Python エディターの一般提供を開始
※ 本ブログは、米国時間 2024/11/21 に公開された “Python エディターの一般提供を開始” の抄訳です。
マイクロソフトはこのたび、Windows ユーザーの皆様に向けて Python エディターをロール アウトします。
新しい方法で Python の数式を編集
本日、最新チャネル (16.0.18129.20116 以降) をご利用の Windows ユーザーの皆様に向けて、Python エディターの一般提供を開始することを発表します。昨年 9 月、Excel Labs で試験的に Python エディターを導入しました。さらにその後、この試験を Insider Program のベータ チャネルに移行することを発表しました。そして今回、Python エディターの一般提供を発表できることを嬉しく思っています。これにより、タスク ペイン エディターでは対応できなかった機能の不足が解消され、Python in Excel がさらに使いやすくなります。
Python エディターを使用すると、より広い編集スペースを使用して Python の数式を作成および編集できるため、Python in Excel のエクスペリエンスが強化されます。このエディターは、Intellisense、構文の強調表示、関数ヘルプといった、Python ノートブック環境と同様の生産性ツールを備えています。エディターを使用すると、コード実行のフローとその結果を確認したり、長大なコードを編集したり、コーディング ワークフローの柔軟性を高めたりすることができます。Python エディターは、Python in Excel を操作する際の使いやすさと制御性を向上させることを目的として設計されています。
Python エディター全般の詳細については、この記事の元となったブログ記事「Python エディターを Insider Program のベータ チャネルに移行 (英語)」をご覧ください。
ここから先は、ベータ版から製品版への移行時に実施した改善について説明します。
エディターのアップグレード
マイクロソフトは、Python エディターの改善に重点的に取り組んできました。そしてこのたび、エクスペリエンスに加えたいくつかの新たな変更点と、Python in Excel との統合方法についてお伝えします。
診断ビューの刷新
現在、古い診断ビューをエディターに置き換えています。これにより、コードをデバッグするために必要なすべての情報がコンテキスト内で提供されるようになります。また、エラー発生時や print ステートメント実行時には、エディターのウィンドウがこの設定で自動的に起動されます。
自動起動をオフにする場合は、エディター ウィンドウ内の設定を確認してください。
注: このエクスペリエンスは段階的にロール アウトされており、徐々に多くのユーザーの皆様にご利用いただけるようになる予定です。
ワークブックの制御機能
最新の更新が実装されるまで、Python エディターで編集できるのはワークブックで操作中のシートのみに制限されていました。しかし私たちは、ワークブック内のすべての Python コードを 1 か所で表示できるようにしたいと考えていました。今回の更新により、それが実現します。
複数のシート
Python エディターでは、各シートに見出し付きの専用セクションが追加されました。表示中のセル群が不要な場合は折りたたみ、必要なときには展開することができます。
新しいフィルター制御機能
ビューで使用できる Python の数式が追加され、編集内容をより細かく制御できるようになりました。
Excel 参照のサポート
Python in Excel のメリットの 1 つは、グリッドに含まれるデータをシームレスに利用できるという点です。このたび、xl 関数内で Excel 参照を作成する際のサポート機能を追加しました。「xl(‘ ‘)」と入力し、他の数式を作成する際と同じように、グリッドからデータを選択できます。パラメーター部分を選択して新しい範囲に変更し、参照を編集することも可能です。
新しいエントリ ポイント
必要なときにすぐに Python エディターを使用できるようにするため、複数のエントリ ポイントを新たに追加しました。
キーボード ショートカット | CTRL+ALT+SHIFT+F2 | マウスをクリックせずにエディターを起動 |
エラー メニュー | エラー メニューの新しいオプション |
コードをすばやく編集し、関連するエラーを参照 |
Python セルのコンテキスト メニュー | 右クリック コンテキスト メニューの新しいエントリ ポイント |
任意の Python セルからエディターをすばやく起動 |
バグの修正
ロール アウト中に発見された多数のバグや問題については、修正を行いました。バグの報告やフィードバックにご協力くださった皆様に感謝申し上げます。
プレビュー期間中のフィードバックへのお礼
Insider Program での初期ロールアウト時には、ご参加の皆様に新機能をお試しいただき、早期フィードバックにご協力いただきました。問題の特定やコンテンツの作成にお力を貸していただき誠にありがとうございました。皆様のご意見やご感想があったからこそ、現バージョンの完成に至っています。また、こうしたコミュニティの皆様がいち早く Python in Excel で作成されたものに、私たちは常に大きな刺激を受けており、より良いエクスペリエンスをさらに簡単に利用できるようになることを嬉しく思っています。
フィードバックのお願い
Excel や Python をお使いの皆様の声をぜひお聞かせください。フィードバックはアプリ内から直接送信できます ([ヘルプ] > [フィードバック] に移動)。また、改善の提案はフィードバック ポータル (英語) から、マイクロソフトのチームとのやり取りは GitHub (英語) からお願いいたします。
提供状況
Python エディター
Python エディターは、ビルド 16.0.18129.20116 以降の Windows 最新チャネルで利用可能です。
Python in Excel
Python in Excel は、Microsoft 365 Business/Enterprise プランの Windows ユーザー向けに一般提供を開始しました。対象の Microsoft 365 サブスクリプションをお持ちの場合、Standard コンピューティング モードと自動計算モードで Python 式の計算を実行できます。Premium コンピューティング モードでの高速な計算、手動または一部自動の計算モードを利用するには、Python in Excel アドオン ライセンスを購入するか、管理者にライセンスを要求する必要があります。
バージョンやチャネルに関する詳細については、Python in Excel の提供状況を確認してください。
その他の参考資料
Python エディターのヘルプ ページ
Python in Excel の概要
Python in Excel の使用を開始する
Anaconda について (英語)
LinkedIn ラーニングの Python in Excel コース (英語)
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