2024年9月10日 4:02 PM

Copilot の新機能 | 2024 年 4 月

Copilot の新機能 | 2024 年 4 月

※ 本ブログは、米国時間 2024/4/30 に公開された “What’s New in Copilot | April 2024” の抄訳です。

この記事では、2024 年 4 月の Copilot for Microsoft 365 に関する最新情報をお届けします。毎月、Copilot for Microsoft 365 の注目の新機能と機能強化をご紹介しています。普段お使いのアプリでの生産性向上と効率化をサポートする Copilot の最新情報をご確認ください。今月は、Copilot の対応言語の拡大、Copilot in Excel でのデータ分析を効率化する機能、Copilot in Word での効率的な検索と文書作成、Copilot Academy の新しいトレーニング コンテンツなどについて紹介します。

また、先日 Microsoft Copilot ダッシュボードの一般提供 (英語) を開始したほか、四半期ごとにモダン ワーク テクノロジのスキルアップ (英語) に役立つブログ シリーズもお届けしています。まだご覧になっていない方はぜひチェックしてみてください。

それでは、今月の最新情報を詳しく紹介していきましょう。

機能の拡張

アクセス性と管理機能の拡張

Graph グラウンディングのチャットを備えた Copilot Outlook で利用可能に

5 月より、Copilot in Outlook からエンタープライズ データ (チャット、ドキュメント、会議、メール) に接続し、その情報に基づいた回答を得ることができるようになります。Copilot アプリは、クラシックの Microsoft Outlook for Windows (英語)新しい Outlook for Windows および Outlook on the web (英語) の画面左側のアプリ バーに表示されます。Graph グラウンディングのチャットを備えた Copilot の使用方法については、こちらをご覧ください。

Outlook の Copilot チャット ボックス

Outlook の Copilot チャット ボックス

Copilot プロンプトでのローカル ファイルへのグラウンディング

Copilot を使用して、ますます包括的かつ簡単に業務データから情報を引き出すことができるようになっています。Copilot のリリース後の改善では、プロンプトで「/」の後にファイル名を入力することで OneDrive や SharePoint に格納されている特定のファイルを参照 (英語) できるようになりました。5 月には、ローカル ファイルの参照も可能になります。近日中に、OneDrive や SharePoint に格納されているファイルへのリンクをコピーして貼り付けるだけでグラウンディング先を指示できるようになり、Copilot とのやり取りがさらに充実します。

Copilot での Word 文書の作成と利用がより効率的に

Copilot in Word に新機能が追加され、ドキュメント作成時にすばやく情報にアクセスできるようになりました。

Word のチャット ウィンドウから Copilot に 質問すると、Microsoft Cloud や Microsoft Graph から収集した人中心の豊富なデータやインサイト (英語) に基づいて応答が返されます。これにより、アプリから移動することなく、文書の作成に集中し続けることができます。

Copilot のサイド パネルを表示した白紙の Word 文書。「ヨーロッパで開催する企業イベントの企画書を書こうとしています。参加者の名前とメールを収集する場合に考慮すべきことは何ですか?」という質問に対し、Copilot はユーザーが業務上アクセス可能なファイルの情報に基づいて、メール用テンプレートについて具体的に言及し、社内文書へのリンクを示している

Copilot のサイド パネルを表示した白紙の Word 文書。「ヨーロッパで開催する企業イベントの企画書を書こうとしています。参加者の名前とメールを収集する場合に考慮すべきことは何ですか?」という質問に対し、Copilot はユーザーが業務上アクセス可能なファイルの情報に基づいて、メール用テンプレートについて具体的に言及し、社内文書へのリンクを示している

また、Copilot の書き換え機能を使用すると、ドキュメントの特定セクションの文章を細かく調整できます。これにより、書き足し、書き換え、トーン変更、書式設定をより細かく制御できるようになります。

Word 文書を開き、プロジェクト タイムラインの段落を選択して、Copilot に「予算に関する詳細を含めて」と微調整を依頼すると、Copilot がプロンプトに基づいて選択されたテキストを編集

Word 文書を開き、プロジェクト タイムラインの段落を選択して、Copilot に「予算に関する詳細を含めて」と微調整を依頼すると、Copilot がプロンプトに基づいて選択されたテキストを編集

Copilot を使った下書きでは、秘密度ラベルが設定されているファイルを参照して、新しい文書の下書きを作成できます。作成された下書きには、参照したファイルの秘密度ラベルが自動的に適用されます。

白紙の Word 文書を開き、2 つのファイルに基づいて 1 ページの資料を作成するよう Copilot に依頼。「i」のマークのアイコンは、参照したファイルの 1 つに秘密度ラベルが設定されていることを示している。Copilot が新しい文書を生成し、参照したファイルから秘密度ラベルが自動的に継承されたことを示す黄色のバナーが表示される

