現場で働く従業員の文化の再構築に 3 つの方法でテクノロジーを活用
執筆者: Emma Williams (モダン ワーク改革担当コーポレート バイス プレジデント)
※ 本 Blog は米国時間 2022 年 1 月 12 日に公開された 3 ways technology can help rebuild your frontline workforce の日本語抄訳です。
全世界の従業員の 80% を占める 20 億人の現場で働く従業員は、パンデミック中にリスク、疲弊、継続的な混乱を乗り越えてきました。シャットダウン、新たな安全規則、作業負荷の増加、在庫の減少など、現場は常に課題に直面しています。特にこの数週間は、医療従事者がパンデミックの新たな波に備え、航空会社が人手不足のために過去最多のフライトをキャンセルするなど、困難な状況となっています。残念ながら、こうした状況は今後もしばらく続くようです。最新の働き方トレンド インデックス レポート特別版 (英語) によると、現場の従業員の 58% が、2022 年も仕事のストレスは変わらないか、悪化するだろうと回答しています。
しかし、暗い話題ばかりではありません。ウェルビーイングを重視し、生産性を最大化することで、現場の従業員を長期的な成功に導くための新たな戦略やソリューションの需要はかつてないほど高まっています。成功を収めている企業は、現場の支援が収益拡大のカギであり、バランスの取れたビジネスへのアプローチを実現し、成果の向上につながることを認識しています。働き方トレンド インデックス レポート特別版によると、企業は以下の 3 つの分野に注力することができます。
- 従業員にテクノロジを提供して、ストレスやシステムの摩擦を軽減する
- 研修を重視して刷新する
- 現場を含めた企業文化を構築する
マイクロソフトは、現場の従業員のコミュニケーションの支援、シフトのスケジュール管理、タスクの実行やその他の多くのソリューション (英語) を構築しています。たとえば、Blum (英語) などのお客様のためにシンプルな統合型の従業員エクスペリエンスを作成するなど、現場を支援することは長年にわたってミッションの一部となっています。今回は、働き方トレンド インデックス調査を公開すると共に、新たなテクノロジ イノベーションのリリースやパートナーシップの強化により、現場の従業員のストレス軽減、研修の刷新、文化の再構築を支援します。
1. 従業員にテクノロジを提供して、ストレスやシステムの摩擦を軽減する
最近のデータによると、テクノロジによって現場の業務が改善されるという期待が広まりつつあります。現場の従業員の 63% が、テクノロジによる雇用機会の創出に期待を寄せており、仕事上のストレスを軽減する要因としても給与の改善と休暇に次いで第 3 位にランクインしています。マイクロソフト独自の生産性データによると、こうした変化はパンデミックをきっかけに加速し、2020 年 3 月から 2021 年 11 月にかけて、現場の従業員による Microsoft Teams の利用率は 400% 増加しました。
現場が人手不足やサプライ チェーンの混乱といった継続的な制約に直面する中で、時間の節約、コミュニケーションの円滑化、反復作業の効率の最大化を実現するテクノロジが必要とされています。
そこで、マイクロソフトは Samsung (英語) の強力なデバイス ポートフォリオとのパートナーシップに加えて、Zebra Technologies (英語) との戦略的パートナーシップを強化しました。どこにでも持ち運べる頑丈な TC シリーズ、小型の顧客向け EC シリーズ、究極のスキャン デバイスである MC シリーズといった幅広い Zebra モバイル デバイスで Teams の Walkie Talkie (トランシーバー) アプリの一般提供が開始されました。Zebra デバイスの専用プッシュ トゥ トーク (PTT) ボタンが Teams のデジタル トランシーバー機能に対応したことで、現場の従業員が安全かつ明瞭な音声通信を即座に利用できるようになりました。また、Android モバイル デバイスに加えて、iPhone や iPad などのすべての iOS モバイル デバイスでもトランシーバー機能の提供が開始されました。
「このパートナーシップにより、現場の従業員がデバイスを使用して円滑にやり取りをしたり、共同作業を行ったり、どんな状況でも生産性を維持したりすることができるのです。」
Zebra Technologies、CEO、Anders Gustafsson 氏
Zebra デバイスへのトランシーバー機能の統合と Walkie Talkie iOS の一般提供が開始されました。
