混乱の解消と整理: ニューロダイバージェントのマーケティング担当者による Copilot 活用法
※本ブログは、米国時間 2 月 7 日に公開された “From overwhelmed to organized: How I use Copilot as a neurodivergent marketer” の抄訳を基に掲載しています。
私は最近、ADHD のマーケティング担当者として自分自身が直面している課題と環境改善の機会について触れたブログ記事 (英語) を投稿しました。その記事では、Microsoft Ignite のセッション「Copilot でニューロダイバージェントの従業員を支援する (英語)」で披露したデモについて深く掘り下げて説明しています (登壇者が映っているセッション全体の映像 (英語) もご覧ください)。Copilot を活用してどのように日々の業務をこなし、有意義な関係を築き、影響力を高めているかという事例に対して反響が寄せられ、とても勇気づけられました。
先の記事では、会議で話し合ったことを振り返ったり、難しい会話に挑んだりする際や、点滅するカーソルと対峙しながら、完璧主義なうえに先延ばし癖もあるという非常に厄介な特性に対処するために、私がどのように Copilot を活用しているかを紹介しました。今回は、Copilot Chat を利用することで、ずらりと並んだタスクや To Do リストへの取り組み方をどのように変えることができるかについて説明したいと思います。
私はマーケティング担当者として忙しく働いており、気が付けばいつも、To Do リストを前にして途方に暮れています。タスクがたくさんある場合も、複雑なプロジェクトを 1 つだけ抱えている場合も、何から始めればよいかを判断することが困難なのです。多くのニューロダイバージェントの方と同様に、タスクの優先付けや、「まず取りかかる」というハードルを越えることに苦労しています。このように感じているのは、あなただけではありません。そのようなときは、Copilot がいつでもサポートしてくれます。
Copilot を使用してプロジェクトやタスクを細分化する
だれにでも、多くの仕事に追われる日や気が散ってばかりの日があり、重圧に押しつぶされそうになることも、仕事を始める気力すら起きないこともあります。そのようなとき、私は Copilot Chat の助けを借りて、手に負えそうにない、膨大な量の To Do リストに取り組みます。
ブレイン ダンプ
始めに、すべてのタスクを Copilot Chat に入力します。頭の中にあるすべてをただ打ち込むだけです。すべてのタスクを、大小を問わず入力します。この「ブレイン ダンプ」によって自分の頭をクリアにし、効果的なサポートを受けるために必要な情報を Copilot に提供します。
「今日のタスクを整理するのを手伝ってください。何から始めればよいかわからず困っています。やるべきことは以下のとおりです。
ブログ シリーズ『ビジネスを拡大』の関係者 3 人へのメールをフォローアップし、午後 2 時 30 分から行う上司との 1 対 1 のミーティングに向けて準備し、ブログ シリーズ『スマートな働き方を実現』の記事を修正して完成させ、共有したテンプレートをベースにして午後 3 時 5 分からのミーティング用のスライドを準備し、現在私が公開に向けて取り組んでいる顧客事例に関する最新情報を共有資料に反映しなければなりません。」
コンテンツを追加する機能を使用して、以下のような有益な背景情報を付け加えることで、上記のようなプロンプトをさらに補強できます。
- 一緒に仕事をしている関係者の名前
- プロジェクトに関連する一連の会議やメール
- ブログ記事の作業ファイル
- 午後 3 時 5 分から行うミーティング用のスライドのテンプレート
- 公開予定の顧客事例に関する共同作業で使用している共有資料
ミーティングの時間や共同で作業している担当者の名前といった、対象を限定する情報を追加することで、Copilot に有益な情報を提供して、具体的かつ実用的な推奨事項を提案してもらえるようになります。細かい情報もすべてプロンプトに含めると、Copilot はそれを基に詳細なタスク リストを作成し、取り組む順番も提案してくれます。
タスクの実行とさらなる細分化
タスクを整理できたら、さらに Copilot のサポートを受けて個々のタスクを分割することができ、また、タスクに取りかかることも可能です。Copilot からも、先ほどのタスク リストに基づいてフォローアップのプロンプトが提案されます。
私は、特に負担の大きいタスクを開始するのにとても苦労していて、追加のサポートが必要な場合、次のようなプロンプトを入力します (ここでは「ブログ記事の完成」を例にします)。
