2023年4月14日 4:37 PM

Enterprise Connect で発表された Microsoft Teams Rooms の新機能と Teams デバイス

※ 本ブログは、米国時間 3/28 に公開された “What’s new in Microsoft Teams Rooms and Devices at Enterprise Connect” の抄訳です。

Enterprise Connect にご参加の皆様は、最高のコミュニケーション ツールやコラボレーション ツールの発表に大きな期待を寄せられていることでしょう。6 年前の Enterprise Connect で Microsoft Teams を披露した際、私たちはその期待に応えられるという確信を持っていました。Microsoft Teams Rooms も、使いやすい会議室システムを求めるお客様のニーズに応えるソリューションとして、そのときに披露しました。あらゆる人の声を届けられる、高音質、高画質のインクルーシブなコラボレーションを可能にする革新的なソリューションです。その後もマイクロソフトは、会議室に集まって会議を行うことの意義を考え続け、休むことなくこのビジョンの拡大に努めてきました。

働く場所と働き方の柔軟性を高めること、コストを抑えて成果を高めること、優れたカスタマー エクスペリエンスを提供すること。これらが今年の Enterprise Connect に集まる皆様をつなぐテーマであり、マイクロソフトはその実現のためにそこにいます。より優れたハイブリッド会議を実現したいというニーズは爆発的に高まっていますが、反面、多くのお客様が、その目標を達成するためのソリューションはシンプルであってほしいと考えています。また、マイクロソフトが重視しているのは、他の製品と変わらず、エンド ユーザーと IT の両方にとって優れたカスタマー エクスペリエンスを提供することです。これが、Teams Rooms が地球上で最も幅広く導入されているクラウド接続会議室システムとなった理由です。今週は皆様にようやく、さらに進化した会議、コミュニケーション、コラボレーションの方法をご紹介することができます。今から待ちきれません。

会議への参加とコラボレーションの方法を拡大する

マイクロソフトは、エンド ユーザー エクスペリエンス全体にわたってあらゆるスペースで優れた会議を実現し、その会議室を可能な限りシームレスかつ効率的に管理できるように努めています。現在オフィスは転換期を迎えており、個人専用のスペースから、ホットデスクなどの柔軟な共有スペースへと移行が進んでいます。また、お客様は、少ないリソースでより多くの成果を上げることを望んでおり、その方法はシンプルであることを求めています。

マイクロソフトはあらゆるパートナーと協力することで、引き続き優れた会議エクスペリエンスを提供しながら、膨大な数の BYOD (Bring Your Own Device) の会議室を管理する IT チームの負担軽減に努めていきます。

Microsoft Teams をネイティブ実行する Cisco の会議デバイス

以前お約束したとおり、確かな品質と信頼性を誇る Cisco のビデオ テクノロジで、Microsoft Teams Rooms のネイティブ機能をご利用いただけるようになりました。この Cisco とのパートナーシップは両社のお客様にとって非常に大きなものであり、お客様はあらゆる作業環境で Cisco が提供する幅広い Teams 認定デバイス ポートフォリオをご利用いただけるようになります。

Cisco の Teams 認定デバイスでは、ネイティブの Teams 会議から Webex 会議にシームレスに接続することができます (その逆も可能)。Microsoft Teams Rooms を既定のエクスペリエンスに設定することもできますが、デバイスでは引き続き、Webex 会議への参加とご使用中のあらゆる機能がサポートされます。Teams Rooms Pro ライセンスを取得しているお客様は、Cisco のすべての Teams 認定デバイスを Teams Rooms Pro 管理ポータルで管理できるようになります。

Cisco の Teams 認定デバイスの第 1 弾として提供される新しい Cisco Board Pro は、55 インチと 75 インチの 2 種類のサイズで展開されます。この Board Pro は、ビデオ会議、デジタル ホワイトボード、共有コンテンツへの注釈の追加、アプリへのアクセス、ワイヤレス プレゼンテーションを可能にするタッチ ボードです。

Cisco Board Pro

Cisco Board Pro

Teams ディスプレイ: これまでよりもさらに使いやすく

Teams ディスプレイのホットデスク エクスペリエンスを利用すると、オフィスの座席を簡単に予約できるため、事前に作業スペースを確保することができます。さらに、今夏に提供開始を予定している最新の QR コードのサインイン エクスペリエンスでは、ホットデスクを利用するユーザーが個人の Teams アカウントにシームレスにアクセスできます。Teams ディスプレイで QR コードをスキャンし、スマートフォンの Teams アプリを使用してすばやくログインすることが可能です。この新機能により、ユーザーがデバイスに資格情報を手動で入力する必要がなくなるため、生産性が下がらずに済みます。この機能は、マイクロソフトの各キャンパスにある電話ブースの Teams ディスプレイでパイロット テストを実施した後に導入されました。テストに参加したユーザーからは「デバイスへのログインが面倒で効率が悪い」という的確なフィードバックが寄せられていましたが、QR コードでのサインインによって、このプロセスが改善されるはずです。

