開発者とエージェントのために ― Build 2026 における Windows 365

※本ブログは、米国時間6月2日に公開された Made for developers and agents, Windows 365 at Build 2026” の抄訳です。
執筆:BhavyaChopra

Build 2026 が開幕し、Windows 365 が大きく取り上げられました。この 1 年間、私たちはクラウド PC を大きく展開している開発者や IT チームの声に真摯に耳を傾けてきました。皆さまからは、新しい開発者をクラウド PC で立ち上げるプロセスはもっと効率化されるべきであり、サインインしたらすぐにコーディングを始められる状態であるべきで、セットアップに何時間も費やすべきではない、というご意見をいただきました。また、コンピューティングの選択肢が重要であり、Web アプリから AI/ML ワークロードまで、あらゆるサービスやアプリを構築する開発チームにとって、画一的なアプローチでは通用しないこともお聞きしました。さらに、エージェントの活用が進んでいる一方で、信頼できるセキュリティ、ID、ポリシーに支えられた、実際にエージェントを実行する「場所」を必要としていることも伺いました。本日、私たちは Windows 365 における開発者およびエージェント機能として、これまでで最大のリリースを発表します。利用頻度が高い開発ツールがあらかじめ構成されたセキュアなクラウド PC、コンピューティング オプションの拡張、法人向け AI エージェントの新しいプラットフォーム、そして強化されたセキュリティと接続性を提供し、あらゆるデバイス上で、どこからでも構築、スケールできるようにします。

すぐに使える状態から始まる開発体験

開発者であれば誰もが経験するはずです。新しいマシン、まっさらなイメージ ― そして 1 行のコードを書く前に、セットアップで失われる時間。この軋轢は、オンボーディング、プロジェクトの切り替わり、リフレッシュのたびに繰り返されます。私たちは、すぐにコーディングを始められる、ready-to-code な Windows 365 クラウド PC、強化されたイメージ管理、柔軟なカスタマイズによって、この課題を解決し、開発者ができる限り早くコーディングに取りかかれるようにします。

Microsoft Dev Box がメンテナンス モードに移行したことに伴い、開発者環境をクラウド PC 上で標準化することを検討しているチームにとって、Windows 365 が Microsoft における将来を見据えた選択肢となります。これは、開発者の生産性、AI ワークロード、エンタープライズ規模での運用に重点を置いたロードマップに基づいています。

Windows 365 が Windows 11 開発者構成イメージをサポート(パブリック プレビュー):Visual Studio Code、Git、GitHub CLI、Python、Node.js、Windows Subsystem for Linux (WSL) など、開発者が使い慣れているツールがあらかじめ構成され、最初のサインインからすぐにコーディングを始められる環境を提供します。開発者は、Windows と Linux (WSL 経由)、ローカルとクラウド、そして AI ワークロードを、同じ起点から横断的に扱うことができます。

動画キャプション:クラウド PC 上で GitHub のリモート機能を有効にすると、この動画でご紹介しているように、実行中の CLI セッションをローカル デバイスなど別のエンドポイントから監視・管理できます。

これを基盤として、Autopilot によるデバイスの準備が Windows 365 で利用可能になりました。これは、ユーザーがサインインする前に、Microsoft Intune を通じて、クラウド PC へアプリやスクリプトのインストールを自動化することを意味します。これにより、手動セットアップなしで、すぐに使える、要件に準拠した環境を確保できます。近日のプレビューから提供される予定の機能では、必要な SDK、CLI、パッケージ、ビルド ツール、リポジトリ、オンボーディング ワークフローの構成など、プロジェクトのニーズに合わせて、クラウド PC 環境を調整できる拡張カスタマイズ機能を導入します。これらはすべて、法人のガードレール内に収まりながら、開発者がすぐに生産性を発揮できるようにするものです。加えて、Azure Compute Gallery のサポートが一般提供を開始しました。これにより、組織はカスタム イメージを Azure Compute Gallery に保存・管理し、Windows 365 にインポートしてクラウド PC を作成できます。

