2023年5月25日 2:15 PM

Microsoft Edge: AI を活用したブラウザーによる企業と開発者向けのイノベーション

Lindsay Kubasik (Edge Enterprise グループ プロダクト マネージャー)

※ 本ブログは、米国時間 5/23 に公開された “Microsoft Edge: Your AI-powered browser, innovating for businesses and developers” の抄訳です。

今年の Build では、今日のデジタルの世界においてブラウザーができること、すべきことの水準を引き上げ、皆様とその企業、そして皆様が作成した Web サイトや Web アプリが常に最先端のものとなることをご支援します。どのようにMicrosoft Edge が、業務や組織の生産性向上をお手伝いできるかは、以下の最新イノベーションをご覧ください。

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最新の強力な AI によって Web 閲覧方法を変革

Microsoft Edge は、ビジネスに最適なブラウザーを提供するというミッションの下で、AI の力を活用し、皆様とその組織が常に最先端を行くことができるように支援します。Microsoft Edge は Web ブラウジングの「副操縦士」であり、また、AI を活用した検索機能を統合した初のブラウザーであり、Bing が組み込まれた唯一のブラウザーです。エンタープライズ準拠の AI で企業を支援するというビジョンを掲げ、企業におけるデータのセキュリティとプライバシーに関する従来の取り組みに沿って、新機能を提供することをお約束します。ここ数か月間にわたり、マイクロソフトは新しい Bing と「チャット」と「作成」、Bing Image Creator、そして最近では、ビジネスでの利用を想定した Microsoft 365 Copilot など、AI を活用した数々のイノベーションを発表してきました。そして今回、現在プライベート プレビューを表明している Microsoft 365 Copilot が Microsoft Edge にネイティブ統合されることを発表します。

Microsoft 365 Copilot の新機能は、大規模言語モデル、Microsoft 365 アプリ、Microsoft Graph 内のユーザーのデータ (予定表、メール、チャット、ドキュメントなど) を組み合わせ、これまで不可能だったことを可能にします。たとえば、「製品戦略をどのように更新したかを私のチームに伝えて」というように自然言語で指示を入力すると、Microsoft 365 Copilot が午前中の会議、メール、チャットのスレッドに基づいて更新内容をまとめてくれます。Edge と組み合わせることで、Microsoft 365 Copilot をさらに直観的に使用できるようになり、ブラウザーで閲覧している内容のコンテキストに沿って適切な回答が提供されます。たとえば、同僚から共有されたファイルの閲覧中に「このドキュメントの重要ポイントを教えて」などと質問できます。詳細については、こちらの最新動画 (英語) をご覧ください。

業務の進捗について尋ねる質問に回答している Microsoft 365 Copilot の画像

また、Microsoft 365 Copilot (英語) にプラグインのサポートが追加され、Edge のシンプルなユーザー エクスペリエンスで新しいプラグインを検索、有効化できるようになりました。開発者は、ユーザーが自然言語を使用してアプリを操作し、Microsoft 365 Copilot や Bing チャットへの質問を通じて接続済みサービスから回答やアクションを得られるエクスペリエンスを構築できます。さらに、マイクロソフトは OpenAI が導入した ChatGPT 用プラグインのオープン標準を採用することで、ChatGPT とマイクロソフトの幅広い Copilot サービスの相互運用性を確保しています。マイクロソフトの Copilot サービス用のプラグインには、ChatGPT および Bing プラグイン、Microsoft Teams メッセージの拡張機能、Power Platform コネクタが含まれます。このプラットフォームには、新しいパートナーも参入しています。詳細については、こちら (英語) をご覧ください。開発者の皆様は、Build のセッション (英語) で詳細をご確認ください。

