5月 21, 2019 9:22 am

Build 2019 で発表された Microsoft Teams プラットフォームの機能強化

※本ブログは、米国時間 5/6 に公開された Microsoft Teams Platform Enhancements for Build 2019 の抄訳です。

2019年5月6日から3日間、米国シアトルで開催された開発者向け年次イベント Microsoft Build 2019で、Microsoft Teams 開発者用プラットフォーム (英語) の新しい機能、プログラム、リソースが多数公開されました。前回の Build 以来、Microsoft Teams は速いスピードで進化を遂げており、今回も新しい情報を皆様にお届けできることをとてもうれしく思います。Enterprise Connect 2019 でお知らせしたように、現在 Teams は世界中の 50 万以上の組織で使用されています。そのうち、Teams のアクティブ ユーザー数が 1 万人を超える組織は 150 以上あります。また、Fortune 100 のうち 91 社が現在 Teams を使用しています。

このプラットフォームをさらに強固なものにするべく、マイクロソフトは今後数か月の間に開発者プレビューや一般公開を通じて、これからご紹介するさまざまな新しい機能やプログラムを投入していきます。

アプリケーション ライフサイクルをエンドツーエンドで効率化:

  • パートナー センターの統合
  • オファーの作成とアプリの購入方法
  • アプリの配布: アプリの設定ポリシーとアプリ バーへのアプリの固定
  • エンドユーザーのアプリへのアクセス ポリシー

アプリ認定プログラム (パイロット)

プラットフォームの新機能と機能強化:

  • [メッセージの操作] メニュー
  • ボットの新しい利用方法と機能向上 (プライベート チャットでの利用を含む)
  • Azure Active Directory ベース アプリの認証の簡易化 (シングル サインオン)
  • タブの改善
  • リンクの拡張
  • モバイル デバイスを使用しているユーザーへのリーチ
  •  [Teams に共有] ボタン

Microsoft Graph 用の新しい Teams API

  • 現場従業員のシフトの管理
  • チームワーク自動化機能の改善
  • 組織メッセージの表示

再利用可能なローコード型アプリ テンプレート

新しい開発者向けドキュメントとトレーニング コンテンツ

それぞれについて詳しく説明していきましょう。

パートナー センターが Teams アプリに対応 (近日公開)

パートナー様がパートナー センターから直接 Microsoft Teams に Microsoft Teams アプリを送信できるようになります。Seller ダッシュボード ツールが廃止され、Windows や Xbox の開発者が使用しているのと同じパートナー センターに置き換わります。これにより、開発環境がよりシンプルで、信頼性が高く、効率的なものになります。

オファーの作成とアプリの購入方法 (近日公開)

弊社では、健全なアプリ エコシステムがパートナー様のビジネス モデルの成長に貢献できると考えています。今年の夏には、パートナー様がご自身のアプリに対して、シート単位のオファーができるようになります。このオファーは、パートナー様がお客様に代わってライセンスを購入したり、お客様が AppSource で直接購入したりするために使用できます。購入したライセンスは、ポリシーを使用して特定の従業員に Teams アプリケーションを展開するために利用できます (ポリシーについては後述します)。

アプリの配布: アプリの設定ポリシー

管理者は、アプリの設定ポリシーを使用して Microsoft Teams をカスタマイズし、ユーザーにとって重要なアプリを目立たせることができます。たとえば、アプリを選択してアプリ バーに固定したり、アプリ バー上での並び順を設定したりできます。アプリの設定ポリシーを使用すれば、組織内のユーザーに必要なアプリを紹介することも可能です。アプリはマイクロソフト製であるか、パートナー製であるか、自社開発であるかを問いません。また、アプリの設定ポリシーを使用して、Microsoft Teams 内の組み込み機能の組織向けの表示方法を管理することもできます。

App distribution: app setup policies

App distribution: app setup policies

App distribution: app setup policies

ポリシーを通じたアプリへのユーザー アクセスの管理

アプリのアクセス許可ポリシーを通じて、個々のユーザーのアプリへのアクセスを管理できるようになりました。このポリシーにより、特定のアプリや統合の操作を許可するユーザーを制御できます。また、自社開発したアプリへのアクセスを制限して、アプリを段階的にロールアウトすることも可能です。
ユーザー ポリシーに加えて、組織全体の設定を定義して、テナントから特定のアプリを完全に遮断することもできます。詳しくは、こちら (英語) をご覧ください。

アプリ認定プログラム (パイロット)

