2024年4月2日 1:12 PM

法人向け AI 対応 PC: Surface Pro 10 と Surface Laptop 6

※ 本ブログは、米国時間 2024/3/21 に公開された “Introducing Surface Pro 10 & Surface Laptop 6: AI PCs built for business” の抄訳です。

マイクロソフトは 10 年以上にわたって、洗練されたソフトウェア機能と革新的なハードウェア ソリューションを融合させるというミッションを推進してきました。私たちは世界中の多様な業界の企業、IT プロフェッショナル、エンド ユーザー、経営幹部とさまざまな水準で協力し合いながら、ポートフォリオを改良し、人々の生産性向上を支援する強力なツールとエクスペリエンスを提供し続けています。

本日は、ビジネス ユーザー向けに開発した最新のデバイス、Microsoft Surface Pro 10 と Surface Laptop 6 をご紹介します。両製品は法人のお客様から直接いただいたフィードバックを基に開発したもので、つながりとコラボレーションのオプションが強化されているほか、高度なセキュリティやパフォーマンスを実現する機能など、お客様のご要望に沿った機能を多数搭載しています。いずれも最新の Intel® Core Ultra プロセッサを搭載したマイクロソフト初の AI 対応 PC であり、CPU と GPU が一新され、AI アクセラレーションの実行を効率化するためのニューラル プロセッシング ユニット (NPU) も統合されています。これらのデバイスは、Copilot1 および Windows 11 Pro とシームレスに連携するように設計されています。新しい Surface Pro キーボード組み合わせた Surface Pro 10と Surface Laptop 6 は、専用の Copilot キー2 をクリックするだけで生成 AI を利用することができます。

また、IT プロフェッショナルや管理者のさらなる業務効率化を目的とした Surface 管理ポータルの更新点や、マイクロソフトの重要な IT ツールを集約した新しい Surface IT Toolkit アプリについても発表しています。ではさっそく見ていきましょう。

ゼロトラスト、チップからクラウドまでの原則に基づく設計

新しい Surface Pro 10 と Surface Laptop 6 では、ゼロトラストとチップからクラウドまでのセキュリティを実現しています。いずれもセキュリティが強化された Secured-Core PC であり、Windows 11 Pro の最新機能と高度なハードウェア機能によってデバイス、ユーザーの個人情報、データが保護されます。この設計の中心には、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアにまたがる組み込み機能があります。それらを Microsoft Intune3 などのクラウド ツールで展開、管理することで、管理の複雑さを排除しながら、業界トップクラスの保護を実現できるようになっています。

Surface Pro 10 では、ハードウェアのセキュリティ オプションを強化し、より安全な多要素認証を実現する NFC (近距離無線通信) 機能が追加されました。また、Surface Laptop 6 の一部のモデルでは、統合スマート カード リーダーがオプションとして提供されます4。さらに、Surface Pro 10 と Surface Laptop 6 のいずれにも、保護層を強化する Windows Hello 拡張サインイン セキュリティ機能が追加されたことで、専用のハードウェアとソフトウェアを使用して認証データを隔離、保護し、より安全に送信を行うことが可能になりました。

図 1. Surface Laptop 6 の NFC ベースの認証とオプションのスマート カード リーダー

図 1. Surface Laptop 6 の NFC ベースの認証とオプションのスマート カード リーダー

どこにいても仕事ができる汎用性

新しい Surface Pro 10 と Surface Laptop 6 は、どこにいても仕事ができる柔軟性を提供します。どちらのデバイスにも業界をリードする 3:2 ディスプレイと PixelSense タッチスクリーンが搭載されており、タッチによる直観的な操作で作業効率を高められます。また、画面の反射を最大 50% 低減する反射防止テクノロジにより、屋内外のどこにいても鮮やかな色彩を保持できます。このテクノロジについては、今後のブログ記事で詳しくご紹介します。

図 2. Surface Pro 10 の反射防止テクノロジ

図 2. Surface Pro 10 の反射防止テクノロジ

つながりとコラボレーションに関連する機能としては、Surface Pro 10 には 114 度の超広視野角を持つ Surface Studio カメラが搭載され、Surface Laptop 6 には 1080p の Surface Studio カメラが搭載されます。いずれのデバイスでも、背景のぼかしや自動フレーミングなどの AI ベースの Windows Studio エフェクトを使用して、ユーザーを画面中央に配置し、会議中に注目を集めやすくすることができます。

