PC 向けの Windows 10 Insider Preview ビルド 10122 を発表
本ブログは、Blogging Windows ” Announcing Windows 10 Insider Preview Build 10122 for PCs” の抄訳です。
皆様、こんにちは。
このたび、Windows Insider Program の Fast リングを選択されている皆様を対象に、PC 向けの新たなビルド 10122 の提供が開始されました。前回のビルドに比べて安定性と洗練性の面で多少なりとも向上しており、今夏の一般リリースに向けて製品の安定性を強化するための第一歩となるものです。今後、ビルドを重ねるにつれて大幅な機能変更は少なくなり、機能の調整やマイナー チェンジを行って、より安定性が高く洗練された機能へと完成させていきます。これからも、高度なスキルをお持ちの技術者の皆様を対象に、Insider Preview を通じてリリース前のコードを提供してまいりますが、今回のビルドや今後発表されるビルドを利用することで、皆様の日常業務がますます快適に進められるようになるものと確信しています。
【本ビルド 10122 の変更内容】
● スタートと Continuum の改善
今回のビルドでは、数週間前に開催された Build と Ignite の両カンファレンスで Joe がご紹介したように、スタートと Continuum に関していくつかの変更が加えられています。スタートについては、レイアウトがさらに改善されており、[ エクスプローラー ] と [ 設定 ] がスタート メニューの左下に移動し、[ オン/オフ ] や [ すべてのアプリ ] と並んで表示されるようになります。さらに、スタート メニューとスタート画面の切り替え機能が、[ パーソナル設定 ] 設定の新しい [ スタート ] 設定ページに移動しました。これは、デスクトップ、ノート PC、オールインワンなどのさまざまなデバイスにおいて、ユーザーはいったん適切なサイズ (または既定のサイズ) のスタートを選択したら、それをそのまま使い続けることが予想され、このボタンを常に表示しておく必要はないと判断したためです。また、このボタンはスタートのサイズ変更を行うためのものですが、タブレット モードに切り替えるためのものと勘違いされるケースも多々見受けられました。切り替え機能を [ スタート ] 設定に移動することで、こうした混乱が解消されると共に、スタートのトップ画面がすっきりして見やすくなりました。2-in-1 やタブレットをご利用の場合は、タブレット モードを選択していれば Windows 10 のスタートは自動で適切なサイズに切り替わります。また、タブレット モードを選択しなくても、[ すべての設定 ] > [ パーソナル設定 ] > [ スタート ] で全画面表示のスタート画面にすることができます。
タブレット モードについては、Continuum の改善も引き続き行われています。タブレット モードに切り替えたときに、左上のアイコンをクリックすると、折りたたまれている左側のウィンドウを元の状態で表示できます。また、スタートのタイルを大きくしてスペースを有効活用しており、Windows 8.1 とよく似た画面になっています。
今後もこうしたエクスペリエンスの調整を行って、さまざまな変更を加えてまいります。今回のビルドに関するご意見がございましたら、作業の参考にさせていただきますので、ぜひお聞かせいただければと思います。
● Microsoft Edge
今回のビルドの Microsoft Edge には、4 月の Build カンファレンスで Joe がご紹介した [ 新しいタブ ] ページが追加されています。このページでは、トップ サイトや注目のアプリ、MSN からのコンテンツを表示するなど、レイアウトの改善が行われています。ユーザーが Web 上の次の場所へできるだけ速く移動できるようにデザインされており、ページの内容は [ 設定 ] で簡単なカスタマイズが可能です。現在、Microsoft Edge がどのように利用されるかを把握するために複数バージョンの [ 新しいタブ ] ページのテストを実施しています。できるだけ多くのデータやフィードバックを収集できるように現行の既定のホームページとして設定しました。皆様からの貴重なご意見をお寄せいただければ幸いです。また、Microsoft Edge については、InPrivate モード、スタートへの Web サイトのピン留め、履歴ビュー、アニメーション化された新しい読み取りビュー アイコンのほか、Web ページで音声や音楽を再生できるタブのオーディオ インジケーターなどの機能が追加されています。Chakra エンジンにも最新の機能強化が行われており、Google の Octane 2.0 と Apple の Jet Stream の両ベンチマークで 64 ビット対応のあらゆるブラウザーを上回る性能を発揮 (英語) したほか、業界最高レベルの ECMAScript 6 を採用 (英語) しています。これらの機能強化の詳細については、Microsoft Edge 開発者ブログ (英語) をご覧ください。
● Windows 10 での既定のアプリに関する対応の変更
「既定のアプリ」とは、ファイル タイプやプロトコル (HTTP など) を開くように既定でマッピングされている Windows アプリケーションを指します。たとえば、.JPG ファイルを開く既定のアプリとしてお気に入りのフォト エディターを設定しておけば、エクスプローラーで .JPG ファイルをダブルクリックした場合に、そのフォト エディターで開くことができます。Windows 8.1 では、クラシック Windows アプリケーション (Win32) について既定の変更を尋ねるプロンプトが表示されるので、インストール中や起動後にこうしたプロンプトを何度か目にされていると思います。ただし、Windows ストア アプリについては、こうしたプロンプトは表示されておらず、代わりに、アプリのインストール後に通知バナーが表示され、新しいアプリが利用可能になったことと、このバナーをクリックすれば既定を変更できることが通知されます。
どのアプリを既定に設定するかは皆様の作業に大きく影響します。Windows 10 では、クラシック Windows アプリとユニバーサル Windows アプリのいずれについても既定の変更を尋ねるプロンプトは表示せず、Windows でのみ設定できるようにしました。既定のエクスペリエンスはこれまでどおりきめ細かく管理できますが、いくつものプロンプトが表示されることがなくなるので、作業の妨げが少なくなります。