近年、IT チームはアプリケーションやサービスを組織内で利用可能にする前に、セキュリティやコンプライアンス基準について広範なレビューを実施することが多くなっています。マイクロソフトは、Microsoft Teams アプリのレビューをより簡単に、より透明性を持って実施できるようにしたいと考えています。アプリ認定プログラムは、セキュリティ、データ処理、コンプライアンス対応に関するパートナー アプリの情報を収集、レビューするプロセスを効率化します。マイクロソフトは、パートナー アプリすべての情報をパートナー様から収集し、それを各アプリの公開情報と組み合わせて、1 か所でまとめ、一貫性のあるフォーマットで確認できるようにしています。その際に目に見えないところで活用されるのが、マイクロソフトの CASB ソリューション Microsoft Cloud App Security (英語) に格納されている SaaS アプリ カタログと、セキュリティやコンプライアンスに関する情報です。パートナー様が一定レベルの CSA STAR 認証を取得している場合は、CSA STAR に登録されているセキュリティやコンプライアンスに関する情報も取得され、表示されます。
企業のお客様がこれまで自社テナント内でのアプリの使用を許可する前に実施していたレビュー プロセスは手間も時間もかかるものでしたが、それが大幅に効率化されます。パートナー様から直接取得するので、当然パートナー様に関するデータの信頼度は高くなります。
また、パートナー様にとっては、セキュリティやコンプライアンスに関する情報を一度提供するだけで、すべての企業がそれを参照できるようになるので、企業ごとに別々の RFP を作成する手間を最小限に抑えることができます。
このプログラムはパイロット段階です。セキュリティやコンプライアンス関連のコンテンツは、aka.ms/AppCertification で公開しています。以下はパートナーの一部です。

App Certification pilot

プログラムについて詳しくは、aka.ms/AppCertificationDevInfo をご覧ください。プログラムへのご参加に興味をお持ちであれば、https://aka.ms/AppComplianceQuestions からお問い合わせください。

[メッセージの操作] メニュー

メッセージは Microsoft Teams でのコラボレーションの核になるものですが、コラボレーションはメッセージだけで終わるものではありません。多くの場合、メッセージはやり取りのきっかけに過ぎません。フォローアップが必要だったり、メモに転用されたり、他のシステムのワークフローを開始するために使用されたりします。[メッセージの操作] メニューにより、アプリでメッセージから直接これらの操作を実行して、コラボレーションをうまく循環させたり、活発なコミュニケーションを維持したりできます。詳しくは、こちら (英語) をご覧ください。

Message actions

パートナー事例: JiraPolly

主要ワークフローを強化するボットの新しい利用方法 (プライベート チャットでの利用を含む)

Teams をより便利にするため、新たに UI ベースでボットとやり取りしてタスクやワークフローを実行できるようにしました。この新しい機能により、個々のメッセージに対応したり、投票、実施項目、称賛などのダイナミック カードを投稿したりすることができるようになります。ボットが 1 対 1 のチャット、グループ チャット、会議チャット内でユーザーとやり取りできるようになりました。
パートナー事例: DiscoPollySoapboxSurveyMonkeyLucidchartMicrosoft StreamJira

「これまでも SoapBox は、グループ チャット メッセージとの統合により、会議の編成や準備、コラボレーションを支援してきました。Microsoft Teams インターフェイスでのユーザー エクスペリエンスは劇的に改善されただけでなく、SoapBox ソリューションの中でもトップクラスの統合度になっています。ユーザー エンゲージメントが大きく変わると期待しています」
Graham McCarthy 氏、CTO 兼共同創設者、SoapBox

New ways for bots to power key workflows, including in private chats

「新しいメッセージ拡張機能に胸踊らせています。Polly のエンドツーエンドのオーサリング エクスペリエンスが根本的に変わるだけでなく、Polly がパワー ユーザーにとってもっと利用しやすいものになるので、エンゲージメントが促進されるはずです。これによりユーザー エクスペリエンスが改善されるだけでなく、アプリの利用頻度が倍増することになると見込んでいます」

Samir Diwan 氏、CEO 兼共同創設者、Polly

「Disco は、『シンプルであること』を大切にしています。だからこそ、Microsoft Teams 内のどこからでも作成フローをレンダリングできる新しい機能に飛びついたのです。今回の更新により、当社のお客様はややこしい構文や Disco をインストールした場所を覚えておく必要がなくなりました。そんな努力は、会社の価値を日々高めていくという目標とは関係ないですからね」
Joseph Estrada 氏、CTO 兼共同創設者、Disco

SurveyMonkey

「SurveyMonkey では、お客様によるアンケート作成を効率化するため、新しい作成フローを導入することにしました。お客様が適切で有意義なフィードバックを集めるために費やす労力を減らし、生産性とエンゲージメントの向上やコラボレーションを促進するのに役立つインサイトが得られるようになったことで、ユーザー エクスペリエンスが大幅に向上しました」
Deanna Scott 氏、シニア プロダクト マネージャー、SurveyMonkey

Azure Active Directory ユーザー向けシングル サインオン (近日公開)