QR コード

Yealink DeskVision A24 (英語): Yealink DeskVision A24 が Microsoft Teams 認定を取得しました。個人または共有のスペースで Microsoft Teams ディスプレイとして利用できる、高い生産性とコンピューティングを実現するデバイスです。このデバイスには、AI を活用した音声/ビデオ機能など、複数の高価値なコミュニケーション機能が含まれています。デュアル モードのデバイス接続に加え、強力な 4K カメラ、内蔵スピーカーとマイク、ワイヤレス充電器が付属しているほか、画面を傾けてホワイトボードに使用できるヒンジ モニター デザインを採用しています。

あらゆるスペースに最適な Teams 会議

エンド ユーザーと IT 管理者の両方があらゆるスペースで優れた会議エクスペリエンスを利用できるようにすること、つまり、エンド ユーザーのエクスペリエンスを強化しながら、IT 管理者によるスペースの管理のしやすさを改善することが、Microsoft Teams Rooms の当初からの目標でした。この目標を達成するために、マイクロソフトは、省スペースで低コストの共有スペース向けソリューションの提供を拡大しています。こうした共有スペースを「BYOD スペース」と呼んでいますが、これは「Microsoft Teams があらゆるチームに適している」というマイクロソフトの主張を裏付けるものです。この「あらゆるチーム」には、リソースを抑えて成果を高めることを重視するチームも含まれます。

これに関連して、今年後半に提供する機能によって、1,000 ドル以下で会議室前面のディスプレイを設置し、高品質の Teams 会議エクスペリエンスを実現し、スペースを管理していただけるようになります。ローコンピューティング機能によって、BYOD 会議室のウェルカム画面に会議室の詳細や予定表、会議室の使用方法の説明が表示されるようになり、また、IT 管理者が Pro 管理ポータルでデバイスのファームウェア更新を管理したり、リアルタイムの監視や利用状況の指標にアクセスしたりできるようになります。Pro 管理ポータルで BYOD 会議室の利用率がしきい値に達したことを確認したら、Teams Rooms に簡単にアップグレードして、コラボレーションしやすいインクルーシブな共有スペースで会議を行えます。

現在多くのパートナーが、BYOD スペースに適したデバイスの提供に取り組んでいます。そのうちの 1 つである Crestron AirMedia® for Microsoft Teams では、BYOD スペースでプラグ アンド プレイのプレゼンテーションやワイヤレス会議機能を利用できます。この AirMedia ソリューションは、1 回の USB-C 接続とボタン 1 つで、コンテンツ共有と会議接続の効率的なワークフローを実現します。ドライバーをダウンロードしたり、アプリを実行したりする必要はありません。デバイスを接続してボタンを押すだけで、会議を始める準備が完了します。

Crestron AirMedia® for Microsoft Teams を使用した会議室システムのサンプル画面

Crestron AirMedia® for Microsoft Teams を使用した会議室システムのサンプル画面

Windows Android Teams 会議エクスペリエンスの提供を拡大

今年は、Windows と Android™ で Teams Rooms のユーザー エクスペリエンスと機能の一貫性が向上し、両方のプラットフォームで Teams 認定を取得した新しいデバイスが提供されます。

Surface Hub 2S: Windows Teams Rooms デバイスに

今年後半に、Surface Hub が、Windows 版 Teams Rooms を実行する初のタッチ対応ボードとして Teams Rooms ファミリに追加されます。新たにリリースされる Teams Rooms の機能は、最初から Surface Hub で利用できます。フロント ローなど、85 インチのスクリーンに映えるレイアウトを採用した優れたハイブリッド会議エクスペリエンスをお楽しみください。また、管理の効率化やあらゆる Teams 認定 Rooms デバイスとの互換性により、従来の会議環境に Surface Hub を追加してこれまで以上に簡単に質の高いコラボレーションを実現することが可能になりました。Surface Hub で提供される機能の詳細については、Surface IT Pro ブログをご覧ください。

Windows 版 Teams Rooms を実行する 85 インチの Surface Hub 2S (写真はプレリリース製品で、発売前に変更される可能性があります)

Windows 版 Teams Rooms を実行する 85 インチの Surface Hub 2S (写真はプレリリース製品で、発売前に変更される可能性があります)

マイクロソフト デバイス エコシステム プラットフォームを発表: マイクロソフトと Android のメリットを併せ持ち、共有スペースと Teams デバイスに最適化

