AI を活用した Skills in Microsoft Viva の紹介: 従業員のスキルの把握と向上のための新たな方法

著者: John Mighell

※ 本ブログは、米国時間 10/10 に公開された “Introducing AI-powered Skills in Microsoft Viva: A new way to understand and empower the workforce” の抄訳です。

高いパフォーマンスを実現するには、リーダーが正しい方向性を示し、従業員がどのような課題にも適応できる適切なスキルを備えていることが必要です。しかし多くの企業は従来の仕事ベースの人材管理モデルから抜けられずにいるため、個人または組織レベルでの能力の把握が困難になっています。今日のペースの速い人材市場では、動的スキルセット (適応性および柔軟性が高く、常に進化する能力のセット) を特定できれば、企業は従来の標準であった役職と履歴書のデータ以上の、より正確な人材プロファイルを得ることができます。

しかし、このスキルベースの組織への移行は容易ではなく、スキルの習得や更新に対する従業員の意欲の低さにより阻まれることもよくあります。このような障害を認識し、組織が人材を育成して管理することを支援するためにマイクロソフトが Microsoft Viva スイートに新たに追加した、AI を活用したサービスである Skills in Viva についてご紹介します。

Skills in Viva は Microsoft Viva スイート ライセンスに追加料金なしで含まれ、2023 年末までにプライベート プレビューでの提供が開始される予定です。

Skills in Viva のアーキテクチャ

Skills in Viva の主な目的は、従来の業務構造と、組織が目指しているスキルベースの構造との間のギャップを埋めることです。Microsoft Graph で得られる豊富なデータ、Viva プラットフォームの包括的機能、および LinkedIn の Skills Graph との緊密な連携を活用して、Skills in Viva はパフォーマンスの高い組織を実現するための、AI を活用して従業員が検証するアプローチを提供します。

• Microsoft Graph: Skills in Viva は、メール、ドキュメント、会議、チャット、頻繁な連絡先など、多様なソースからスキルの推論を作成します。将来的には、Viva Topics のエキスパート、学習コース、接続されている HCM システムから取り込まれた組織のデータなどの追加のシグナルも活用する予定です。
• LinkedIn Skills Graph: 148 の業界および 200 か国以上からのリアルタイムのシグナルを活用して、3 万 9,000 の固有のスキルが相互に、仕事に、および学習コンテンツにどのように関連するかなど、世界中のスキルの状況をマッピングする動的モデル。ここでは、基本的スキル ライブラリが提供されています。Skills in Viva は、Viva スイートと Microsoft 365 プラットフォームにまたがるスキル エクスペリエンスを可能にするための共通言語としてこのライブラリを使用します。

このデータ層の上に AI 推論を適用することで、Skills in Viva は従業員のスキル プロファイルをインテリジェントに推論し、Viva のお客様は従業員の現在のスキルをより正確に把握できるようになります。

注: Viva と共有されるのは LinkedIn Skills Graph からの集約されたスキル データのみです。

コア シナリオ

初期フェーズでは、Skills in Viva は以下の 3 つのコア シナリオに重点を置いています。

1. 戦略的人材計画: 人事部門と組織のリーダー向けのこのシナリオでは、従業員の能力をビジネス目標に合わせることを支援します。人事チームは、Viva Insights のアナリスト ワークベンチ内の新しいスキル ダッシュボードを使用して、組織全体でのスキルの強みと弱みを視覚化し、組織、職務、習熟度、長期的傾向などの Viva Insights のデータに基づくオプションでフィルタリングできます。

2. スキルアップと再教育: 人事部門のリーダーと従業員向けのこのシナリオは、組織が従業員のスキルを積極的に開発することを可能にします。Viva Learning 内で、従業員は習得するスキルを選択し、スキル別にコースを検索し、AI に基づくスキルの提案を確認できるようになるため、学習体験がよりパーソナライズされ、関連性の高いものになります。

