2026年5月14日 10:42 AM

Surface Pro 12 インチを導入し、社会で必要な AI 活用スキルとリテラシーを学ぶ ~ 聖和女子学院中学校高等学校の ICT 教育 ~

Surface Pro 12 インチを導入し、社会で必要な AI 活用スキルとリテラシーを学ぶ ~聖和女子学院中学校高等学校のICT教育~

長崎県佐世保市を見晴らす丘に建つ聖和女子学院中学校高等学校は、オーストラリアに本部を置くカトリック修道会から派遣された 6 名の女性修道士たちによって 1953 年に創設された中高一貫の女子校です。人に寄り添う「隣人愛」の教えをもとにした情操教育と英語教育が特徴で、国際社会で活躍する人材の育成に力を注いでいます。

また ICT 教育にも積極的に取り組んでおり、これからの社会で活躍する人材の育成に力を入れています。全常勤教員が参加するファカルティ・ディベロップメント (FD) チームを校内に立ち上げ、ICT の利活用はもちろん、協働力やコミュニケーション力などのこれからの社会で生き抜く力である「21 世紀型スキル」、「デジタル・シティズンシップ」も取り入れ、継続的に教育の改善活動を行うなどして ICT 教育を実践しています。

SEIWA

そんな同学院では、授業や校務で Microsoft Teams や OneNote を活用しており、2023 年には Microsoft が認定する「Microsoft Showcase School」にも認定されています。

さらに 2026 年度から AI 利活用の教育を開始する予定で、生成 AI 処理に特化した NPU 搭載の Copilot+ PC である Surface Pro 12 インチの導入が決まっています。

それに先立ち、2026 年 2 月から約 1 ヶ月間にわたって、Surface Pro 12 インチの試験導入が実施されました。この試験導入では高校 1 年生と 2 年生それぞれひとクラスずつと中学生を含めた ICT の得意な生徒数名を選抜して、Surface Pro 12 インチを貸与。授業に留まらないさまざまなシーンでの活用を推奨しています。

ICT はあくまで縁の下で支える道具として、社会で活躍するためのスキルを身につけてほしい

同学院の ICT 教育をリードするのは、学校法人 聖和女子学院中学校高等学校 DX 部主任の依藤 慎一朗氏です。

依藤氏は Microsoft の MIEE (マイクロソフト認定教育イノベーター) であり、6 年前に同学院に着任して以来 DX 部に所属。数学と情報の教科を担当するかたわらで、ひとり一台端末の検証・導入から ICT 教育方針の策定、教員向け研修の実施など、同学院の ICT 教育に関する校務全般を担当しています。同氏は、同学院の ICT 教育が目指す人材育成についてこう説明します。

「今の時代において、高校を卒業したあと大学や企業で活躍するためには、ICT の素養は欠かせません。まずは私たち教員のガイドなしで ICT を活用できるところを最低限として、ICT の素養を持って周りをリードし、新たな価値観を生み出せる人材に育ってほしいと考えています」(依藤氏)

また、「ICT はあくまで縁の下で支える道具として捉えて、これからどう変化するかわからない時代のなかでも活躍できるスキルを磨いてほしい」と依藤氏。学院生活のなかで ICT ツールを利活用するだけではなく、ICT ツールを使って社会で活躍するためのスキルを獲得してもらうことが目標、と力を込めます。

聖和女子学院中学校高等学校 依藤 慎一朗氏

聖和女子学院中学校高等学校 依藤 慎一朗氏

ひとり一台端末として Surface を導入し、Microsoft 365 ツールも浸透

ひとり一台端末における Surface 端末採用の理由について依藤氏は「大学や企業で使われる PC の OS はほぼ Windows ですから、Windows 端末を選んだのは当然のなりゆきでした」と振り返ります。OEM 端末ではなく Microsoft 純正の Surface を選んだ理由は、「2 in 1 PC としての圧倒的な取り回しのよさと Office ツールとの親和性の高さ、そして余計なアプリや機能が付帯せず、はじめて PC に触れる中学生でも扱いやすい点」 (依藤氏) が大きなポイントだったそうです。

そして同学院ならではの選定理由として、OneNote と Surface ペンの存在がありました。依藤氏によると、同氏が板書計画を OneNote に Surface ペンで書き込んでいるのを見た同僚教員が、「その使い方ができるなら Surface を選びたい」と導入に賛成したのだそうです。

「導入前に OS の異なる PC をいくつか購入して先生方に体験してもらったことも、スムーズな導入につながった理由だと思っています。当学院は若手で経験が少ない先生も多く、授業や校務の効率化に役立つ Surface を歓迎する雰囲気があったことも追い風になりました」 (依藤氏)

中高一貫校である同学院では、中学入学時に全生徒が Surface Go シリーズを購入して基本的には 6 年間使用することになります。「Surface の故障が少ない点も、学校で使用する端末として優れていると感じます」と依藤氏。同氏が ICT 支援員を兼務する同学院では、同氏や DX 部が端末を管理しているため、トラブル対応の情報がネット上にまとまっていて修理対応も迅速な点は大きなメリットだったといいます。

