Copilot の新機能 | 2024 年 5 月
※ 本ブログは、米国時間 2024/5/31 に公開された “What’s New in Copilot | May 2024” の抄訳です。
この記事では、2024 年 5 月の Copilot for Microsoft 365 に関する最新情報をお届けします。毎月、Copilot for Microsoft 365 のエンド ユーザーと管理者向けの新機能をご紹介しています。普段お使いのアプリでの生産性向上と効率化をサポートする Copilot 機能の導入準備、計画、展開を効果的に進められるようお役立てください。今月は、管理者が AI アプリのリスクとコンプライアンスを管理できる新しい Microsoft Purview の AI Hub、社内のタスクを自動化できる Copilot 拡張機能などを紹介します。他にも、従業員の意見に迅速に対応できる Copilot in Viva Glint、チームワークに変革をもたらす Copilot in Planner、職種や業界に対応したプロンプトの新作コレクションなど、魅力的な新機能が盛りだくさんです。
また、マイクロソフトの最新の Work Trend Index レポートや、中小企業のお客様が Copilot のパワーを活用できるように関連ニュース、インサイト、リソースを厳選してお届けする新シリーズ「Copilot for Microsoft 365 を活用して成長する (英語)」も、ぜひチェックしてみてください。
それでは、今月の最新情報を詳しく紹介していきましょう。
管理・運用機能:
- Microsoft Purview の AI Hub で組織の AI 利用状況を確認
- Copilot 拡張機能で社内のタスクを自動化
- 制限付き SharePoint 検索によるサイト アクセス許可の確認と監査
- 新しい Copilot コネクタによる統合とイノベーション
エンド ユーザー向け機能:
- Copilot in Viva Glint で従業員の意見や提案に即座に対応
- Copilot in Planner でチームの働き方を変革する
- 職種や業界に合わせたプロンプトが Copilot Lab に登場
- Copilot チャットで最新状況をキャッチ
- Word ドキュメントの下書き作成や推敲をスマートに
- Loop コンポーネントの Copilot で画面を切り替えることなくコラボレーション
- Copilot in Forms を活用して回答率を高める
Microsoft Purview の AI Hub で組織の AI 利用状況を確認
パブリック プレビューが開始された Microsoft Purview の AI Hub (英語) は、Copilot for Microsoft 365 やサードパーティ製アプリなどの AI アプリに関連する組織のリスク管理やコンプライアンス確保を支援し、すぐに適用できるデータ保護ポリシーを提供します。AI Hub では、Copilot で共有された機密データ、Copilot を操作しているユーザーの総数、関連するリスク レベルといったインサイトを把握できます。
Copilot for Microsoft 365 によって参照された、秘密度ラベルのないファイルとそれを含む SharePoint サイトについても、AI Hub のパブリック プレビューで確認できるようになります。これにより、最も重大なデータ リスクに優先的に対処し、保護ポリシーを適用して、機密データの過剰共有を未然に防ぐことができます。AI Hub では、コンプライアンス違反となる AI 利用についても可視化されるため、規制当局との癒着、マネー ロンダリング、標的型ハラスメントといった非倫理的利用についても迅速に把握できます。また、欧州の AI 規制法、NIST による AI リスク マネジメント フレームワーク (AI RMF)、ISO/IEC 23894:2023、ISO/IEC 42001 といった新たな AI 規制の登場に伴い、AI Hub ではそれらに関するガイド付きサポートも提供し、お客様がコンプライアンス管理を評価、実施、強化し、AI の規制要件や基準に対応できるよう支援します。詳細については、Microsoft Purview の AI Hub に関するブログ記事 (英語) をご覧ください。
Copilot 拡張機能で社内のタスクを自動化
先週開催した Build において、マイクロソフトは Copilot の機能拡張について発表 (英語) し、これまで以上に簡単に、Microsoft Copilot をお客様独自のニーズやプロセスに合わせて拡張、カスタマイズできるようになることをお伝えしました。Copilot に拡張機能を追加すると、新しいアクションを有効にし、紐付けるナレッジをカスタマイズできます。構築する際には、Copilot コネクタ、プラグイン、お客様独自の Copilot を使用できます。
