April 12, 2019 8:32 am

Windows 10 の更新エクスペリエンスの制御性、品質、透明性の向上

※本ブログは、米国時間 4/4 に公開された ”Improving the Windows 10 update experience with control, quality and transparency” の抄訳です。

多様で動的なエコシステムにおいて、最新デバイスのセキュリティを維持してスムーズに動作させるためには、定期的な更新が不可欠です。しかし、皆様からのフィードバックを拝見すると、Windows の更新プロセス自体が作業を中断する原因になるというご意見が目立ちます。特に Windows ユーザーからは、更新のタイミングを細かく制御できるようにしてほしいというご要望が多く寄せられています。そこで今回、更新エクスペリエンスの向上、ユーザーによる制御性の強化、Windows 更新プログラムの品質向上を目的として、Windows の更新プロセスを大幅に変更することをお知らせします。

従来の Windows 10 の機能更新プログラムのロールアウトでは、マイクロソフトのデータを基にお客様のデバイスをスムーズに更新できると判断された時点で、更新プログラムのインストールが自動的に開始されました。しかし、Windows 10 May 2019 Update 以降は、ユーザーが OS の機能更新プログラムのインストールを開始するタイミングを細かく制御できるようになります。更新プログラムの提供が開始され、マイクロソフトのデータに基づいて更新が推奨される場合には通知が表示されますが、ほとんどの場合は更新を開始するタイミングをユーザーが決定できます。例外として、Windows 10 デバイスのサービス終了時またはサービス終了が迫っている場合には、Windows Update によって機能更新プログラムのインストールが自動的に開始されます。マシンがサポートされている状態を維持し、月例更新プログラムを適用することは、デバイスのセキュリティとエコシステムの正常性を確保するうえで非常に重要であるためです。マイクロソフトは、更新プログラムがインストールされるタイミングについて、ユーザーの制御性と透明性を向上するための新機能を追加しています。今後は、すべてのお客様が [更新プログラムのチェック] をクリックしてデバイスを更新するか、更新を最大 35 日間保留するかを明示的に選択できるようになります。

さらに、May 2019 Update の品質を確保するための対応も進めています。May 2019 Update では、Release Preview の期間を延長し、この期間中にエコシステム パートナーと緊密に連携して、今回のリリースに関する早期のフィードバックを積極的に収集する予定です。そうすることで、追加のシグナルを入手して、幅広いお客様にロールアウトする前に問題を検出できます。また、影響の大きい問題を大規模かつ効率的に検出すると共に、スムーズに更新できるデバイスをインテリジェントに選択する方法をさらに進化させるべく、機械学習 (ML) テクノロジへの多大な投資も継続しています。

Windows Insider Program にご参加の皆様は、来週より Release Preview リングで Windows 10 May 2019 Update を入手していただけます。5 月下旬には提供範囲を拡大し、法人のお客様、[更新プログラムのチェック] をクリックして Windows 10 PC に新しい May 2019 Update をインストールすることを選択したユーザー、特定のリリースに対するデバイスのサポート終了が迫っているユーザーにも提供を開始します。

ここからは、更新プログラム用の新しいコントロールと、透明性および品質のアプローチに関する May 2019 Update での改善点について詳しくご紹介します。

お客様による更新プログラムの制御性を強化する新機能

Windows 10 May 2019 Update のリリースに伴い、機能更新プログラムとオプションのセキュリティ以外の月例更新プログラムの両方について、更新エクスペリエンスの制御性と透明性を向上するための新機能を導入します。わかりやすいコントロールが新たに追加されたことで、予期しないタイミングで更新が開始される事態を防止し、選択されている更新プログラムの種類が非常に明確になります。今回の目玉は、Windows Update の設定に新しい [Download and install now] オプションが追加されたことです。

  • [Download and install now] オプション: この独立したコントロールにより、対象のデバイスに互換性に関する既知の主要な阻害要因がないことが確認された場合に、機能更新プログラムのインストールを開始できます。月例の品質およびセキュリティ更新プログラムは、今後も [更新プログラムのチェック] をクリックして入手できます。ご利用の Windows 10 のバージョンのサポート終了が迫っている場合は、新しい機能更新プログラムのインストールが自動的に開始されます。機能更新プログラムの提供が開始され、マシンにインストールする準備が整っている場合には、通知が表示されます。サポートされているバージョンの Windows 10 を搭載したすべてのデバイスは、月例更新プログラムを自動的に受信し続けます。5 月下旬には、最も広く使用されている Windows 10 のバージョン 1803 および 1809 でもこの新しい [Download and install now] オプションを利用できるようになります。

