2015年2月4日 8:11 AM

開発者の夢を叶える Windows 10

※本ブログは、Building Apps for Windows -“Windows 10 is empowering developers to dream again” の抄訳です。

先日、Terry のプレゼンテーションにおいて、Windows の次世代を担う Windows 10 が紹介されました。Windows 10 はイノベーションを加速し、Microsoft Surface Hub や、世界初のホログラフィック コンピューティング プラットフォームである Microsoft HoloLens など、さまざまなデバイス上でのパーソナル コンピューティングを推進するものです。

Windows 10 では、PC 版の Cortana や新しい Web ブラウザー「Project Spartan」が提供されるほか、Windows での本格的な Xbox とくらべて遜色ないゲーム体験や、新しいホログラフィック デバイスとグループ コンピューティング デバイス、新しいユニバーサル アプリ群 (People とメッセージング、フォト、ビデオ、ミュージック、地図) などによって、さまざまなことが行えます。また、これらに関連して、一部の新しい開発者向けプラットフォーム機能が公開され始めています。

Windows 10 はサービスとして設計されており、毎月 15 億人もの Windows ユーザーに継続的なイノベーションや新たな可能性をお届けします。マイクロソフトはまず、Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、Windows Phone 8、Windows Phone 8.1 をご利用中のお客様を対象に Windows 10 への無償アップグレードを提供し、幅広い顧客基盤を築くことを目標としています*。

この記事では、Windows 10 の登場によって開発者にどのようなメリットがもたらされるかについてご説明します。

昨年 4 月に開催された Build 2014 (英語) では、Windows 開発プラットフォームの設計原則についてご紹介しました。

現在、Windows 10 に関しては、以下のようにさらにシンプルな目標を掲げています。

あらゆるデバイスに対応しプラットフォームを拡大: Windows 10 はすべてのデバイスに対応した一元的な開発者向けプラットフォームとして機能するので、スマートフォン、タブレット、PC、Xbox、IoT デバイス、新しい Surface Hub、HoloLens などを利用する幅広いユーザーに製品を提供できます。

独自のエクスペリエンスを提供: マイクロソフトは企業全体として、プラットフォームそのものだけでなく、技術を利用するユーザーにも注目しており、ユーザーとコンピューター間のやり取りを向上させる新技術を提供するために積極的に取り組んでいます。Windows 10 を導入すれば、開発者は、Cortana および音声認識、タッチ、オーディオ、ビデオ、ホログラムなどを基盤として開発を行い、アプリの可能性を広げられるようになります。今まで夢の中でしかできなかったことを Windows 10 では実際に叶えられるようになるのです。

開発者の投資効果を最大化: 開発者の皆様がトレーニングやツール、コードへの投資を最大限に活用したうえでマイクロソフトの新製品を導入できるように、マイクロソフトは一貫したご支援を行います。私たちは多くの開発者の皆様が、同じ基本コードを使用していくつものプラットフォームに対応する方法や、クロスプラットフォーム技術を有するツールセットを待ち望んでいらっしゃることを認識しております。

プラットホームを拡大

「顧客の数を増やしたい」 ― これはだれもが願うことです。Windows 10 を利用すると、継続的に導入数を伸ばして、その願いを叶えることができます。最近のソフトウェア開発者は、デバイスの種類が多様

化している、また、それらのデバイス間で一定の操作性を維持するための作業が必要、などといった課題を抱えています。Windows 10 では、こうしたデバイスの多様化による問題を解決できます。

まず、先に触れたとおり、Windows 10 では機能の更新や追加がサービスのように定期的に行われ、お客様との新しい関係が構築されます。大多数のお客様は、最新バージョンの最新機能を最大限活用できるようになります。このプロセスはまず、対象となる Windows ユーザーへの無償アップグレードを提供することから始まります。こうして、製品の更新間隔がより短くなることで、開発者は今まで以上に迅速に新機能を利用できるようになるほか、常に最新の Windows が稼働する顧客環境にも対応することができます。

また、Windows 10 は、対応するありとあらゆるデバイスにおいて、アプリやゲームがより美しく表示されるようにも設計されています。Windows 10 プラットフォームは Windows 8.1 と共にリリースされたユニバーサル Windows アプリ フレームワークを基盤として開発されているため、開発者は最小限の作業でさまざまなデバイスで利用できる新しいアプリ機能を開発することができます。

ほかにはないユニークなエクスペリエンスを提供

Windows 10 には、開発者のイノベーションを支援するさまざまな新機能が搭載されています。Windows 10 と HoloLens では、デジタルの世界と現実世界を結び付けるプラットフォームを利用して、ユーザーとデバイス、あるいはユーザーとアプリケーションの間の情報伝達方法に変化をもたらすことができます。既に多くのユーザーがスマートフォンで Cortana をタップして利用していますが、近日中に、さまざまな Windows 10 デバイス上で Cortana の新機能が利用可能になります。

