2018年2月7日 9:07 AM

Office と Windows のサービスとサポートの変更

(この記事は 2018 年 2 月 1 日に Windows for IT Pros に投稿された記事 Changes to Office and Windows servicing and support の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)

今回は、Windows 担当ゼネラル マネージャーを務める Bernardo Caldas、および Office 担当ゼネラル マネージャーを務める Jared Spataro の記事をご紹介します。

安全で生産的なモダン ワークスタイルを提供することは、多くの企業の皆様にとっての最重要課題であり、マイクロソフトはその支援に取り組んでいます。昨年 7 月、Office 365、Windows 10、Enterprise Mobility + Security が 1 つにまとめられた新しい製品スイートの Microsoft 365 がリリースされ、この取り組みが大きく前進しました。多くのお客様がこれらの製品のうちの 1 つまたは複数への移行を進めており、アップグレードに関連する重要事項についてのご質問がマイクロソフトに寄せられています。Windows 7 と Office 2010 の延長サポート終了まで約 2 年 (それぞれ 2020 年 1 月と 10 月に終了) に迫り、今回 Windows 10 のサービスの延長、Office 365 ProPlus のシステム要件の変更、次期オンプレミス版 Office のリリースと Windows の Long-Term Servicing Channel (LTSC) リリースの詳細が発表されました。

Windows 10 のサービスの延長

Windows 10 はあらゆる組織で急速に普及が進んでおりWindows as a Service と呼ばれる最新のサービス提供方法が導入されています。

MARS (英語)Independence Blue Cross (英語)Accenture (英語) など、多くのお客様でWindows as a Serviceの採用が進んでいます。しかし、一部のお客様から、Windows 10 の各リリースの 18 か月の標準サポート期間を延長してほしいというフィードバックを頂きました。こうしたお客様のフィードバックを受けて、Windows 10 の Enterprise および Education エディションのバージョン 1607、1703、1709 に対して6ヶ月間の追加サービスを提供いたします (Windows 10 バージョン 1511 については 11 月に発表済み)。この追加サービスは通常のアップデートを通じて提供されます。今回のアナウンスを受けて、最新の 4 つのバージョンの Windows 10 のサポート期間および追加サービスの提供期間は、以下のようになります。

リリース リリース日 サポート終了日 Enterprise/Education エディションに対する追加サービスの提供終了日
Windows 10 バージョン 1511 2015 年 11 月 10 日 2017 年 10 月 10 日 2018 年 4 月 10 日
Windows 10 バージョン 1607 2016 年 8 月 2 日 2018 年 4 月 10 日 2018 年 10 月 9 日
Windows 10 バージョン 1703 2017 年 4 月 5 日 2018 年 10 月 9 日 2019 年 4 月 9 日
Windows 10 バージョン 1709 2017 年 10 月 17 日 2019 年 4 月 9 日 2019 年 10 月 8 日

また、Windows 10 バージョン 1607 以降では、Windows 10 Enterprise および Education エディションに対して追加の有料サービスオプションが提供されます。詳細については、マイクロソフトの営業担当までお問い合わせください。

Office 365 ProPlus のシステム要件の変更

Office 365 ProPlus では Office デスクトップ アプリをクラウドに接続することで、常に最新の状態に維持します。お客様が ProPlus と Windows 10 を組み合わせ、最も安全かつ効率的な管理エクスペリエンスを利用できるように、現在 Office 365 ProPlus の Windows システム要件を更新しています。

  • Windows 10 で実行されている ProPlus の現在のサポート プラクティスを明確にするため、現在サービスが提供されていない Windows 10 Semi-Annual Channel (SAC) のバージョンでは ProPlus はサポート対象外となります。
  • 2020 年 1 月 14 日をもって、以下のバージョンの Windows での ProPlus のサポートが終了します。これにより、Office と Windows の両方で、連携する更新プログラムを定期的に入手し、最新の機能によって最も安全な環境を実現することができます。
    • すべての Windows 10 LTSC リリース
    • Windows Server 2016 またはそれ以前
    • Windows 8.1 またはそれ以前

一部のお客様は、リモート デスクトップや VDI を利用してユーザーに Office を配信しています。今年中に、SAC リリースの Windows 10 Enterprise および Windows Server で新しいリモート デスクトップとデスクトップ仮想化機能の提供開始が予定されています。これらの機能をいち早くご利用になるには、Windows Server Insider プログラムにご参加ください。