May 2019 Update では他にも、ユーザーが更新のタイミングを細かく制御できるように以下のような機能強化が導入されます。

  • 更新を保留する期間の延長: 機能更新プログラムと月例更新プログラムの両方に適用できます。この期間延長の機能は、Home エディションを含む Windows 10 のすべてのエディションに対応しています。ユーザーからのフィードバックによると、重要なプレゼンテーションのために PC が必要なときなど、不都合なタイミングで更新が開始されてしまう場合があります。そこで、すべてのユーザーが機能更新プログラムと月例更新プログラムの両方を最大 35 日間 (1 回に 7 日間、最大 5 回) 保留できるようにしました。35 日間の保留期間を迎えると、再び保留する前にデバイスを更新する必要があります。
  • インテリジェントなアクティブ時間: 更新時の再起動による作業の中断を回避します。Windows 10 Anniversary Update で導入されたアクティブ時間機能では、更新プログラムの自動インストールおよび再起動を回避する時間の範囲を手動で構成できます。しかし、多くのユーザーはアクティブ時間の設定を既定値である午前 8 時 ~ 午後 5 時から変更していません。アクティブ時間機能をさらに強化するために、Windows Update がデバイス固有の使用パターンに基づいてインテリジェントにアクティブ時間を調整するオプションが追加されました。
  • 更新タイミングの調整の強化: システムの応答性を向上します。システム パフォーマンス向上を目的としたこの機能では、Windows の更新プログラムと Microsoft Store の更新プログラムをインテリジェントに調整し、ユーザーがデバイスを使用していないタイミングで両方をインストールすることで作業の中断を最小限に抑えます。

品質向上への取り組みの拡大

マイクロソフトは品質を非常に重視しており、常に品質向上に向けたアプローチに取り組んでいます。ここでは May 2019 Update の具体的な機能強化をいくつかご紹介します。

Release Preview の期間延長

May 2019 Update では、最終的なビルドを Windows Insider Program の Release Preview リングで提供する期間を延長します。この更新プログラムの一般提供を開始する前に、互換性とパフォーマンスに関するフィードバックやインサイトを大規模に収集することがねらいです。この期間中には、OEM や ISV などのエコシステム パートナーとの連携を大幅に強化して、幅広いデバイス、ハードウェア、ソフトウェア構成における初期品質の向上を目指します。

OEM はこのビルドを使用して新規の PC およびデバイスの製造を開始し、OEM と ISV の両方が社内の従業員への May 2019 Update の展開を開始します。さらに、マイクロソフトも Release Preview 期間中に May 2019 Update を積極的に社内で展開し、従業員に個人用デバイスでも May 2019 Update を利用することを奨励します。このようにユーザー数を拡大して期間を延長し、データを慎重に調査することで、5 月下旬に一般提供を開始する前に Windows の品質をさらに確実なものにすることができます。

少数でも重大度の高い問題の早期検出

ありがたいことに、マイクロソフトには何百万ものお客様がフィードバックを送信してくださっています。マイクロソフトは、その中から特に影響の大きい問題を特定したいと考えていますが、そのためには自然言語処理 (NLP) と機械学習 (ML) を適用し、報告件数がごく少数しかなくても重大度の高い問題を迅速に特定できるよう、方法を見直す必要がありました。そこで、少数でも重大度の高いあらゆる種類の問題を検出する機能の開発を進め、特にデータ損失の分野における対応を強化しています。この取り組みでは、以下に示すように、お客様から寄せられる 1 日約 2 万件のフィードバックのクラスタリング、分類、ルーティングを合理化および自動化し、エンジニアによる調査が必要な最重要課題に優先度を設定することで、重大度の高い問題の検出に要する時間を数日から数時間に短縮しました。

