11月 5, 2021 1:57 am

Microsoft Office – ハイブリッドな世界に向けた変革

Microsoft 365 担当ゼネラル マネージャー、Wangui McKelvey

※ 本 Blog は米国時間 2021 年 11 月 2 日に投稿された Microsoft Office—Transforming for the hybrid world の日本語抄訳です。

長年にわたって、仕事のパターンは明確に確立されてきました。コミュニケーションは電子メールで、コンテンツ作成はほとんどがドキュメントやスプレッドシート、プレゼンテーションで行われるようになりました。

しかしこの 1 年半の間に世界は変化し、新しい業務環境への適応が迫られました。従来のコミュニケーション ツールや対面での共同作業を補完する代替ソリューションが必要となり、生活のあらゆる面でデジタル化が急速に進みました。

完全オンライン授業に移行する学校や、e コマースで成功を収めたり、オンラインのみで新卒採用を行ったりする企業も出てきています。

さらに、コミュニケーション方法もオンライン会議やチャットへと移行し、デジタル コンテンツが爆発的に増加して、従来型のドキュメントを超えた、より流動的でダイナミックな分野へと進化しました。だれもが印象的なメッセージを配信し、自分のペースで共同作業を行えるように、新しい種類のコンテンツ、形式、チャネルには、柔軟性が高く、強力かつスムーズなツールが求められています。

時代とともに、Microsoft Office も変化しています。

Word、Excel、PowerPoint、Microsoft Outlook は、Web、デスクトップ、スマートフォンで利用できる Microsoft Teams の統合とクラウド AI により、これまでになく進化しています。

しかし、私たちはさらに先に進む必要がありました。そのために私たちは、Office の再考を進め、新しい機会に対応する新しいアプリを追加し、あらゆるクリエイターが利用できる普遍的でインタラクティブなキャンバスを実現するために取り組みました。

この記事では、コラボレーションの強化や作成ツールの拡張、AI の活用についてご紹介します。

Microsoft Loop の概要: 検討、計画、作成を共同で実施

このたびマイクロソフトは、Microsoft Loop を発表しました。この新しいアプリは、強力で柔軟なキャンバスと、各種アプリと同期された自由に移動可能なポータブル コンポーネントを組み合わせ、チーム メンバーが検討、計画、作成を協力して行えるようにするものです。

Microsoft Loop は、Loop コンポーネント、Loop ページ、Loop ワークスペースの 3 つの要素で構成されています。

Loop コンポーネント: Fluid コンポーネントの進化版で、チャット、メール、会議、ドキュメント、Loop ページのワークフロー内で共同作業や個人の業務を支援する、生産性ツールとしての最小単位です。Loop コンポーネントは、リスト、テーブル、メモ、タスクなどのシンプルなものから、Microsoft Dynamics 365 から取得した顧客の営業案件などの複雑なものまでさまざまです。コンポーネントは常に同期されるため、作業する場所が増えてもチーム全員が常に最新情報を活用できます。

このたびマイクロソフトは、コラボレーション機能の新しいコンポーネントを発表します。

投票テーブルを使うと、チームでアイデアを出し合い、合意を形成し、最終決定を下すのが容易になります。

図 1: 投票テーブルを使用するとチームでの決定が容易に

図 1: 投票テーブルを使用するとチームでの決定が容易に

また、ステータス トラッカーは、チームの情報収集やプロジェクトのあらゆる要素の進捗の追跡を支援するほか、常にチームが最新のステータスを維持できるようにします。

図 2: 各種アプリでプロジェクトの最新情報を簡単に把握

図 2: 各種アプリでプロジェクトの最新情報を簡単に把握

さらに、ビジネス ワークフローを促進する Loop コンポーネントを新たに追加します。これは Dynamics 365 レコードから開始されます。さらに、マイクロソフトが開発するコンポーネントを超えて、サードパーティ製アプリの開発者も、既存のメッセージ拡張アプリと Microsoft Graph コネクタの統合を拡張して、最小限の投資で Loop コンポーネントを構築できるようになります。詳細は、来年の開発者向けカンファレンス Build でお伝えする予定です。

図 3: 使い慣れたアプリで Loop コンポーネントを活用してワーフクローを簡素化

図 3: 使い慣れたアプリで Loop コンポーネントを活用してワーフクローを簡素化

Loop ページは柔軟なキャンバスで、コンポーネントを整理したり、ファイル、リンク、データなどの他の有益な要素を取得したりして、チームでの検討、連携、共同作業を支援します。このページは、検討や作業を共同で行う目的に最適化されています。小規模な範囲で使用を開始し、その後アイデアやプロジェクトの規模に合わせて拡大することができます。

