2020年6月9日 7:21 AM

Microsoft Edge の新機能を Build 2020 で発表

※ 本ブログは、米国時間 5/19 に公開された “Everything new from Microsoft Edge at Build 2020” の抄訳です。

Microsoft Build 2020 は、いろんな意味で「初めて」尽くしです。2020 年代になって初めての Build であり、初めて昼夜を問わずオールデジタルでの開催となり、そして何より、新しい Microsoft Edge をリリースしてから初の Build カンファレンスとなります。今回、新たな形で Build と Microsoft Edge をお届けしたことで、マイクロソフトにとっては多くの学びがありました。

昨年の Build では、新しい Microsoft Edge に実装される機能について発表しました。それからというものマイクロソフトでは、ユーザーの皆様にとって最適なブラウザーを構築するべく、手を休めることなくイノベーションを追求し、ブラウジングにおける世界トップ レベルのパフォーマンスを目指してセキュリティ、生産性、価値を高めてきました。

追跡防止機能によってプライバシーを細かく制御できるツールが導入されたほか、生産性を高める機能「コレクション」が新たに追加されました。また、Bing には、検索するだけで社会に貢献できる「Give Mode」も導入されています。

1 月にお伝えしたように、すべての Windows 10 デバイス (企業向けと教育機関向けを除く) に対して、新しい Microsoft Edge へのアップグレードが配信される予定です。上記の機能がご利用いただけるようになるのは、スケジュールに基づいたロールアウトが実施されてからとなります。今後数週間以内に段階的に進めてまいりますので、しばらくお待ちください。今すぐ試してみたいという方は、こちらから新しい Microsoft Edge をダウンロードできます。

マイクロソフトでは、Web はだれにとっても役立つものであるという確信の下、優れたブラウジング エクスペリエンスの提供に注力すると同時に、開発者の声に耳を傾け、Microsoft Edge の可能性を広げてくれるオープン ソース コミュニティと改善点を共有することにも取り組んでいます。これまでに Chromium オープン ソース プロジェクトに 3,000 件以上のコミットを行い、Web をより楽しく、より機能的に、だれもがアクセスしやすいものに作り変えてきました。

今年の Build では、Web 開発者向けのツールやプログラムの拡充、コンシューマー向けの新しい統合機能、企業向けの新しいカスタマイズ オプションなど、継続的に取り組んでいるイノベーションを発表します。

Web 開発者向けの新機能

健全な Web コミュニティの形成を可能にするのは、活発な開発者コミュニティの存在です。そのコミュニティをサポートするべく、マイクロソフトはここ数か月、多くの Microsoft Edge 開発者にご利用いただいている開発者ツールを新たに 10 か国語に飜訳するなどの機能強化を行いました。今回は、Web に可能性をもたらす開発者の皆様が創造のキャンバスを広げ、これまで以上に多彩な方法でユーザーにアプローチできるようにするための新たなツールについてご紹介します。

WebView2 プレビュー版を拡張し、.NET および UWP (WinUI) 開発をサポート

Animation showing a WebView sample launching from Visual Studio

昨年、Win32 開発向けにプレビュー版の WebView2 をリリースしました。WebView2 は、一貫性のある Web プラットフォームを使用してアプリ内で Web コンテンツをホストすることで、コードをプラットフォーム間で最大限に再利用できるようにして、開発者にとっての障壁を取り払います。プレビュー期間中にご協力くださった開発者の皆様に感謝を申し上げます。お寄せいただいたフィードバックは、機能ロードマップの遂行と品質向上の参考にさせていただいています。

今回、このプレビュー版を拡張し、.NET および UWP (WinUI 3.0) 開発用の新しいオプションを追加します。これにより、WinForms、WPF、UWP (WinUI 3.0) アプリケーションに Chromium ベースの Edge WebView を埋め込めるようになります。詳しくはドキュメントや入門ガイドをご覧ください。また、Visual Studio を開いて WebView2 パッケージをダウンロードすれば、すぐに利用を開始できます。

Microsoft Edge アドオン サイトの改善により、拡張機能の検索が容易に

多くのユーザーにとって、拡張機能は Web エクスペリエンスの重要な要素です。マイクロソフトは、開発者が Chromium ベースの拡張機能を Microsoft Store で簡単に配信できるようにするだけでなく、それらをユーザーが簡単に見つけられるようにすることにも力を入れています。そこで、Microsoft Edge アドオン サイトが見た目にもより魅力的なものになるよう、一新することにしました。新しいカテゴリ、新しい検索機能、新しいレイアウトによって、開発者が作った拡張機能がユーザーの目にとどまりやすくなるはずです。今月からロールアウトが開始されますので、どうぞご期待ください。

