Microsoft Ignite 2024 | 日常のアプリに新たに追加された Microsoft 365 Copilot のイノベーションのご紹介
※ 本ブログは、米国時間 2024/11/19 に公開された “Microsoft Ignite 2024 | Microsoft 365 Copilot Innovation in Your Go-To Apps” の抄訳です。
本日の Microsoft Ignite (英語) では、皆様が日々使用しているアプリやサービスに追加された Microsoft 365 Copilot の新機能 (英語) について発表がありました。ここではその詳細をご紹介していきます。
Copilot + Pages
9 月に発表された Copilot Pages (英語) は、複数のユーザーによる AI コラボレーション用に設計された、永続性のある動的なキャンバスです。
本日、この Pages がこれまでのテキストに加えて、コードやインタラクティブなグラフ、テーブル、図、数字などのリッチな成果物を含む、より多様なコンテンツに対応したことが発表されました。これらの成果物は、Web や作業データに基づいて、BizChat で作成することができます。インタラクティブに利用できるだけでなく、Outlook や Teams などの Microsoft 365 アプリを通じて共有することで、常に同期が可能です。また、Pages のマルチサポートが追加され、単一のチャット セッションで複数の Pages を新規作成したり、複数のチャット セッションからコンテンツを単一の Pages に追加したりできるようになりました。この Pages の更新時に、Copilot のチャット プロンプトで Pages コンテンツをグラウンディングできるようになったため、Copilot の返信が連続する場合でも正確性が維持されます。さらに、Pages をモバイルで編集および共有できるようになるため、外出先でも Copilot や同僚と作業を続けることができます。これらの機能は、2025 年の早い時期に Pages にロールアウトされる予定です。
Word
Copilot in Word は、既にある素材からコンテンツを作成したり、提案内容の編集や共有を行ったり、情報を即座に理解するための簡単なインサイトを提供したりすることで、より容易な文書作成を実現します。
Ignite では、Copilot が関連ソースや下書きに使用する追加コンテンツの検索に対応することが発表されました。下書きを始めると、内容に盛り込めるファイル、メール、会議を Copilot が検索します。新しいドキュメントを下書きする際は、新しいドキュメント全体の出典を表示し、下書きの保存時に引用を残すオプションを提示してくれます。また、文章のトーン、流れ、ストーリーを提案するなどして、ドキュメントの改善について助言してくれます。これらの新機能は、2024 年末から 2025 年 Q1 にかけてロールアウトされる予定です。詳細はこちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。
Excel
先日、Copilot in Excel の一般提供が発表されました。これにより、Copilot が Excel 上でデータの準備、分析、共有をサポートしてくれるようになります。
Ignite では、Windows デスクトップ アプリを利用する米国 (英語) ユーザー向けに Copilot in Excel with Python の一般提供を開始することが発表されました。また、あらゆるスキル レベルのユーザーが自分のタスクに合わせて表を作成できる新しいスタート エクスペリエンスも追加されました。Copilot in Excel では、組織データの Word、Excel、PowerPoint、PDF ファイルを参照できるようになりました。これにより、たとえば、Word で下書きしたニュースレターのお知らせをリスト化するよう Copilot in Excel に依頼できます。すると、Copilot は新しいスプレッドシートに挿入できるリストを返したり、既存の表にコピー & ペーストできるリストを返してくれたりします。主要顧客の 1 社からのご要望にお応えして、自然言語を使って別の Excel ファイルからデータをインポートできる機能も追加しました。また、Web 検索にも対応し、日付や統計などの公開された情報をワークフローが中断されることなく検索できるようになりました。これにより、たとえば、国や為替レートの表を参照することができます。また、Copilot に新たに追加されたテキスト分析機能により、データをより深く理解できるようになります。Copilot はアンケートからテキストベースのコメントを分析し、書き手の感情が肯定的か否定的か、あるいはどちらでもないのかといったインサイトを提示します。これらの機能はいずれも年末までにロールアウトされる予定です。詳細については、こちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。
PowerPoint
Copilot in PowerPoint を活用すれば、簡単にプレゼンテーションを作成できます。