また、既存のワークフローに AI を活用することで、ブラウザーでの情報検索や文章作成を容易にします。Microsoft Search では、近日中に、関連度とユーザーのアクティビティに基づいて、コンテキスト上の関連性が高いファイルや SharePoint サイトがアドレス バーに表示されるほか、ページ内の検索 (Ctrl+F) エクスペリエンスが Smart Find によって強化されます。世界中でロールアウトが開始された Smart Find により、文法や意味上のミスを修正し、ページのコンテンツに関する正確な情報を提供できます。また、予測入力により、ユーザーは迅速に文章を作成してミスを削減できます。予測入力は現在、米国、インド、オーストラリアで英語版がロールアウトされており、近日中には中国語と日本語の提供も開始される予定です。これらのイノベーションの目標は、ユーザーの負担を軽減してスマートに働けるようにすることです。上記の AI イノベーションの詳細については、こちらの最新動画 (英語) をご覧ください。

Microsoft Edge の新しい外観と操作性

このブログ記事に掲載されている画像や GIF では、Edge の外観と操作性が多少変わっていることにお気付きでしょう。これは、ユーザーの皆様から寄せられたご意見を参考にして、意図的に変更したものです。皆様からのフィードバックに基づき、使い慣れた機能はそのままに、現在と将来のデジタル シナリオにおいて美しさと使いやすさを両立させる Web ブラウジング エクスペリエンスを目指しました。角の丸み、半透明の背景、流れるようなアニメーションなど、Windows 11 のモダンでエレガントなデザインを取り入れつつ、使いやすさを調整しています。機能面では、アカウントの追加、変更、管理を簡単に行えるように、プロフィール アイコンを新しい場所に移動しました。また、構造上の変更点として、新しいコンテナー システムで複数のアイテムを一度に表示できるようになりました。これらの変更が反映されるにつれ、ブラウザーを従来および新しい方法で快適かつ楽しくご利用いただけるようになれば幸いです。

Edge の新しい外観と操作性の詳細については、こちらのページをご覧ください。

新しい UI で Web サイトを閲覧している画像。タブの角が丸くなり、プロフィール写真が左上に移動されたほか、サイド バーを開くとコンテナー システムが表示される。

専用ワーク エクスペリエンス「Microsoft Edge for Business」を発表

ビジネスに最適なブラウザーを提供するというミッションをさらに完全に実現するために、Microsoft Edge に専用のワーク エクスペリエンスと、調整済みのアイコンや組織名など、独自の視覚要素を追加しました。この新しいエクスペリエンスが Microsoft Edge for Business です。使い慣れた豊富なエンタープライズ向けコントロール、セキュリティ、生産性機能を備えた Edge for Business は、進化するセキュリティ環境に対応しながら、ユーザーの効果的な作業を支援するように設計されています。Microsoft Edge for Business は、組織の標準ブラウザー エクスペリエンスとなり、Azure Active Directory (AAD) へのログインによってアクティブ化される予定です。

Edge for Business は、仕事とプライベートの境界線があいまいになったハイブリッド ワークの問題にも対応します。ユーザーは、閲覧履歴やパスワードなどの個人データが組織と同期されないように、Webブラウジングにおけるプライバシーとの分離を求めています。一方で、IT 担当者は組織のセキュリティ体制を維持する必要があります。結局、ユーザーが Web ブラウジングのアクティビティを分離できるように、組織は複数のブラウザーをサポートすることになります。その代償として、サイバー攻撃の標的となる攻撃面が拡大し、ユーザー エクスペリエンスが煩雑になるケースも少なくありません。

そこで、ユーザーのプライバシーを強化しつつ、組織レベルで設定された重要なエンタープライズ クラスのコントロールを維持する新しいブラウザー モデルが必要になります。Microsoft Edge for Business は、エンド ユーザーと IT 担当者の両方のニーズを尊重するため、仕事用と個人用の Web ブラウジングをそれぞれ専用のブラウザー ウィンドウで自動的に開き、キャッシュと保存場所を分けることで情報を分離します。Microsoft 365 のアプリやサービス、仕事用のログイン情報が必要なサイトなど、仕事に関連するサイトは自動的に仕事用のブラウザー ウィンドウで開きます。よく利用されるサイトの一部は、自動的に個人用のブラウザー ウィンドウで開きます (対象のサイトは今後も増える予定です)。この機能を有効にすると、ユーザーはサイトに応じて、仕事用と個人用のブラウザー ウィンドウをシームレスかつ自動的に移動できるようになります。ユーザーは、設定から仕事用と個人用のサイトを追加で指定できます。