多くの業界で人手不足が続く中、シフトのスケジュール管理の負担は増加し、平常時と同じシフトを以前よりも少ない人数でカバーしなければならなくなりました。職場におけるストレス軽減に役立つテクノロジ ソリューションをたずねたところ、第 1 位はチームのスケジュール管理 (37%) でした。
従業員が引き続き自分のスケジュールを自分なりの方法で柔軟に管理できるように、Teams 向け Reflexis Shifts コネクタ (英語) の一般提供が開始されました。このコネクタを使用することで、Reflexis Workforce Scheduler (RWS) と統合して同期をシームレスかつリアルタイムで実行し、シフトの要望を表示、割り当て、管理できます。主要な従業員管理ソリューションの RWS は、用途に合った柔軟なスケジュール管理を実現します。Teams との統合により、RWS は従業員の自律性を促進し、スケジュール作成を最適化して、現場の従業員が一貫した柔軟な方法でスケジュールにアクセスできるようにする新たな機会をもたらします。
Teams 向け Reflexis Shifts コネクタの一般提供は 2022 年 1 月に開始される予定です。
現場のストレス軽減に役立つと考えられるテクノロジ ソリューションの上位 5 つには、予約管理も入っており、対面予約からオンライン予約への移行が進む中で大きな変革を遂げています。従業員はオンライン予約を 1 箇所で包括的に把握できるようになり、待ち時間、順番待ち、予約のすっぽかし、人員配置の遅れなどがリアルタイムで更新され、顧客や患者に優れたカスタマー エクスペリエンスを提供できます。
オンライン診療の順番待ち予約の一般提供は 2022 年 1 月に開始される予定です。
また、従業員が仕事の流れを維持し、承認の更新に関するストレスを軽減できるように、現場の従業員が利用している業界プロセスに承認アプリを直接統合します。従業員は基幹業務アプリの Power Apps と PCF コントロールを使用して承認を管理、依頼すると共に、必須コメントなどの詳細やグループ承認を要求できるようになり、承認および関連プロセスが円滑に実施されます。
承認機能の必須コメントとグループ承認の一般提供は今月中、PCF コントロールの一般提供は 2022 年 2 月に開始される予定です。
最後に、ID 管理および エンドポイント管理ソリューションのスイートにより、現場でのデバイス共有に関するストレスを軽減できます。Microsoft Endpoint Manager では、GPS 対応マップを使用して置き忘れたデバイスの場所を特定できる以外に、現場の従業員が置き忘れたデバイスを見つけやすくするために、IT 部門が音声通知をトリガー (英語) できるようになる予定です。さらに、Azure Active Directory を使用し、共有デバイス モードでデバイスを登録すると、従業員は Android デバイスでワンタップするだけで、Teams や Managed Home Screen、Workday やその他のアプリ (英語) などのすべてのサポート対象アプリケーションから簡単にサインアウトし、次の従業員がデバイスを利用できる状態にして、コンプライアンスを維持できます。
2. 研修を重視して刷新する
前述のように、テクノロジによって業務が改善される可能性があるという期待が現場の従業員の間で広まりつつある一方で、アンケート調査に参加した従業員の 50% 以上が、業務を効果的に行うための研修を企業が提供していないと回答しています。現場の従業員は研修に意欲的であるため、企業は研修の取り組みを重視して、社内の全員が利用できるようにする必要があります。新人研修用のツールは、現場の従業員の職場におけるストレス軽減に役立つ重要なテクノロジの第 2 位にランクインしており、人材配置の変動が続く中で特に重要になっています。
Microsoft Viva ラーニングを使用すると、現場の従業員は Microsoft Teams から直接学習コンテンツを発見、アクセス、共有、追跡できます。最新の学習管理システム (LMS) との統合により、企業はすべての従業員に最新情報を提供し、新入社員への研修でトレーニング、ポリシー、全般的な学習について迅速に説明できます。LMS の割り当て機能により、企業は SAP SuccessFactors、Cornerstone OnDemand、Saba Cloud などのパートナー ソリューションのトレーニングや学習を割り当て、現場の従業員は任意のデバイスで Teams から割り当てられた学習に簡単にアクセスできます。
学習管理システムの割り当て機能の一般提供は 2022 年 1 月に開始される予定です。