Windows 10 の新しい Web ブラウザーである「Project Spartan」の情報も公開されつつあります。Spartan が提供する新しい便利な機能を利用すると、デバイスの種類に関係なく自由にコンテンツにアクセスできるようになります。Spartan には、モダン Web サイトとの相互運用性を高めるための新しいレンダリング エンジンが採用されています。Spartan が Web 開発にもたらす効果の詳細については、開発チームによる IEBlog (英語) をご覧ください。

投資効果を最大化

マイクロソフトは長年にわたり、開発者の投資の保護に努めてきました。リリース時には毎回膨大な数のリソースを投入して、多くの既存アプリケーションが期待どおり動作し続けられるように対応を行っています。

投資の保護の目的は、既存のコードの動作を維持することだけではありません。開発者が何年もかけて身に付けたスキルを無駄にすることなく、Windows 10 プラットフォーム対応ソリューションの開発に役立てていただくこともその 1 つとなっています。Windows 10 では引き続き Visual Studio で好みの言語を選択してアプリ開発を行ったり、Azure のさまざまなクラウド サービスを利用したりといったことが可能です。そしてすべてのクラウド サービスは、使い慣れたツール、言語、フレームワークを利用して Visual Studio で開発、展開することができます。

投資効果の最大化は、マイクロソフトがお約束したクロスプラットフォーム ソリューションのサポートにも関係しています。開発者の皆様は何種類ものプラットフォームやデバイスに対応するために、これまで多くの投資を行ってこられたことと思います。それを受けてマイクロソフトは、複数のプラットフォームで作業を行う開発者が、開発したソリューションを今まで以上に簡単に Windows でも使用できるようになるように取り組みを進めてきました。

昨年の Build では、あらゆるプラットフォームでオープン ソース ライセンスを適用できる Win JS のリリースを発表しました (http://dev.windows.com/ja-jp/develop/winjs および http://try.winjs.com を参照)。また、昨年 9 月には Win JS 3.0 のメジャー アップデートをリリースし、これらのライブラリを継続的に改善しています。

その後も、Visual Studio および C# を使用して iOS、Android、Windows 向けソリューションを提供する開発者のために、Xamarin (http://xamarin.com (英語)) および Unity (http://unity3d.com (英語)) というツールを活用する計画を発表しました。また最近では、Visual Studio での Apache Cordova を使用したアプリケーションのビルドや、Android エミュレーターのフル機能のサポートも発表しています。最後に、これも最近ですが、ネイティブの C++ 開発者向けに、Android の共有ライブラリ (英語) の開発だけでなく、Android 向けの完全な Native Activity アプリケーションの開発も Visual Studio でサポートされることを発表しています。

今後について

マイクロソフトは、場所、デバイスの種類、使用しているオペレーティング システムを問わず、開発者の皆様が今までの資産を活用しながらより多くの顧客にアプローチできるように、さらに精力的に取り組みを進めてまいります。Windows 10 対応の準備を始めるには、今のうちから Windows 8.1 向けのユニバーサル Windows アプリの開発を始めておくことが最も近道です。

以下に、開発を始めるのに役立つ参考資料をいくつかご紹介します。

公式ドキュメント

オンライン トレーニング集

  • Windows Phone Silverlight の開発者には今まで、ユニバーサル Windows アプリの提供を可能にする Windows XAML への開発の移行について調査する機会がありませんでした。マイクロソフトは最近、その方法について詳細にまとめた資料を公開しました。こちらの記事 (英語) でご確認ください。

今後数か月にわたって、Windows 10 の開発者向け情報をどんどんお届けしていく予定です。Build 2015 では、Windows 10 プラットフォームに関する数多くの情報が公開されます。本日から登録が開始されましたので、buildwindows.com (英語) にて座席の確保をお早めにお願いいたします [最新情報: 現在、Build のチケットは完売しているため、キャンセル待ちリストへご登録ください]。Build の詳細については、Steven Guggenheimer のこちらの記事 (英語) をご覧ください。

Windows Insider Program (英語) では多くの皆様のご参加をお待ちしています。こちらに参加すると、Windows 10 の最新ビルドを入手することができます。ただし、このビルドはリリース前のソフトウェアであるため、現段階ではさまざまな問題が生じる可能性があります。メインの開発オペレーティング システムとして十分な機能を果たすものではありませんのでご注意ください。

今後 Windows Insider Program には、開発者ツールと SDK の組み込みも予定しています。初期のプレビュー版のツールをいち早く入手したいお客様はぜひ今すぐご登録ください。

*ハードウェアとソフトウェアの要件が適用されます。追加料金はありません。使用可能な機能はデバイスごとに異なる可能性があります。一部のエディションは対象外です。詳細については、http://www.windows.com (英語) を参照してください。