IT 担当者は、この新しい Edge の専用エクスペリエンスにより、すべてのユース ケースを単一のブラウザーに集約できるため、サイバー攻撃の標的となる攻撃面を減らし、組織のセキュリティ体制を強化できます。管理者は、予め組み込まれているデータ損失防止*、Information Rights Management、機能の可用性などのエンタープライズ向け機能を使用して、Microsoft Edge for Business のコントロールとセキュリティを指定できます。ユーザーは仕事用と個人用のコンテンツを分けることで、仕事用のブラウザー ウィンドウでのエンタープライズ同期から個人データを除外できます。これにより、ユーザーが求めるプライバシーを確保できます。同時に、IT 部門は、仕事用および個人用の Microsoft Edge のセキュリティおよびコンプライアンス体制を引き続き制御できます。

Microsoft Edge for Business は現在、マネージド デバイスでプレビュー版として提供されています。今後数か月以内には、アンマネージド デバイスでの提供も開始される予定です。プレビューの参加登録の開始をお待ちください。Microsoft Edge for Business の詳細については、こちらのページをご覧ください。

*E5 ライセンスが必要です。

Edge と Edge for Business のアイコンが並んでいるタスク バーの画像

今後数か月以内に全ユーザーを対象に Microsoft Edge Workspaces のロールアウトを開始

Microsoft Edge は、リモート ワークを行う従業員の共同作業も想定して設計されています。特に一度に多数のファイルを扱う場合や、コンテンツを何度も繰り返し更新して共有する場合には、全員が最新の情報を把握することは困難です。Microsoft Edge Workspaces を使用すれば、全員が共有のブラウザー タブで同じプロジェクトの Web サイトや最新の作業ファイルをまとめてブラウジングできます。Ignite での発表以来、多くのお客様がプレビュー版の Edge Workspaces を使用してプロジェクトの整理や同期を行っています。

このたび、Edge Workspaces のプレビューが終了し、今後数か月以内に一般提供が開始されることを発表します。今すぐ Edge Workspaces のご利用を希望される場合は、引き続きパブリック プレビューにご参加いただけます。

Edge Workspaces の使用方法は簡単です。プロジェクト専用のワークスペースを作成し、プロジェクトのリンクをブラウザーのタブとして開き、ワークスペースを共有すれば、全員が同じ Web サイトやファイルで作業することができます。ワークスペースのタブはいつでも追加または削除可能で、リアルタイムで行われるため、全員が簡単に全体像を把握できます。セキュリティも万全で、保護されたファイルやアプリがタブで開かれている場合は、アクセス権のあるユーザーのみが閲覧できます。Edge Workspaces により、ユーザーは最新の作業ファイルを探す時間と労力を省き、業務中のチームの連携と生産性を向上できます。

Microsoft 365 管理センターでの Microsoft Edge の管理を簡素化

業務中にブラウザーを使用する時間が長くなる中で、包括的かつシンプルなブラウザー管理ソリューションが必要とされています。Edge 管理サービスは、Microsoft 365 管理センターの新しいシンプルな Microsoft Edge 専用の管理エクスペリエンスで、今後数か月間でプレビュー版の提供が開始されます。このブラウザー管理を簡素化するツールは、以前より IT 管理者の皆様からご要望が寄せられていたもので、IT 管理者はシンプルかつ直観的な UI でグループ ポリシーと拡張機能を管理できるようになります。管理者は、JSON の値を設定する複雑な作業の代わりに、トグルやドロップダウン メニューを使用してポリシーを設定できるため、ミスの削減につながります。このソリューションは、Intune や他の主要エンドポイント ソリューションに加えて、もう 1 つの Edge 管理オプションとなります。特に、専用の IT リソースがないお客様や、Edge for Business の管理に特化したエクスペリエンスを求めているあらゆる規模の企業にとって最適なオプションです。