図 4: チームのプロジェクトと共にページが成長

図 4: チームのプロジェクトと共にページが成長

Loop ワークスペースは、プロジェクトのすべての重要事項をチームで確認しグループ化できる共有スペースです。このワークスペースでは、全員の最新の作業状況を把握する、他のメンバーのアイデアに反応する、共通の目標に向けた進捗を追跡するといったことが簡単に行えます。同期的であるか非同期的であるかを問わず、アイデアが浮かんだときにいつでもチームで共同作業が可能です。

図 5: 複数のユーザーが異なるアプリから同時に作業可能

図 5: 複数のユーザーが異なるアプリから同時に作業可能

Microsoft Loop では、すべてを集約して、これまでにないほどチームの生産性を向上させ、作業を円滑化し、連携を強化することができます。Teams、Outlook、OneNote などの Microsoft 365 アプリ全体にわたる Microsoft Loop コンポーネントは、今月からロールアウトが開始されます。Microsoft Loop アプリの提供状況の詳細については、今後数か月以内に改めてお伝えします。

Microsoft エディターに Context IQ を実装 – 必要な情報を簡単に取得

このたび発表する Context IQ は、Microsoft 365 全体にネイティブに統合された一連の AI エクスペリエンスで、ユーザーが必要としている情報を、ワークフローから予測、検索、提案します。

Context IQ の画期的なエクスペリエンスが最初に実装されるのが Microsoft エディターです。現行のエディターは、自信を持って文章が書けるように、ドキュメント、メール、Web での文法やスペルの修正機能を備えています。

Context IQ により、エディターがパワーアップしました。Context IQ によるエディターの予測アシスタンスのメリットをご紹介します。

  • ファイルを添付、挿入、同僚と共有する場合: 件名が類似するものや以前に作成または使用したものを参照して、関連するファイルやドキュメントを提案します。
  • Outlook メールで会議のスケジュールを設定する場合: エディターがそれを認識して全員が空いている時間を提案するため、コンテキストを切り替える手間と時間を節約できます。
  • コメントやメールで @ 記号を使用してファイルに同僚をタグ付けする場合: 共同作業をしている同僚やドキュメントのレビュー担当者として以前タグ付けしたことのある関係者を参照して、タグ付けするユーザーの候補を提案します。
  • 営業案件で共同作業を行うために Dynamics データの取得が必要な場合: 関連する Dynamics 365 の情報を Loop コンポーネントとしてエディターが提案し、ワークフロー内で情報を更新して対応できるようにします。
  • 文字入力時にデータやオブジェクトを挿入する場合: オンラインのフライト予約ならマイレージ サービスの番号を、Teams での共同作業なら宣伝文といった情報を提案します。

Context IQ が実装されたエディターの詳細については、こちら (英語) をご覧ください。

図 6: Context IQ を組み込んだエディターが状況に応じて提案

図 6: Context IQ を組み込んだエディターが状況に応じて提案

Clipchamp が Office ファミリに

従来、Office はドキュメント、スプレッドシート、スライドの作成を支援するものでした。この機能は今でもきわめて重要ですが、ビデオをはじめとしたデジタル コンテンツへの需要が高まっていることもマイクロソフトは認識しています。これを受けて、職場、学校、趣味のクリエイティブな活動や発表に利用できるように、作成ツールを拡張して Clipchamp を追加 (英語) します。

Clipchamp はあらゆるスキル レベルのクリエイターを支援するツールで、プロ並みの美しいビデオを簡単にすばやく作成、編集、共有することができます。副業の宣伝広告、学生向けの歴史のオンライン授業、思い出を記録するホーム ビデオなど、Clipchamp ではさまざまな作品を作成して共有できます。

Clipchamp の詳細については、こちら (英語) をご覧ください。

図 7: プロ並みのビデオを Clipchamp ですばやく作成

図 7: プロ並みのビデオを Clipchamp ですばやく作成

マイクロソフトでは、Office で皆様の創作や共同作業に役立つ最新機能を提供する一方で、人気のアプリの新機能もリリース予定です。

PowerPoint の Recording Studio で自分の言葉で伝える

対面でもオンラインでも、同じようにオーディエンスにメッセージを伝えられる必要があります。Microsoft PowerPointRecording Studio では、自分自身の言葉で伝えられるため、プレゼンテーションの魅力が増し、印象に残るものになります。背景のカスタマイズやスライドへの注釈の追加ができるほか、各種ビューを選択して、コンテンツの録画や配信も簡単に行えます。