白紙の Word 文書を開き、2 つのファイルに基づいて 1 ページの資料を作成するよう Copilot に依頼。「i」のマークのアイコンは、参照したファイルの 1 つに秘密度ラベルが設定されていることを示している。Copilot が新しい文書を生成し、参照したファイルから秘密度ラベルが自動的に継承されたことを示す黄色のバナーが表示される

Copilot では、選択したテキストの要約 (英語) も可能です。要約したい範囲を選択して Copilot に依頼するだけで概要をまとめてくれるため、他のドキュメントやメールで共有する際に便利です。この機能は現在、Word for the web で利用可能です。

市場開拓戦略の Word 文書。ユーザーがテキストの一部を選択して要約を依頼し、Copilot が選択されたテキストの要約を返している

市場開拓戦略の Word 文書。ユーザーがテキストの一部を選択して要約を依頼し、Copilot が選択されたテキストの要約を返している

5 月から、Copilot in Word を使用して下書きを作成する際に、サポートされているファイルのリンクを参照対象としてウィンドウに貼り付ける (英語) ことができるようになり、ファイル参照メニューから目的のファイルを検索する必要がなくなります。これにより、作業の土台となる参照ファイルをすばやく指定できるようになります。

Copilot in Excel で複数の数式列を生成

Copilot in Excel で、1 つのプロンプトから数式の列を複数生成 (英語) できるようになりました。1 つの質問に対して、Copilot は数式の列を同時に 2 つ提案します。たとえば、1 つのプロンプトで姓と名を抽出し、個別の列に分けて情報を整理するといったことが可能です。さらに、XLOOKUP や SUMIF などの関数を使用して、複数のテーブルにまたがる複雑な数式の列を作成 (英語) できるようになりました。この機能によって、データ処理が容易になり、複数のテーブルを参照している場合でもより複雑なデータ分析タスクを効率的にこなせるようになります。

Copilot モバイル アプリから Copilot Web チャットに安全にアクセス

iOS と Android で利用可能な Copilot モバイル アプリを使用して、外出先でも AI 搭載 Web チャットにアクセスできるようになりました。ユーザーが対象ライセンスの職場アカウントにサインインすると、追加費用なしで自動的に Copilot (旧称 Bing Chat Enterprise) に商用データ保護が適用されます。これにより、生産性と創造力を高めつつ、機密データが AI モデルに流出しないよう保護できます。IT 管理者は、Microsoft Intune から Copilot モバイル アプリを管理できます。詳細については、モバイル版 Copilot に関するドキュメントをご覧ください。

商用データ保護機能を備えた Copilot のノートブックでプロンプトを細かく調整

ノートブックは、Copilot を支える生成 AI モデルと安全にやり取りするための新しいツールです。チャットを強化した高度なメモ帳のようなもので、プロンプトの細かい調整が可能です。ノートブックでは長文のプロンプトがサポートされており、時間をかけてプロンプトに繰り返し改良を加えて、望みどおりの応答を得ることができます。そのため、コードを生成したり文章を書き上げたりするような作業において特に役立ちます。また、応答の質を上げるためにプロンプトにどのように具体性を持たせるかを試す際にも最適です。

対象となる職場アカウントまたは学校アカウントでサインインするだけで、Copilot の使用中は商用データ保護が適用されます。このノートブック機能には、copilot.microsoft.com または Bing の Copilot の画面上部からアクセスできます。Copilot の画面上部に「職場」と「Web」のトグルがある場合は、Web に切り替えるとノートブックが表示されます。

画面の上部にノートブックのアイコンが表示された Copilot のチャット画面

画面の上部にノートブックのアイコンが表示された Copilot のチャット画面

月次更新に移行する Copilot のお客様を App Assure でサポート

マイクロソフトの App Assure では、月次の更新プログラム チャネルに移行する Copilot for Microsoft 365 のお客様に、追加費用なしでサポートが提供されるようになりました。Copilot を導入する組織の増加に伴い、Microsoft 365 Apps の月次更新プログラム チャネルへの移行も増えています。

月次の更新プログラム チャネルに移行すると、最新の機能を入手して、カスタム ロールアウト ウェーブを構成できます。加えて、月例更新プログラムでは、安定したエクスペリエンスによってインシデントや中断が最小限に抑えられると共に、有益な診断データによってサポート性が向上し、ヘルプデスクへの問い合わせも最小限にとどめることができます。予測可能なリリース スケジュールをご希望のお客様には、月次エンタープライズ チャネルが特にお勧めです。

マイクロソフトはシームレスなエクスペリエンスを提供するために、基幹業務アプリケーション、サードパーティ製ソフトウェア、マイクロソフト製品 (マクロ、アドイン、ドライバー) のすべてにわたってアプリの互換性の問題解決を支援しており、App Assure プログラムはその取り組みそのものです。サードパーティ製アプリの場合、App Assure では対象となる関係者と直接連携して互換性の問題解決にあたります。ぜひ今すぐ App Assure にご登録ください