Windows 10 上の PWA がより快適に

プログレッシブ Web アプリ (PWA) は、Web 標準を利用してプラットフォームを問わずアプリのようなエクスペリエンスでコンテンツを配信する優れた技術として、勢いを増し続けています。Microsoft Edge と Windows 10 の最新バージョンでは、Windows アプリと並んで、PWA がより自然で親しみやすいものとなっています。

現在、PWA を Windows 10 にインストールすると、デスクトップ OS 上ではスタンドアロン ウィンドウで起動し、スタートやタスク バーのような場所に表示されてアクセスしやすくなるなど、重要なポイントでの快適性が向上されています。マイクロソフトは、このインテグレーションをさらにスムーズにするために取り組んでおり、ユーザーが設定からアプリを管理したり、共有 (共有コンテンツの受信) の手段として利用したりできるように更新する予定です。この Windows インテグレーションの早期プレビューをチェックするには、Windows Insider プレビュー ビルドを使用して、Microsoft Edge の Canary プレビュー ビルドで Web Apps Identity Proxy フラグを有効にしてください。

Origin Trials Web プラットフォームの実験的な機能を試せるように

私たちは日々、Web を進化させて Web 開発者のニーズに対応したいと考えています。マイクロソフトの Origin Trials プログラムを利用すると、開発者の皆様はご自身の Web サイト上で一定期間、実験的な機能をテストできるようになります。一般向けにはまだ有効化されていないプロトタイプの機能を、皆様のサイトを訪れる一部のユーザーに対して Microsoft Edge 上で動作させ、フィードバックを収集できます。そうした早期のフィードバックを、最終的な API の構築に活かすことができます。

Origin Trails の詳細やプログラムへの登録については、Origin Trials Developer Console (英語) でご確認ください。

すべてのユーザー向けの新機能

今週は、生産性を高めるすばらしい新機能や、必要なコンテンツを見つけて整理するのに役立つ新しい統合機能をいくつか発表します。

Pinterest との新たな統合により、Microsoft Edge のコレクションがよりスマートに

コレクションを使用すると、Web 上のコンテンツを集めてグループ化して、オンラインでの作業内容を整理、保存、共有できます。複数のサイト、ページ、ブラウザー セッションをまたいで、リンク、画像、テキスト、メモをまとめて保存できるため、常に情報を整理して、ひらめきにつながる環境を整えられます。

今回、Microsoft Edge のコレクションが Pinterest と連携するようになり、ユーザーが進めている調べものやプロジェクトに関連するコンテンツを見つけやすくなります。ユーザーはコレクションを使って、お気に入りのデザインのアイデア、レシピ、家のリフォームに関するリンクなどを収集したり、次の大きな買い物に向けて複数のサイトからリサーチした情報をまとめたりしています。この Pinterest との新しい統合機能では、既に収集したものに関連するコンテンツが提示されるため、インスピレーションがかきたてられるようなアイデアを発見できると共に、時間の節約と効率化が促されます。この機能を有効にすると、コレクションの下部に Pinterest からの「おすすめ」が表示されます。それをクリックすると、トレンドとなっているピンの中から類似したものを集めたボードが開くので、興味のあるアイデアをすばやく見つけて自分のコレクションに追加できます。

また、コレクションを Pinterest にエクスポートすることも可能です。保存した Web ページや画像は、Pinterest アカウントの新規ボードに表示されます。

Animation showing Collections exporting to Onenote

コレクションに関しては、現在提供されている Excel や Word への送信機能に加え、OneNote への送信機能も追加される予定です。コレクションと Pinterest の統合機能、OneNote への送信機能は、来月中に Insider チャネルで利用可能となります。Edge Insider プログラムに参加して、いち早くお試しください。

サイドバー検索により、さらに速く、文脈に沿った検索が可能に

Animation showing sidebar search

現在 Edge には、新しいタブを開いて単語やフレーズを検索する機能が搭載されています。しかしこの機能を使おうとすると、思考の流れが途切れてしまい、閲覧中のタブから十分な情報を得られなくなってしまうこともあります。サイドバー検索は、ページの横のウィンドウに検索結果を表示できるようにして、ブラウジング エクスペリエンスを向上させることを目的とした機能です。調べたい単語やフレーズを選択して右クリックし、コンテキスト メニューから [サイドバーで検索] を選択するだけで使用できます。職場にいて Azure Active Directory アカウントでログインしている場合は、社内の情報からの検索結果も表示されます。会社の戦略資料を読んでいるときに、関連情報へのリンクが張られていないことはありませんか。サイドバー検索を活用すれば、簡単に情報を見つけられます。終わったらウィンドウを閉じるだけです。または、ウィンドウ内でさらに他の情報について検索を続けることもできます。

