2026年6月30日 1:07 PM

Microsoft 米国本社役員が「茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校」を訪問

Microsoft米国本社役員が「茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校」を訪問

「みどりの学園義務教育学校」は茨城県つくば市のみどりの地区に位置する小中一貫校で、1 年生から 9 年生までの児童・生徒、約 2,000 名が同じ校舎で学んでいます。つくばエクスプレス沿線の人口増加を背景に県内最大規模の在籍者数を有する同校では、ICT を日常的な学習ツールとして利用し、探究学習やプログラミング教育、STEAM などの先進的な学びに日々、取り組んでいます。

2026 年 4 月 16 日、Microsoft 米国本社の教育・労働・非営利分野を統括する部門である「Microsoft Elevate」のプレジデント Justin Spelhaug (ジャスティン・スペルホーグ)、ゼネラルマネージャー James Hutchinson  (ジェームズ・ハッチンソン)、ビジネスマネージャー Nicole Simmons  (ニコール・シモンズ)、日本マイクロソフト 業務執行役員 教育・社会基盤統括本部 統括本部長 宮崎 翔太、同 初等中等教育戦略本部 本部長 鈴木 大晴らが同校を訪問し、児童・生徒と交流、関係者との意見交換を行いました。なお当日は、同校の山田 聡 学校長、中村 めぐみ 教頭をはじめ、茨城県つくば市教育長の森田 充 氏、全国 ICT 教育首長協議会の会長で熊本県山江村村長の内山 慶治 氏、みどりの学園義務教育学校の初代学校長で全国 ICT 教育首長協議会事務局長を務める毛利 靖 氏が参加しました。

 AI や ICT に対する独自の考えや取り組みを英語で発表した生徒たち

冒頭、山田 聡 学校長は「つくば市全体に 51 校の小・中学校がある中で、こうした義務教育学校は 4 校あり、小・中学生が一緒に生活するという珍しいスタイルの学校です。今日はそうした小・中学生の授業もご覧いただければと思います」と話しました。ジャスティンは、Microsoft Elevate は教育・労働力・非営利団体などのグローバルなあらゆる側面を統括する部門であることを紹介し「テクノロジーを活用して教育を発展させる方法を共に探ることができる機会はとても素晴らしいことです。AI によってすべての生徒が個別のチューターを持ち、すべての先生がアシスタントを持ち、すべての学校が効率的に運営される。これは日本にとって非常に大きなチャンスだと考えています。皆さまから学び、つくば市教育委員会そして日本全体をサポートできる方法を共に見つけられることを楽しみにしています」と期待を寄せました。

Microsoft米国本社役員が「茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校」を訪問

続いて子どもたちが参加者に向け、すべて英語によるプレゼンテーションを行いました。最初の発表は生徒会による「みどりの学園義務教育学校」の学校説明です。同校は、2018 年に設立され、今年で 9 周年を迎えました。生徒会では全生徒が充実した学校生活を送れるよう活動しています。運動会や音楽祭といった学校行事は、学年を超えたつながりを生み、思い出深い経験になっているといいます。また ICT の活用した学びも同校の特徴です。プログラミングや AI、STEAM などを積極的に取り入れ、児童・生徒一人ひとりが自分のペースで学習を進めています。発表の最後に「夏に 9 年生が 1 年生の教室に行き、コンピュータの使い方を教えています。私たちは彼らに教えることを楽しみにしています」と小中一貫校ならではの取り組みが伝えられました。

プレゼン後に「皆さんは家庭や学校で AI を使っていますか?」とジャスティンが生徒たちに問いかけました。生徒たちは家庭と学校双方で AI を使って宿題や自分の意見をレポートにまとめていること、学校の先生方は AI を活用して教えてくれていると答えました。さらにジャスティンは「私の娘は大学で医学を学んでいますが、AI に難しい化学や数学、物理の問題の解き方を教えてもらっています。また問題を出してもらって自分が知識を身につけているかを確認しています」と語りかけ、それを受けて生徒たちもテスト前に同じ使い方をしていると伝えました。つくば市の小中学校では AI の積極的な活用を進めており、子どもたちの利用が浸透していることがうかがえました。

Microsoft米国本社役員が「茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校」を訪問

続いて小学生からプログラミングに取り組む ICT 部の 8 年生が「中学生が語る! ICT の今と未来」をテーマに発表しました。彼はプログラミングとは理想を形にするパズルのようなものであり、失敗を重ねながらすぐに試せる利点があると述べました。またMicrosoft のツールや AI の活用、マインクラフトでの協働学習について説明し、さまざまなスキルが身につくメリットを強調しました。さらにデバイスも形を変えていく未来を展望。最後に「これからどんなにすごい技術が現れても、AI がどれだけ賢くなっても、最後に何を作るか受け入れるのは、いつでも自分たち人間の意志です。ICT に振り回されるのではなく、自分の夢を叶えるために、そして誰かを笑顔にするために、この力を使い倒していきたいと思います」と結びました。

9 年生による「今後の AI の成長とそれに伴う課題」をテーマとしたプレゼンテーションでは、現代では AI が多様な分野で活用されていること、検索エンジンを超えて創造的なものも生み出せることが説明されました。そして自動車生産におけるAI の進化による自動化を例としながら、反復作業やデータ化された業務が AI に置き換わる一方で、今後は AI を開発・管理する仕事が必要になり、判断や思考力、人間性、倫理観が重視されると展望しました。最後に「AI が進化しても人間がただ楽になる社会が望ましいとは限りません。教育は暗記中心から思考力・判断力・人間性を重視する方向へ転換することが必要です。さらに倫理や人間らしさを大切にする教育が求められます。そして AI に頼りすぎずに、誰もが平等にその力を使える社会を目指すべきです。今の私たちができることは、AI を正しく利用して、人とのつながりを大切にすることだと思います。AI と人間の力で未来を切り開く社会を目指していきます」と力強いメッセージを発しました。

