2024年3月29日 1:24 PM

Microsoft 365 Lighthouse: 2023 年を振り返る

※ 本ブログは、米国時間 2023/12/20 に公開された “Microsoft 365 Lighthouse: 2023 Year in Review” の抄訳です。

2023 年を締めくくるにあたって、Microsoft 365 Lighthouse に対する、パートナーの皆様の変わらないご支援とフィードバックに感謝します。現在 11,000 以上のパートナー様が、Lighthouse を使用して顧客の正常性とセキュリティを確保していますが、そのうち半数近くが過去 12 か月以内の導入でした。その間に、特にご要望が多かった機能をいくつか提供することで、パートナー様がさらに優れたサービスを提供し、セキュリティ標準を改善し、顧客とのエンゲージメントを向上させることを可能にしました。

この 1 年間に、次のような機能強化がありました。

  • Microsoft 365 の全顧客をカバーする広範な管理機能: Lighthouse は Microsoft 365 Business Premium 顧客のためだけのものではなくなりました。Lighthouse の特長の一つが、管理対象の顧客テナントを切り替えることができる、マルチテナント型のビューです。Lighthouse は商用および教育利用の全顧客をサポートしているため、標準化された同一の管理プロセスを全顧客に適用できます。
  • 予防的なアカウント管理を可能にする AI 駆動型の分析情報: Microsoft は 7 月に Lighthouse に Sales Advisor を導入しました。これは、AI 駆動型の顧客分析情報と推奨事項に基づいて、パートナーが顧客のニーズを予測し、付加価値を高める最良の方法を探ることができる機能です。Sales Advisor は、アカウント マネージャーとサービス技術者のギャップを埋めることで、顧客の状態と正常性を全方向から見渡せるようにし、顧客の良好な運用を確実にするものです。
  • 権限管理の簡略化: DAP から GDAP への移行をサポートするため、代理アクセス権管理の効率化を図りました。新しい GDAP テンプレート自動化によって、顧客のデータに対するアクセス レベルの定義や、MSP のベスト プラクティスの履行が簡単になりました。GDAP のセットアップをそのたびに実行したり、追加作業を行ったりすることなく、顧客テナントに GDAP を設定できるため、顧客のセキュリティ確保に集中できます。
  • アラートと通知による最新情報の取得: アラートおよび通知機能を導入しました。その後、すでに 200 万件のアラートを出して、顧客のセキュリティ脅威となるアクティビティを通知しています。ユーザー、グループ、またはサードパーティのチケットシステムに配信される、カスタマイズされたメール アラートを設定することで、危険なユーザーやアクティブな脅威などに迅速に反応できるようになります。ニーズに合わせたアラートを設定できるため、日常の Professional Service Automation (PSA) やメール ワークフローにマルチテナント型アラートを組み込み、優先度付けすることが容易になります。
  • ベースラインを作成、デプロイ、管理するための強力な新機能
    • デプロイに関するマルチテナント型の分析情報: ベースラインに対するマルチテナント型のビューにより、顧客のセットアップの状態を把握して継続的に監視できます。ベースラインでのテナントの進行状況に対する可視性が得られます。すべてのテナント、ユーザー、タスクについて、デプロイの例外、回帰などに関する分析情報が単一のビューに表示されます。展開活動の優先度付けが容易になります。
    • ドリフトの検出と修復: Lighthouse は顧客テナントを継続的にスキャンし、準拠を維持して、テナントが望ましい状態ではなくなった場合にアラートが出されるようにします。たとえば、要件に従ってテナントが多要素認証 (MFA) を無効にした場合には、テナントの正常性、生産性、セキュリティを効率的かつ効果的に復元することができます。
    • 既定のベースラインとカスタマイズされたベースライン: OneDrive 同期構成を追加することで既定のベースラインを改善し、かつてなく厳格かつ包括的なものにしました。デバイスの稼働状況の監視、Intune のデバイス登録の自動化が可能になっています。既定のベースラインは、顧客のセキュリティと安全性を保持するベスト プラクティスのガイドラインになりますが、どの顧客にも固有のニーズがあるのは当然です。カスタム ベースラインが加わったことで、独自のベースラインを作成できるようになりました。ライセンスに関する多様なニーズ、テナントの成熟度の違い、業界の要件に対応できるほか、パートナーが提供する各種の管理対象サービスに加入した顧客をサポートすることが可能です。
  • 顧客を保護するための強化機能
    • セキュア スコア: 多くのパートナー様が、Lighthouse でセキュア スコアを可視化することの重要性を指摘しています。テナント ページで選択した顧客について、ベースライン、デプロイの状態、セキュア スコアなど、セキュリティの全体的な状態を把握できます。セキュア スコアの統合により、管理対象テナントが高いセキュア スコアできるようなデプロイ プランを作成できるようになりました。17 の管理センターと統合されているため、Microsoft 365 Defender ポータルでは、認証情報を再入力したり、顧客を再度選択する必要なく、セキュア スコアの詳細を表示することができます。
    • 脆弱性管理: Microsoft Defender 脆弱性管理により、さまざまな手法で脆弱性を予防的に特定し、デバイスの分析情報を示す、安全な基盤が確立されました。複数のテナント全体の露出スコアが表示され、脆弱性に対する特定のテナントの露出度を低減させる推奨事項が示されます。
    • デバイスのセキュリティの分析情報: Microsoft Defender for Business と Microsoft Defender for Endpoint から要約された分析情報により、テナントにおける各種のセキュリティ アラートの全体的な状態、重大度、カテゴリをすばやく確認できます。個々のアラートの詳細に立ち入る前に、全体像を評価することが可能になります。