図 3. Surface Pro 10 での Surface スリム ペンによる手書き入力

図 3. Surface Pro 10 での Surface スリム ペンによる手書き入力

ボイス フォーカス機能を備えた高品質のスタジオ マイクと Omnisonic® スピーカー、そして Microsoft 365 アプリの AI で強化された音声入力機能により、オーディオ エクスペリエンスが向上しています。また、メモを取ったり、ホワイト ボードにアイデアを出し合ったり、プロジェクトの草案を書き出したりするには、紙にペンを滑らせるような書き心地を味わえる Surface スリム ペン5 を組み合わせるのが最適です。

Surface Pro 10 では、今年後半から 5G 接続オプションを通じて従業員の柔軟性をさらに向上させることができます6。カフェで電話会議に参加したり、オフィスで提案を行ったりと、Surface Pro 10 なら柔軟に対応し、多様なニーズを満たすことができます。

Copilot に瞬時にアクセス

Surface Pro 10 と Surface Laptop 6 の注目の新機能は、Copilot キー1 です。Copilot キーを使用すると、Copilot in Windows に一瞬でアクセスできるため、作業を効率化できるだけでなく、生産性を高め、創造性を発揮しやすくなります。Copilot in Windows は日常業務の AI アシスタントとして利用できます。個別のサポート、状況に応じた支援、インサイトの提供や提案によって、ユーザーのワークフローを効率化します。Surface では、キーボード、ペン、タッチ、音声による自然かつ直観的な方法で Copilot と対話できるため、ユーザーは作業の中断を最小限に抑え、タスクに集中することができます。

図 4. Surface Laptop 6 と Surface Pro 10 で提供される新しい Copilot キー

図 4. Surface Laptop 6 と Surface Pro 10 で提供される新しい Copilot キー

Intel Core Ultra プロセッサの強力なパフォーマンスと新しい AI エクスペリエンス

Surface Pro 10 と Surface Laptop 6 は、まったく新しい Intel Core Ultra プロセッサを搭載した先進的な商用デバイスです。電力効率に優れた新しいアーキテクチャで適切なタスクを適切なタイミングで適切なエンジンに送ることにより、複雑なビジネス ワークフローにおいて生産性を最大限に引き出すことができます。Intel Core Ultra プロセッサは次世代の AI ソフトウェア向けに設計されており、CPU と GPU、そして最新の Intel AI Boost NPU (ニューラル プロセッシング ユニット) 間で AI ワークロードのバランスを取ることができます。

これらの新しいプロセッサがもたらす効果には目を見張るものがあります。Surface Pro 9 と比較して、Intel Core Ultra 7 を搭載した Surface Pro 10 では、グラフィックス性能は最大 1.5 倍向上し、マルチタスク処理は最大 21% 高速になっています7。Surface Laptop 6 では Intel Core Ultra H プロセッサと最大 64 GB の RAM を搭載し、Surface Laptop 5 より数段パワフルになりました。グラフィックス性能は最大 2 倍に向上し8、プロフェッショナル アプリを最大 40% 高速に実行できます。

マイクロソフトは Intel と連携して、Intel Core Ultra プロセッサによって Surface と Windows エコシステムのパフォーマンスと AI エクスペリエンスがさらに強力で信頼性の高いものになるよう取り組んできました。その結果、マイクロソフトが開発した Windows Studio エフェクトと、Intel Core Ultra プロセッサの最適化と信頼性の組み合わせによって、ユーザーがさまざまな AI ツールを試したり、AI 技術を活用したイノベーションを促進したりするための理想的なプラットフォームが実現されています。

Windows 365 クラウド PC へのアクセスがさらに容易に

新しい Surface Pro 10 と Surface Laptop 6 で生産性を高められるもう 1 つの理由としては、Windows 365 クラウド PC や Azure 仮想デスクトップ、Microsoft Dev Box、さらにプレインストールされている Windows アプリに簡単にアクセスできる点が挙げられます。つまり、1 つのアプリで複数のアカウントを使用したり、アカウント間の切り替えを簡単に行ったりすることができます。Windows 365 ではパーソナライズされた Windows エクスペリエンスが安全かつリアルタイムに提供されるため、お使いのあらゆるアプリ、データ、設定、コンテンツに、どこからでもどのデバイスからでもアクセスすることができます。