Ignite では、Narrative Builder がファイルのグラウンディングに対応し、適切な情報に基づくストーリーの作成をサポートするようになることが発表されました。Presentation Translator では、Copilot を使用してプレゼンテーションを 40 の言語に翻訳できるようになったため、グローバル展開に適したプレゼンテーションを簡単に作成できます。Narrative Builder で [ファイルを使ってトピックを追加] を使用すれば、Copilot が作業固有のコンテキストを基に新しいセクションを追加してくれます。Copilot は組織の SharePoint アセット ライブラリに加え、Templafy アセット ライブラリにも接続できるため、プレゼンテーションを新規作成する際に企業のイメージ画像を自動で取り込むことができます。また、Copilot はスライドのテキストをリライトすることも可能で、内容を要約したり、より専門的な文章にしたりすることができます。さらに、すべてのスライドにノートを追加することも支援してくれます。ノートはプレゼンテーションを行う際に役立ちます。これらの機能はいずれも 2025 年 1 月までにロールアウトが開始される予定です。詳細については、こちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。
Outlook
Copilot in Outlook でもさらなるイノベーションが追加され、受信トレイの状態の把握や会議の管理がかつてないほど簡単になります。
Ignite では、フォーカス時間や 1:1 の予定を設定できる機能が発表されました。これにより、Copilot を使って自然言語で会議を設定したり、フォーカス時間を探したりできるようになります。Copilot は、会議の要約や重要ポイントといったアジェンダの下書きを支援し、会議の生産性を確保してくれます。これらの機能は、2024 年 12 月から 2025 年 Q1 までにロールアウトが開始される予定です。詳細はこちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。
OneNote
OneNote にも Copilot の機能がさらに追加されます。Copilot の機能の活用で複数のエンドポイントに散らばるアイデアを整理できるようになります。Ignite では、自然言語コマンドで Copilot チャットを活用してメモの要約やリライトを行い、内容をよりわかりやすくできるようになることが発表されました。OneNote のページでキャンバスの Copilot アイコンをクリックすると、メモの作成や要約、タスク リストの作成、ページのリライトなどができます。また、Copilot ではノートブック セクションをすばやく整理することもできます。OneNote アプリで Copilot を開き、「このセクションを整理して」と入力すると、Copilot がメモのページを整理してくれます。さらに、Microsoft 365 Copilot は OneNote コンテンツを推論できるようになりました。Word、PowerPoint、BizChat を含むあらゆる Microsoft 365 アプリで、Copilot は OneNote ページを推論し、OneNote ページへ直接リンクする引用を提供してくれます。詳細はこちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。
Ignite では、マイクロソフトの動画編集ソフトウェア Clipchamp とエンタープライズ向け動画プラットフォーム Stream の機能が連携することが発表されました。この統合プラットフォームにより、動画コンテンツの作成と利用を簡単に切り替えて、企業の生産性と効率性を強化できるようになります。また、Outlook や PowerPoint に埋め込まれた動画コンテンツの要約も可能になりました。
Forms
Copilot in Forms では、貴重なフィードバックやインサイトの獲得につながるフォームやクイズの作成や改善を簡単に行えます。
Ignite では、Copilot in Forms を使って反応を収集できることが発表されました。最近の Forms のイノベーションや今後の予定の詳細については、こちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。
Teams と Places
Microsoft Places、Teams、Copilot の新しい AI 機能をハイブリッドな職場環境で活用することで、同僚との対面および仮想のタッチポイントをすばやく簡単に計画できます。
Ignite では、Places カードが一元的な窓口となり、Teams と Outlook の新しいカレンダー エクスペリエンスから直接、所定の日付に設定されている予定を確認し、作業計画を更新したり部屋やデスクを予約したりできるようになったことが発表されました。Copilot in Places は、同僚の作業計画や対面会議、その日のチーム向けガイダンスなどに基づき、最適なオフィス出社日を提案します。また、Places Finder では、オフィス内エクスペリエンスとして、インサイトに基づくアクションや適切なスペース (会議室や個人用デスクなど) の予約を容易に行うことができます。Copilot は、会議室の予約が却下されたり会議の変更があったりした場合の予約管理や予約変更にも対応します。Microsoft Places は Teams Premium で一般提供が開始されています。話者認識は、Teams Room や BYOD ルームなどの会議スペースでも利用できるようになりました。これにより、室内の音声や人物を認識し、だれが話しているかを常に明確に把握できます。また、Copilot がインテリジェントな会議の要約で正しい話者を識別できるようになるため、会議メモやアクション アイテムの精度も向上します。詳細はこちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。
Microsoft 365 のエージェント
Ignite では、Microsoft 365 でエージェントのプレビューが発表されました。エージェントは、特定のタスクを自動化しながら、専門のスキルや知識を追加することで Copilot の機能を強化します。