AI を活用したアプリを構築する開発者向けに、一部の言語モデル (LM) が Windows 365 クラウド PC 上で直接実行できるようになり、この「すぐにコーディングを始められる」体験が高度なワークロードにも拡張されます。これにより、開発者はクラウド PC のコンピューティングを使って、LM を活用したアプリケーションの構築と反復開発が可能になります。

選べる柔軟なプラン

継続的な Windows 365 ポートフォリオの更新の一環として、Windows 365 Flex(旧称 Windows 365 Frontline)は、共有アクセス環境でも、コスト効率の高い専用環境でも、従業員の働き方に合わせて利用できます。

そして、その柔軟性はコンピューティングの選択肢にも表れます。32 vCPU の Windows 365 クラウド PC が Windows 365 Enterprise および Windows 365 Flex で利用可能になり、ソフトウェア開発、データ モデリング、シミュレーション、AI/ML といったコンピューティング負荷の高いワークロードに対応します。同様に、新しい Windows 365 GPU 選択 プランも提供開始となり、Windows 365 の GPU 対応クラウド PC ポートフォリオを拡張し、既存の Standard、Super、Max プランに加えて、よりアクセスしやすい GPU オプションを開発者に提供します。これらの新機能は、アプリケーション、マルチメディア、ハードウェア アクセラレーションによるグラフィック ワークフロー全体で、スムーズかつ低遅延のビジュアル パフォーマンスを発揮できるよう最適化されており、ビルドやテストのシナリオを加速する手段を、開発者に提供します。すべての GPU 対応クラウド PC は、Windows 365 Enterprise と Windows 365 Flex(共有モードまたは専用モード)の両方で利用できます。

AI エージェントの実行環境 - IT部門の管理下で

AI エージェントが、推論から実行へと移行するなかで、重要な課題となるのが、API だけでなく、法人で利用されるアプリケーションやシステム全体に渡って、エージェントがアクションを実行できるようにすることです。多くの法人におけるワークフローは、依然としてブラウザー、デスクトップ アプリケーション、レガシー ツールに依存しており、エージェントは従来の統合ポイントを超えて動作する必要があります。

Windows 365 for Agents は、本日より一般提供を開始します。エージェントの作り手は、Agent 365 ツールの一部として、または Microsoft Copilot Studio(プレビュー)を通じて、利用できます。これは、実際のビジネス環境内で動作する、セキュア、かつ、適切に管理されたクラウド PC をエージェントの実行環境として利用することで、エンタープライズの AI 自動化を実現します。エージェントは、アプリケーションやブラウザーと直接やり取りし、複数ステップのワークフローを実行し、モダンなシステムとレガシー システムの両方を横断して動作できます。各クラウド PC は Microsoft Entra 参加済みデバイス、Intune 管理化のデバイス、ポリシー適用済みデバイスであり、IT 部門による一貫したセキュリティ、ガバナンス、コンプライアンスのもとで、エージェントをスケールできるよう支援します。Agent 365 がエージェントのセキュリティとガバナンスを担う一方で、Windows 365 for Agents は、パフォーマンスとセキュリティのニーズを支える専用のワークスペースを提供します。

エージェント作成者を支援するよう設計された Windows 365 for Agents は、ノーコードとプロコードの両方のアプローチで構築されたエージェントに対応します。すでに Microsoft 社内のさまざまなエージェント体験を支えており、Researcher におけるコンピューター操作シナリオから、Microsoft Copilot Studio 内の Project Opal に至るまで、エンタープライズでの実用性を実証しています。Microsoft 自身の体験にとどまらず、本プラットフォームはサードパーティ製エージェントもサポートしており、たとえば Simular が提供する Sai のようなパートナー提供の事例も含まれます。この常時稼働の AI 同僚 (AI coworker) は、マウスやキーボードの入力を通じてユーザー インターフェイスとやり取りし、人間と同じように Windows クラウド PC 上でアプリケーションを操作できます。