また同学院では Surface と同時に Microsoft 365 も導入しており、情報以外の教科でも Office ツールや Teams、OneNote などが活用されています。なかでも OneNote は、3年前の卒業文集の「3年生への質問コーナー」で「授業のメモは OneNote を使うか、ノートを使うか」という二択が成立するほど、身近なツールとして浸透しています。 (なお結果は、45 % が OneNote、49 % がノート、6 % が両方などという回答だったとのこと)

AI の利活用を進めるにあたり、Surface Pro 12 インチの試験導入を実施

AI の利活用を進めるにあたり、Surface Pro 12 インチの試験導入を実施

先述のとおり同学院では、2026 年度から学校全体で AI 教育を組み込むことになっています。「これから AI の活用が当たり前になる世の中において AI 教育の実施は当然」と依藤氏。そのうえで、「生成AIの活用にも最適なPCであること」と「チャットで生成 AI に質問するだけでなく、AI が組み込まれたツールを使いこなしてはじめて “AI を使いこなしている” と言えるのではないか」という視点から、Copilot+ PC である Surface Pro 12 インチの導入を決めたそうです。

「最初に Surface を選定した理由と同様に、社会に出たときに Copilot+ PC を使いこなせることと、社会で必要とされる AI リテラシーを中高生のうちに身につけられることは、生徒たちにとって大きなアドバンテージになると考えました」(依藤氏)

そんな同学院にとって、Surface Pro 12 インチの試験導入は本格導入の前に試行錯誤できるよい機会、と依藤氏。あえて使い方は特に指定せずに、端末としての特徴や Copilot の使い方など最低限の情報を与えたうえで自由に使わせているといいます。

「使い方や活用シーンを限定してしまうと、汎用的なユースケースにつながりにくいのではないかと考えました。それよりは、ある程度自由に使ってもらい、生徒や教員から “こう使ってみたらどうなるだろう” という発想が自然に生まれることを期待しました」(依藤氏)

導入後ほどなく想定を超えたユースケースが生まれ、AI エージェント開発も

導入後ほどなく想定を超えたユースケースが生まれ、AI エージェント開発も

生徒たちの発想は期待以上だったそうで、自然言語での検索にはすぐに馴染み、1 週間ほどの間に、ペイント アプリに搭載されたコクリエイター機能を使って課題に添付する画像を生成したり、テストの類題を Copilot チャットで生成したりと、Copilot+ PC ならではの使い方をする生徒も現れたそうです。

「なかでも驚いたのは、中学 2 年生の生徒が英検の問題を自動的に生成する AI エージェントを作成したことです。見込みのある生徒でしたし貸与する際に基本的な AI エージェントの知識は教えたものの、この短期間に自力でそこまでつくりあげられるとは驚きました」 (依藤氏)

さらに、授業においても目を見張るようなユースケースが生まれました。それは、社会科の教員と図書館の司書がふたりで開発したディベート支援 AI エージェントでした。

このディベート支援 AI エージェントは、公共の探究活動で使うことを目的として開発され、あるテーマに対して、生徒たちの意見に反論を提示する機能を有しています。授業では、エージェントが生成した理論の内容について生徒たちが Copilot チャットに質問したり、どう反論するか相談したりする形で行われました。

「単に AI エージェントを授業に取り入れるだけではなく、AI エージェントと Copilot を併用して学びを深める手法には、私も感心しました」と依藤氏。お互いよく知っているクラス メイトとのディベートだと反論しにくい心理が働いてしまいますが、AI エージェント相手に討論することで自分の意見を効率的にブラッシュアップできると、高く評価します。

なにより、このエージェントを開発したふたりは AI 教育の経験がない一般の教員で、AI エージェントについても Surface Pro 12 インチの試験導入時に簡単な説明を受けたのみ。そんな初心者でも AI エージェントを開発でき、今後も授業で使い続けられる学習支援ソリューションを実現できたこのケースは、依藤氏にとっても嬉しい誤算でした。

生徒たちの学習環境向上にも役立つ Surface Pro 12 インチの性能

生徒たちの学習環境向上にも役立つ Surface Pro 12 インチの性能

試験導入における Surface Pro 12 インチに対する評価は、非常に高いといいます。生徒たちからのアンケートでは、「Surface Go と比べて大きな画面は見やすくて入力しやすい」「タイピングの音が静かで押しやすい」「キーボードの脱着が楽」「Surface スリムペンは書き込みがしやすい」といった声が寄せられており、Copilot の応答速度の速さも「集中力を妨げない」と評判がいいとのこと。

「なかでも評価が高いのが ARM 版 PC の特徴である長時間バッテリーですね」と依藤氏。「学校で充電しようとしても、電源が空いているとは限りませんからね。まる一日充電しなくても問題ないので、生徒も教員も余計なストレスを感じずに済んでいます」 (依藤氏)

また、カメラ機能の向上により、許可されている教科では教科書を撮影して OneNote に取り込み、デジタル教科書として利用している生徒もいるそうです。「当学院は坂の上にあるので、重い鞄を持って通学するのは大変ですからね」と物理的なメリットを強調する依藤氏。