マイクロソフトと Android のメリットを併せ持ち、共有スペースと Microsoft Teams デバイスに最適化されたマイクロソフト デバイス エコシステム プラットフォームを発表します。この Android Open Source Project (AOSP) 上に構築されたプラットフォームは、マイクロソフトが誇るセキュリティ、信頼性、管理性、展開の容易さ、そして Android による多様なハードウェアおよびソフトウェア サポートを提供します。また、イノベーションを想定して設計されており、ハードウェアとソフトウェアの両方の拡張機能により、メーカーが革新的な製品を提供するために必要な拡張性とカスタマイズ性を実現します。

マイクロソフト デバイス エコシステム プラットフォームは、共有スペース向けの業界最高レベルのセキュリティを提供し、セキュア ブートと確認付きブート、ロールバック保護、アクセス制御セキュリティ ポリシー、パーティションの論理ユニット番号 (LUN) ロック、保存データの暗号化など、業界最高レベルのセキュリティと改ざん防止機能を備えています。

マイクロソフトの PKI 暗号と Qualcomm の Trusted Execution Environment (TEE) をベースに構築されたハードウェアベースの Root of Trust と構成証明により、このプラットフォームでは、デバイスとその構成を安全に識別することで、構成証明によるセキュリティを強化します。この機能は、VPU ベースのハードウェア オフロード ビデオ エンコーディングおよびデコーディングの複数の同時インスタンスをサポートする Qualcomm QCS8250 IoT チップセットを活用して構築されています。

この新しいデバイス エコシステムを活用する初のデバイスは Jabra 製で、他のパートナーからのデバイスも続々とリリースされる予定です。Jabra PanaCast 50 Video Bar System は、Android を実行する Qualcomm の最先端のシステム オン チップ (SoC) コンピューティング ユニットを含む統合ソリューションで、新しいマイクロソフト デバイス エコシステム プラットフォームにアップグレード可能です。また、その他の専用プロセッサに加えて、スピーカー、マイク、ビデオ カメラ、展開を容易にするネットワークおよびディスプレイ インターフェイスを搭載しています。このソリューションには、会議室エクスペリエンスを管理するための 10.1 インチのタッチ コントローラーが付属しており、Android 版 Microsoft Teams Rooms を安全にネイティブ実行できます。

マイクロソフトのプログラム管理担当ゼネラル マネージャーを務める Dave Kearney は、次のように述べています。「Jabra と提携してマイクロソフト デバイス エコシステム プラットフォームをお客様に提供できること、また、Microsoft Teams 認定デバイスを構築するパートナー エコシステムからの初の導入企業となることを嬉しく思います。セキュリティ、信頼性、管理性、パフォーマンスは、全世界の企業にとって非常に重要です。マイクロソフトは、共有スペース向けに設計された新たなソリューションを提供します。Android Open Source Project (AOSP) を基盤とし、Qualcomm と提携して構築されたこのソリューションでは、こうしたマイクロソフトの強みを活用しながら、ハードウェアとソフトウェアの多様な要件に柔軟に対応できます」

管理機能を強化するために、Intune の最新の Android (AOSP) 管理ソリューション、Teams 管理センター、マイクロソフトの新しい管理ウォッチドッグ サービスがネイティブでサポートされており、デバイスの応答性と可用性が常に保証されます。さらに、PanaCast 50 Video Bar System は、AI を活用したソフトウェア定義プラットフォームにより、進化する UC エクスペリエンスやハイブリッド ワークプレースのニーズに対応するように設計されています。

Microsoft Defender for Endpoint プラン 2: Teams Rooms デバイスに最適なセキュリティ ソリューション

お客様からのご要望にお応えして、Teams Rooms のエンドポイント セキュリティの強化を実施しました。これにより、Teams Rooms Pro のお客様は、最も安全な Teams Rooms 会議エクスペリエンスを実現できます。Microsoft Defender for Endpoint プラン 2 が Microsoft Teams Rooms Pro ライセンスと Pro 管理ポータルに統合され、堅牢なエンタープライズ セキュリティ管理と Microsoft Teams Rooms Pro の管理を一緒に行うことができるようになります。

この統合により、セキュリティの脆弱性を悪用するマルウェアから保護することで他のセキュリティ サービスを追加する必要がなくなるため、Teams Rooms Pro のお客様にとってはコスト削減になります。また、インシデント レポートにより、Teams Rooms の正常性とセキュリティを包括的に把握することで、お客様は安心感を得ることができます。Microsoft Defender Security Center に含まれる強力なセキュリティ ツールは、お客様の Teams Rooms や他のエンドポイントに対して利用できます。