こちらから、Simular の AI エージェント Sai の実際の動作をご覧ください。

動画キャプション:Windows 365 for Agents を使い、Sai は API を持たない Contoso の保険金請求アプリ上で、夜間の請求処理ワークフローを実行します。Sai はスキャンされた請求フォームを読み取り、主要な項目を抽出し、補償内容を確認したうえで、結果を UI を通じて直接入力します。

セキュアなアクセスと信頼性の高い接続性

開発者は一貫した体験を得られ、エージェントは専用の実行環境で動作し、IT 部門は両者を一元的に制御できます。Windows 365 はこれらの機能を統合し、開発者の生産性と、組織が求めるプロビジョニング、ポリシー適用、コンプライアンス制御を組み合わせます。この基盤の上に、6 月よりパブリック プレビューが始まる Context-based Redirections が、より適応的なデータ保護を追加します。組織は、デバイス管理の状態、ユーザーのネットワークや場所の状態といったコンテキスト シグナルに基づいて、きめ細かいリダイレクト ポリシーを適用し、コンテンツがどのようにアクセス・リダイレクトされるかを制御できます。

接続の信頼性とユーザー体験を向上させるため、冗長な伝送制御プロトコル (TCP) を備えたリモート デスクトップ プロトコル (RDP) マルチパスが一般提供を開始しました(Windows 365 / Azure Virtual Desktop)。これは、クライアントとセッション ホスト間で複数のトランスポート パス (UDP と TCP) を維持することで、接続の回復性を高めます。特に TCP のみ、または UDP が制限された環境において、信頼性の高いパスを動的に選択し、セッションの信頼性と継続性を向上させ、中断を減らすことで、全体的なユーザー体験を高めます。さらに、ソブリン クラウドで利用可能になった Windows アプリのヘルス チェック(一般提供中)は、デバイスの準備状況、ネットワーク接続、ソブリン固有のエンドポイントへの到達可能性を検証する軽量な診断を提供し、政府向けクラウド環境でのトラブルシューティングの迅速化とより信頼性の高い接続を実現します。

共有・管理された利用シナリオ向けには、Windows 365 Flex(共有モード)のスナップショットベースのリセットのパブリック プレビューが始まりました。これは、各ユーザーがサインアウトした後、共有されている Windows 365 Flex クラウド PC を自動的にクリーンな状態に戻す機能です。すべてのユーザーがクリーンなクラウド PC から開始できるため、管理が簡素化され、Windows 365 Flex の共有ライセンス モデルをサポートします。

組織の境界を越えて、Azure Virtual Desktop における外部 ID 向けのユーザー プロファイル管理ソリューションとして Azure Files と FSLogix を利用できるようになり、こちらも一般提供を開始しました。これにより、パートナーやベンダーなどの外部ユーザーに対してセキュアなアクセスを実現します。詳しくは、最新のブログ:Azure Virtual Desktop supports greater application and identity functionality with latest updatesをご覧ください。

今すぐ始めましょう

これらのアップデートにより、Windows 365は新たな段階へと歩みを始めます。セットアップの手間がさらに軽減され、開発者の作業効率が維持されるとともに、チームが環境をまたいでアプリケーションを構築、実行、拡張できるようになるためです。

Microsoft Build 2026 の深掘り

Microsoft Build 2026 の Windows 365 セッションにご参加いただき、今回ご紹介している機能の詳細と実際の動作をご覧ください。Microsoft Build 2026 では、基調講演、ブレイクアウト、ハンズオン ラボ、オンデマンド セッションを通じて、2 日間にわたるコンテンツを提供し、ライブでの参加だけでなく、オンデマンドで視聴することも可能です。こちらから登録して、スケジュールの確認、注目パートナー、見逃せないセッションをご確認下さい。

2026 年 6 月 2 日(火):

2026 年 6 月 3 日(水):

6 月 2 日より提供開始の Build オンデマンド セッション:


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