グローバル管理者と Edge 管理者は、直観的な UI を使用してポリシーや拡張機能を作成および管理し、これらの設定を Azure AD グループに割り当てることができます。拡張機能タブでは、Edge アドオンにアクセスし、評価の確認、拡張機能の検索、追加、削除、ユーザーからの拡張機能リクエストの表示をすべて 1 か所で簡単に行うことができます。

現在プライベート プレビュー版の Edge 管理サービスをご利用いただいているお客様からは、使いやすさ、シンプルな UI、時間の節約、きめ細かな管理などを評価していただいていますが、これはまだ始まりにすぎません。今後もさらにきめ細かく直観的な管理機能を追加し、IT 管理者のブラウザー管理の負担を軽減します。

 Edge 管理サービスでポリシーを作成している画像

モバイル版 Microsoft Edge で、どこからでも企業リソースにアクセス

ハイブリッド ワークの世界では、ユーザーがどこにいても、所属先の法人リソースにアクセスできることが重要です。そこで、Edge for Business は iOS および Android モバイル デバイスでも安全かつ管理されたエクスペリエンスを提供します。Edge for Business は、企業リソースへのシームレスで安全なアクセスを柔軟に実現します。これは、スマートフォンやタブレットのユーザーにとって重要な差別化要因です。アカウント単位の VPN により、企業アカウントを持つユーザーは社内リソースにシームレスにアクセスできます。さらに、企業でゼロ トラストを採用している場合、Azure AD App Proxy の標準サポートにより、ユーザーはどこからでも VPN なしで社内リソースにアクセスできます。

モバイル版 Edge for Business では、共有デバイス モードもサポートされ、シフト間で複数のユーザーが 1 台のデバイスを共有する場合に、現場担当者のエクスペリエンスが効率化されました。

また、モバイル版 Microsoft Edge の管理と展開も容易になりました。Microsoft Intune の統合サポートに加えて、モバイル デバイス版 Edge for Business には最近、他の主要なエンドポイント管理ソリューションとの互換性が追加されました。

Edge のサイド バーでプログレッシブ Web アプリ (PWA) のリーチを拡大してユーザビリティを向上

開発者の皆様は、アプリをユーザーに見つけてもらうのが簡単ではないことをよくご存じです。しかし、Microsoft Edge のサイド バーへの統合により、それがはるかに簡単になりました。サイド バーは新しい Bing のホームであり、AI を活用した検索、チャット、作成機能を使用するユーザーは日を追うごとに増えています。メインのブラウザー タブやデスクトップ ウィンドウを表示しながら、お気に入りの Web アプリ (Instagram、WhatsApp、Messenger などのサードパーティ アプリを含む) を簡単に使用できるため、コンテキストの切り替えが最小限で済みます。このように Web 閲覧のエクスペリエンスは日々進化しています。ユーザーにリーチできる新たなチャンスを確実に掴んでください。

Web 開発者は、サイトの Web アプリのマニフェストを変更することで、Microsoft Edge のサイド バーに対応するエクスペリエンスを構築できるようになりました。しかも、わずか数行のコードで実現できます。Instagram の場合、このコードが既に存在するため、サイド バーのサポートの追加には 1 行を更新するだけで済みました。サイド バーをサポートするサイトはプロモーションの対象となり、ユーザーが発見してサイド バー内にピン留めできるため、Web 開発者は新しいオーディエンスにリーチし、新たなマルチタスク シナリオをサポートできます。

PWA とサイド バーの統合に関する詳細については、こちらの最新動画 (英語) をご覧ください。

PWA アプリ開発のメリットの詳細をご確認のうえ、Edge のサイド バー用の PWA の構築を開始しましょう。

開発者ツールの新しいイノベーション:フォーカス モードと JSON ビューアー

開発者ツールには、機能が多すぎて圧倒されそうになることもあります。そのような場合に役立つのが、フォーカス モードです。フォーカス モードは、Microsoft Edge開発者ツールのインターフェイスを刷新および簡素化する試験段階の機能です。アクティビティ バーとクイック ビューは最大限にカスタマイズ可能なため、33 種類のツールから成る堅牢な機能セットを損なうことなく、最もよく使用するツールをカスタマイズできます。

