日本マイクロソフトの教育分野における方針と新施策の発表にインターン生が感じたこと
6月20日(水)に日本マイクロソフトの教育分野における方針と新施策が発表されました。その模様を当社のインターンシップに参加している現役大学生、石山さんにレポートしていただきます。
「第四次産業革命」を生きる子どもたちに必要な学びとはどんなことなのでしょう?
私の周りでもこの言葉を耳にすることが多くなっており、実際に私が通っている大学の講義でもAI、IoT、ロボティクスといった第四次産業革命を象徴するキーワードにあふれ、AIを研究している私の友人は就職活動で引く手あまたです。
皆さんは学校や家庭でどんな学びを受けてきましたか?
私は高校も大学も受験で入ったこともあり、学びの中心は暗記になりがちでした。そんな詰め込み教育を受けながら、幼少の頃から感じていたことがあります。
なぜ、学校では現在と未来のことを教えず、過去のことしか習えないのだろうか?
現状では、日本の教育現場は現実世界のスピードに追い付いていないと思います。それどころかますます離されている印象すら受けます。それなのに、第四次産業革命を生きるためには未来を見据えた学びをしなければなりません。私は、そんな未来に向かった新しい学びの一つとして、「越境力」を持った教育環境がこれから必要になるだろうと感じています。
私の言う「越境力」とは、文字通り境界=壁を超えていく能力のことであり、その重要度はますます増していくだろうと予想しています。なぜなら、先例のない複雑な問題に対しては、ある一つの科目だけの知識や経験から解決策を導くことは難しく、複数の科目を組み合わせ、かつ、伝統的な境界線や国境、言語、そんなものを取り払って、向かい合わなければならないからです。
そういった学びは学校教育だけでは完結するものではないはずです。家庭学習はもちろんのこと、図書館や美術館、博物館のような学外の施設も大切な学びのプラットフォームとなり得ます。
2018年6月20日。日本マイクロソフトが開催した教育分野への取り組みをテーマにした記者説明会で強調されたのが『すべての教育の場・学びの場からアクセスできる「学び」のプラットフォームを提供する』というメッセージです。
私はこのメッセージを、日本マイクロソフトは「越境した学び」の環境を整備するための全面サポート宣言だと受け取りました。具体的にマイクロソフトはどのようなソリューションを提供し、どうやって越境した学びを実現させていくのか?
まず、子どもたちの学び方は、暗記中心の学びから脱却しなければならないことは自明です。そして、第四次産業革命の時代を生き抜くためにも、普遍的なソフトスキルや学び続ける姿勢を身につけなければなりません。今回、日本マイクロソフトが発表した「Future-ready skills」は、第4次産業革命の時代に活躍する子どもたちに必要なスキル・能力という考え方で、6つの”C”で始まるスキルから構成されています。
私の言う「越境した学び」によって「Future-ready skills」というスキルが身につくという構図とも言えます。越境した学びとは、年齢、場所、国籍、性別、言語などの境界を越え、地域社会やデジタルツール、仮想世界すらも活用して、学んでいくことを意味しています。
そんな「越境した学び」の実現に大切なのが、先生の現実世界と科目の越境を重視する現実的な感覚ではないでしょうか。今世界では何が起きていて、それはどうして起きているのか。児童や生徒自らが問いを立てる上で、この現実感覚(現実から学ぶこと)は欠かせません。
それを実践しているのが、記者説明会のビデオの中でも紹介された滋賀県立米原高校の堀尾美央先生です。
マイクロソフト認定教育イノベーターとしてご活躍され、Global Teacher Prize Finalist 50にも選ばれた堀尾先生が取り組んでいるのが、英語の授業でのSkypeの活用です。Skype in the classroomという機能を活用して、米原高校の教室と外国の教室とをSkypeでつなぎます。多様な国籍や言語を持つ同世代とコミュニケーションしながら、お互いの国を当てあったり、様々なテーマでディスカッションをしたりします。その結果、生徒たちの異文化でのコミュニケーション能力の向上や他国の文化への好奇心の醸成を促すことができます。まさに、年齢、場所、国籍、性別、言語の境界を越えて共に学び、違いを認識しあう新しい学びの環境です。
この実践事例からも分かるように、例えば、テクノロジーを駆使して科目の伝統的な境界を超えたり、現実世界の事象から学ぶことで、子どもたちの「Future-ready skills」が大きく高まるといえます。
このような様々な要素が「越境」した学習環境こそが、「自分が解決したいと思う小さな問題を見つける」ことを助け、さらには「自らが見いだした問題を解決するための手法や手段を論理的思考によって導き出す」はずで、それこそが未来に生きる子どもたちのモチベーションとなります。マイクロソフトのテクノロジーや教育ソリューションをうまく使えば、こんな学習環境を生み出すことができます。
日々テクノロジーが世の中を変革し続けています。未来の子どもたちはそんな変革の時代を生き抜かなければなりません。いや、私自身がそんな時代を生き抜いて行かなければなりません。
日本マイクロソフトは教育におけるプラットフォーマーとして、「越境した学び」の価値を発信し続けると同時に「Future-ready skills」を身に着けるためのインストラクショナルデザイン(教育設計のこと。それぞれの環境において、最適な教育効果をあげる方法の設計のことを指します)を推進していく必要があると強く感じました。
日本マイクロソフト インターンシップ生
石山 将(いしやま まさみ)大学4年