Teams 会議およびチャットのファシリテーター エージェント (Facilitator Agent) は、リアルタイムでメモを作成したり要約を共有したりすることで、コラボレーションを強化します。通訳エージェント (Interpreter Agent) は、Teams 会議中に最大 9 言語の音声から音声へのリアルタイム翻訳を提供し、言語の壁を取り払います。プロジェクト マネージャー エージェント (Project Manager Agent) は、Planner のプロジェクト タスクの作成から実行までを自動化します。SharePoint のエージェント (Agents in SharePoint) は SharePoint のリッチ コンテンツを活用して、ビジネスの課題を解決します。従業員セルフサービス エージェント (Employee Self-Service Agent) は、一般的なポリシー関連の質問に迅速に回答したり、人事/IT 部門からのサービス提供を簡素化したりします。従業員セルフサービス エージェントの詳細については、近日開催予定のウェビナー (英語) にご登録いただくか、プライベート プレビューにこちら (英語) からご参加ください。詳細はこちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。
SharePoint
SharePoint は、組織のナレッジやインサイトの基盤となる場所です。
前述のとおり、SharePoint のエージェントの一般提供について発表がありました。これらのエージェントが、増え続けるコンテンツの中から特定のプロジェクトやプロセスに関する有益な情報を見つけてくれるため、そこからすばやくインサイトを引き出し、ビジネス上の意思決定をスマートに下すことができます。詳細はこちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。
Copilot 分析 + ビジネス影響レポート
本日、Microsoft 365 Copilot の新しい Copilot 分析機能の一部として、追加費用なしで Viva Insights が提供されることが発表されました。Copilot 分析は、Copilot やエージェントの導入状況やビジネスの影響を評価する IT リーダーやビジネス リーダーを支援するものです。そのままの状態で利用可能で、KPI をより詳しく分析するカスタマイズ レポートにも対応します。詳細はこちらをご確認ください。
Viva Insights を活用した新しい Copilot ビジネス影響レポートがパブリック プレビューで提供開始されました。このレポートを使用することで、Microsoft 365 Copilot の活用が主要なビジネス成果とどう関係するかを把握できます。事業運営に関する貴重なインサイトを獲得し、データ主導で意思決定を行うことで、生産性を強化し、ビジネス価値を向上できます。Viva Pulse の Copilot 影響調査テンプレートの一般提供が開始され、AI の従業員への導入状況やビジネス価値をビジネス リーダーが把握できるようになりました。また、Microsoft Viva に組み込まれる生成 AI 機能も拡張しています。Microsoft Viva の Copilot が、従業員との円滑なコミュニケーションの下書きや、ビジネス リーダー向けのデータ分析を容易にします。Viva Amplify、Viva Glint、Viva Insights などの Viva 製品に、さらに多くの Copilot 機能が搭載されることも発表されています。
IT 管理者向けの発表
AI 変革の最前線に立つマイクロソフトにとって、IT リーダー、IT 管理者、AI 支持者の皆様は、管理の安全性を確保し、Microsoft 365 Copilot の導入と効果の向上を成功させるうえで、かつてないほど重要な役割を担っています。
Ignite では、Microsoft 365 Copilot と Microsoft 365 のエンタープライズ向け AI サービスの管理を行う AI 管理者と呼ばれる新しいロールが提供されることが発表されました。AI 管理者ロールを割り当てられた管理者ユーザーは、グローバル管理者ロールが持つ多数の権限がなくても、Copilot を効率的に管理できます。また、Copilot in Microsoft 365 管理センターの一般提供が 2025 年を目途に予定されています。管理センターでは AI を活用して定型的なタスクを最適化し、意思決定の改善に役立つインサイトを得られるため、IT 管理者のエクスペリエンスが変革されます。昨年、マイクロソフトは Microsoft 365 管理センターに Copilot 管理の専用ページを導入しました。また、エンタープライズ データ保護機能を備える Microsoft Copilot 向けスタンドアロン レポートを新たに提供することも発表しています。これにより、Microsoft Copilot のアクティブ ユーザー数、デイリー アクティブ ユーザーの平均、アプリのエントリ ポイント別のアクティブ ユーザー数の合計や傾向が可視化されます。
この記事では Microsoft 365 Copilot の新しいイノベーションの数々をご紹介してきました。これらをご利用いただき、ぜひフィードバックをお寄せいただければ幸いです。貴重なご意見として役立てさせていただきます。皆様のご意見があってこそ、継続に改良を行い、より優れたエクスペリエンスをお届けすることができるようになります。今後も数か月にわたりアップデート情報をご提供する予定ですので、ぜひお見逃しなく。
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