2023年2月3日 10:56 AM

Microsoft Mesh: 世界経済フォーラム 2023 における「つながり」の創出

Microsoft Mesh: 世界経済フォーラム 2023 における「つながり」の創出

※ 本ブログは、米国時間 1/16 に公開された “Microsoft Mesh: Creating connections at the World Economic Forum 2023” の抄訳です。

スイスのダボスで開催される世界経済フォーラム年次総会では、参加者が海に飛び込んだり、沿岸環境の上空を飛行したり、世界各地の食品市場を訪れたりして、海洋生態系の保護、沿岸浸食、持続可能なエネルギーへの移行といった世界全体の課題に取り組むことができます。そのために、飛行機に乗ったり、ダイビング マスクを着用したりする必要はありません。

マイクロソフトは、Accenture および世界経済フォーラム (以下「フォーラム」) とのパートナーシップにより、Microsoft Mesh (英語) を使用して構築したメタバース エクスペリエンス、Global Collaboration Village (GCV) のデモを行いました。Mesh では、使用するデバイス (VR ヘッドセット、PC、モバイル デバイスなど) や実際にいる場所を問わず、どこからでもコラボレーションを行い、プレゼンスやイマーシブ エクスペリエンスを共有できます。

GCV では、Mesh によって物理的な場所や現実世界の制約を取り払い、世界が直面する最大の課題の解決に向けて政府機関や企業の参加者がコラボレーションを行うことができます。マイクロソフトは Microsoft Mesh 早期導入プログラムの一環として、フォーラムおよび Accenture と協力し、この機会を活用して学び、フィードバックに耳を傾け、製品を改善したうえで、より幅広いお客様やパートナー様に Mesh の機能を提供する予定です。

Microsoft Mesh: 世界経済フォーラム 2023 における「つながり」の創出

Microsoft Mesh

場所やデバイスを問わず、プレゼンスやエクスペリエンスを共有できます。
詳細はこちら (英語)

GCV のミッションの中核となるのはコラボレーションとつながりです。そして、そう遠くない将来、メタバースは私たちの働き方や、複雑な課題を協力して解決する方法において重要な役割を果たし、参加者にとってインクルーシブかつ公平なコラボレーションを実現して、移動を減らすことで低炭素化に貢献するものとマイクロソフトは確信しています。私たちはパンデミックを通じて、人々がどこにいてもリッチな方法でつながってコラボレーションを行えることの重要性を学び、それをハイブリッド環境で実現することの難しさに直面しました。マイクロソフトの調査によると、ビジネス リーダーの 43% がハイブリッド ワークにおける主な課題の 1 つとして人間関係の構築を挙げています。また、職場での人間関係が良好な従業員のうち、76% が高いウェルビーイング、50% が生産性の向上、61% が転職の可能性の低下を報告しています。そのため、社会関係資本の再構築は企業にとって喫緊の課題だと言えます。Mesh のビジョンは、物理的な境界という制約のないハイブリッド環境において、コラボレーションをより効果的に、より自然に、ひいてはより人間的なものにすることです。

MESH FOR TEAMS
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Mesh では GCV のような仮想空間を作成することが可能で、そこではユーザーが完全にイマーシブな新しい方法で他のユーザーと対話したり、物体を操作したりすることができます。パーソナライズしたアバターによってプレゼンスや表情を示し、他のユーザーとのやり取りの中でアイ コンタクト、表情、ジェスチャを利用できます。空間オーディオにより、仮想空間の中の音や会話に立体感が生まれ、他のユーザーのプレゼンスや距離を自然に感じたり、大規模なオンライン イベントで個人的な会話をしたりすることができます。また、Microsoft Teams との統合により、こうしたイマーシブ エクスペリエンスを仕事の場に取り入れ、Whiteboard や PowerPoint などの Microsoft 365 アプリケーションや OneDrive に保存されたコンテンツを利用してコラボレーションを行うことができます。

Global Collaboration Village: コラボレーションとつながりのためのイマーシブ空間

GCV の初のデモは、2022 年 5 月にフォーラム年次総会 2022 で概念実証として行われました。着想のきっかけとなったのは、パンデミック中に離れ離れになった人々が直面した課題と、高度にインクルーシブなエクスペリエンスを提供して多様性に富んだ関係者と対話できるようにしたいというフォーラムのニーズでした。GCV の参加者からは、共有の仮想空間における共存感や双方向の対話性を喜ぶ声が聞かれました。また、地理的な隔たりを超え、コラボレーションや知識の共有を促進し、地球規模の課題の理解と解決に役立つプラットフォームとしての可能性の限界を知りたいという要望も聞かれました。

2022 年 5 月以降、チームは GCV の中核となるイベント センターの Town Hall を強化し、複数のイマーシブ空間を追加して GCV を拡張しました。具体的には、政府機関や法人の Village パートナー様が GCV でのプレゼンスを作成できる関係者向けキャンパスと、仮想環境での重要な地球規模の課題に関する体験型学習、コラボレーション、問題解決を通じて、参加者の問題意識を喚起し、他の参加者とつながるためのコラボレーション センターを構築しました。

世界経済フォーラム年次総会 2023
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GCV のコラボレーション センターの 1 つ、Food Innovation Hub では、参加者が持続可能な食糧生産方法を学び、取り入れることができます。このエリアの会議スペースの周囲にある食品市場では、世界各地の課題と成功事例を紹介しています。Mesh により、参加者は他の参加者と共に仮想空間の中を動き回って対話し、実際に一緒にいるかのような感覚を得られます。視覚環境が同期されるため、現実世界と同じように、参加者どうしが同時に人や物を見て、他のユーザーのジェスチャや環境の変化をリアルタイムで確認できます。

Microsoft Mesh: 世界経済フォーラム 2023 における「つながり」の創出

GCV のもう 1 つのコラボレーション センターである Deep Sea 環境では、海洋の健全度と、それがどのように人類や広範な生態系の健康に影響を及ぼすかということに関連したトピックを学習できます。Deep Sea の Kelp Conference Room (下図) は、今週末にダボスで開催される年次総会の会場となる予定です。この空間では、Mesh により、会議の参加者が会議およびコラボレーション エクスペリエンスの一環として 3D の視覚コンテンツや視覚情報を共有できます。たとえば、参加者が環境内の特定の海洋生物について議論し、3D の参考資料を使用してコラボレーションを促進することができます。

Microsoft Mesh: 世界経済フォーラム 2023 における「つながり」の創出

GCV にはインタラクティブなスペースもあり、その 1 つである Mangrove Forest では、マングローブ再生によって沿岸環境の健全度が向上することを説明し、マングローブ生態系の重要性を伝えています。ここでは、Mesh によって複雑なプロセス (この場合はマングローブの植林の影響) のモデリングと視覚化を行い、マングローブ林の成長と共に物理環境が変化して海洋生物の生息地となり、沿岸浸食から保護するようすを紹介しています。

Accenture およびフォーラムと協力し、こうしたイマーシブな環境を構築した経験から、メタバースは現実世界の制約を乗り越え、私たちのコミュニケーションおよびコラボレーション方法を根本的に変革する可能性があるという確信が深まりました。GCV をさらに進化させ、お客様やパートナー様と共に Mesh プラットフォームについて学び、改良していくことを楽しみにしています。

今後の展望

今回は、Microsoft Mesh (英語) で実現可能なことについての例をご紹介できたことを嬉しく思います。今後数か月のうちに、Mesh に関してさらなる詳細をお伝えできる予定です。Mesh の詳細情報を確認し、サインアップして今後の最新情報を受け取るには、こちらの Web サイト (英語) にアクセスしてください。

 

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