February 25, 2019 2:54 am

MWC バルセロナにおいてMicrosoft HoloLens 2 を発表

※本ブログは、”Microsoft at MWC Barcelona: Introducing Microsoft HoloLens 2” の抄訳となります。

ジュリア ホワイト (Julia White)
Microsoft Azure担当 コーポレートバイスプレジデント
2019年2月24日

今夜 、MWC バルセロナのプレス向けキックオフイベントにおいて、私は CEO サティア ナデラ (Satya Nadella) とテクニカルフェローであるアレックス キップマン (Alex Kipman) と共にステージに上がり、インテリジェントクラウドやインテリジェントエッジに対するマイクロソフトの世界観について詳細を話してきました。

本日のプレスイベントでは、みなさんを HoloLens 2 の世界にもご案内しました。

 

現在、マイクロソフト、パートナー企業、お客様、コンピュータ業界、さらには世界にとって非常に面白い時期が訪れています。実質的に限界の無いクラウドの演算能力や機能と、物理的な世界のあらゆる場面に組み込まれたよりインテリジェントで知覚機能を有したエッジデバイスを組み合わせることで、数年前には想像しかできなかったような体験ができるようになっています。

インテリジェントクラウドとインテリジェントエッジの体験にMixed Reality(複合現実、MR)が注ぎ込まれることで、すばらしいことを達成するための、そして、より多くの人々に力を与えるためのフレームワークが誕生します。

マイクロソフトにとって、今日は重要な節目となります。この瞬間、さまざまなチームの努力や情熱が報われるのです。そのチームには、Azure や HoloLens、Dynamics 365、およびマイクロソフト デバイスも含まれます。これは、部門よりも集合体としての存在が真に大きな意味をなす瞬間であるといえます。最先端のハードウェア設計からMixed Realityを組み込んだクラウドサービスまで、本日の発表はさまざまなチームの取り組みが集約されたものなのです。もちろん、今回の発表がお客様やパートナー企業、開発者といった情熱的なコミュニティなしに実現し得なかったことは言うまでもありません。

チーム全員を代表して、今回、 HoloLens 2 やさまざまな発表を MWC バルセロナのキックオフにおいて紹介できることを光栄に思います。

 

HoloLens 2 の発表

2016 年に HoloLens がリリースされて以来、私たちはMixed Realityが仕事のやり方を変えていくのを目の当たりにしてきました。日々仕事に精を出す何十万にも及ぶ人々のすばらしい力を引き出してきたのです。建設現場から工場のフロア、さらには手術室から学校の教室に至るまで、HoloLens は、人々が働き、学び、コミュニケーションし、物事をやり遂げる手法を変えてきたのです。

私たちは、新たなコンピューティングの時代を迎えようとしています。それは、デジタルな世界が 2 次元スクリーンを超え、3 次元の世界へと足を踏み入れる時代です。この新たなコラボレーティブ コンピューティング時代の到来により、人々は皆、より多くのことが達成できるようになり、境界を超えることができ、3D を用いてより簡単かつ迅速に共同作業ができるようになるのです。

本日、Microsoft HoloLens 2 を世界に発表できてうれしく思います。

お客様から HoloLens の向上について、主に 3 つの分野にフォーカスしてほしいとの意見がありました。HoloLens 2 では、より没入感を持たせ、より快適に、そして、価値を創造するまでの時間を早めてもらいたいというものです。

没入感については、映像ディスプレイシステムを含め、全般に渡って大幅に強化されました。これにより、ホログラムがより鮮やかでリアルになりました。HoloLens 2 では、1 度あたり 47 ピクセルという業界最先端のホログラフィック密度を維持しながら、視野角を 2 倍以上に広げました。また、HoloLens 2 には新たなディスプレイシステムが採用されており、低消費電力でパフォーマンスを大幅に向上することが可能です。

さらに、HoloLens 2 ではホログラムとの対話方法を刷新しました。新たなTOFデプスセンサー(time-of-flight depth sensor) を、内蔵の AI 、および意味論的理解(semantic understanding)と組み合わせて利用することにより、HoloLens 2 では、現実世界で物体を操作するのと同様に、直感的なジェスチャーでホログラムを直接操作できます。

ディスプレイエンジンが改善されたことやホログラムを直接操作できるようになったことに加え、HoloLens 2 にはアイ トラッキング(視線追跡)センサーが搭載され、ホログラムとの対話がより自然に行えるようになりました。エンタープライズクラスの認証方法である、Windows Hello を使った虹彩認証によるログインが可能となり、複数人数でも迅速かつ安全にデバイスを共有できます。

快適性の向上は、重心にバランスを持たせ、軽量のカーボン ファイバー素材を採用したことに加えて、再調整なしでデバイスを装着する新たなメカニズムを取り入れることによって実現しました。新しい蒸気密封技術(vapor chamber technology)により温度管理も改善されています。また、生理学的に大きく異なる頭の大きさや形に対応できるよう、HoloLens 2 はほぼすべての人々が快適に調節して合わせられるように設計されました。