Copilot for Microsoft 365 のサポート対象言語を追加

Copilot for Microsoft 365 は新たに、アラビア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、フィンランド語、ヘブライ語、ハンガリー語、韓国語、ノルウェー語 (ブークモール)、ポーランド語、ポルトガル語 (ポルトガル)、ロシア語、スウェーデン語、タイ語、トルコ語、ウクライナ語の 16 の言語に対応するようになりました。これにより、サポート対象の言語が大幅に増えます。Copilot で既にサポートされている言語は、中国語 (簡体字)、英語 (米国、英国、オーストラリア、カナダ、インド)、フランス語 (フランス、カナダ)、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポルトガル語 (ブラジル)、スペイン語 (スペイン、メキシコ) です。

今後、中国語 (繁体字) も Copilot for Microsoft 365 で利用できるようになる予定で、無料版と同様に中国語 (繁体字) を使用した Copilot での作業が可能になります。残りの既知の問題が解決されしだい、サポート対象の言語に追加される予定です。Microsoft Copilot でサポートされている言語の詳細については、こちらをご覧ください。

マイクロソフトは常に改善に取り組んでおり、現在の Copilot for Microsoft 365 も、まだ特定の言語の口語表現や言語的慣習をすべて理解できるわけではありません。今後とも Copilot の言語機能改良に努めてまいりますので、ぜひ品質向上に役立つフィードバックをお寄せください。また、対応言語の拡大にも引き続き注力しており、数か月以内に詳細をお伝えする予定です。

Viva Learning Copilot Academy Copilot の活用スキルを向上させる

今月初めに、Microsoft Copilot Academy (英語) が発表されました。AI ツール周りのスキルを新たに習得したいというニーズにお応えするべく、Copilot Academy では体系的なトレーニング コンテンツを提供し、ユーザーの皆様が迅速かつ効果的に Copilot について学び、理解し、使いこなすことができるよう支援します。Copilot Academy は現在、Teams またはWeb 版の Viva Learning で一般提供しています。

Teams の Viva Learning アプリに登場した Microsoft Copilot Academy

Teams の Viva Learning アプリに登場した Microsoft Copilot Academy

Teams 会議での Copilot の利用を管理

Microsoft 365 管理者が Teams 管理センターで Copilot の利用範囲を管理できるようになりました。既存のポリシーを選択するか、新しいポリシーを作成して、Copilot の設定のドロップダウンから「オン」または「保持されているトランスクリプトでのみオン」を選択します。

「オン」に設定した場合、このポリシーが適用された会議開催者が会議やイベントを作成すると、Copilot の使用が「会議中のみ」に設定されます。会議開催者はこの設定を「会議中および会議後」に変更できます。

「保持されているトランスクリプトでのみオン」に設定した場合、ポリシーが適用されている会議開催者が会議やイベントを作成すると、Copilot の使用は「会議中および会議後」に固定され、会議開催者が Copilot を使用するには、文字起こしを有効化する必要があります。

制限付き SharePoint 検索のパブリック プレビュー開始

今月初め、Copilot for Microsoft 365 のお客様向けに制限付き SharePoint 検索のパブリック プレビュー (英語) を開始しました。これにより、Microsoft 365 管理者は Copilot 展開の勢いを削ぐことなく、コンテンツ管理とデータ ガバナンスの実施状況について見直しを行えます。組織全体検索を無効にして、エンタープライズ検索と Copilot の両方の動作の対象を、指定した SharePoint サイトのみに制限できます。制限付き SharePoint 検索は、2024 年 5 月に一般提供を開始する予定です。ロールアウトの状況については、公開されているロードマップ (英語) をご確認ください。

Copilot for Microsoft 365 のエンド ユーザー エクスペリエンス。画面上部に次のようなメッセージが表示される:「組織の管理者が、Copilot からの特定の SharePoint サイトへのアクセスを制限しています。そのため、プロンプトへの応答時に Copilot が検索および参照できるコンテンツが制限されます。詳細はこちらをご覧ください」

Copilot for Microsoft 365 のエンド ユーザー エクスペリエンス。画面上部に次のようなメッセージが表示される:「組織の管理者が、Copilot からの特定の SharePoint サイトへのアクセスを制限しています。そのため、プロンプトへの応答時に Copilot が検索および参照できるコンテンツが制限されます。詳細はこちらをご覧ください」

関連情報: Microsoft 365 ロードマップ (英語) では、生産性向上アプリやインテリジェントなクラウド サービスに関する最新の情報をご覧いただけます。開発中または近日リリース予定の機能については、定期的にアクセスしてご確認ください。

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