これらの更新の詳細については、サポート ページ (英語) を参照してください。また、ご不明な点がある場合は、Office Apps Tech Community のページ (英語) でエキスパートにお尋ねください。

次期オンプレミス版 Office のリリースと Windows 10 の LTSC リリース

中には、まだクラウドへの移行準備が整っておらず、オンプレミス アーキテクチャやハイブリッド アーキテクチャを展開したいというお客様もいらっしゃいます。このようなお客様に向けて、次期オンプレミス版 Office のリリースと Windows 10 の LTSC リリースの詳細についてお伝えします。

Office 2019

昨年の Ignite において、Office 2019 が発表されました。Office 2019 は、アプリ (Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Skype for Business) とサーバー (Exchange、SharePoint、Skype for Business) を含む Office の次期バージョンです。今回は、以下の最新情報をお伝えします。

  • Office 2019 は、2018 年下半期にリリースされます。新しいアプリとサーバーのプレビューは、2018 年第 2 四半期に開始されます。
  • Office 2019 は以下のバージョンでサポートされます。
    • サポート期間中の Windows 10 SAC リリース
    • Windows 10 Enterprise LTSC 2018
    • Windows Server の次期 LTSC リリース
  • Office 2019 クライアント アプリは、クイック実行インストール テクノロジのみでリリースされます。Office 2019 クライアントの展開方法として MSI は提供されません。Office Server 製品の MSI は引き続き提供されます。

最新のソフトウェアは、作業効率を最大限に引き上げる新機能だけでなく、新しい効率的な管理ソリューションと包括的なセキュリティ アプローチも提供します。リリースから 10 年以上が経過し、このイノベーションが提供されていないソフトウェアでは、セキュリティを確保することが困難で、生産性も低くなります。変化のペースが速くなるにつれて、ソフトウェアを最新のリリースに移行することがきわめて重要になっています。これまで、オンプレミス版 Office は、5 年間の標準サポートと 5 年間の延長サポートを提供するという Microsoft 固定ライフサイクル ポリシーに従ってリリースされていました。Office 2019 は、延長サポート期間が短縮された独自のサイクルで提供されます。

  • Office 2019 では、5 年間のメインストリーム サポートと約 2 年間の延長サポートが提供されます。これは固定ライフサイクル ポリシーの例外として提供されるもので、Office 2016 のサポート期間 (2025 年 10 月 14 日に終了) と一致します。
  • 既存バージョンの Office のサポート期間は変更されません。

Windows 10 Enterprise LTSC 2018

次期 LTSC リリースとなる Windows 10 Enterprise LTSC 2018 は、2018 年秋にリリースされる予定です。以前のLong-Term Servicing Channel (LTSC) の リリースと同様に、今回のリリースでもその時点で利用可能な Windows 10 Semi-Annual Channel (SAC) リリースと同じ機能が提供されます。ただし、インボックス アプリ、Microsoft Edge、Cortana など、機能追加によって頻繁に更新されるアプリはLTSCでは提供されません 。また、最新のチップセットのサポートポリシーに従って、最新世代のプロセッサのサポートが追加されます。今回の Windows 10 Enterprise LTSC のリリースは、5 年間のメインストリーム サポートと 5 年間の延長サポートという固定ライフサイクル ポリシーに従ってリリースされます。


マイクロソフトでは、お客様が Office と Windows を継続的に最新バージョンに維持できるように、安全で生産的なモダン ワークスタイルを推進する企業ユーザーを支援してまいります。既に多くのお客様がアップグレードの計画を進めており、今回の発表も、ここ数か月間で多数寄せられたご意見を反映する内容となっています。Windows 10 の追加サービス期間の提供は、Windows as a Service を実装するまでにもう少し時間を要するお客様に有用です。また、Office 365 ProPlus のシステム要件の変更により、ProPlus の新しい展開方法が明確化されました。Office 2019 と Windows 10 Enterprise LTSC 2018 では、クラウドへの移行準備がまだ整っていないお客様に向けて、高い付加価値を持つ新しいセキュリティ機能や生産性機能のセットが提供されます。

関連資料


引き続きマイクロソフトにご意見をお寄せいただき、ベスト プラクティスを見つけていただければ幸いです。Windows 10 Tech Community (英語) もぜひご利用ください。

サポートが必要な場合には、Windows 10 IT プロフェッショナル フォーラム (英語) を参照してください。


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