新たなダイヤルイン式の装着システム(dial-in fit system)により、連続して長時間着用していても快適さが保たれます。加えて、HoloLens 2 はメガネの上を滑らかに動かして合わせられるため、メガネをつけたまま利用できます。Mixed Realityから抜け出す際には、バイザーを上げて数秒でタスクを切り替えられます。こうした機能強化により、デバイスの快適さやエルゴノミクス(人間工学性)は測定上 3 倍以上に向上しました。

価値創造時間は、Dynamics 365 や Remote Assist、Dynamics 365 Layout、および新しい Dynamics 365 Guides といったマイクロソフトのMixed Realityアプリケーションによって短縮されます。機器そのものの価値はもちろん、Mixed Realityパートナーのエコシステムによって HoloLens 上で幅広い製品が構築され、さまざまな業界やユースケースに対し価値を提供します。

このパートナーエコシステムは、Mixed Reality起業家(Mixed Reality entrepreneurs)の波によってさらに広がります。Mixed Reality起業家は、HoloLens 2 のようなデバイスに加えて、Mixed Realityに必要となる空間情報、音声認識、画像認識を提供し、ストレージやセキュリティ、アプリケーションの知見に向けて、現場で実証されたクラウドサービスを実現する、Azure サービスが持つ可能性も実現しようとしています。

初代 HoloLens のユニークな機能をベースに構築された HoloLens 2 は、究極のインテリジェント エッジデバイスです。既存および新たなAzureサービスと組み合わせることで、HoloLens 2 はさらなる機能を発揮し、購入後すぐに利用できるようになります。

HoloLens 2 は、今年中に 3,500 ドルで提供される予定です。Dynamics 365 Remote Assist がバンドルされたものは、月額 125 ドルで利用できます。HoloLens 2 は、まずは米国、日本、中国、ドイツ、カナダ、イギリス、アイルランド、フランス、オーストラリア、ニュージーランドで発売される予定です。HoloLens 2 のプレオーダーは、本日より以下のWebサイト(英語のみ。日本向けサイト)にて開始しました。

https://www.microsoft.com/ja-jp/hololens/buy

HoloLens 2の購入を希望される方は、こちらのサイトに掲載されている、マイクロソフト ストア の電話窓口(0120-03-5241 月曜~金曜日 午前9:00 ~ 午後 5:30) にお電話いただき、プレオーダーを希望される旨をお伝えください。後日改めて当社よりご連絡を差し上げます。

HoloLens 2 に加え、MWC バルセロナでは次の発表も行いました。

Azure Kinect Developer Kit (DK)

Azure Kinect DK は開発者向けのキットであり、業界をリードするマイクロソフトの AI センサーを1つのデバイスに組み込んだものです。その中核となるのは、HoloLens 2 向けに開発したTOFデプスセンサーと、高解像度 RGB カメラ、そして、 Azure を使って高度なコンピュータ ビジョンやスピーチ ソリューションを開発できる 7 マイク サーキュラーアレイ(7-microphone circular array)です。この開発者キットを利用することで、単に周辺を感知するだけでなく、人や場所、さらにはその周りのものといった世界全体を理解できるソリューションが誕生します。ヘルスケア分野におけるこうしたソリューションの良い例として、病院で患者の転倒事故を防ぐためにこの技術を利用している Ocuvera が挙げられます。毎年、米国だけでも 100 万人以上の患者が転倒事故に遭遇しており、うち 1 万 1,000 人が死亡しています。Azure Kinect を利用することで、環境面から転倒の前兆が把握でき、事前に通知することで、患者が転倒する前に看護師が駆けつけられるようになります。Azure Kinect DK は、まず米国と中国で販売され、本日より399ドルにてプレオーダーが可能です。詳細は、Azure.com/Kinect を参照ください。

Dynamics 365 Guides

マイクロソフトでは、Dynamics 365 Remote Assist と Dynamics 365 Layout を 2018年10 月 1 日に発表した際、これらが マイクロソフトにとって初めてのHoloLens向けMixed Realityアプリケーションだと説明しました。

本日、最新製品として Microsoft Dynamics 365 Guides を発表できることをうれしく思います。

Dynamics 365 Guides は、新たなMixed Realityアプリケーションであり、従業員が仕事をしながら学べるようになるものです。Dynamics 365 Guides の段階的な指示により、従業員は必要なツールや部品が何か、それを実際の仕事環境でどのように使うのかがわかるようになり、学習能力が高まります。HoloLens で Dynamics 365 Guides を利用する体験に加え、Guides の PC アプリケーションでは、インタラクティブなコンテンツを作成したり、写真やビデオを添付したり、3D モデルをインポートしたり、トレーニングをカスタマイズして組織内の知識を反復学習ツールに変えるといったことが簡単にできるようになります。