近日中に、Azure Active Directory (Azure AD) を使用して認証を行う Microsoft Teams アプリで、シングル サインオン (SSO) を利用できるようになります。Teams 内部で実行されるアプリで、ユーザーが再ログインしなくてもアクセス トークンを取得できるようになり、ユーザー エクスペリエンスが簡素化、効率化されます。Microsoft Teams にログインすれば、Azure AD をサポートするアプリにログインする必要はなくなります。
パートナー事例: Insightly, MindMeisterMeisterTaskNimbleSaphoWrike

タブ機能の向上

Teams のタブの使い勝手を各方面から改良しました。まずは、既存の SharePoint Framework (SPFx) 資産への接続機能が一般公開になりました。
また、マイク、カメラ、位置情報へのアクセスなどのネイティブ デバイス機能を統合して、タブの使い勝手を向上できる新しい方法もリリースしました。さらに、[戻る] ボタンと Teams へのディープ リンクを使用できるようになりました。

リンクの拡張

リンクは、Microsoft Teams で他のユーザーとコンテンツを共有するごく一般的な方法です。手がけているタスクを更新する場合や、『ゲーム オブ スローンズ』の最新予告編を共有する場合にも、リンクは便利に機能します。だれでもアクセスできるリンクが必要な場合は、Teams には既に、画像、タイトル、説明などの情報を含むリンクのプレビュー機能が搭載されています。

これに加えて、今回の更新で、特定のドメインについてアプリでプレビューをカスタマイズできるようになりました。アプリで特定のドメインにメッセージ ハンドラーを登録して、ユーザーがメッセージの作成中にそのドメインからリンクを貼り付けるたびに queryLink イベントを取得することができます。リンク先の情報をカードでわかりやすく伝えることができるので、リンクを目にするすべてのユーザーの利便性が向上します。詳しくは、こちら (英語) をご覧ください。

Link unfurling

パートナー事例: LucidchartMicrosoft Stream

「作成フローやリンクの拡張などの新しい機能を通じて Lucidchart と Microsoft Teams をより高いレベルで統合できることをうれしく思います。これによりユーザーは、Teams から離れることなく新しい Lucidchart ダイアグラムをプレビューまたは作成したり、革新的なアイデアやプロジェクトをビジュアルで確認しながらチームでのコミュニケーションやコラボレーションを行ったりすることができるようになります」
Allen Liao 氏、プロダクト マネージャー

モバイル デバイスを使用しているユーザーへのリーチ (近日公開)

これまでは、モバイル デバイスで使用できるのはボットを搭載した Teams アプリだけでした。近日中に iOS と Android の Teams クライアントをデスクトップや Web プラットフォームと同様に使用できるようになります。メッセージの拡張機能、チャネル タブ、個人用アプリ、タスク モジュールをモバイル デバイスでも利用できます。携帯電話やタブレットでどの機能を利用できてどれが利用できないかを心配する必要はなくなります。どのデバイスでも、すべての機能が同様に機能するようになります。

[Teams に共有] ボタンの開発者プレビュー

開発者はわずか数行のコードで Web サイトに [Teams に共有] ボタンを配置できるようになり、Web サイトから Teams への Web コンテンツの共有がとても簡単になりました。[Teams に共有] ボタンをクリックするとポップアップ ウィンドウが表示され、リンクをチャネルに共有したり、Teams for Education ユーザーの教師であれば、参照する Web サイトの URL をリソースとして添付して Teams 上で宿題を作成したりできます。

Share to Teams Developer Preview

[Teams に共有] の開発者向けドキュメントについては、aka.ms/share-to-teams (英語) をご覧ください。

パートナー事例: Kortex、Buncee、Encyclopedia Britannica、Kahoot、KanoWorld、Squigl、ThingLink、Skooler をはじめとする早期導入パートナーが開発しています。

Microsoft Graph 用の新しい Teams API

シフトの管理: 開発者プレビュー

Microsoft Teams に搭載されている Shifts アプリでは、従業員が自分の今後のシフトを確認したり、他にだれがシフトに入っているかを見たり、休暇を申請したりすることができます。また、マネージャーはチームのシフトを作成、更新、管理できます。Microsoft Graph に、アプリでシフトをcreate, read, update, and delete できるようになる API (プレビュー) が追加されました。これにより、シフト管理を自動化したり、従業員管理システムと統合したりすることができます。

Manage shifts: developer preview

チームワーク自動化機能の改善

Microsoft Graph API により、チームの結成からメンバーの追加、チャネルの作成、タブの固定、アプリのインストール、チームのアーカイブ化や削除に至るまでチームのライフサイクルを自動化できます。以下の機能強化が一般公開になりました。

