Microsoft Teams で大規模な会議を成功させるためのベスト プラクティス
※ 本 Blog は、2022 年 2 月 23 日に投稿された Best practices for successful large meetings in Microsoft Teams の日本語抄訳です。
Microsoft Teams の会議機能は、2017 年の Teams の初回リリース以来、大幅な進化を遂げ、COVID-19 をきっかけにさまざまな組織で導入されています。従業員がリモート ワークに移行したことで、Teams は全社会議、ウェビナー、製品発表などを円滑に行うための必須ツールとなりました。今回は、現在 Teams で選択可能な大規模な会議のオプション、推奨されるベスト プラクティス、実例から学んだスムーズな参加者エクスペリエンスを提供するためのヒントをご紹介します。
2021 年には、Teams 会議エクスペリエンス全体の機能強化の一環として、会議の定員を増やすために多大な投資を行いました。この定員数の上限を引き上げる取り組みの集大成が、Teams の大規模な会議機能とウェビナー機能です。これまで多人数の会議を開催する唯一のオプションだった Teams ライブ イベントに加えて、この 2 種類の会議オプションが提供されました。
イベント開催者は、会議を成功させるために必要なすべてのアクションを確実に実施する必要があります。たとえば、参加者のビデオをハード ミュートすることで、ビデオのネットワーク帯域幅を大幅に削減し、そのビデオが他の大勢の参加者と意図せず共有される事態を回避できます。マイクロソフトが現在提供しているのは、1,000 人の会議と最大 10,000 人の視聴のみでの参加です。チャット、音声、ビデオを使用してやり取りできるのは 1,000 人の招待者に限られます。
Teams 会議には、コラボレーションやコミュニケーションを促進するために、大規模な会議を構造化するオプションがあります。会議規模を拡大するときには、会議の効果を高めるために適切な対策を講じることが重要です。この記事では、Virtual Event Playbook (英語) の補足として、イベント開催者が大規模な会議エクスペリエンスを最適化し、発生し得る問題に効率的に対応できるベスト プラクティス、ヒント、準備手順をご紹介します。
会議開始前のベスト プラクティス
イベントを成功させるためには、会議の参加者、IT 管理者、IT サポート スタッフ向けの以下のベスト プラクティスに従うことを推奨します。
開催者と発表者
- 会議の進行を円滑にするために、イベント開催者が事前に発表者を定義する。これにより、発表者と参加者の役割をわかりやすく構造化します。また、会議が開始してから、発表者が他の参加者を発表者に昇格させることもできます。
- 会議オプションで共同開催者を定義する (パブリック プレビュー)
- ビデオやマイクの設定を事前に行い、参加者のエクスペリエンスを制御する
- 雑音が入らないように、参加者のマイクを無効にする。会議中に参加者が発言したい場合は、挙手するとミュートを解除できるようにします。
- 不必要な映像が映らないように、参加者のビデオを無効にする。会議中に、必要に応じてすべての参加者または特定の個人のビデオを許可できます。
- 投票や Q&A などの会議アプリケーションを会議中に使用する
- イベント開催者と発表者は、最適なエクスペリエンスを提供するために以下のベスト プラクティスに従う
- イベントの数日前と当日に Microsoft 365 ネットワーク接続テスト (英語) を実施してネットワークの適合性を確認する
- 自宅から発表する場合は、他のデバイスが過度に帯域幅を消費していないことを確認する (ストリーミング サービス、オンライン ゲーム、大容量ダウンロードなど)
- 音声、ビデオ、画面共有の安定性を高めるため、有線接続のエンドポイントから発表する
- ユーザーがデスクトップまたはモバイル デバイスで最新の Teams アプリを使用していることを確認する
- ノート PC を使用する場合は、ネットワーク接続の強度と電源を確認する
- イベント前にリハーサルを行い、デバイス、照明、ネットワークの問題を解消し、開催者/発表者が使用する機能に慣れておく
- 問題が発生した場合は、再度リハーサルを実施して、問題が解決されていることを確認する
- 発表者と参加者は、Teams デスクトップ アプリを使用して最適なエクスペリエンスを提供する
- ロビー コントロールを使用して、会議への入室やロビーでの待機を制御する
- スポットライト、PowerPoint Live、会議の録画、字幕、文字起こしなどの機能を利用することで、活発な参加を促進して会議の効果を高める
- 参加者の気が散らないように、大規模な会議中はチャット通知をオフにする
IT 管理者や IT サポート スタッフによる会議の監視を推奨
- 必要に応じて、重要な会議では IT 管理者による監視とサポート オプションを利用する (管理者向けクイック スタート)
- オンプレミスとリモートの両方のユーザーがすべての Microsoft 365 ネットワーク接続の原則に従っていることを確認する
- IT 管理者はリアルタイムのテレメトリ データ (英語) を詳しく調査して、イベントを監視し、潜在的な問題とその原因を特定する
- 監視担当者は、リアルタイムのテレメトリ データを分析し、メトリックが許容範囲を超えてエクスペリエンスが低下しているユーザーとリアルタイムでやり取りできる
- 監視担当者は発表者として設定する。これにより、不正なビデオ ストリームを無効にする、意図しないライブ マイクをミュートする、やむを得ない場合は参加者を削除するなどの対応が可能です。
会議への活発な参加を促進するためのヒント
- 投票を使用して、会議前や会議中に参加者の情報を収集する