この機能は、今後数週間のうちに、Insider のプレビュー チャネルに登場する予定です。Edge Insider に登録して、いち早くお試しください。

インフォメーション ワーカーや IT 担当者向けの新機能

Microsoft Edge は業務利用にも適しています。今回、IT 管理者とインフォメーション ワーカーの日常業務を簡素化する新機能や更新をお届けします。皆様の組織で早速ご利用になりたい場合は、オフライン インストーラーをこちらからダウンロードしてください。

IT 担当者向けの新しい同期オプションとカスタマイズ オプション

Animation showing extension sync

在宅勤務中に複数のデバイスを使用している方は、同期がいかに重要であるかをご存じかと思います。インストール済みの拡張機能が Microsoft Edge で同期されるようになり、新しいポリシーによって IT 担当者はユーザーが同期を行うデータの種類を詳細に管理できるようになります。IT 担当者は職場のニーズに応じて、同期できるデータの種類を柔軟に設定できます。職場によっては、パスワードの同期が許可されていない場合もありますが、これも IT 担当者が管理できるようになります。

近日中には、オンプレミス環境のお客様にもこの同期機能が提供される予定です。クラウドへの移行には時間がかかりますが、その間も Microsoft Edge を最大限に活用していただけます。

Windows Information Protection でデータ セキュリティを強化

多くの人が在宅勤務に切り替えている今、特に IT 担当者にとってはデータの保護が重要課題となっています。今回、Microsoft Edge で Windows Information Protection をサポートします。これにより、Windows 10 をお使いのお客様が個人のデータと企業のデータを明確に分離し、基幹業務アプリケーションに保護機能を追加し、コンプライアンスに関する監査レポートを作成できるようになります。多くのお客様からご要望が寄せられていたため、新しい Microsoft Edge に搭載できることを嬉しく思います。

仕事と個人のプロファイルを簡単に切り替え

Animation showing Automatic Profile Switching in Microsoft Edge

インフォメーション ワーカーが勤務時間中の作業をスムーズにこなせるよう改善を施しました。これは特に、仕事とプライベートの境界があいまいになってしまいがちな在宅勤務を想定したものです。Microsoft Edge で、ユーザーが開こうとするリンクに対して既定のプロファイルを設定できるようになり、業務の途中でプロファイルを切り替えることがあっても、一貫性のあるエクスペリエンスが実現されます。

このプロファイルの自動切り替え機能によって、Microsoft Edge でのプロファイルの管理がさらに容易になります。これまでは、個人用アカウントを使用しているときに仕事関連のリンクにアクセスしようとすると、個人用アカウントには適切な資格情報がないため、サインインし直す必要がありました。この新機能では、開こうとしているリンクに業務用の資格情報が必要であることを Microsoft Edge が検知し、業務用プロファイルに切り替えるので、ユーザーはそのままリンクを開くことができます。プロファイルの切り替えがこれまで以上にスムーズになります。

Bing Microsoft Search で仕事に関する検索結果が 1 つのページに表示されるように

Bing は、毎日の業務を一変させるような検索機能を提供しており、今年の Build でもすばらしい機能更新が発表されました。Microsoft 365 をお使いのすべてのお客様の Bing 検索結果ページに、包括的な [Work] ページが追加されます。Bing に業務用の資格情報でサインインすると、画像やショッピング、ニュースといったおなじみのページの隣に、このページが表示されます。この新しい検索結果ページでは、ファイル、連絡先、社内 Web サイトなど、仕事に関連した検索結果を確認できます。組織で Microsoft 365 Apps for enterprise をお使いの場合は、業務用の資格情報で Bing にサインインして、今すぐお試しください。詳細については、こちらの新しい Web サイト (英語) でご確認ください。

Microsoft Build 2020 にオンラインでご参加いただき、誠にありがとうございます。今回は、世界中のお客様とつながれる機会となりました。新しい 48 時間オールデジタルのカンファレンスをどうぞお楽しみください。

これからもイノベーションと構築を続け、Web のさらなる可能性に期待していきましょう。

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