Copilot in Excel がデータ分析を変革
※ 本ブログは、米国時間 2024/11/19 に公開された “Copilot in Excel: Transforming Data Analysis” の抄訳です。
データ分析はビジネス プロフェッショナルにとって不可欠なものですが、同時に困難なタスクでもあります。データの作成や準備から、インサイトの取得、高度な分析の実施までのプロセスは、複雑で時間がかかるものです。そこでご紹介したいのが、データ分析を簡素化し変革するために設計された強力なツールである Copilot in Excel です。先日マイクロソフトは、Copilot in Excel の一般提供を開始することを発表しました。そして Ignite では以下のことを発表します。
- 米国 (EN-US) で Windows 用 Copilot in Excel with Python の一般提供を開始
- Copilot を使用してニーズに合わせた表を作成可能に
- 組織からのデータの取得や Web 検索を Copilot が支援
- Copilot の強化されたテキスト分析機能により、新たな方法でデータに基づく推論を行い、インサイトを引き出すことが可能に
それでは、詳しく見ていきましょう。
Copilot in Excel with Python の一般提供を開始
このたび、Copilot in Excel with Python の一般提供を開始することを発表します。Copilot はこれまで多くのユーザーが利用できなかった高度な機能を提供し、より複雑で詳細な分析を可能にします。分析したい内容を自然言語で記述すると、Copilot が Python コードを自動的に生成してその説明を表示し、Excel スプレッドシートに挿入してくれます。初めての人でも使いやすいため、より多くの人が高度な分析を利用できるようになります。Python に精通していなくても、視覚化、データのクリーニング、機械学習、予測分析といった強力な分析を Python を使用して行うことができます。Copilot in Excel with Python は、これまでは作成が困難だった美しい視覚化も得意です。ヒートマップ、ペアプロット、マルチプロット、バイオリン プロットといったユニークな視覚化を活用して、データの読解や分析結果の提示をスムーズにすることができます。
個々のニーズに特化した表を作成
プロジェクト予算、在庫追跡、売上報告書など、ニーズに合わせてスプレッドシートをゼロから作成するのは時間と手間がかかります。Copilot in Excel の新しいスタート エクスペリエンスでは、ユーザーのスキル レベルにかかわらず、自分のタスクに合わせてカスタマイズした表を作成できます。作成したいものを Copilot に伝えるだけで、Copilot が表の見出し、数式、デザインを考慮したテンプレートを提案し、さらに微調整もしてくれるため、スムーズに作業を開始することができます。
たとえば、組織の営業チームに関する情報を基に表をすばやく作成するといったことが可能です。Copilot が、コマンドに基づいて列を追加する、条件付き書式を適用する、表の色を変更するといった操作を行うため、作成や調整のプロセスが効率化されます。作成された表に満足したら、ページに挿入して引き続き Copilot を使用することができます。

Excel で Copilot アイコンをクリックしてウィンドウを開き、表の作成を指示するプロンプトを入力すると Copilot が表を作成。さらに細かい調整を指示すると Copilot がそれを実行し、その後に表をスプレッドシートに挿入できる
これらの更新は、Microsoft 365 Copilot ライセンスを持つユーザーに向けて、Windows 版と Web 版で年内にロール アウトを開始します。
グラフからのデータ取得と Web 検索
作成する表の構造が決まったら、そこに追加する情報を収集しましょう。ここでも Copilot が役立ちます。このたび、Copilot in Excel が組織の Word、Excel、PowerPoint、PDF のファイルのデータを参照できるようになります。たとえば、Word で下書きしたニュースレターのお知らせを一覧表示するといったことを Copilot in Excel に指示できます。Copilot からリストが返されるので、それを新しいスプレッドシートに挿入したり、コピーして既存の表に貼り付けたりすることが可能です。
作業の流れを止めることなく、組織の情報を収集することもできます。たとえば、特定のマネージャーに報告を行う従業員をすべてリストアップしてスプレッドシートに挿入するといったことを Copilot に指示できます。
Copilot in Excel 内で直接シームレスに Web 検索を行い、ワークフローを中断することなく、日付や統計などの公開されている情報を見つけることも可能です。その例として、国とその為替レートの表を検索するといったことが挙げられます。情報をコピーして表に貼り付けることも簡単です。
お客様からは、別の Excel ファイルからデータをインポートしたいというご要望が多く寄せられています。これは Power Query でも可能ですが、時間と知識が必要であり、適切なファイルを探すのも大変です。Copilot の支援を受ければ、日常的な言葉を使って Excel ファイルから表を検索し、インポートすることができます。例として、営業チームの表に予算の詳細を追加する場合について考えます。必要なデータについて記述すると、Copilot が別の Excel ファイルから関連データをインポートし、営業チームの表に挿入してくれます。このインポート操作は Power Query が実行するため、リアルタイムで更新される組織のデータ ソースに接続し、正確なデータを直接取得します。予算ファイル内でデータが更新されると、営業チームの表でも更新されます。
これらの更新は、Microsoft 365 Copilot ライセンスを持つユーザーに向けて、Windows 版と Web 版で年内にロール アウトを開始します。
新しくなったテキスト分析機能でデータの理解を促進
データの準備が完了したら、続いて分析という重要なステップに進みます。スプレッドシートに精通していなくても、Copilot in Excel を使用してインサイトを取得することができます。多くのデータは、顧客からのフィードバックやアンケート結果のようにテキストが主体です。新しくなった Copilot in Excel のテキスト機能を使用すれば、データをこれまで以上に深く理解できるようになります。
Copilot にテキスト データの要約を指示すると、引用元が示されるようになりました。これは出典を把握するのに役立ち、時間の節約や正確性の確保につながります。
テキスト データをトピック別に並べ替えてランク付けするため、さらに詳細に分析したい場合もあるかと思います。これも、Copilot に指示するだけで実行できるようになりました。これにより、非構造化テキスト データの分析が大幅に迅速化されます。たとえば、何千個もの顧客レビューが手元にあるとします。Copilot がそれらを品質、サービス、価格などの複数のトピックに分類してくれるため、どのトピックについてさらに詳細に調べる必要があるかをすばやく見極めることがきます。また、トピックを表の新しい列に挿入して分析結果を保持し、ピボット テーブルとグラフを作成してトピックの量や傾向を視覚化することも可能です。これにより、すべてのデータに目を通さなくても次に行うべきことを判断できます。
また、Copilot はテキストが表す感情を把握するのにも役立ちます。これはアンケート データを扱う場合に特に便利です。たとえば、「[feedback] 列の感情をまとめて」と指示すると、Copilot がデータを分析し、肯定的、否定的、中立的といった感情に関するインサイトを提供します。そしてこのデータは、新しい列として表に挿入することができます。
テキスト分析は、定性的なデータを意思決定の根拠として利用したいと考える組織にとって特に有用です。Copilot in Excel は、生のテキストを実用的なインサイトに変換し、ユーザーが自信を持ってデータに基づく有効な意思決定を行えるよう支援します。テキスト分析機能の更新は、Microsoft 365 Copilot ライセンスを保有するユーザーに向けて、Windows 版、Web 版、Mac 版、iOS 版で年内にロール アウトを開始します。
詳細情報
Copilot in Excel は、業界や職種を問わず、データを活用する専門家にとって画期的な製品です。データの準備作業を簡素化し、分析機能を強化し、高度な分析を可能にすることで、データの管理方法や活用方法を変革します。以下の Ignite セッションで詳細をご確認いただき、アプリからぜひフィードバックをお寄せください。
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