たとえば、新しいフォト エディターをインストールしてから、エクスプローラーで JPG ファイルをダブルクリックして開こうとすると、Windows によってこの新しいアプリを既定に設定するかを尋ねるプロンプトが表示されます。つまり、プロンプトは必要なときにのみ表示され、セットアップ中やアプリ起動時にむやみに表示されることがなくなるのです。
クラシック Windows アプリの互換性に対処するために、これまでクラシック Windows アプリで既定設定のプロンプトが表示されていたタイミングで、以下のようなダイアログ ボックスを新たに表示するようにしました。
今後、各種アプリの更新が進んで、新しい Windows 10 モデルと同様の既定設定が可能になれば、このダイアログ ボックスを目にすることもなくなります。
最後に、Windows 7 または Windows 8.1 からアップグレードされるお客様は、初期セットアップの際、Windows 10 に搭載された新しいユニバーサル Windows アプリに既定の設定をアップグレードできます。
● Insider Hub の再設計
今回のビルドでは、Windows 10 に含まれている他のユニバーサル Windows アプリのさまざまなデザインを取り入れながら、Insider Hub の全面的な見直しを行いました。すっきりとした新しいホームページでは、クエストが見やすい場所に表示されているので、ぜひご覧になってみてください。メニューや左上のボタンを使って他のコンテンツに簡単に移動したり、自分のプロファイル ページをひとめで確認したり、お知らせやアラートをわかりやすく整理したりといったことが可能です。また、既知の問題が見つけやすくなったほか (これは、Insider Program にご参加の皆様から最も多くのご要望が寄せられていた課題です)、成果に応じて自分が受け取ったバッジや受け取ることのできる新たなバッジも確認できます。
● 修正された問題点
- スタート メニューで、新しいタイル アニメーションを用いたライブ タイルの画像に不具合 (「rectangle slivers」) が発生していましたが、これを修正しました。今回のビルドでは、スタート メニューのパフォーマンスが全般的に改善されています。
- Windows Insider Program にご参加の皆様から報告が寄せられていた Microsoft Edge (Project Spartan) がクラッシュする問題については、その多くが修正されました。
- 開発者の方が [すべての設定] > [ 更新とセキュリティ ] > [ 開発者向け ] に進む際に、クラッシュすることがなくなりました。
- Windows Update からグラフィック ドライバーをインストールする際に、エラー コード 80070103 でインストールが失敗する問題が数件報告されていましたが、これを修正しました。Windows Update がドライバーの再発行を試行していたことが原因でした。
- PC のイーサネット アダプターの IPv4 プロパティが編集できるようになりました。
- High DPI ディスプレイでフォントのレンダリングがぼやける問題を修正しました。Windows 10 における High DPI 対応への取り組みについては、近々発表するブログでもう少し詳しくご説明する予定ですので、少々お待ちください。
- Microsoft Edge の一部のキーボード ショートカットを修正しました。Control + L または Alt + D で、アドレス バーに移動できます。
● このビルドの既知の問題
- AMD の GPU をご利用の場合に、Microsoft Edge (今回のビルドでは引き続き「Project Spartan」の名前を使用) が頻繁にクラッシュします。これを回避するには、[すべての設定] > [ 更新とセキュリティ ] > [Windows Update] > [ 詳細オプション ] に進んで、Windows Insider Slow リングに変更してこのビルドの適用を回避してください。この問題については、AMD の担当者と共同で、この問題を解消できる新しいドライバーを開発中です。リリースされましたら、このブログを更新してお知らせします。
- 更新情報: ドライバーのリリース予定時期に関するお問い合わせが多数寄せられています。AMD からは既に新しいドライバーが提出されており、現在は両社のエンジニアリング チームが評価し、結果を比較している最中です。AMD はマイクロソフトと緊密に連携しながらこの問題の調査に当たっており、Insider Program にご参加の皆様にこのプレビュー ビルドをご活用いただけるように、ユーザー重視の姿勢で鋭意取り組みを続けています。AMD の協力もあり、問題解決までさほど時間はかからないと思われます。
- 特定の PC で今回のビルドにアップグレードしようとすると、エラー 0x80070057 – 0x20007 で失敗して、前回インストールしたビルドにロールバックするという問題が発生します。これは、移行するデバイスの INF が多すぎて内部制限に達した場合に発生するバグであることがわかっています。回避策としては、ディスク クリーンアップで、デバイス ドライバー パッケージ、以前の Windows インストール情報、および一時的な Windows インストール ファイルを選択して、システム ファイルをクリーンアップしてください。その後、不要な周辺機器を取り外してデバイス マネージャーから削除し、再度アップグレードをお試しください。
- 今回のビルドでは、Cortana の音声入力に関する問題を引き起こすバグが含まれています。音声認識に問題が発生した場合や Cortana に話しかけるとエラーが発生する場合は、Windows Insider Program フォーラムのこちらのスレッド (英語) をご覧いただき、バグの解決にお役立てください。
今回のビルドでは、Windows 10 の今夏の一般リリースを見据えながら、引き続き改善に取り組んでおり、Windows Insider Program にご参加の皆様からお寄せいただいたご意見やご要望を参考に、大小さまざまな変更が行われています。私たちの取り組みは、Insider Preview ビルドをご利用いただいている大勢の皆様の熱意に後押しされることで前進しています。Windows Insider Program フォーラムまたは Twitter (英語) にて、皆様からのフィードバックをお待ちしております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
Gabe Aul