Microsoft Defender for Endpoint プラン 2 は、2023 年第 2 四半期中に Teams Rooms Pro ライセンスに追加されます。この機能は、購入済みのライセンスにも遡って追加されるほか、今後新たに購入する Teams Rooms Pro ライセンスでも利用できます。2023 年後半には、このサービスが Teams Rooms Pro 管理ポータルのインターフェイスに統合され、Windows ベースの Teams 会議室デバイスのセキュリティ インシデントをプロアクティブに表示できるようになります。その後、Android デバイスのサポートも予定されています。Microsoft Defender for Endpoint の広範なセキュリティ機能の詳細については、Microsoft Defender for Endpoint | Microsoft Security をご覧ください。

Windows Teams Rooms デバイスの新しいユーザー インターフェイス

1 月に発表 (英語) した Windows 版 Teams Rooms のモダンで滑らかな新しいインターフェイスが、今月より導入されます。会議室ディスプレイでは、ホームページと機能画面のデザインが変更されたほか、5 種類の洗練された新しいテーマ、直観的なメッセージ、企業の画像やブランディングを利用したカスタム テーマなどを利用できるようになります。今月の更新 (v4.16) では、Windows と Android の両方のデバイス プラットフォームで、使い慣れた Teams Rooms エクスペリエンスが提供されます。ユーザー インターフェイスの更新に関する IT 管理者向けの準備ガイダンスについては、MS Learn サイトをご覧ください。

Android Microsoft Teams Rooms の更新

今月の Android 版 Teams Rooms の更新では、会議の参加と拡張機能が強化されたほか、レイアウトがよりインクルーシブになり、コラボレーション方法とコンテンツ共有の制御方法が増えました。詳細については下記をご確認ください。

臨時会議を開始

[Meet] ボタンを使用すると、臨時会議をすばやく開始して、卓上のコンソールから会議の参加者を招待できます。

臨時会議を開始

ID で会議に参加

既存の会議に参加する必要があるものの、自分の会議室が招待されていない場合に、コンソールから ID で参加できます。

ID で会議に参加

会議室の予約を延長

予定時刻を超過して会議を行う必要がある場合、会議室が空いていればワンタッチで予約を延長できます。

会議室の予約を延長

Android Teams Rooms でフロント ローの提供を開始

Android 版 Teams Rooms で、ハイブリッド会議の強化を目的としたレイアウト エクスペリエンスであるフロント ローの提供が開始されました。会議室前面のディスプレイでは、会議室にいるユーザーの目線の高さにリモート参加者が表示されるため、会議室にいる参加者とリモート参加者が自然にやり取りすることができます。会議チャットはコンテンツの右側に表示されるため、会議室にいる参加者はディスプレイから目を離すことなくチャットのやり取りを追うことができます。チャットは、ギャラリー、ラージ ギャラリー、Together モードといったすべてのレイアウトのオプションとして追加されました。

HDMI でのコンテンツ共有をオプトイン

HDMI でコンテンツ (音声を含む) を共有する場合、管理者はコンテンツを自動的に共有するか、発表者が共有ボタンをタップしてオプトインする必要があるかを制御できます。

HDMI でのコンテンツ共有をオプトイン

カメラ ストリームと会議コンテンツに透かしを追加

機密情報をより簡単に保護できるようになりました。会議の開催者が Teams Premium ライセンスを所有している場合、ビデオ会議の参加者のカメラ ストリームとサポート対象の共有コンテンツに会議室アカウントの透かしを追加できます。

カメラ ストリームと会議コンテンツに透かしを追加

共有コンテンツに注釈を追加

作業セッションでコメントや注釈が必要な場合に全員が参加できます。デスクトップからの参加者が共有コンテンツへの注釈を開始した場合、会議室にいるユーザーはその注釈を確認し、会議室デバイスのタッチ ディスプレイから共同作業を行うことができます。

共有コンテンツに注釈を追加

Microsoft Teams 認定 OEM デバイスのエコシステムを拡大

パートナー製の Microsoft Teams Rooms 認定デバイスがさらに増えました。先日も新しい認定デバイスをいくつか発表 (英語) しましたが、それに続いて今回は Poly Studio X70 をご紹介します。

Poly Studio X70 (英語) は、Android 版 Teams Rooms 認定デバイスとして初の大会議室向け統合型ビデオ バーです。独自のデュアル レンズ ePTZ カメラは、広角と狭角の両方のフォーカスに対応しているため、会議室にいる全員を鮮明かつリアルな映像で捉え、複数の人物をシームレスに映し出すことができます。また、Poly DirectorAI スマート カメラ テクノロジでは、インテリジェントなフレーミング モードが提供されます。Poly の革新的なオーディオ テクノロジにより、雑音が遮断され、参加者全員の声がクリアに聞こえます。

Poly Studio X70

Poly Studio X70

本日はここまでです。今年の Enterprise Connect でお会いする皆様にも、オンラインやハイブリッド空間から参加する皆様にも、モダンワーク プレースの可能性を拡大し続ける Teams Rooms の魅力が存分に伝わることを願っています。

 

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