  • アプリのインストールやアップグレードでアプリケーションのアクセス許可と、ユーザーに委任されたアクセス許可がサポートされるようになりました。アプリケーションのアクセス許可は、テナント内の全チームにアプリをインストールまたはアップグレードしたり、アプリを含む新しいチームをゼロから立ち上げたりする際に便利です。
  • webUrl プロパティを使用して、チャネルやチームへのディープ リンクを作成できます。
  • email プロパティを使用して、チャネルに電子メール アドレスを付与し、それらのチャネルを既存のワークフローに接続できます。
  • Teams Graph API を、GCC High および DoD クラウドを利用している政府機関のお客様も利用できるようになりました。

組織メッセージの表示: 開発者プレビュー

Microsoft Graph では、信頼できるアプリケーションがチャネル メッセージを読み取ることができますが、このたび、1 対 1 チャットとグループ チャットのメッセージも読めるようになりました。これらのベータ版 API を使用してやり取りをアーカイブ化したり、ボットに最近のメッセージを読ませてコンテキストを理解させたり、メッセージのパターンを分析したりできます。

再利用可能なローコード型 Teams アプリ テンプレート

アプリをゼロから開発するのは時間がかかり、アプローチを慎重に検討しなければなりません。このプロセスを簡略化して短縮できるように、Teams アプリ テンプレートをリリースしました。これらのアプリ テンプレートは、コミュニティ ベースで開発が完了しているオープンソースの Teams アプリで、Office Dev GitHub リンクに格納されています。

主なメリットは以下のとおりです。

  • プラグ アンド プレイ: アプリのクラウドへの展開は、たいていは退屈な作業です。GitHub コードから、Azure への展開、Teams テナントへのアプリの実装までのすべてのプロセスを数クリックで完了するよう、自動化しました。コードは不要です。
  • 堅実なコード ベース: すべてのアプリ テンプレートが、セキュリティ面とインフラストラクチャ面のベスト プラクティスを使用して作成されています。加えて、コードは (MIT ライセンスに基づく) オープン ソースのため、コードが自社のデータ基準やプライバシー基準を満たしているか精査できます。
  • カスタマイズと拡張が可能: アプリ テンプレートはすぐに利用できる開発済みの状態で提供されます。他のアプリケーション (既存の人事アプリケーションなど) と簡単に統合可能です。アプリの機能の調整やカスタム ブランディングも簡単です。
  •  詳細なドキュメント: すべてのアプリケーション テンプレートには、ソリューション アーキテクチャや、展開と構成の手順に関する詳細なドキュメントが付属します。さらに、ブログやビデオのチュートリアルでもスムーズな利用の開始を支援します。

アプリ テンプレートの例として、まずカスタム ステッカーをご紹介します。これが UserVoice で票を集めていることに加え、お客様が本当に必要としているものだと感じるためです。カスタム ステッカーを使用すると、ユーザーは設定にアクセスして Teams チャットの際に任意のカスタム ステッカー/GIF/画像を使用できるようになります。

Reusable, low-code Teams app templates

また、直感的で使いやすいインターフェイスで画像をアップロードしたり削除したりすることができます。

Reusable, low-code Teams app templates

さらに、このアプリは Azure サブスクリプションや Teams テナントに数クリックで展開できます。

他のアプリ テンプレートもいくつかご紹介します。

  1. List Search: 任意の SharePoint リスト アイテムが Teams チャット内で検索、共有できるようになり、コンテキストを切り替えることなくアイテム レベルでやり取りが可能。
  2. Icebreaker: 週 1 回チームのメンバーをランダムにペアリングしてコーヒー ブレークに誘う小さな Teams ボット。メンバーどうしのつながりを深めたり、チーム文化を醸成したりするのに役立ちます。

Teams アプリ テンプレートについて詳しくは、aka.ms/TeamsAppTemplates (英語) をご覧ください。ぜひアプリ テンプレートをお試しください。また、独自のテンプレートを開発してレポジトリの充実に貢献してください。アプリ テンプレートをより便利なものにするため、ご意見やご要望をお待ちしています。

開発者向けドキュメントとトレーニング コンテンツの追加と改良

Teams の新しい開発者や IT 技術者向けのドキュメントを https://aka.ms/TeamsDev (英語) で公開しました。

New and improved developer documentation and training content

また、マイクロソフトのエンジニアリング チームが直接提供する新しいインタラクティブ トレーニング コンテンツとビデオのシリーズも aka.ms/TeamsPlatformAcademy (英語) で公開しています。

https://developer.microsoft.com/en-us/microsoft-teams/blogs/wp-content/uploads/2019/05/teams-platform-academy-new.png

まとめ

Build 2019 にご参加の皆様は、この期間中、これらの Microsoft Teams 開発者プラットフォームの機能強化や、ここではほとんど触れなかった機能などについて詳しく知ることができます。Build 2019 のビデオは、Channel 9 (英語) でご覧いただけます。