2017年4月25日 1:24 PM

ThyssenKrupp 社が Microsoft HoloLens を活用してホーム モビリティ ソリューション ビジネスを変革

※本ブログは、Windows Blog “thyssenkrupp transforms the delivery of home mobility solutions with Microsoft HoloLens” の抄訳です。

国際産業技術見本市「HANNOVER MESSE」にマイクロソフトが出展

今週は、ドイツで開催されている産業技術見本市「HANNOVER MESSE (英語)」にマイクロソフトの同僚、お客様、パートナー様と共に HoloLens チームも参加し、製造業のデジタル トランスフォーメーションについてご紹介しています。

デジタル トランスフォーメーションは、組織の人、データ、プロセスのあり方を再考し、ビジネスの成果を高めると同時に、お客様に価値をもたらすというものです。最近このデジタル トランスフォーメーションの取り組みとして、HoloLens を主要な業務ワークフローに展開する動きがあります。Microsoft HoloLens を導入すると、新しいビジネス分野の開拓や運用コストの削減につながるだけでなく、現実世界の中にデータを視覚化させる高度な機能によって従業員の生産性が向上します。

マイクロソフトのパートナー様である ThyssenKrupp (ティッセンクルップ) は、HoloLens を活用してデジタル トランスフォーメーションを成し遂げた企業の好例です。この記事では、同社が HoloLens を軸として業務プロセスを最適化 (英語) し、データ、Microsoft Azure、HoloLens の視覚化機能によって、いかにホーム モビリティ ソリューション ビジネスを変革したかをご紹介します。

HoloLens の活用により、顧客 1 人ひとりに合わせた設計プロセスと納期短縮を実現

ThyssenKrupp のモビリティ ソリューションが目指しているのは、人々が身体的な制約を克服できるように支援することです。ホーム モビリティ ソリューションは、特にパーソナルな製品であり、居住者の独立性を維持しながら各自の空間へ自由にアクセスできるようにするツールとして、住まいの一部分と認識されつつあります。モビリティ ソリューションの導入を決断するのは、容易なことではありません。金銭面のトレードオフにとどまらず、生活全般にかかわる問題であり、変化に対する心理的な抵抗も生じます。同社は業務プロセスを妨げるものを排除することで、カスタマー エクスペリエンスの品質低下を招きそうな部分を改善し、前向きに話を進める顧客の割合をすばやく簡単に増やせるようにしています。

HoloLens を使用する以前は、ThyssenKrupp は 20 年にわたって同じプロセスを用いていました。そのプロセスでは、高度にカスタマイズされたモビリティ ソリューションを実現するための微妙な差異をすべて正確に測定するために、ラベル付けとカメラの複雑なシステムを使用したり、データを手入力したりしていました。新しい階段昇降機を納入するまでの営業、製造、設置プロセスを統合するにあたって、複雑で手間のかかる多くのプロセスが組み込まれており、その結果、納期が長期化し、カスタマー エクスペリエンスの全体的な品質が損なわれていました。

デジタルで変革された新たなプロセスでは打って変わって、営業担当者は持ち運び可能な HoloLens ソリューションを使用して、最初の訪問時に階段を計測することが可能になりました。計測データは Microsoft Azure を通じて自動的に製造チームに共有され、データ入力の手間なく、すぐに製造上の判断とほぼリアルタイムの設計承認が行えます。営業と製造プロセスのデジタル化によって納期は 4 分の 1 に短縮されました。

HoloLens を使用することで、営業担当者が顧客に階段昇降機を視覚的に提示できるようになったため、顧客は家の中にどのようなものが設置されるのか自分の目で確認することができます。ThyssenKrupp は同社のビジネス プロセスを根本的に見直し、HoloLens によって永続的な改善を実現しました。それにより、時間の節約と内部コストの削減に成功したと同時に、顧客がもっと自信を持って気持ちの準備をしたうえで決断を下せるようになりました。HoloLens を導入したことで、革命的に納期を短縮でき、従業員の生産性と顧客の満足度も向上しています。

Microsoft HoloLens は北米および欧州の保護眼鏡規格の基本的な衝撃試験に合格

Microsoft HoloLens は製造業のお客様にメリットがあるだけではありません。北米および欧州で数多くの保護眼鏡規格 (protective eyewear standards) が定められている中、HoloLens は基本的な衝撃試験に合格しました。試験の結果、保護眼鏡の最も一般的な認証規格である ANSI Z87.1、CSA Z94.3、および EN 166 の基本的な衝撃保護要件を満たしていると認められています。これは、多くの企業にとって、製造プロセスの一部として革新的な方法で HoloLens を活用できる可能性が広がったということです。また従業員にとっては、新たな個人の可能性を引き出せることになります。皆様が今度どのような変革を成し遂げるのか楽しみでなりません。製造業での HoloLens 活用の詳細については、こちらのページをご覧ください。

Lorraine Bardeen