このアプリケーションにより、ダウンタイムが最小限に抑えられ、ミッションクリティカルな機器やプロセスの効率化につながります。また、同アプリケーションは前世代の HoloLens 、および新たな HoloLens 2 の双方で稼働する 3 番目の Dynamics 365 アプリケーションとなります。

Dynamics 365 Guides は、本日よりプレビューが利用可能です。

Azure Mixed Reality Services

本日、マイクロソフトは Azure Mixed Reality Servicesとして新たに 2 つのサービスを発表しました。これらのサービスは、すべての開発者や企業が、クロスプラットフォームでコンテキスト型でエンタープライズクラスのMixed Realityアプリケーションを構築する際に役立つよう設計されています。

Azure Spatial Anchors は、企業や開発者がMixed Realityアプリケーションを作成するためのものです。作成したアプリケーションは、正確な位置情報をマッピングし、指定し、呼び出すことが可能で、HoloLens はもちろん、iOS、Android デバイスを通じてアクセス可能となります。開発者が空間上で目的地まで誘導する機能を搭載することで、ユーザーはより迅速かつ簡単に作業や学習できるようになります。すでにこのサービスにより、製造、建築、医療をはじめとするさまざまな分野において、コラボレーションが促進され、体験が共有されている状況を見ることができます。

Azure Remote Rendering は、妥協のない3D 体験を支援するものであり、迅速でより良い意思決定を促進します。現在、モバイルデバイスやMixed Realityヘッドセットを使って高品質な 3D モデルと対話する際は、目的のハードウェアで 3D モデルを稼働させるために「間引き」、つまり簡素化が必要な場合が多くあります。しかし、デザインのレビューや医療計画などの場面では、ひとつひとつの詳細情報すべてが重要であり、資産の簡素化により主要な意思決定に必要となる大切な情報が失われることにもなりかねません。Azure Remote Rendering サービスは、クラウド上の高品質な 3D コンテンツをレンダリングし、エッジデバイスにストリーミングします。ストリーミングはすべてリアルタイムで行われ、詳細情報が損なわれることはありません。

Azure Spatial Anchors は、本日よりパブリックプレビューを開始します。また、Azure Remote Renderingについては、パブリックプレビューの前段階として、現在プライベートプレビューとして公開しています。

Microsoft HoloLens カスタマイズプログラム

HoloLens は、建築現場から手術室、国際宇宙ステーションまで、難易度の高いさまざまな環境で利用されています。HoloLens は、北米やヨーロッパにおいて使用されている複数の保護メガネ規格の基本的な衝撃試験に合格しています。そうした試験によって HoloLens は、ANSI Z87.1、CSA Z94.3、およびEN 166 の基本的な衝撃保護要件に準拠しているとされています。HoloLens 2 では、お客様やパートナー企業が環境のニーズに合わせて HoloLens 2 をカスタマイズできるよう、Microsoft HoloLens カスタマイズプログラムを提供します。

HoloLens カスタマイズプログラムを最初に活用したのは、長年にわたる HoloLens のパートナー企業であるTrimble です。同社は昨年、Trimble Connect for HoloLens と新たな安全帽ソリューションを発表し、実用的な現場アプリケーションでMixed Realityの有効性を高めました。本日、Trimble は新たなウェアラブル安全帽となる Trimble XR 10 with Microsoft HoloLens 2 を発表しています。これにより、安全に管理された環境で働く作業員が、現場でホログラフィック情報にアクセスできるようになります。

 

オープンな手法に対する指針

最後に、アレックス キップマンは、マイクロソフトが Mixed Reality のエコシステムにおいてオープンな手法を取っている指針について語りました。マイクロソフトでは、エコシステムが真に繁栄するためには、イノベーションやお客様の選択に障壁があるべきではないと考えています。そのため、 HoloLens ではオープンなストアやオープンなブラウザ、オープンな開発プラットフォームといった指針を採用しているのだとアレックスは説明しました。この指針に対するマイクロソフトの取り組みの象徴として、Mozilla の方々が HoloLens 2 に Firefox Reality ブラウザのプロトタイプを提供してくれたことも発表しました。これは、マイクロソフトと Mozilla がオープン性と没入型Webに真剣に取り組んでいることを示しています。また、アレックスのスピーチには、Epic Games の創業者 兼 CEO であるティム スウィーニー (Tim Sweeny) 氏も登場し、HoloLens において Unreal Engine 4 がサポートされるようになると発表しました。

今後数カ月で、さらなる発表や詳細をご紹介していきます。皆さんと一緒にこの旅を続けていくことを大変楽しみにしています。

ジュリア

Join the conversation