フォーカス モードの一般提供開始は年内を予定しています。詳細については、こちらのページをご覧ください。

DevTools ウィンドウをブラウザーからドッキング解除された状態で開いている画像。新しいフォーカス モードの UI は、横長のアクティビティ バーに表示される。[要素]、[スタイル]、[3D ビュー] の UI が表示される。

もう 1 つの試験段階の機能である JSON ビューアーをご紹介します。JSON データの書式設定を行うために、これまでは他のブラウザー拡張機能やツールを利用していた方も少なくないでしょう。JSON ビューアーを使用すれば、Microsoft Edge ブラウザーだけで JSON データを検査できます。

この機能を有効にするには、「edge://flags」にアクセスして JSON Viewer フラグを有効にします。ブラウザーを使用して、Web 上の任意の JSON リソースまたはディスク上の JSON ファイルに移動します。JSON ビューアーの一般提供開始は年内を予定しています。

ブラウザーで JSON データを表示している画像。ユーザーが読みやすいように、色分け、改行、インデントなどの書式設定がされている。

マイクロソフトは、高度かつ強力なデバッグ手法への投資を続けてきました。そして今回、メモリ ツールや拡張トレースおよびセレクター統計などの新機能を使用して、さらに迅速にスクリーンショットを撮ることができるようになりました。また、新機能としてパフォーマンス ツールやメモリ ツールで短縮されていないファイル名、関数名、オブジェクト名を表示できるようになったため、これらの便利な機能を活用するために、Azure Artifacts シンボル サーバーなどのソースマップを DevTools に読み込むことを強くお勧めします。

上記の開発ツールの詳細については、こちらの最新動画 (英語) をご覧ください。

HoloLens 2 と Xbox で WebView2 のメリットが利用可能に

Microsoft Edge WebView2 は、プラットフォーム間での広範なコード共有、Web エコシステムや人材プールへのアクセス、ネイティブ機能など、Web 機能とネイティブ機能の両方のメリットをアプリに追加するための優れた方法です。たとえば、Microsoft Teams チームはテクノロジ スタックの評価を行い、セキュリティ、再利用可能なアーキテクチャ、デバッグ ツール、メモリ使用量の節約といったメリットから WebView2 を選択しました。社内での調査とテストに基づき、Teams チームは SetMemoryUsageTargetLevel などの新しい API を使用することで、メモリ使用量を最大 20% 削減できることを確認しました。また、大手グローバル テクノロジ企業の TeamViewer も WebView2 を使用して、デスクトップ アプリおよび Web アプリの開発テクノロジを一本化し、UI やバックエンドの課題を効率的にテストおよび分析するツールを得ることができました。TeamViewer の WebView2 の成功事例については、こちらの動画 (英語) をご覧ください。

今回、HoloLens 2 Insider Preview でプレビュー版 WebView2 が利用可能になりました。今年後半には Xbox でも利用可能になります。Xbox での WebView2 のサポートにより、メディア アプリ開発者は従来の EdgeHTML WebView から移行して、リモート デバッグの改善、パフォーマンスの向上、最新 Web 機能のサポートなど、大きな改善を図ることができます。HoloLens 2 では、WebView2 を使用することで、3D アプリで空間認識に対応するアプリ統合型の動的 Web コンテンツを表示できます。

WebView2 のドキュメントをご確認のうえ、フィードバック用 GitHub (英語) でご意見やご感想をお聞かせください。

プレビュー版 WebView2 の詳細については、こちらの最新動画 (英語) をご覧ください。

HoloLens 2 で WebView2 を使用したサンプル アプリのデモの画像。ユーザーは Unity アプリ内で、WebView2 でホストされた家具販売 Web サイトのコンソール テーブルの 3D モデルを手に取り、玄関に配置した場合のイメージを確認する。

V8 の機能強化による JavaScript 関数の強化と強化されたセキュリティ モードを発表

V8 (英語) は、Chromium プロジェクトが開発したオープンソースの高パフォーマンス JavaScript および WebAssembly エンジンで、そのフォークを Microsoft Edge で使用しています。V8 は ECMAScript と WebAssembly の解釈、JIT コンパイル、実行に使用します。