次世代の ML ベースのインテリジェントなロールアウト

スムーズに更新できるデバイスを適切に区別できるよう、インテリジェントなロールアウト用の ML モデルも進化させています。まず、新しいラベル条件を追加して、更新後のディスプレイやオーディオの問題など、より広範な問題についてモデルをトレーニングできるようにしました。さらに、アンサンブル学習のアプローチを実装することで、更新エクスペリエンスに関連する個々のラベル条件 (ロールバック、オペレーティング システムのクラッシュ、アプリケーションの問題など) と条件のコレクション全体について予測し、問題の予測精度を向上して的確なトラブルシューティングを行えるようになりました。

問題の透明性を向上させる新しい公開ダッシュボード

透明性はマイクロソフトの核となる原則の 1 つであり、問題が発生したときにはお客様に状況を明確かつ定期的にお知らせするよう取り組んでいます。その一環として、今月中に新しい Windows リリース正常性ダッシュボードを公開し、機能更新プログラムと月例更新プログラムの両方について、現在のロールアウト状況と既知の問題 (未解決および解決済み) に関するほぼリアルタイムの情報をユーザーに提供します。このダッシュボードは、現行の Windows 10 の更新履歴ページをベースとしており、重要なお知らせ、新しいブログ記事、サービスとサポートの最新情報、その他のニュースなど、Windows 10 の各バージョンの詳細が 1 ページにまとめて表示され、キーワードで簡単に検索できます。ダッシュボードのコンテンツは Twitter、LinkedIn、Facebook、メールで共有できます。また、このダッシュボードでは、先日 Windows 10 に導入され、ユーザーから好評を博しているダーク モードも利用可能です。

Windows 10 May 2019 Update のロールアウト方法

May 2019 Update は、来週より Release Preview リングで入手できるようになります。Windows Insider Program では早期導入ユーザーを対象に、運用環境レベルの品質の Release Preview を段階的にロールアウトします。既に Release Preview に参加しているユーザーには、通常のチャネルから月例更新プログラムが提供されます。

5 月下旬には、現在サポートされているバージョンの Windows 10 を利用しており、[Download and install now] をクリックして更新を希望するユーザーへの提供を開始します (互換性に関する既知の問題がないデバイスのみ)。また、段階的なロールアウトを開始するうえでは ML モデルも使用して、Windows 10 バージョン 1803 以前のバージョンを実行しているデバイスをインテリジェントに特定します。これらのデバイスは、マイクロソフトのデータやフィードバックに基づき、最もスムーズに更新できると予測されるデバイスです。マイクロソフトは、収集したすべてのフィードバックと更新エクスペリエンスに関するデータをプロアクティブに監視し、問題が検出された場合には適切な製品更新プログラムを提供して、必要に応じてロールアウトのスピードを調整することで、すべてのデバイスが可能な限りスムーズに更新できるようにします。

法人のお客様は、5 月下旬より対象を指定した展開を開始できます。この時点から、半期チャネルにおける Windows 10 バージョン 1903 の 18 か月のサービス期間が始まります。IT 管理者には、社内で使用しているアプリ、デバイス、インフラストラクチャの検証を開始して、今回のリリースで適切に動作することを確認してから、社内全体に展開することをお勧めします。May 2019 Update は、5 月下旬より Windows Server Update Services (WSUS)、Windows Update for Business、ボリューム ライセンス サービス センターで提供され、System Center Configuration Manager または他のシステム管理ソフトウェアを使用して段階的に展開することができます。

更新プログラムの制御性、品質、透明性の向上

今回の対応により、お客様にとって更新プログラムに関する選択肢が広がり、制御性が強化されるだけでなく、マイクロソフトも品質向上への取り組みをさらに強化できるものと考えています。マイクロソフトは、Release Preview の期間を延長して品質を確保すると共に、機械学習への投資を強化して重大度の高い問題の検出と次世代のインテリジェントなロールアウトを導入することにより、スムーズかつ透明性の高い Windows 更新エクスペリエンスを実現することを目指します。May 2019 Update のロールアウトと品質向上に向けた新しいイノベーションの詳細については、今後のブログ記事と新しい Windows リリース正常性ダッシュボードで発表する予定です。どうぞご期待ください。

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