2017年1月30日 1:51 AM

Unified Update Platform (UUP) のご紹介

※本 Blog は Windows Blog ”Introducing Unified Update Platform (UUP)”の抄訳をベースにしています。

これまでマイクロソフトでは、Windows 10 を搭載した 4 億台を超えるデバイスの更新を行い、毎週のように Windows Insider Program にご参加の皆様に新しいビルドを公開しています。ほんの 2 年前はどんな状況だったかを振り返ると「よくぞここまで来たな」という思いがこみ上げます。しかし、これで満足しているわけではありません。お客様からは「更新作業をもっとシームレスに実施できるようにしてほしい」、「更新プログラムをインストールするタイミングをもっと細かく制御したい」、「バッテリを節約できるように、更新時のローカル処理を少なくしてほしい」、「ダウンロード サイズを小さくしてほしい」といったご要望が寄せられ、私たちはそのすべてにお応えするべく取り組み続けています。Windows 10 Anniversary Update では、アクティブ時間を設定できるようにすると共に、お客様向けの管理機能の強化を行いました。次回のメジャー アップデートでは、さらなる機能強化を予定しています。そしてこのたび、Windows Insider の皆様に向けて、PC、タブレット、スマートフォン、IoT、HoloLens の各デバイスを対象とした強化機能が提供されることになりました。次世代の配信テクノロジである「Unified Update Platform (UUP)」が、最新の Insider ビルドで提供される運びとなったのです。

コミュニティやお客様にとって UUP の最大のメリットは、PC へのダウンロード サイズが小さくて済む点です。ビルド システムや配信システムの各種テクノロジを集約することで、モバイル OS および PC OS を基盤とするさまざまなデバイスで差分ダウンロードが可能になりました。差分ダウンロード用のパッケージには、完全なビルドではなく、デバイスの最終更新後に公開された更新プログラムのみが含まれています。UUP を導入すると、Windows のメジャー アップデートから次期メジャー アップデートに移行していたときに比べて、PC へのダウンロード サイズが約 35% 削減できると見込まれます。これはきわめて大きなメリットです。現在この機能を Windows 10 Creators Update 後の機能更新でリリースすることを目標に取り組んでいますが、それに先駆けて、Windows Insider の皆様には近日中に公開いたします。

このほかにも、デバイスでの更新チェックを改善して、効率化を図りました。UUP への移行後は、クライアント デバイスに送信される更新データが小さくなるほか、デバイス側の処理も削減され、特にモバイル OS を基盤とするデバイスに大きなメリットがあります。UUP を使用した場合、デバイスで更新チェックを実行すると、そのデバイスにどの更新プログラムが必要かを Windows Update サービスが判断し、その更新プログラムをデバイスに送信して、ダウンロードとインストールを実行できるようにします。サービス側でより多くの処理を実施するので、更新処理のチェックが短時間で済むようになります。1 つお伝えしておきたいのは、UUP を導入しても動作や外観はこれまでと何も変わらないという点です。UUP によるプラットフォームとサービスの最適化は、基盤的な機能として、すべてバックグラウンドで行われます。

さらに、UUP の開発においては、PC の世界でのやり方をモバイルにも取り入れました。ご存じのように、PC では現行ビルドが何であれ、一度の処理でそこから一足飛びに最新ビルドに更新することができますが、モバイル OS ではそうはいきませんでした。スマートフォンを最新状態にするために、2 段階の更新を経なければならないことも珍しくありません。しかし UUP では、クライアントが「標準」ビルドと呼ばれるものに自動でフォールバックするロジックを備えているので、PC と同じくスマートフォンも一度の処理で更新できます。

Windows Insider の皆様に UUP を利用して新しいビルドを提供できることをとても嬉しく思います。UUP には段階的に移行する予定で、今回はまずモバイル デバイス向けに運用を開始します。今年後半には PC 版の Insider ビルドで UUP を導入し、その後ほどなくして IoT や HoloLens にも拡大していく予定です。これまで Windows 向けの更新プログラム配信プラットフォームを統合するために、さまざまな取り組みを重ねてきました。今回、UUP を用いてモバイル版ビルドを配信できるようになり、その数多くの成果が目に見える形で実現されることをチーム一同たいへん楽しみにしています。

ありがとうございました。
Bill
@billkar44