今回、Windows Performance Analyzer (WPA) で表示される ETW 診断が強化され、JIT コンパイルされた JavaScript 関数の ETW トレースで JavaScript スタック フレームを確認できるようになりました。以下の WPA セッションの画像には、JavaScript 関数のスタック フレームが表示されています。

JavaScript 関数のスタック フレームが表示された WPA セッションの画像

Microsoft Edge のもう 1 つの新機能は、強化されたセキュリティ モード シナリオ向けの WebAssembly インタープリターです。Microsoft Edge の強化されたセキュリティ モード (ESM) では、メモリ関連の脆弱性を軽減するために、ジャスト イン タイム (JIT) JavaScript コンパイルを無効化し、ブラウザーの追加の OS 保護機能を有効にします。ただし、ESM で WebAssembly インタープリターを実行する場合、パフォーマンスが想定を下回る可能性があります。パフォーマンスの低下が懸念される場合は、サイトを例外として追加し、サイト ユーザーの ESM をオプトアウトできます。

Microsoft Quick Authentication ライブラリでユーザーのサインイン プロセスを容易に

多くの Web サイトでは、Web 開発者が「Sign in with            」などのコンストラクトを使用して、複数の認証プロバイダーの認証メカニズムを追加しています。

今回、Microsoft Quick Authentication ライブラリを使用して、ユーザーの Microsoft アカウント (MSA) で認証を行えるようになりました。このライブラリを使用すると、Outlook、OneDrive、Xbox Live などのマイクロソフト製品およびクラウド サービスにアクセスする場合と同じ資格情報を使用して、あらゆるブラウザーでユーザーのサインインを行うことができます。この機能はすべてのブラウザーで動作しますが、Microsoft Edge でサインインする場合には、ワンクリックで効率的にサインインできます。

Microsoft Quick Authentication ライブラリを使用するには、こちらのサンプルやデモ (英語) に示すように、サインイン ボタンを作成したり、MSA ユーザーにプロンプトを表示したりする HTML (または JavaScript) コードのスニペットを追加します。ユーザーがサインインすると、このコードは既存の MSAL.js ライブラリを使用して安全に認証を行い、ユーザーのサインインに必要な詳細情報を提供します。

Microsoft Store で公開される Microsoft Edge プログレッシブ Web アプリ (PWA) でアプリ内購入のための Digital Goods API をサポート

ブラウザーの Web 標準として特にご要望が多いのが、統合アプリ内購入エクスペリエンスを通じてデジタル商品を提供、購入する機能です。現在は、Digital Goods API (英語) により、デジタル ストアで管理されているデジタル製品やユーザーの購入に関する情報を Web アプリで取得することができます。Payment Request API (英語) と組み合わせることで、ユーザーがデジタル製品を購入することも可能です。

今回、Microsoft Edge PWA アプリでユーザーが Microsoft Store からのアプリ内購入を行えるようになりました。Digital Goods API と購入プロセス フローは、最新の Windows 11 Build 22621.1775 以降の Edge で完全にサポートされ、Microsoft Store Billing との完全な統合エクスペリエンスを提供します。

さらに近日中には、Microsoft Store で公開される PWA アプリの開発者が Digital Goods API を使用して、デジタル製品の詳細のクエリ、購入済みの製品の表示、過去の購入履歴の確認、購入した製品の利用を行ったり、Payment Request API を使用して Microsoft Store とユーザー間の支払いフローを円滑にしたりできるようになります。

生産性向上を目指す組織にとっても、ユーザーに優れたエクスペリエンスを提供したい開発者にとっても、今日のデジタル社会においてブラウザーは不可欠であり、AI を活用したブラウザーとして Microsoft Edge をご利用いただけます。導入事例、好意的な反応、フィードバックを寄せてくださったすべてのお客様に感謝申し上げます。これらのイノベーションをご利用いただくこと、今後さらに多くの機能をご提供できることを楽しみにしています。

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