さらに、Go1 や Coursera などの既存のパートナーに加えて、EdCast (英語) や OpenSesame (英語) などの学習プロバイダーとの新たなパートナーシップにより、現場向け学習コンテンツがさらに拡充されます。この充実したパートナー コンテンツ ライブラリや、SharePoint 統合を使用して企業が作成した学習コンテンツにより、現場の従業員はモバイル、タブレット、デスクトップで自分の業務に関連する学習コンテンツにアクセスし、トレーニングやスキルアップを行うことができます。
EdCast は 2022 年 1 月、OpenSesame は 2 月に一般提供が開始される予定です。
「マイクロソフトとのパートナーシップを継続すると共に、共有、ブックマーク、学習ジャーニーへの統合可能な EdCast のスキル習得用スマートカード、パスウェイ、ジャーニーを企業のお客様に提供して、Viva ラーニングの価値を拡大できることを嬉しく思います。」
EdCast、CEO、Karl Mehta 氏
「Microsoft Viva ラーニングとのパートナーシップにより、企業のお客様は、すべての従業員に最適なコースの一覧をキュレーションして、仕事の流れの中で提供することができます。」
OpenSesame、CEO 兼共同設立者、Don Spear 氏
3. 現場を含めた企業文化を構築する
成功を収めている企業とそれ以外の企業の違いの 1 つに、強固な文化を構築できているかどうかが挙げられます。それは、業績だけでなく、優れた人材を維持、獲得して、意欲を高めることにも影響します。しかし、企業文化は現場まで浸透していません。現場の従業員は、経営陣との文化やコミュニケーションの断絶を感じています。現場のマネージャーの 68% が、経営陣は職場文化の構築を重視していないと回答し、現場の従業員の 63% が経営陣からのメッセージが自分たちに届かないことが頻繁にあると回答しています。
Microsoft Viva コネクションなどのテクノロジは、こうした文化やコミュニケーションのギャップを埋めるうえで重要な役割を果たします。経営陣は現場にメッセージ、企業の最新情報、称賛などを通知し、現場の従業員は意見やアイディアを共有することができます。Viva コネクションの新たな戦略的パートナーである Workday と Espressive (英語) により、従業員は企業の重要なリソースとアクションに 1 箇所で簡単にアクセスできるようになりました。
Espressive は 2 月に、Workday カードは 2022 年中に Viva コネクションで利用できるようになる予定です。
Workday をご利用のお客様は、Microsoft Viva コネクションで直接 Workday の機能を利用できるようになり、従業員は Teams から離れることなく、自然な仕事の流れの中で Workday のインサイトやアクションにアクセスできます。インテリジェントな出退勤管理エクスペリエンスなど、Workday の従業員向けセルフサービス機能を利用することで、たとえば、現場の従業員は休憩時間が間もなく終了するという通知を受け、モバイル デバイスからワンタップで業務の再開時刻を記録できます。
Espressive では、従業員が Viva コネクションから 9 つの言語で 14 の部門 (IT、人事、給与など) のパーソナライズされたセルフヘルプをすぐに利用することが可能で、ダッシュ ボードカードから保留中のリクエストや問題にアクセスできます。Espressive Barista は、AI ベースのバーチャル サポート エージェント (VSA) で、従業員の質問、問題、リクエストを自動的に解決できるように、従業員が必要とする回答をパーソナライズして提供します。
今後の展望
現場の支援は、収益の拡大につながります。企業は適切なテクノロジ ツールを提供し、強固な企業文化を構築することで、チームのスケジュール管理、新人研修、タスクの自動化、予約管理といった現場の従業員の日々の負担を軽減することができます。適切なソリューションを使用すれば、現場の従業員の生産性を最大化するだけでなく、一貫した文化を構築し、強力な顧客維持、優れた顧客対応、企業ミッションへの連携を実現できます。
マイクロソフトは、業界リーダーとのパートナーシップにより、現場のストレス軽減、研修の刷新、企業文化の再構築に役立つソリューションのイノベーションに継続的に取り組んでいます。現場の従業員を支援する機会に関する調査結果の詳細については、働き方トレンド インデックス レポート特別版 (英語) をご覧ください。またルック ブック (英語) や Mechanics show の新しい動画 (英語) では、現場を支援する新たな Microsoft 365 製品のイノベーションを詳しくご紹介しています。
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