「なかには、“ 先生、これください ”なんて言ってくる生徒もいるんですよ (笑)。私自身は、あいまいなワードや表現でもファイルを検索できるセマンティック検索の実装が嬉しいですね。日々の検索時間をかなり短縮できていると感じます。資料作成時にはリコール機能も多用しています」 (依藤氏)

試験導入における Surface Pro 12 インチに対する評価は、非常に高いといいます。

Surface Pro 12 インチの試験導入に参加している高校 1 年生の生徒に感想を聞いてみたところ、以下のように回答してくれました。

K さん
「Surface Pro 12 インチは画面が大きいので、OneNote に書き込みやすいし文字も読みやすいのが嬉しいです。新しい Surface ペンも軽くて使いやすいです。充電を頻繁にする必要がないのはとても便利ですね。

Copilot もいろいろな授業で使っています。一番いいと思ったのはペイント アプリでイラストを生成してくれる機能です。提出物などで絵を使いたい場合、これまでは自分で描いたり素材の著作権を気にしたりしなければいけなかったのですが、著作権フリーで生成してくれるのはとてもありがたいです。それから、家庭科の授業でトラブルがあって調理用の食材が揃わなかったときに、そこにあるものでできるレシピを Copilot に聞いたら複数のレシピを教えてくれました。おかげでおいしい料理をつくれました。

カメラも便利だと思います。板書を撮影して OneNote に貼るといった使い方をしていますが、OCR 機能で文字や画像をコピーできると聞いたので、今度使ってみたいと思います」

Surface Pro 12 インチの試験導入に参加している高校 1 年生の生徒に感想を聞いてみたところ、以下のように回答してくれました。

Y さん
「Surface Pro 12 インチは起動時やスリープからの立ち上がりが早いので、スマートフォンと同じ感覚で開けてすぐ検索や作業に取りかかれます。手持ち無沙汰な時間が減るので集中が途切れずに済みます。

画面が大きいので、レポートを書く際などにアプリをふたつ立ち上げても作業しやすいのが嬉しいです。Surface Go と比べると少し重いですが、使いやすさを考えたら気にならない程度の差だと思います。

Copilot は、公共のディベートの授業で、先生がつくってくれた AI エージェントを使ったのが印象的でした。こちらの意見に反論してくるエージェントです。クラスメート同士でディベートをすると相手の意見に引っ張られてしまうことも多いのですが、Copilot は一切引っ張られることがなく、根拠を持ってしっかり反論してくるのです。それに対抗するのはとても大変で、いい練習になりました」

不確実性の時代に必要とされるのは、隣人愛の精神に根ざした ICT 教育

不確実性の時代に必要とされるのは、隣人愛の精神に根ざした ICT 教育

「Surface Pro 12 インチについては、現時点でこれ以上のものはないと思っているので、これからは、いかにこれを有効活用できるかだと思っています」と先を見据える依藤氏。教員や学校が PC や AI の特性を理解したうえでしっかりプランニングすることが大切であり、思考力や判断力の低下を招く AI 依存のリスクについても学校全体で寄り添っていかなければ、と気を引き締めます。

「現代は、価値観の対立によって些細な衝突が起きやすい時代です。これから AI がますます暮らしのなかに入り込んでくると、便利な世の中になる一方で人と人との関わりが減ることも予想されます。そんななかで AI を便利に使いこなすためには、隣人愛の精神に根ざした ICT 教育をあらためて徹底する必要があると考えています」 (依藤氏)

また、先述の FD の主任もしており、定期考査ごとに教員への ICT 研修を実施しているものの、AI に関しては手探りのため、ぜひ日本マイクロソフトからの情報提供や事例の共有をお願いしたい、と依藤氏。日本マイクロソフトへの要望をこう語ります。

「研修や対話の機会がもっとあるといいですね。ただ長崎のような地方ではオンラインだと気が進まない方もいると思うので、できれば直接お話を聞く機会があるとありがたいです。当学院では最近、図書館を人が集まりやすい空間に改装したので、周辺の学校の皆さんを集めて、日本マイクロソフトさんと一緒にここで情報交換や研修ができたらいいと思っています」 (依藤氏)

聖和女子学院中学校高等学校 依藤 慎一朗氏

隣人愛に根ざした教育方針を ICT 教育でも貫き、ICT や AI を活用しながら人間としても成長できる環境を構築しようとしている依藤氏と聖和女子学院中学校高等学校の皆さま。私たち日本マイクロソフトもその精神に寄り添い、これまで以上のサポートを教育現場に届けてまいります。ICT 教育の現場にいてお困りの方や Surface シリーズに興味のある方は、ぜひ私たちにお問い合わせください

Join the conversation

プライバシーに関する選択のオプトアウト アイコン プライバシーに関する選択
コンシューマーの正常性のプライバシー Microsoft に問い合わせ プライバシー 特定商取引法に基づく表示 Cookie の管理 使用条件 商標 広告について