Windows の Microsoft Store に AI を導入
Giorgio Sardo (Microsoft Store 担当ゼネラル マネージャー)
※ 本ブログは、米国時間 5/23 に公開された “Welcoming AI to the Microsoft Store on Windows ” の抄訳です。
今のマイクロソフトは、開発者コミュニティの皆様がいなければ存在しなかったでしょう。私たちは力を合わせてオープンなアプリ ストア (英語) の刷新に取り組み、Windows ユーザーに優れたエクスペリエンスを提供するための旅 (英語) を続けてきました。こうした連携が実を結び、Windows の Microsoft Store の利用者は今や 10 億人を突破しました。また、そのうち Windows 11 の新規ユーザーの過半数が、利用開始から 30 日以内に Microsoft Store を利用しています。
このように Windows ユーザーの勢いが増しているのは、精力的な開発者コミュニティによる質の高いコンテンツが成長していることの証です。昨年以降、Win32 アプリと PWA アプリの数は 2 倍以上に増えました。Snapchat、ESPN などの魅力的な PWA アプリや、Spark Mail、Adobe Photoshop や Lightroom、Capture One (英語)、Bilibili (中国語)、WhatsApp (英語) といった高度なネイティブ アプリ、さらに Epic Seven、Best Fiends (英語)、Blink (英語) などの Android アプリが提供されており、生産性、エンターテイメント、クリエイティビティのいずれを求める場合でも、Microsoft Store は適切なコンテンツを見つけるのにまさにうってつけの場所です。この他にも、Microsoft Store Awards 2023 の受賞アプリをはじめとする評価の高いアプリが多数提供されています。詳細はこちらをご確認ください。
本日は、Windows の Microsoft Store の取り組みの次のフェーズと、新しいエクスペリエンス、機能、ツールについて発表します。マイクロソフトは新しい AI 時代に対応すべく準備を整え、開発者の皆様が Microsoft Store Ads などの新たなツールを使用して、よりいっそう多くのユーザーにリーチしていただけるよう、オープンなストアの構築に力を注いでいます。
Microsoft Store が AI への扉を開く
私たちを取り巻く世界は日々変化しています。AI が既存のワークフローを根底から変え、お客様にとって刺激的な新しい機会を生み出しているのに伴い、マイクロソフトは進化のチャンスを見いだし、Windows の Microsoft Store の役割について独自の視点で捉えています。Microsoft Store は単にアプリやゲームをダウンロードする場所というだけではなく、生産性を高め、タスクを達成し、新しいコンテンツを見つける方法の情報源としての役割も果たす必要があります。
AI Hub の紹介:開発者コミュニティおよびマイクロソフトによって構築された卓越した AI エクスペリエンスを宣伝する Microsoft Store 内の新しい特集セクションです。このスペースでは、AI への取り組みを開始、拡大する方法についての情報を提供し、日常的な方法で AI の使用を働きかけることで、生産性の向上や創造性の発揮といった多くのことを実現します。AI 活用の例としては、Luminar Neo や Lensa でクリエイティブな作業を行う、Descript、Krisp、Podcastle を使って動画と音声の活用をマスターする、Gamma と Copy.ai でアイデアを提示する、Kickresume で履歴書を作成する、Play.ht で自分の声を再現する、Tripnotes で旅行の計画を立てるといったことが挙げられます。
すべてのコンテンツは、セキュリティ、保護者による利用制限や位置情報の確認、デバイス互換性のためにテストされ、自らの手で常に管理できます。この機能は、Microsoft Store で近日中に提供が開始される予定です。AI Hub で特集されることにご興味をお持ちの AI 開発者の皆様は、ぜひこちら (英語) までご連絡ください。
Microsoft Store の AI Hub
AI によるレビューの要約生成機能: この新機能 を使用すると、カスタマー レビューを要約し、評価の高いレビューの詳細を強調表示して、簡潔にまとめることができます。新しいアプリやゲームを検討する際、ユーザーの皆様は Microsoft Store でコミュニティのフィードバックを確認されているかと思います。しかし、人気の高いアプリ、特に数千件ものレビューが投稿されているような場合は、レビューを 1 件ずつ吟味することは難しいでしょう。この機能を使用すれば、AI を活用してカスタマー エクスペリエンスをよりシームレスにすることができます。AI によるレビューの要約生成は Microsoft Store で近日中に提供される予定です。
Microsoft Store の AI によるレビューの要約生成
Microsoft Store の AI によるキーワード生成:この機能は、近日中にプレビュー提供が開始される予定です。AI を活用してアプリの検索タグを生成し、提案する、パートナー センターの新しい開発者ツールです。AI を使用してメタデータとその他のシグナルを利用し、Microsoft Store の検索結果でアプリの表示順位を向上させることができます。多く寄せられたご要望に基づいて、1 つのアプリにつき複数のカテゴリを選択できる機能も導入します。これにより、検索でアプリが表示される可能性がさらに高まり、多くのユーザーの目に留まりやすくなります。詳細については、こちらをご覧ください。
Microsoft Store の AI によるキーワード生成
