2016年5月17日 12:11 PM

StaffPad と Microsoft Surface が作曲活動を支援

こちらは Microsoft New Center で公開された How StaffPad and Microsoft Surface are empowering creativity in music の翻訳記事です。

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Garrett Weyenberg 君が作曲を始めたのは、2 才のときでした。当時はピアノ椅子によじ登り、雪だるまの歌や桃の歌など、かわいらしいメロディを奏でていました。5、6 才になると、より複雑な曲も作るようになり、時には何オクターブにもわたる旋律を弾くために、ピアノの端から端まで全身を使って演奏することもありました。
10 才を迎えた昨年には、8 分間に及ぶ作品「ソナチネ ト長調」を完成させました。躍動感に満ちた 3 楽章構成のこの曲は、地元の作曲コンテストで最優秀賞を受賞しました。それでもこの曲は、Garret 君の頭に日々浮かぶメロディから生まれた、膨大なストックの中の 1 曲に過ぎないのです。そんな彼がごく最近まで悩んでいたのが、頭に浮かんだアイデアを簡単に具現化する方法がなくて、周りの人々と作品を共有したり、弾いてもらったりできないことでした。
ところが 11 才になったとき、すべてが変わりました。誕生日に Surface Pro 3 を買ってもらい、楽譜を手書きで入力して保存し、編集、演奏、共有できる楽譜作成アプリ StaffPad (英語) を使い始めたのです。StaffPad は、Microsoft Surface のペンおよびタッチ テクノロジを使用した自然な手書き入力操作と、手書き認識機能、オーケストラ音源による再生機能、楽譜編集機能といった最新ツールを融合した、これまでの常識を覆す Microsoft Surface 専用のアプリです。
テキサス州マッキニーに住む Garrett 君は、こんな風に言っています。「すごく簡単で、思いどおりに使えるところが気に入ってるよ。思い付いたことをすぐにメモしておけるから、曲を書くのも簡単なんだ」今では、ピアノの前でも、車の中でも、思い付いたその場で作曲できるようになりました。楽譜は OneDrive に保存され、デバイス間でシームレスに同期されるので、いつでも確認することができます。
Garrett 君は先日ロンドンを訪れました。旅の目的は、StaffPad の開発者であり、テレビ ドラマ「フライデー・ナイト・ライツ」や映画「レ・ミゼラブル」といった作品の音楽担当としても知られる作曲家、音楽プロデューサーの David William Hearn (英語) 氏に会うことです。StaffPad を使って作曲を楽しんでいる Garrett 君について、彼の母親が Hearn 氏にメールを送ったところ、Garrett 君にとっては大好きなアプリの開発者に、Hearn 氏にとっては自分のアプリを活用してくれている若き音楽家に会えるまたとない機会として、2 人の対面が実現することになりました。この日、Garrett 君の作品を協力して完成させたようすは、以下のビデオでご覧いただけます。


ロンドン在住の Hearn 氏は、「Garrett 君には、紛れもなく非常に優れた音楽的才能があります」と語り、Windows ストアで限定販売されている StaffPad が、Garrett 君のような子供から、定年後の趣味を楽しむ人、プロの作曲家まで、世界中の音楽を愛する人々に素晴らしい創作活動の機会を提供していることに感動していました。
「音楽が持つ “広がる力” は驚くべきものです。実に多くの人たちが作曲に取り組み、創作に励んでいる。こんなに素敵なことはありません。このアプリは、私の期待をはるかに上回る結果をもたらしてくれたんです」
StaffPad が生まれるきっかけとなったのは、Hearn 氏が映画音楽の制作に取り組んでいたときの思いつきでした。わざわざスタジオに戻って PC を立ち上げて作業するかわりに、他のミュージシャンと相談しながらその場で曲を書き上げられたら、と思ったのです。また、手書きの楽譜ならではの手軽さに立ち戻り、その手軽さをテクノロジによって進化させたいと考えたのです。
「思い浮かんだメロディを無理なく自然に記録する方法として、ペンを使って書く、というやり方は絶対に外せませんでした。いちばんこだわったのが、いかに手書きの楽譜を進化させるかということです」と Hearn 氏は言います。
StaffPad で音符を手書きすれば、次の瞬間には画面上の五線譜に美しく反映されるのです。マウスやキーボード、複雑な楽譜作成ソフトウェアは必要ありません。アプリのインターフェイスもシンプルで、テクノロジの存在を忘れて音楽に集中させてくれます。Surface タブレットを使うため、移動しながらでもストレスフリーで作業できます。
Hearn 氏は次のように語っています。「StaffPad を使うまでは、文字どおり机から片時も離れられませんでした。今は、PC から離れて外に出てみたり、ピアノの前に座ったり、自分の好きな場所で、まるで紙に書いているかのように作曲できるから最高です」