Surface Laptop 6 と Surface Pro 10 には Windows アプリがプレインストールされているため、チーム内に簡単にクラウド PC をデプロイして、Windows 365 Boot と Windows 365 Switch をすぐに有効化することができます。Windows 365 Boot と Surface Pro 10 の NFC を組み合わせれば、ログアウトやタップ操作で簡単にユーザーを切り替えられる共有デバイスのシナリオを利用できます。また、Surface は最適な会議エクスペリエンスだけでなく、高品質なオフライン機能も提供します。Windows と Windows 365 に関する最新の発表については、Windows エクスペリエンスに関するブログ記事 (英語) をご覧ください。

新しくなった Surface ツールでスケーラブルな管理を実現し、IT 管理を強化

Surface では、デバイス、アプリ、データを管理、保護するためのクラウドベース サービスである Microsoft Intune を利用できます。この Microsoft Intune に組み込まれた強力な管理機能は、IT プロフェッショナルやビジネスの意思決定者の業務を支援するのに最適です。Intune 管理センターでは、デバイスの構成やデプロイができるだけでなく、Surface 管理ポータルにアクセスすることも可能です。

Surface 管理ポータルは Surface Management and Support Suite に含まれる強力な機能であり、大量の Surface デバイスを効率的に管理できるようカスタマイズできます。豊富なデータを提示する新しいデバイス インサイト ビュー、保証範囲や進行中のサポート案件の詳細情報、新しい修理およびサービス注文エクスペリエンスなどを利用できます。また、お使いの Surface デバイスの二酸化炭素排出量を確認したい場合は、Surface 管理ポータル内の二酸化炭素排出量推定ツールからデバイスの環境への影響を推定できます。

まだ Intune を活用していない場合は、Microsoft 365 管理センターから Surface サポート ポータルを通じて同等の管理ソリューションを利用できます。Surface Management and Support Suite の最新情報については、今後のブログ記事で詳しくご紹介します。

図 5. Surface 管理ポータルで予定されている更新と機能強化

図 5. Surface 管理ポータルで予定されている更新と機能強化

新しい Surface IT Toolkit は、クラウド ベースの管理と従来型の管理のニーズに対応するために開発されました。このツールキットには、さまざまな設定ツールと技術者向けツールを 1 か所にまとめた統合コンソールが用意されており、USB ベースの再イメージングのための Device Recovery、ハードウェア設定のための UEFI 構成、情報コンプライアンスのための Data Eraser などが含まれています。

図 6. 新しい Surface IT Toolkit

図 6. 新しい Surface IT Toolkit

IT プロフェッショナルや管理者は、Surface IT Toolkit を利用することで、デバイスの構成、更新、トラブルシューティングなどをガイダンスに従って簡単に行うことができます。Surface IT Toolkit には、さまざまなツールが集約されているだけでなく、使用しているツールやインストーラーの最新バージョンが常に用意されます。自動で最新バージョンのチェックとダウンロードが行われるため、古いバージョンや互換性のないバージョンを使用し続けてしまう心配がありません。

詳細については、Surface IT Toolkit のリリース時にブログでお知らせします。

修理のしやすさが向上

新世代の商用デバイスでは、修理のしやすさが大幅に向上しています9。デバイス内部に組み込まれた QR コードをスキャンするだけで、詳細なオンライン サービス ガイドを開くことができます。説明には図や画像が多く使用されているため、部品交換に必要なネジの数や種類を簡単に特定できます (Surface Pro 10 のみ)。この修理のしやすさと、マイクロソフトのツール、保証、補償オプションが、Surface を活用するビジネスの成功に欠かせない要素の 1 つとなっています。

図 7. 修理しやすくなった Surface Pro 10 (左) と Surface Laptop 6

図 7. 修理しやすくなった Surface Pro 10 (左) と Surface Laptop 6

法人向けに Microsoft アダプティブ アクセサリの提供を開始

まもなく、一部の市場の法人のお客様を対象に、Microsoft アダプティブ アクセサリの提供が開始されます。Microsoft アダプティブ アクセサリは、多様なニーズに対応し、容易に利用できる設計になっており、マウス、キーボード入力、ショートカットを自分好みにカスタマイズできます。個人のニーズや好みに合わせて調整できるため、生産性を高め、お気に入りのアプリをより効果的に使用することができます。Shapeways で 3D プリント可能なデザインのセレクションから、本当に自分に合ったセットアップを見つけられます1011。アクセシビリティに配慮したマイクロソフトのアクセサリについて、詳細はアクセシビリティに配慮したアクセサリーをご覧ください。