2 人のプレゼンテーションをとても素晴らしいと評価したジャスティンは「産業革命以来、私たちはみな物事をより速く、より良く、より安く作るために努力してきました。そして発表の通り、繰り返し行われる作業やデジタル化できるプロセスは自動化されていきます。しかしこれによって新しいこと、つまり「創造」ができて、クリエイターになれるのです。そして様々なスキルを効率的に学んで活かしていく土台である “メタスキル” を通じて、論理的思考力や判断力、問いを立てる力が重要なものとなります。さらに常に学び続けること、生涯にわたっての学びも大切です」と AI 時代における大切な視点を伝えました。

最後のプレゼンは、同校で導入が決まった「dynaEdge XR1」というスマートグラスの発表です。dynaEdge XR1 は XR (現実と仮想空間を融合する技術) を実現するスマートグラスで、みどりの学園義務学校では生徒が主体的に導入のプレゼンから活用などを進めています。主に技術系の授業でリアルタイムの情報の共有や作業の安全性向上、家庭科では調理の授業でレシピを確認しながら実践できるなどの活用が考えられています。また教員がその場にいなくても、生徒の取り組みを遠隔で確認できるなど、特別支援教育での利用も視野にあります。さらに児童・生徒はこのグラスで体験的に学ぶことが可能になり、コミュニケーションの効率化も期待できるといったメリットも伝えられました。

ICTを活用した探究と協働の実践が溢れる数々の授業

6 年生が取り組むマインクラフトでは、自分たちの学校や学校近くにあるもの、例えばスーパーマーケットや最寄りのみどりの駅を制作しているという説明がありました。駅のホームでは、レッドストーン回路でホームドアを再現し、レバーを倒すとドアの開閉が可能となっていました。今後は 100 円ショップなど他のお店もいろいろと作っていき、もっとリアルに学校を作ることで、この学校と地域を知ってもらいたいと考えているとのことでした。また同時にドローンを活用して、上空から学校や地域を観察することで、まちづくりや防災などをテーマにした学びも進められています。同校でのマインクラフトとドローンによる学びは、STEAM 教育の実践から実社会へとつながる学びを実現する大切な役割を担っています。

Microsoft米国本社役員が「茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校」を訪問

4 年生の社会科では「ごみ収集所」をテーマに、地域のごみ収集の仕組みや社会がどのように私たちの生活を支えているかを学ぶ授業が展開されていました。教室前方の大型ディスプレイには関連資料が提示され、児童はグループごとに端末を使って調べ学習を行っていました。身近な収集所からどのような工夫や仕組みがあるか、自分の視点で整理する時間となっており、一斉に同じ答えを導くのではなく、児童ひとりひとりが関心を深めていく学習スタイルが見られました。端末は紙の資料やノートと同じように自然に児童の道具として使われていて「ごみ収集所」という身近なテーマを入口に、子どもたちが自ら情報を調べて、考えをまとめて次の学びにつなげるプロセスが大切にされていました。つくば市の目指す主体的に学ぶことを可能にする学習環境の様子がうかがえました。

Microsoft米国本社役員が「茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校」を訪問

3 年生の micro:bit によるランタン作りでは、すごい! すごい! きれい! といった子どもたちの歓声が教室に響いていました。美しく光るランタン作りは、土台となる 3 つのプログラムが用意されていますが、実際のイルミネーションボードでどの色を使うのか、ボードに水を入れたペットボトルをのせて光らせたときにどのような動きをするかなどは、自分のイメージをもとに、MakeCode を使ったブロックプログミングで楽しく設定・実装・検証していました。子どもたちは既に Scratch によるプログラミングの経験があるため操作は何も問題がなく、この日が第 1 回目の活動だとは思えないほどの試行錯誤をしていました。こうした micro:bit を活用したプログラミング学習を通じて、同校では自らが考えた仕組みを形にする力を育みながら探究へと向かっていきます。

Microsoft米国本社役員が「茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校」を訪問

みどりの学園義務教育学校では ICT を校務に取り入れ、日々の業務負担を軽減しています。さらにCopilotも日常的に利用され、文書作成や情報整理の省力化を進めています。職員室では、この日実施された中学生たちの英語によるプレゼンテーションを指導した教員の方々と歓談したジェームズが「彼らは本当に素晴らしかったです。とても自信にあふれていて感心しました。緊張せずにゆっくりと話し、ひとつひとつの言葉をしっかりと伝えていました。本当に素晴らしかったです。ありがとうございました」と高い評価と感謝を伝えました。

この訪問では、子どもたちが自ら考えて、試行錯誤を重ねながら、実社会で役立つスキルを身につけるようすが数多く見受けられました。 AI 時代に向けて子どもたちに思い切り学んでほしいという、つくば市とみどりの学園義務学校の実践は、未来を担う子どもたちの成長を力強く後押しすることでしょう。世界中の教育現場において、Microsoft はテクノロジーを活用した学びの機会や校務の効率化を支援し、すべての子どもたちが創造力を発揮できる環境づくりに今も貢献しています。Microsoft のミッションは「地球上のすべての個人と組織が、より多くのことを達成できるようにする」ことであり、教育分野においても、この理念のもと子どもたちや先生方の成長と可能性を広げる持続的な取り組みを続けていきます。

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