ユーザーへのリーチを拡大するための新しい開発者ツールと拡張サービス
今年の初めに、検索結果にアプリの広告を表示する Microsoft Store Ads の提供開始と、そのエクスペリエンスを拡張して検索結果に有料広告を表示する計画について発表しました。それからわずか 2 か月間で、この新しいチャネルを採用した開発者の皆様が成果を挙げられたことを確認しました。Miracle Games では、アプリのインストール数が以前と比べて 25% 増加し、CPI (インストールあたりの広告コスト) が他の広告チャネルよりも 90% 抑えられました。Miracle Games の事例に関する詳細はこちら (英語) をご確認ください。
本日リリースする新しいサービスをご活用いただくことで、開発者の皆様はユーザーへのリーチをさらに拡大することができます。また、フィードバックの多かった点にお応えした新しいサービスもリリースします。
Microsoft Store Ads が複数の場面で利用可能に
来月から、Microsoft Store Ads は Microsoft Store の検索結果だけでなく、Bing.com の検索結果にも適用できるようになります。この機能を活用するには、Microsoft Advertising で Store Ads Campaign を作成していただく必要があります。また、MSIX アプリ向けの新しい Attribution SDK も提供し、Win32 と PWA についても近日中に対応予定です。詳細については、こちら (英語) をご覧ください。
Microsoft Store Ads で Bing の検索結果に広告を表示
Microsoft Store のスポットライト セクションにリッチ メディア広告を表示するオプションが追加されました。これにより、サイズが大きくトラフィック量の多い新たな配信面を利用できるようになりました。また、動画広告フォーマットもサポートされます。本パイロット プログラムへの参加をご希望の場合は、こちら (英語) からお申し込みください。
Microsoft Store Ads でハイライト セクションに広告を表示
6 月より、Microsoft Store Ads の提供地域が拡大されます。Microsoft Advertising によって、米国にとどまらず、世界 150 以上の地域に展開されます。米国以外の国でプレゼンスを確立している広告主の皆様は、間もなく、このチャネルを顧客獲得目標の達成のために活用できるようになります。
デバイスの移行によるユーザーの離脱を簡単に防止
リテンションは開発者にとってもう 1 つの重要な課題です。昨年、マイクロソフトは、別のデバイスへのアプリの移行が簡単に行える機能を発表しました。
本日、複数のデバイス間でユーザーを維持できる Windows のバックアップと復元の新機能を発表します。Windows 10 または Windows 11 デバイスから新しい Windows 11 デバイスに移行したときに、元のデバイスとまったく同じ場所であるスタート メニューとタスク バーに、Store アプリのアイコンが自動的に復元されます。この新機能は本日プレビューが開始され、Windows Insiders で利用可能です。アプリの復元に際してのエクスペリエンスを確保する方法の詳細については、こちら (英語) でご確認ください。
この 2 年間、マイクロソフトは PWA アプリや Win32 アプリ (英語) を発行する開発者の皆様の増加を実感し続けています。PWA の新機能、Win32 アプリの認定の迅速化、あらゆる開発者に対する Android アプリの申請の開放を実現できてうれしく思います。
- PWA は依然として Microsoft Store の最優先課題であるため、マイクロソフトはオープンソース ツールへの投資を継続し、開発者のサポートに努めてまいります。Windows ウィジェットと Edge サイドバーの PWA から、オーディエンスの拡大に役立つ新機能を利用できます。さらに、Microsoft Store に発行された PWA を有効化することで Digital Goods API が近日中に利用可能になり、アプリ内購入を承認し、精算を効率化できるようになります。新機能の詳細と使い方については、www.pwabuilder.com (英語) をご確認ください。
- 多く寄せられたご要望にお応えして、本日から、Win32 アプリ開発者向けに一連の認定テストを提供します。これはオフラインで実行可能で、認定に関して起こり得る問題の対処法に関するガイダンスを提供します。これにより、アプリの申請において見通しが立てやすくなり、認定にかかる時間を最大 50% 短縮できる見込みです。詳細については、こちらをご覧ください。
- Amazon Appstore の開発者アカウントを取得している開発者ならだれでもアプリを申請して、Windows 11 デバイスで配布することが可能です。スムーズなテストと発行に向けてアプリの準備を万全にするには、新しいフォーム ファクターでのウィンドウのサイズ変更処理と、ネイティブ マッピングの実装に関する開発者向けリソースを参照してください。Android 用 Windows サブシステムは、Android 13 のサポート、起動時や実行時のパフォーマンスの向上、ピクチャ イン ピクチャやメモリ管理などの新機能を実現するなど、改良され続けています。詳細については、こちら (英語) をご確認ください。
本日の AI に関する発表は、Windows の Microsoft Store がまだ見ぬ新時代に挑む内容となりました。開発者とユーザーの皆様は、マイクロソフトのあらゆる活動の中心であり続けます。ぜひ、ご意見やご感想をお聞かせください。いただいたフィードバックをもとに、すべての方にとってより良いエクスペリエンスを構築できるよう、今後も取り組み続けていきます。
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