新しい法人向け Surface Pro 10 Surface Laptop 6 の受注を開始

Surface Pro 10 と Surface Laptop 6 はビジネス向けに設計され、日常業務の AI アシスタントとして機能する Microsoft Copilot にすばやくアクセスできるなど、マイクロソフトの生産性エクスペリエンスに最適化されています。これらの Surface デバイスの特徴は、汎用性に優れ、強力で安全性が高く、保守管理が容易な点です。Windows 365 クラウド PC とシームレスに連携するように設計されており、クラウドからパーソナライズされた Windows エクスペリエンスに柔軟にアクセスできます。今回の発表の詳細については、今後のブログや技術者向けの記事で取り上げる予定ですので、引き続きチェックしてください。

Surface Pro 10 と Surface Laptop 6 は、本日より一部の市場で受注を開始しており、4 月 9 日より順次出荷される予定です。詳細については、お近くの Surface 法人向け認定リセラーにお問い合わせください。法人向け Surface 製品の詳細は、surface.com/business または Microsoft Store でご確認いただけます。

今回の発表の詳細については、以下の Microsoft 365、Microsoft Copilot、Windows のブログ記事もチェックしてください。

 

注釈

  1. 1. Copilot in Windows (プレビュー) は、世界各地の一部の市場で提供されており、その他の市場にも段階的に展開される予定です。商用データ保護機能を備えた Copilot は、対象の有効な Microsoft 365 ライセンスを持つ Entra ID ユーザーであれば追加費用なしで利用できます。詳細は、商用データ保護機能を備えた Web 用 AI ベース チャット | Microsoft Copilot をご覧ください。
  2. 利用可能な機能は市場によって異なります。aka.ms/WindowsAIFeatures をご覧ください。デバイスで Copilot in Windows を利用できない場合や有効化していない場合は、Copilot キーを押すと Windows Search が起動します。
  3. ライセンス認証と使用には、ライセンスまたはサブスクリプション (別売) が必要です。
  4. 統合スマート カード リーダーは、米国とカナダのみで提供され、Surface Laptop 6 (ブラック) 15 インチ モデルの 5/16/512、7/16/256、7/16/512、7/32/512 のいずれかでのみご利用いただけます。
  5. 別売りです。
  6. 5G 対応の Surface Pro 10 は 2024 年後半に発売予定で、一部の地域でのみ利用可能です。eSIM と 5G も一部の地域でのみサポートされ、互換性と性能は通信事業者のネットワーク、プラン、その他の要因によって異なります。価格や詳細については、通信事業者にお問い合わせください。
  7. 3D Mark TimeSpy ベンチマーク テストを使用してグラフィック性能を Surface Pro 9 (Intel) と比較した結果に基づく値。
  8. 3D Mark TimeSpy ベンチマーク テストを使用してグラフィック性能を Surface Laptop 5 と比較した結果に基づく値。Intel Core Ultra 7 を搭載した Surface Laptop 6 で測定しています。
  9. 交換用部品は、法人向け Surface 認定デバイス リセラーから購入できます。部品の交換は、マイクロソフトのサービス ガイドに従い、適切なスキルを備えた IT 技術者が行います。マイクロソフトの工具 (別売り) が必要な場合があります。交換部品やサービス オプションの提供状況は、製品、市場、時間の経過によって異なる可能性があります。Surface のサービス オプション | Microsoft Learn をご覧ください。デバイスの開閉や修理には、感電、出火、人身傷害などの危険が伴います。ご自身で修理する場合は、細心の注意を払ってください。法律で義務付けられている場合を除き、デバイスの修理中に生じた損傷は、マイクロソフトの標準保証や法人向け Surface デバイス保証サービスの対象外となります。
  10. 3D プリント サービスは、Shapeways, Inc. によって独占的に提供および保証されており、Shapeways の販売条件と保証 (https://aka.ms/ShapewaysTermsConditions (英語)) が適用されます。マイクロソフトは、その性能や、適用される規制、コンプライアンス、安全性またはその他の要件の遵守について責任を負いません。
  11. Shapeways から提供される 3D デザインは、ここに表示されている画像とは異なる可能性があり、今後変更になる可能性もあります。最新のデザインは、3D プリントに関するページからご確認ください。

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