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Surface Pro 3 と StaffPad を使って作曲する Garrett Weyenberg 君 (撮影者: David Palmer)

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StaffPad を使った Garrett Weyenberg 君の作曲を、Surface Pro 3 のペンおよびタッチ テクノロジが支える (撮影者: David Palmer)

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David William Hearn 氏 (左) と Garrett Weyenberg 君 (右) のロンドンでの共同作業。曲は Garrett 君の作品 (撮影者: David Palmer)

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David William Hearn 氏 (左) と Garrett Weyenberg 君 (右) のロンドンでの共同作業。曲は Garrett 君の作品 (撮影者: David Palmer)

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プロデューサー、StaffPad 開発者の David William Hearn 氏 (撮影者: David Palmer)

最近 Windows 10 向けに更新された StaffPad には、便利な“作曲家アシスタント”機能が新たに追加されました。これは、音声コマンドによって、木管楽器を追加したり、調号を変更したりといった操作を実行できる機能です。StaffPad はマイクロソフトのユニバーサル Windows プラットフォームを基盤としているため、84 インチの Surface Hub 上でも動作します。Hearn 氏は、ロンドンの王立音楽アカデミーで講義を行う際に、講堂での授業に適した新しいデバイスとして Surface Hub を活用しています。
Garrett 君が StaffPad を使い始める前は、何時間ものピアノ演奏を母親に撮影してもらい、後からビデオを見ながら譜面に書き起こしていました。しかし、それはあまりに大変な作業で、実際に楽譜に残すことはめったにありませんでした。「ソナチネ ト長調」の楽譜は 7 ページから成り、完成には 1 年を費やしましたが、StaffPad と Surface を使っている今では 1 ~ 2 週間もあれば十分だと言います。
Garrett 君の母親である Stephanie Weyenberg さんは次のように語っています。「Garrett の頭の中にはいつもメロディが溢れているわ。StaffPad は Garrettの生活をガラっと変えてしまったの」
病気の後遺症で痛みがつらかった時も、作曲は Garrett 君の心の癒しとなり、このテクノロジのおかげでベッドの上で作曲することができました。この体験を通して Garrett 君は、自分自身を表現したり、誰かとつながったりするための手段として、音楽をより一層愛するようになりました。
「もとは僕の頭の中にしかなかった音楽を、他のだれかが演奏するなんて、すごいことだよね」と Garrett 君は言います。
年齢を問わずあらゆる人々の創作活動を新たな形で実現する StaffPad には、自然なタッチ入力から Surface ペンの高精度のインク機能まで、マイクロソフトの強力なテクノロジが集約されています。
Surface のプロダクト マーケティング マネージャーを務める Mona Cao は、次のように述べています。「Garrett 君の情熱や StaffPad の強力な機能を使いこなしているようすを目の当たりにして、非常に感銘を受けています。これはまさに、Hearn 氏がプロのミュージシャン、教育者、学生、その他あらゆる人々に使ってもらいたいと思い描いていたとおりの光景です」
「これは、デジタルツールを用いた創作活動の完成形の 1 つのと言えるでしょう」
マイクロソフトのテクノロジによるその他のユーザー支援事例については、microsoft.com/empowering (英語) をご覧ください。

見出し写真: 11 才の作曲家 Garrett Weyenberg 君 (右) と StaffPad 開発者の David William Hearn 氏 (撮影地: ロンドン、Angel Studios、撮影日: 2016 年 1 月 29 日、撮影者: David Palmer)