3. 業務フローの中でのスキルの発見: 組織のあらゆる従業員のためのこのシナリオでは、日常業務にスキルの発見をシームレスに組み込むことで、従業員がスキルを最新の状態に保つことを容易にします。スキルは、Microsoft Graph からのシグナルに基づいて、従業員に対してインテリジェントに提案されます。推論されたスキルは従業員自身のみに対して表示され、従業員は Viva のスキル エディターを使用して、スキルの確定、追加、管理を行うことができます。確定されたスキルのセットはその従業員の Microsoft 365 プロファイル カードに表示され、Outlook、Teams、およびその他の Microsoft 365 アプリやサービスからアクセス可能になります。

マイクロソフトの戦略

Skills in Viva に対するマイクロソフトのアプローチは、マイクロソフトの人事チームとの緊密な連携および Lloyds Banking Group などの大企業のお客様との深い関わりを通して特定した、お客様の実際の課題に対処し、優先度の高いシナリオに対応するための共同イノベーション アプローチに根差しています。

Skills in Viva の基盤は、このようなエンゲージメントで絶えず発生する以下の 3 つの主な課題に対処するように構築されています。

1. 従業員による採用と意欲の低さ: Skills in Viva は、スキルを従業員の日常的ワークフローにシームレスに組み込み、直感的で関連性のあるタッチポイントやきっかけを作り出して、スキルが常に最優先事項となるようにし、プロファイルの定期的更新を促すことで、この課題に対処します。
2. 個人スキルのインテリジェント推論: Microsoft 365 生産性プラットフォームからのアクティビティ レベルのデータと、高度な AI 推論とを組み合わせます。データは継続的に更新されて常に最新状態にあり、これを使用してユーザー スキルを推論することにより、リアルタイムのビジネス上の意思決定に役立つ適切な推論を生成できます。ユーザーはこのスキルについての推論を確定するかどうかを選択でき、確定したスキルはそのユーザーの Microsoft 365 プロファイル カードに表示されます。
3. 分断されたシステムとデータ サイロ: Skills in Viva はオープンなエコシステム アプローチを採用しているため、お客様が柔軟にスキルを管理することが可能です。相互運用性を可能にするために、Skills in Viva では以下の機能がサポートされています。

• Viva、サードパーティ、および LOB アプリ間でのスキルのシームレスなフローを可能にするための、確定されたユーザー スキルのイングレスとエグレス。
• すぐに使用できるスキル ライブラリとして LinkedIn Skills Graph を利用するか、独自のカスタム スキル ライブラリおよびロールとスキル間のマッピングでこのライブラリを拡張することによる、スキル ライブラリの柔軟な管理。重複する内容がある場合には、Skills in Viva により重複が削除され、アップロードされたカスタム スキル ライブラリの内容が既定で採用されます。

すぐに始めましょう

マイクロソフトは、お客様が従業員の可能性を引き出し、今後登場する多様な AI ツールを利用できるように態勢を整え、パフォーマンスの高い組織となることを支援します。Skills in Viva を利用したスキルベースの未来への取り組みに参加するには、以下の 3 つの方法があります。

1. Microsoft Viva スイートのサブスクリプション ライセンスを確認する。このライセンスに Skills in Viva が含まれます (提供開始後に)。プランと価格については、こちらをご覧ください。詳細を知りたい場合、または Skills in Viva のプレビューに申し込みたい場合は、マイクロソフトの担当者にお問い合わせください。
2. High-Performance Organization (HPO) Guide を読む。このガイドには、新しい働き方の時代における、パフォーマンスの高い組織に関するマイクロソフトの最新の調査結果が含まれます。また、従業員のエンゲージメントと生産性に重点を置くことにより、組織がどのように期待を超える成果を上げられるかについても解説しています。
3. マイクロソフトの発表の要約ブログを読んで最新のニュースを確認し、Viva Amplify の一般提供の開始に関する発表の詳細を読む。