録画終了後はプレビューを確認して、必要に応じて特定のスライドまたはプレゼンテーション全体を録画し直すことができます。編集が完了したら、エクスポートするだけでプレゼンテーションを共有できます。Recording Studio は 2022 年の早い時期に一般提供が開始される予定です。

PowerPoint Recording Studio の詳細については、こちら (英語) をご覧ください。

図 8: PowerPoint で [Record] をクリックして開始

図 8: PowerPoint で [Record] をクリックして開始

ビデオは優れた情報伝達手段ですが、ときに数字とデータも強いメッセージを発信します。これは、Excel で自社のデータをパーソナライズする場合に特に効果的です。

Office.com および Office app for Windows での検索、作成、共有

Office.com では、コンテンツのハブとして機能する新しいエクスペリエンスを構築しています。ここでは、すべてのコンテンツを検索して状況を把握できるだけでなく、同じ場所から対応することができます。Office.com Office app for Windows の最新の機能強化では、ファイルやアプリを探す時間を減らして作業時間を増やすことを目的としています。

ホームページは、Quick Access セクションで特に重要なコンテンツにすばやくアクセスし、留意点を一連の Recommended Actions で表示するために、再設計されました。新しい My Content ページでは、強力な検索およびフィルタリング エクスペリエンスで、1 度に Teams、Outlook、OneDrive、SharePoint から任意のコンテンツを簡単に検索できます。また、新たな Create ページでは、すべてのアプリやツールを複数のアプリケーションのテンプレートと共に 1 か所で表示でき、作業を始めるための最適な方法を簡単に決定できます。

これらの新しいエクスペリエンスは、数週間以内にロールアウトが開始されます。詳細については、こちら (英語) をご覧ください。

図 9: コンテンツに関連するドキュメントやファイルが Office.com に表示される

図 9: コンテンツに関連するドキュメントやファイルが Office.com に表示される

業務に適したツールを簡単に見つけられることは重要です。たとえば、データの管理や分析には、PowerPoint アプリが不可欠です。

Excel のデータ型の新境地

最近まで、Microsoft Excel ではテキストと数値の 2 つのデータ型しか扱えませんでした。このたび、単純で基本的な文字列や数値の代わりに、セル自体にコンテンツ カード、画像、行列、配列などの複雑なエントリを含めることができるようになりました。

マイクロソフトは長年にわたり、データ型で Excel の可能性を広げることに注力しており、最初に株価および地理の「データ型」 (英語) を導入し、昨年は Power BI と Power Query のデータ型 (英語) をリリースしました。これにより、ユーザーが自身のデータをデータ型として扱えるようになりました。

このたび、リンクされたデータ型がまったく新しいレベルへと進化し、Excel での開発の自由度が飛躍的に向上しました。今月中に、Excel の新しい JavaScript API のプレビューが開始されます。この新しい API では、画像、エンティティ、配列、書式設定された数値を含む、独自のカスタム データ ソースを活用したカスタムのデータ型を、開発者が独自に作成できます。また、新しい Excel データ型を入力と出力のどちらでも使用できるカスタム関数を作成できます。

図 10: Bloomberg は Excel の JavaScript API を使用してユーザーに情報を提供

図 10: Bloomberg は Excel の JavaScript API を使用してユーザーに情報を提供

このような柔軟な構造により、複雑なデータをオブジェクトとして整理し、ユーザーに自然な形で示すことが可能になると共に、従来どおり分析やレポート作成に使用するすべての情報に簡単にアクセスできます。

図 11: 社内で簡単にデータを分析

図 11: 社内で簡単にデータを分析

さらに、ユーザーが独自のアドインを作成したり既存のものを拡張したりする際にデータ型の機能を使用して、これまで以上に統合された次世代のエクスペリエンスを、Excel で実現することができます。データ型の機能を組織全体で共有したり、データ型を自社のサービスやデータと連携させたアドインやソリューションを作成したりできます。

この新しい API は、ユーザーや開発者にきわめて強力な機能を提供し、データの整理、アクセス、処理が容易になります。

関連情報 (すべて英語)

今回は盛りだくさんの内容なので、各イノベーションの詳細を解説したブログ記事と技術セッションを以下にまとめました。

ブログ記事

技術セッション

時代に合わせた私たちマイクロソフトの変化と、チームのコラボレーション、人間の創造性、クラウドの力を原動力にした AI を取り入れた新しい Microsoft Office のエクスペリエンスについて、私のワクワクする気持ちが皆様にも伝わっていると嬉しいです。

新しい機能を、皆様がどのように活用されるか楽しみです。

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