2022年4月11日 12:57 AM

Mixed Reality を活用してオンザジョブ ガイダンスを強化する方法

※本ブログは、”Watch how to improve on-the-job guidance with mixed reality – Microsoft Dynamics 365 Blog“の抄訳です。

HoloLens 2 を装着して、配線の作業をする人

従来のガイダンスやスキルアップの手法では、経験豊富なトレーニング担当者と、トレーニング受講者が顔を合わせ、作業指示書や部品マニュアル、チェックリストなどを組み合わせた資料を準備し、実作業やシミュレーション環境を用意することが当然とされていました。この場合、スキルの高い作業員 (経験豊富なトレーニング担当者) が業務を通じて新人を指導し、新人が作業プロセスを習得して 1 人で作業できるようになるまで監督します。このプロセスはオンザジョブ ガイダンスと呼ばれており、何十年にもわたって人材育成のサポートに効果を発揮してきましたが、リソースと規模の観点から常に課題もありました。

一方で、過去 10 年間にさまざまな業界の組織がデジタル トランスフォーメーションに取り組み、テクノロジの進歩を存分に活かしてビジネス プロセスを刷新し、その効果と効率を高めてきました。Microsoft Dynamics 365 Guides はまさにその点で効果を発揮します。Microsoft Dynamics 365 Guides のトレーニングやスキルアップのためのアプリケーションは、作業が必要な場所にホログラムで具体的な手順を示し、従業員を支援します。このブログ記事では、Dynamics 365 Guides を活用して従業員エクスペリエンスを向上する 3 つの方法をご紹介します。

1. 自己学習の提供

Mixed Reality アプリケーションを利用するメリットの 1 つに、トレーニング担当者をトレーニング受講者から解放できるという点があります。たとえば、トレーニング担当者がデジタルの作業手順書を作成し、トレーニング受講者のだれもが利用できるようにすれば、トレーニングの場に物理的に同席する必要がなくなります。作業員のワーク フローに沿って作業指示書、重要データ、可視化したモデルを直接利用できるようになり、手軽に自己学習を始めることができます。リソースの観点からは、効率が向上し、作業員の観点からは、生産性、品質、安全性が向上します。

自己学習のコンセプト自体は新しいものではありませんが、Mixed Reality の環境においては、トレーニングの過程で必要なときに必要な場所で情報を利用できるため、自己学習の内容が飛躍的に向上します。一例として以下の動画をご覧いただくと、Dynamics 365 Guides がどのように自己学習を可能にするのかをご理解いただけると思います。作業指示の画面が作業員と共に移動し、次の手順が指示され、各段階で必要な情報が提供されるので、作業の流れが中断されません。

詳細については、Dynamics 365 Guides の概要をご覧ください。

世界各国の製造工場では、同じようなシナリオが日々何千回と繰り返されています。多軸旋盤に部品を固定している機械工が計測機器の表示を確認する必要がある場合や、修理技師が新しい機器を修理する場合に、どこからでも常にバーチャルな部品マニュアル ライブラリや組み立て手順を参照できるため、長時間作業の流れを維持できます。Forrester の調査によると、Mixed Reality によって現場での作業効率が 40% 向上し、再作業が 7% 減少し、現場作業員 1 人あたりの年間コストを 13,680 ドル削減できます1。その理由の 1 つに上記に示した効果があります。

2. Mixed Reality の導入

以下の動画でご紹介しているように、Dynamics 365 Guides は、実際の作業環境で 3D 視覚化モデルとホログラムを作業指示書や関連資料と重ねて表示できるため、作業員は自立性を保ったまま、動作の範囲が制限されることなく作業することができます。また、Dynamics 365 Guides では、ローコード/ノーコードによるオーサリング機能でだれもが新しいガイドを作成できるため、新たなトレーニングのニーズに即座に効率的に対応できます。この短い動画クリップでは、PC で行ったオーサリングの手順が、作業環境に配置されたホログラムにどのように自動調整されるのかをご覧いただけます。

3. ハンズフリーのトリガーの有効化

Dynamics 365 Guides は、現場作業員にイマーシブな作業指示書を提供するだけでなく、現実の環境の動作を再現するアクション起動のトリガー機能も備えています。たとえば HoloLens 2 は、作業員の手の動きを追跡し、作業プロセスのどの位置に手があるかに基づき、ガイダンスを自動化します。以下の動画でこの様子をご覧いただけます。たとえば、ボルトやねじを締めるなどの作業が完了したら、即座に作業員に次の手順を指示するホログラムが自動的に表示されます。これにより、身体で覚えられ、学習プロセスを高められます。

ハンズフリーのトリガーによって作業の流れを長時間維持できるだけではありません。正しい回答を得られるかどうかわからない同僚に次の手順を尋ねるよりも正確ですし、目の前のタスクへの集中力を散漫させるような従来の作業指示書を参照するよりも効率的です。さらに、膨大な数の回転機械が置かれている製造業などの業界では特に、ハンド トラッキングや音声起動によるハンズフリーのトリガーを有効化すれば、作業プロセスの安全性を高められます。

今後について

この記事では、自己学習の提供、Mixed Reality の導入、ハンズフリーのトリガーの有効化という 3 つの方法により、オンザジョブ ガイダンスを変革できることをご説明してきました。マイクロソフトでは、ホログラムで直観的な配置と操作を可能にする方法 (英語)ハンズフリーで作業するための機能 (英語)、Dynamics 365 Guides で実現できるさまざまなレベルの詳細な内容 (英語) をご紹介した動画も公開しています。今すぐ現場作業員の支援を始めたいと思っているお客様は、ぜひ Dynamics 365 Guides の 60 日間の無料試用版をお試しください。また、ラーニング パスの「Dynamics 365 Guides を使用する」でも詳細情報をご確認いただけます。

さらに、Dynamics 365 Guides を利用者のロールごとに詳細に解説するウェビナーシリーズを、日本語で開催しておりますので、ぜひご参加ください。

 

参考:

1Microsoft HoloLens 2 を活用した Mixed Reality の Total Economic Impact™ レポート、Forrester、2021 年 (英語)

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