Lighthouse 2024 年の素晴らしいスタートを

Microsoft は昨年、パートナー様が顧客のエンゲージメントと管理を最適化できる、革新的なソリューションを提供しました。これに続いて、生産性の向上と事業の成長に必要なデータと分析情報が得られる、新機能を投入していきます。

2024 年はじめに予定されている事項:

  • 更新に関する予定: Sales Advisor により、昨年は 100 万件を超える顧客営業案件が特定され、パートナー様の顧客獲得がサポートされました。これをさらに進めるため、新たに Upcoming Renewals ビューを導入します。このビューにより、顧客の更新の管理が効率化されます。1 月末までに、次のことを可能にする新しい分析情報が提供されます。
    • 90 日以内に有効期限が切れるサブスクリプションをすばやく簡単に追跡する
    • 有効期限、シート数、製品、自動更新の状態によって顧客の並べ替えやフィルタリングを行い、優先度を付ける
    • 顧客の事業継続と成長をサポートするため、コンテキストに応じた推奨事項に基づいて、更新に関する話し合いを効果的に行う
更新に関する予定ページのスクリーンショット

更新に関する予定ページのスクリーンショット

  • 拡張案件: Lighthouse では、ライセンス追加のメリットを受ける顧客の分析情報が示されるため、新たな拡張案件を特定できます。この Lighthouse の予防的で効率的なアカウント管理により、AI 駆動型の分析情報と推奨事項に基づいて、顧客のニーズを的確に予測できるようになります。
  • ロールベースのアクセス制御: シンプルなロールベースのアクセス制御 (RBAC) モデルに基づいて、パートナーのテナント権限を管理できます。Lighthouse RBAC ロールにより、管理者はユーザーが Lighthouse で表示および変更できる事項を定義し、適用することができます。また管理者は、Sales Advisor へのユーザー アクセスを Lighthouse から直接管理できます。AI を活用した、アカウント マネージャー向けの推奨事項と分析情報が得られます。
  • 既定のベースラインの拡張: 今年提供された既定のベースラインとカスタム ベースラインを基盤に、既定のベースラインにおけるタスクの再編成とタスク数の倍加を進めます。それによって Microsoft 365 の価値を最大限に発揮させるとともに、顧客のセキュリティを確保し、生産性を向上させるため、テナント構成の基準を高めます。この機能拡張によってセキュリティの状態が大きく改善され、潜在的な脆弱性に対する包括的な防御をさらに強化できるようになります。
新しいカテゴリとタスクが表示された、既定のベースライン ページのスクリーンショット

新しいカテゴリとタスクが表示された、既定のベースライン ページのスクリーンショット

Microsoft は Lighthouse の未来に向けた明るい展望を持っています。2024 年もパートナー様と協力して、Lighthouse を Microsoft 365 の全顧客の管理とセキュリティ保護を担う、最良のツールにしていきたいと考えています。

Lighthouse にしばらく触れていなかった場合は、2023 年に追加された新機能をご確認ください。Lighthouse を新たに導入する場合は、パートナー テナントに無料で追加して、今すぐ開始できます

詳細は以下をご覧ください。

M365

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