近日中に、管理者は Microsoft 365 管理センターから Microsoft Graph コネクタを使用した Microsoft Copilot の拡張機能を作成できるようになります。ユーザーは、使い慣れた Copilot for Microsoft 365 インターフェイスからあらかじめ用意されたプロンプトを使って、Microsoft Graph のセマンティック インデックスが作成されたサード パーティ データに対し、ターゲットを絞った検索、自然言語による問い合わせ、カスタム コミュニケーションを実行することができます。この機能は 7 月に提供を開始する予定です。詳細については、[email protected] までお問い合わせください。
制限付き SharePoint 検索によるサイト アクセス許可の確認と監査
Copilot for Microsoft 365 で、制限付き SharePoint 検索 (英語) の一般提供が開始されました。これにより、管理者は Copilot 展開の勢いを削ぐことなく、コンテンツ管理とデータ ガバナンスの実施状況について見直すことができます。組織全体検索を無効化したうえで、エンタープライズ検索と Copilot の両方の動作の対象を一部の SharePoint サイトのみに限定できるため、Copilot の展開を進めながらサイトへのアクセス許可について見直しを行い、監査を実施できます。組織内のユーザーは、自身が所有するファイルやコンテンツ、または以前に Copilot でアクセスしたファイルやコンテンツであれば引き続き扱うことができます。詳細については、Microsoft Learn の記事を、ロールアウトの状況については、ロードマップ (英語) をご確認ください。
新しい Copilot コネクタによる統合とイノベーション
Copilot Studio では Copilot コネクタを導入し、社内のビジネス データ、コラボレーション データ、分析データを Copilot に接続できるようになりました。Copilot コネクタには Microsoft Power Platform コネクタ、Microsoft Graph コネクタ、Power Query コネクタがあり、近日中に Microsoft Fabric との連携も可能になる予定です。こうしたコネクタによって、一般の Web サイト、Microsoft SharePoint、Microsoft OneDrive、Microsoft Dataverse テーブル、Microsoft Fabric OneLake、Microsoft Graph などの特定のデータ ソースや、主要なサードパーティ アプリに Copilot を接続することが可能になります。そして 2024 年 6 月からは、管理者がプレビュー版にアクセスし、利用可能な Copilot コネクタを選択、管理して、開発者が信頼性のあるカタログを使用できるようにすることができます。
Copilot in Viva Glint で従業員の意見や提案に即座に対応
従業員のエンゲージメント、生産性、定着率を向上させるには、あらゆる種類のアンケート (エンゲージメント調査、オンボーディング施策に関する調査、離職時アンケートなど) を通じて従業員の声を把握することが重要です。組織や大規模なチームでこうしたアンケートを実施すると、集まった大量の意見を手作業で分析することになります。
Copilot in Viva Glint を活用すれば、リーダーは大量の意見から瞬時に重要な洞察を得て、手作業での分析に費やしていた膨大な時間を節約できます。Copilot によって、Viva Glint ですばやく意見の要約、精査、対応を行えるようになります。
Copilot in Viva Glint は、6 月からパブリック プレビュー (英語) を開始する予定です。迅速に対応できることによるメリットをぜひお試しください。たとえば Phillips 66 では、Copilot in Viva Glint を活用したところ分析にかかっていた 2 か月間が短縮 (英語) されました。詳細については、こちらのブログ記事 (英語) や Copilot in Viva Glint のデモをご覧ください。
Copilot in Planner でチームの働き方を変革する
Copilot in Planner は、プロジェクトでのチームの共同作業やコラボレーションに変革をもたらします。生成 AI のパワーを活用することで、作業の計画、運営、遂行を効率化し、目標を達成する過程で常に状況を把握できるようにします。
- プランの開始 – Copilot が自然言語によるプロンプトを理解して計画を生成し、目標、タスク、サブタスク、バケットを設定します。
- プランのマネジメント – プロジェクトが進展したら、Copilot が新たな目標に基づいて新しいタスクを提案し、必要に応じて新しいバケットで整理できるようにします。また、プランへの目標追加と、その達成に向けたタスクの生成も支援します。