- チャットや Q&A を使用して参加者の意見を聞く。Q&A アプリは、公開会議/ウェビナー、司会者が進行する会議/ウェビナーの両方で使用できます。ベスト アンサーのマーキング、回答の絞り込み、質問のモデレーションと終了、ウェルカム メッセージなどの投稿のピン留めが可能です。匿名の参加者は、現時点ではサポートされていませんが、今年中に提供される予定です。
- 開催者が会議中にダイナミック ビュー、Together モード、発表者モードなどの各種ビューを使用する。また、スポットライトを使用すると、1 人または複数の発表者を目立たせることができます。ただし、スポットライトはラージ ギャラリーや Together モードでは使用できません。
- 発言する前に挙手するように、参加者にリマインドする。挙手した順番を把握する機能により、発言するユーザーの順序を確認できるため、指名漏れの心配がありません。
- リアクションを使用して、会議内で参加者が感情を共有する
- 字幕と文字起こしを有効にして、インクルーシブな会議を実現する。文字起こしや録画は、ユーザーが会議を欠席した場合や内容を振り返る必要がある場合に便利です。
会議のスケジュール設定とウェビナー作成に関するヒント
ウェビナーや大規模な会議の招待状を作成する場合には、発表者を事前に定義し、その他の参加者のマイクやカメラを無効にしておくことを推奨します。このような構造化された会議では、イベント中の混乱を抑えられるほか、発表者の裁量で意見交換の時間に参加者が発言できます。イベントの最初に、発表者や司会者は、意見交換時の参加者の発言順序は挙手機能によって決定することを説明しましょう。
マイクロソフトが会議の構造化を推奨する理由
対面での全社会議を想定した場合、全員が一度に発言することはなく、ましてや発表者の話を遮ることはありえません。発表者も事前に決まっており、意見交換の時間は別に設けられています。意見交換の時間には、参加者はマイクを持って 1 人ずつ順番に発言します。ウェビナーや大規模な会議でも、同じように、発表者や司会者が発言したい人に順番にマイクを向けます。
ウィンドウの右上にあるドロップダウン メニューを利用して、Microsoft Teams クライアントのカレンダーから任意の種類の会議を作成できます。ただし、ウェビナーやライブ イベントのスケジュールは Teams クライアントのカレンダーからしか設定できないのに対して、通常の会議や大規模な会議のスケジュールは Outlook の予定表からも設定できます。
Teams または Outlook で会議オプションを管理するには、[Meeting options] ボタンをクリックし、必要に応じて設定を定義します。
以下のスクリーンショットでは、入退室の通知を無効にして、発表者として私 (Siunie) を選択し、参加者のマイクとカメラを無効にしています。
ウェビナーのスケジュールを設定するには、通常の会議に加えて追加の手順が必要になるため、以下のマイクロソフト サポート ページの詳しい説明に従ってください。
ウェビナーのスケジュール設定
- Teams ウェビナーの利用を開始する
- ウェビナーのスケジュールを設定する
- ウェビナーを公開する
*現時点では、ウェビナーは視聴のみの配信をサポートしていません。
大規模な会議向けのオプション
以下の 3 種類の会議向けの機能については、さまざまな情報、ドキュメント、ブログ記事が公開されているため、詳細な説明は割愛し、今後の予定をいくつかご紹介します。
- 最初の 1,000 人は完全なインタラクティブ機能を利用可能、それ以降のユーザーは視聴のみのモード
- 従来の定員 300 人を最大 1,000 人に拡大*
- 1,001 人~ 20,000 人の会議は視聴のみ
- インタラクション オプションを構成可能
- 既定では無効、PowerShell での有効化が必要
- 参加者は最大 1,000 人
- 公開または組織内のユーザーのみとして登録可能
- インタラクション オプションを構成可能
- 既定では無効、PowerShell での有効化が必要
- 大規模な人数に向けて配信
- 司会者が質疑応答を進行
- 高度な制作機能をサポート
- 定員 20,000 人を最大 100,000 人に拡張可能**
- 既定では無効、PowerShell での有効化が必要
*通常は 10,000 人のところ、2022 年 6 月 30 日までは 20,000 人に引き上げられます。
**ユーザー数が 20,000 人を超えるイベントについては、Live Events Assistance プログラムで作成する必要があります。
ユーザー数が 300 人を超える会議では、途中でブレークアウト ルームを利用できません。途中で 300 人を下回った場合でも利用できません。
大規模な会議またはウェビナーのスケジュールを設定する前に、各機能が有効になっていることを確認してください。
大規模な会議に関するまとめ
この記事では、Microsoft Teams で開催できる会議の種類、イベントに適した会議の種類を選択するためのガイダンス、大規模な会議のスケジュール設定に関するベスト プラクティスをご紹介しました。
会議オプションの概要については、Virtual Event Playbook (英語) をご覧ください。活発でインクルーシブなイベントを開催するさまざまな方法をご説明しています。さらにご興味のある方は、Microsoft Learn の Virtual Event Producer コースも併せて受講することをお勧めします。
マイクロソフトが皆様をサポートします。サポートが必要な場合は、Virtual Events コミュニティにご参加いただくか、Live Events Assistance ポータルまでお問い合わせください。また、Teams のフィードバック ポータル (英語) でぜひご意見をお聞かせください。
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