2025年7月10日 2:13 PM

終わりなきワークデイに立ち向かうための道筋 – Microsoft 365 Copilot と AI エージェントがもたらす新しい働き方

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終わりなきワークデイに立ち向かうための道筋 - Microsoft 365 Copilot と AI エージェントがもたらす新しい働き方

※本ブログは、米国時間 2025 年 6 月 26 日 (木) に公開された “How Microsoft 365 Copilot and agents help tackle the infinite workday” の抄訳を基に掲載しています。

コレット スタルボーマー (Colette Stallbaumer)
Microsoft Copilot ゼネラルマネージャー / WorkLab 共同創設者

Microsoft 365 の数兆件に及ぶグローバルな生産性シグナルを分析した Work Trend Index 特別レポートでは、現代の働き方が「終わりなきワークデイ」と化していることが明らかになりました。早朝や深夜、そしてその間の時間にも仕事が浸食していることを示しており、多くの人がすでに感じていることを裏付けています。

  • 午前 6 時時点でオンラインの人の 40% がすでにメールを確認し、1 日の優先順位を決定。
  • 平均的な従業員は、1 日に 100 件以上のメールと 150 件以上の Microsoft Teams メッセージを受信。
  • 多くの従業員が、勤務時間外に 50 件以上の Teams メッセージを送受信。

従業員の約 3 分の 1 が「現在の仕事のペースについていけない」と感じており、ナレッジワークは非効率のピークに達しています。AI はこの状況を打破する可能性を秘めていますが、それだけでは不十分です。今こそ、リーダーが仕事の構造とチームの在り方を再考する時です。再考しなければ、壊れたシステムを加速させるリスクがあります。つまり、インパクトの 80% を生み出す 20% の仕事に集中し、従来の組織図ではなく「ワークチャート」に基づいたフラットでアジャイルなチームを設計し、すべての従業員を “エージェントボス” としてリスキリングする必要があります。

AI を中心に働き方を再構築している “フロンティア企業” では、すでにその効果が現れています。これらの企業の従業員は、自社が成長していると感じる傾向が強く、より多くの仕事をこなせると感じ、意義ある仕事に取り組む機会が増えています。

ここでは、すべてのリーダーが今知っておくべき、フロンティア企業のマインドセットを取り入れるための 3 つの戦略を紹介します。

1. 80/20 の法則を適用する

AI 時代において、従来の働き方では通用しません。成功する企業は、ただ努力するのではなく、スマートに働きます。つまり、インパクトの 80% を生み出す 20% の仕事に集中し、それ以外は徹底的に効率化するのです。

AI は今や、驚くほど高度な推論力を持ち、複雑な課題にも対応できるようになっています。必要なときにすぐ使えるインテリジェンスとして活用することで、ビジネスの常識を塗り替え、ナレッジワークのあり方を根本から変えつつあります。従来、企業はアウトプットを増やすために人員や資本 (資金、インフラ、設備) を増やしてきましたが、今では “推論エージェント” というデジタルワークフォースを追加することが可能です。

Microsoft 365 Copilot の “Researcher” は、業務における複数ステップのリサーチを担うエージェントです。OpenAI の高度なリサーチモデルと、Microsoft Copilot の優れた連携制御機能と検索能力を組み合わせることで、これまで以上に高品質かつ正確なインサイトを提供します。最近の実例として、私自身が取り組んだホワイトペーパーの作成を紹介します。出張と家族の結婚式の合間という限られた時間の中で、タイムリーにチームへ報告書を提出する必要がありました。従来であれば、リサーチから分析、執筆、編集までに数日かかっていた作業が、Researcher を活用することで、ひと続きの作業時間内にドラフト作成から仕上げまでを完了し、チームに提出することができました。

2. ワークチャートに基づいて再設計する

現在、多くの企業では、マーケティング、財務、エンジニアリングなどの部門ごとに人材やチームを編成しています。しかしこのような従来型の組織構造では、必要なときにすぐ活用できる AI の知見や情報を十分に活かすことができません。一方、フロンティア企業では、こうした組織図にとらわれず、目標に応じて柔軟にチームを編成する「ワークチャート」という考え方を取り入れています。これは、成果を重視し、状況に応じてすばやく動ける少人数のチームを組み、AI を活用して足りないスキルを補うというアプローチです。私のチームではこれを「ハリウッドモデル」と呼んでいます。映画制作のように、プロジェクトごとに最適な人材が集まり、完了後は次のプロジェクトへと移るスタイルです。この方法により、短期間で集中的に取り組むことができ、状況の変化にも柔軟に対応できます。そして、こうしたチームには AI エージェントも加わります。

例えば、“Analyst” は、熟練したデータサイエンティストのように振る舞い、生のデータからインサイトを導き出すまでの時間を大幅に短縮してくれます。割引が顧客行動に与える影響の分析や、購入済み製品を十分に活用していない顧客の特定、製品の評価や使用傾向の可視化による市場戦略の立案など、さまざまな場面で活用できます。

3. すべての従業員が AI エージェントのボスに

エージェントが労働力に加わるにつれ、“エージェントボス” の台頭が見られます。これは、エージェントを構築し、業務を委任し、管理することで、自身の影響力を高め、スマートに働き、スケールを加速し、AI 時代におけるキャリアを自ら切り拓く従業員のことです。AI エージェントがますます労働力として加わるにつれて、AI エージェントの上司、”エージェントボス”の台頭が見られるでしょう。AI エージェントを”効果的に”構築、管理し、その影響力をもってAI 時代におけるキャリアを形成し発展させる人々です。会議室から最前線の現場まで、すべての働く人は AI エージェントを活用するスタートアップの CEO のように考える必要があります。リサーチやデータ分析など、専門スキルを持つエージェントのチームを指揮し、成果につなげていくのです。

Microsoft 365 Copilot の “Copilot Studio” を使えば、AI エージェントの構築は簡単です。たとえば、承認処理や注文作成、業務フローの管理などを担うエージェントを作成できます。営業担当者なら、1 つのエージェントで提案書を作成し、別のエージェントで CRM データから有望なリードを抽出することが可能です。私のチームの研究者は、3 つのエージェントを活用しています。1 つは新しい研究発表や報告書を収集するエージェント、2 つ目は複雑な統計分析を行うエージェント、3 つ目は要約やブリーフを作成するエージェントです。これにより、彼はより高度な分析や新しいアイデアの創出に集中することができています。また、別のエージェントボスは、AI エージェントを人間の部下と同じように管理しています。成果が出ていないエージェントにはスキルアップの機会を与え、定期的にフィードバックを行い、パフォーマンスレビューまで実施しています。

働き方のリズムを再構築する

働き方は今、まさにリアルタイムで変化しています。リーダーには、AI の活用と「フロンティア企業」の考え方を組み合わせることで、すべての従業員が“終わりなきワークデイ”を乗り越えられるよう支援するチャンスがあります。

インパクトの大きい仕事に集中する「80/20 の法則」を取り入れ、従来の組織図ではなく、目的に応じて柔軟にチームを編成する「ワークチャート」へと切り替え、さらにすべての従業員が AI エージェントを活用して自律的に働けるよう育成することで、どんな組織でもフロンティア企業へと進化し、これからのチャンスを確実に掴むことができるはずです。

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