は 90 言語以上をサポートします。Microsoft Edge は、Google の Chrome ブラウザーと同じ Chromium Web エンジンを採用しており、業界最高レベルの Web 互換性とパフォーマンスを実現します。
  • Bing の Microsoft Search の新しいエクスペリエンスでは、社内情報の検索にかかる時間が短縮されます。たとえばユーザーを検索する場合、アドレス バーに自然言語で相手の役職チーム名オフィス所在地などを入力します。オフィス所在地を検索すると、行き方がわかる間取図も表示されます。会社の略称を調べたり、豊富に蓄積された Q&A を利用して社内情報を見つけたりできます。

Bing user interface

  • エコシステム パートナーである Accenture、BA Insight、Raytion の 3 社と連携して、本日より Microsoft Graph コネクタ プレビュー プログラムを開始いたします。これにより、Microsoft 365 のお客様の Microsoft Search の利用を拡大します。2020 年上半期には、Salesforce.com、ServiceNow、Box を含む 100 以上のコネクタを追加します。コネクタは Microsoft Search を通じてより多くの情報を従業員に提供します。

Logos of ecosystem partners

  • Bing Microsoft Search に、スマートフォンから簡単にアクセスできるようになります。ナレッジ ワーカーは、外出先でも会社の情報を検索できます。

Bing on a mobile device

  • Microsoft Edge に新しい追跡防止機能が実装されます。ユーザーはだれが自分のデータにアクセスできるのかを把握し、自分が共有する情報を制御できる必要があります。Microsoft Edge では、起動時に既定で追跡防止機能がオンになるため、何もしなくても最初からプライベートな閲覧エクスペリエンスを得られます。SmartScreen と追跡防止機能を組み合わせることで、フィッシング、悪意のあるソフトウェア、クリプトジャッキングのような新種のマルウェアからユーザーを保護することができます。Microsoft Edge と Bing では、Web エクスペリエンス全体で新たに実装された InPrivate モードを利用できます。InPrivate モードでは、ユーザーのオンライン検索や閲覧の履歴が残らないため、個人データをより制御できます。

Privacy UI in Edge

  • コレクションを始めとする新機能は、Microsoft Edge プレビュー ビルドの一部として提供されます。コレクションを使用すると、Web コンテンツを容易に収集し、リサーチ結果を整理して、その内容を Word や Excel にエクスポートすることで、これらのアプリケーションを活用した情報の分析やコラボレーションを行えるようになります。

Collections in Edge

IT 管理者向けに、3 つの新機能を発表します。

  • Microsoft FastTrack 展開プログラムが拡張され、2020 年第 1 四半期中新しい Microsoft Edge を展開できるようになります。
  • App Assure (英語) プログラムが拡張され、2020 年第 1 四半期中には Microsoft Edge も対象となります。Internet Explorer 11、Google Chrome、現在のバージョンの Microsoft Edge に対応したサイトは、新しいバージョンの Microsoft Edge でも動作します。万が一動作しない場合は、追加料金なしで問題解決をお手伝いいたします。このような保証を提供しているのは、マイクロソフトだけです。
  • 新しい Microsoft Edge 向けに新しいセキュリティ ベースラインが導入されます。セキュリティ ベースラインは、関連セキュリティ チームが推奨する事前構成済みのセキュリティ設定と既定値を含んだグループです。Microsoft Edge の最初のセキュリティ ベースラインは現在プレビュー版です。これを利用することで、IT プロフェッショナルは、セキュリティとコンプライアンスのポリシーの出発点となる推奨事項をすばやく簡単に確認できます。今回の発表は、Microsoft Edge を管理し、そのセキュリティを保護するマイクロソフトの包括的なアプローチに基づいています。Microsoft Edge は、IT プロフェッショナルが既に使用しているお馴染みのコア セキュリティ アーキテクチャを採用しています。

本日は、来年 1 月に予定されている企業ユーザー向け Microsoft Edge と Bing の正式リリースに向けた重要な節目の日となります。年明けには開発者向けに、春にはコンシューマー向けに、チャンスを拡大する方法についてお伝えする予定です。Web をさらに有効活用するための新しいソリューションにご期待ください。

1「The social economy: Unlocking value and productivity through social technologies (ソーシャル エコノミー: ソーシャル テクノロジを活用して価値を創造し生産性を発揮する)」、McKinsey Global Institute

2「Cost of a Data Breach Report 2019 (2019 年版情報漏えいのコストに関するレポート)」、Ponemon Institute