- 進捗の確認 – Copilot がプランについての質問に回答し、常に最新の進捗状況を把握できるようにします。
詳細については、Copilot in Planner に関するブログ記事 (英語) をご覧ください。Copilot in Planner (プレビュー) は、現在 Teams の新しい Planner でロールアウト中 (英語) です。
職種や業界に合わせたプロンプトが Copilot Lab に登場
今月初め、Copilot Lab に新しいプロンプト公開機能が追加されることを発表しました。これを利用すると、プロンプトを作成し、組織内で公開して管理することができるようになります。マイクロソフトは Copilot の価値向上に努めており、プロンプトを作成する際のヒントや手掛かりとなるようなサンプルを提案しています。これらのプロンプトはすぐに使い始められるうえ、職種や業界特有のディテール、ベスト プラクティス、コンテキストを加えてカスタマイズすることができ、試行錯誤の回数を減らして質の高い結果を引き出せるようになります。
今すぐ Copilot Lab にアクセスして、人事部門やマーケティング部門向けのプロンプトの新作コレクションをご覧ください。金融サービス、小売、製造の各業界に特化したプロンプトもお探しいただけます。それ以外の職種や業界向けのプロンプトも、今後数週間から数か月のうちに Copilot Lab に追加される予定のため、定期的にチェックしてみてください。
Copilot チャットで最新状況をキャッチ
Copilot チャットのキャッチアップ機能は、日々の仕事をこなすうえで頼りになるリソースです。準備、振り返り、先を見据えた努力など、どのような局面においても、Copilot は仕事の流れの中で積極的におすすめの情報を提供してくれます。これにより、最近の更新やアクティビティを手軽に確認できるため、業務について明確に把握、管理し、生産性を高めることができます。Copilot チャットのキャッチアップ機能は、今月から提供を開始 (英語) しています。
Word ドキュメントの下書き作成や推敲をスマートに
既存のコンテンツを参照したり土台にしたりすることができれば、新しい文書を楽に書き始めることができます。そこで、Word ドキュメント内で選択した特定の範囲に基づき、Copilot で下書きを作成する機能を追加しました。これにより、次のことが容易になります。
- 選択範囲の調整、書き直し、言い換え
- 選択範囲の内容のさらなる推敲、拡張、詳述
- 統計や追加情報に基づく補強
選択している箇所が文章でも、リストでも、表でも、Copilot in Word は充実した対話エクスペリエンスを提供し、作業を効率化します。この機能は、4 月から提供を開始 (英語) しています。
Loop コンポーネントの Copilot で画面を切り替えることなくコラボレーション
Microsoft Loop では、Copilot を活用したチーム メンバーの共同作業が可能です。Loop アプリ上で Copilot へのプロンプトを共同で入力し、メンバーが出し合ったアイデアや Copilot の提案を基に創造性とコラボレーションを最大限に活性化することができます。Loop コンポーネントの Copilot は、現在ロールアウト中 (英語) です。画面を切り替えることなくコラボレーションできるこの機能をぜひお試しください。まずは Teams、Outlook、共同作業用の会議メモに Loop コンポーネントを配置し、Copilot を使用して Loop コンポーネント内のコンテンツを作成または更新しましょう。Loop コンポーネントを他のアプリで共有すると Copilot とのやり取りも引き継がれるため、メンバー全員が結果に満足するまで、続けてプロンプトを実行し内容を洗練させることができます。
Copilot in Forms を活用して回答率を高める
Forms では、Copilot がフォーム所有者にメールで回答率を通知し、推奨されるフォローアップ アクションを積極的に提案するようになりました。たとえば、回答率が低調な場合に、フォーム所有者が Copilot を使用してすばやくリマインダーを作成し送信できます。また、フォームに十分な数の回答が寄せられたら、Copilot が所有者にインサイトを確認するよう促してくれるため、情報に基づいた意思決定につなげることができます。この機能は、現在ロールアウト中 (英語) です。
関連情報: Microsoft 365 ロードマップ (英語) では、生産性向上アプリやインテリジェントなクラウド サービスに関する最新の情報をご覧いただけます。開発中または近日リリース予定の機能については、定期的にアクセスしてご確認ください。
ロードマップに記載の日付はあくまで予定であり、変更される可能性があります。正確な最新情報は、定期的に Microsoft 365 ロードマップ (英語) でチェックすることをお勧めします。
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