2022年2月25日 5:40 AM

Microsoft Teams のパフォーマンス向上により、会議での消費電力を最大 50% 削減

※ 本ブログは、米国時間 2 月 9 日に公開された “Microsoft Teams performance improvements reduce power consumption in meetings by up to 50%” の抄訳です。

以前の記事 (英語) では、Microsoft Teams の通話や会議の最中に CPU やメモリなどのデバイス リソースを効率的に使用できるようにする方法をお伝えしました。今回は、Teams の会議で消費電力を削減するために、どのようにマイクロソフトの目標と測定手法が使用されているかについて、詳しく説明します。

このことがなぜ重要かというと、エネルギー コストが削減されるだけでなく、こうした最適化によって社内のハードウェアへの負担が軽減され、あらゆるデバイスで Teams の会議および通話エクスペリエンスの一貫性と効率性が向上するためです。

Teams が普及してきた反面、課題として、多種多様な Windows デバイス エコシステムの中で、すべての人が等しいエクスペリエンスを得られる工夫をする必要が出てきました。マイクロソフトは、ハイエンドのワークステーションや高解像度のモニターのユーザーだけでなく、ローエンドのハードウェアのユーザー向けにも、優れた通話と会議のエクスペリエンスを実現できるように注力しています。その取り組みの一環として、設定にかかわらず、Teams の会議のエネルギー効率を可能な限り高めることで、顧客プロファイルによって異なる電力要件の違いに対応してきました。

まず、テスト フレームワークを作成し、グループでのビデオ通話や画面共有などの重要な会議シナリオでの消費電力を正確に測定しました。多くの場合、これにはコンテンツ キャプチャ、エンコーディング、レンダリングといったエネルギーを大量に消費するプロセスが含まれます。次に、こうしたプロセスを評価し、それぞれの効率を最適化する機会を特定しました。各プロセスを分離して最適化することで、エネルギーを大量に消費するシナリオ (会議参加者が 10 名を超え、全員がビデオを有効化しているときなど) で、消費電力を最大 50% 削減できました (下図参照)。

消費電力を最大 50% 削減できました

ビデオ キャプチャ プロセスの評価においては、カメラの最適化と顔検出処理に焦点を当てました。会議中にビデオを使用する場合の CPU への要求の削減、構成の改善、自動露出・自動ホワイト バランス・自動エイリアスのコードの複雑さの軽減を行い、オンボード カメラからの消費電力の削減と安定性の向上を実現しました。その後、ビデオ レンダリングの改善に着手しました。特に、多数の参加者がいる会議で、ユーザーが Teams クライアントに表示される各参加者のビデオ ストリームを受信する場合です。これまで、受信するビデオの解像度が異なる場合は、クライアント側でそれぞれ再スケールする必要があり、シンプルな 3×3 のビデオ グリッドでも、9 回異なるレンダリング処理を行わなければなりませんでした。そこでストリームを結合し 1 つのビデオを作成することで、ビデオ レンダリングでの処理を統合し、各デバイスで必要となる電力を大幅に削減できました。

2021 年に実施した最適化の中には、オペレーティング システムのネイティブ リソースの使用に重点を置き、レンダリング プロセス中の画像フラグメントの転送方法を改善したものや、Teams がデバイスの GPU (グラフィックス処理装置) を利用して特にレンダリングのパフォーマンス向上を図れるようにしたものもあります。このアプローチは、ユーザーのビデオのプレビューにも拡張されています。今後を見据え、引き続き CPU や GPU のチップセット ベンダーと緊密に連携し、次世代のチップが Teams のビデオ会議にさらに最適化されるように取り組んでいきます。

先日、ビデオとアプリケーションの共有時の消費電力をさらに削減する、個々の画面コンポーネントを対象としたレンダリングの最適化をリリースしました。今年後半には、さらなる画面共有の最適化を予定しています。

その他のパフォーマンス向上の取り組みと同様、こうした消費電力の削減についても、段階的なテストを実施し、すべてのお客様と環境において想定されるメリットを検証しています。さらに、新たにリリース予定の Teams の各種機能を評価し、従来の処理効率が損なわれないことを確認します。

そのため、革新的な Teams 機能を引き続きリリースして、新たな方法でユーザーがつながりコラボレーションできるようにサポートしながら、ネットワークやデバイスを問わず、こうしたエクスペリエンスがすべてのユーザーに最適化されるように力を注いでまいります。

随時このブログをチェックして、通話と会議の質を向上させるために設計された Teams の新機能と最適化についてご確認ください。

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