「ブログ記事を完成させるタスクの分割を手伝ってくれませんか? チーム メンバーからの指摘や意見に対応し、編集が加えられた箇所を確認し、スクリーンショットを追加して代替テキストとキャプションを入れます。その後、正確さとストーリーの流れをチェックするために最終的な編集を一度行ってから、執筆パートナーに渡してレビューしてもらい、公開用に提出する必要があります。」
Copilot は、私が並べた項目すべてに対して推奨事項を返します。
- チーム メンバーからの指摘や意見への対応: Copilot が、ブログ記事の作業用文書に記載されているチーム メンバーからの指摘や意見の重要なポイントをまとめてくれます。
- 編集が加えられた箇所の確認: Copilot が、Microsoft Tech Community へのブログ投稿に関するガイドラインが記述されたドキュメントなど、組織内で利用可能な関連リソースを提案してくれます。
- スクリーンショットの追加: Copilot が、ブログ記事に最適な製品画像をキャプチャするための関連リソースを提示してくれます。
- 代替テキストとキャプションの追加: Copilot が、ブログ記事への代替テキストとキャプションの追加に関する 2 つの社内リソースと、画像や GIF の代替テキストを追加する際のヒントを提案してくれます。
- 正確さとストーリーの流れをチェックするための最終編集作業: Copilot が、フィードバックと編集がすべて反映されているかどうかや、わかりやすくて読みたいと思わせる内容になっているかどうかを確認するための手順を提示するほか、正確さとストーリーの流れのチェックをサポートしてくれそうな協力者を提案してくれます。
着実に進める
これで自分仕様の To Do リストを作成でき、タスクの細分化もうまくできました。ここから、さらに混乱してしまったときや、まだ大きな負担を感じている場合も、Copilot Chat で軌道修正のためのヒントを得ることができます。Copilot に聞いてみましょう。
「どうすればよいかわからなくなった場合に、この計画を順調に進めるためのベスト プラクティスはありますか?」
すると Copilot が非常に有益なアドバイスを返してくれます。
計画の進行管理をしている際に負担を感じてしまうのはよくあることですが、着実に進めるうえで以下のようなベスト プラクティスが役立ちます。
- タスクを細分化する: 大きなタスクを、処理しやすい小さな作業に分割します。これにより、一度に 1 つのことに集中するのが容易になり、負担感を軽減できます。
- 優先順位を付ける: 最も重要なタスクを特定し、まずはそれに注力します。そうすることで、すべてを完了できなかったとしても、最も重要な仕事は終わらせることができます。
- 現実的な目標を設定する: 1 日または 1 週間ごとに達成可能な目標を設定します。これにより一定のペースを保てるようになり、燃え尽き症候群を防げます。
- ツールやリソースを利用する: Planner などのツールを活用して、タスクの整理、期限の設定、進捗状況の追跡を行います。そうすることで、すべてを 1 か所に集約でき、管理が容易になります。
- 休憩を取る: 定期的な休息は、生産性と精神の健康の維持に不可欠です。定期的に仕事から離れて、英気を養いましょう。
- サポートを求める: どうすればよいかわからなくなったら、ためらわずに同僚や上司に助けを求めましょう。協力を仰ぐことで負担が減り、新たな視点が得られることもあります。
- 柔軟性を保つ: 必要に応じて計画を調整できるようにしておきます。柔軟に構えることで、変化や予期せぬ課題にもストレスを感じることなく対応できます。
- 振り返り、適応する: 進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて計画を調整します。これにより、目標達成に向けて着実に計画を進めつつ、途中で改善を加えることができます。
積極的に豊富な背景情報を提供する
私の ADHD 脳は背景情報にこだわります。サポートを求めたり、他者と協力してクリエイティブな仕事に取り組んだりする場合は特に、詳細を伝えすぎる傾向があります。時には、職場の協力者や関係者を困惑させたり、混乱させたりしてしまうほどです。私は何年もの間多くの建設的なアドバイスを受け、細部にとらわれて大切なポイントを見失わないようにするために、正確かつ簡潔なコミュニケーションを心掛けてきました。
私と同じような方にお伝えしたいのは、Copilot はすべての情報を受け止めてくれるということです。私が Copilot を使用してプロンプトで「ブレイン ダンプ」を行うことを強くお勧めしている理由はここにあります。達成しようとしていること、求める成果、タスクの難易度、チームやプロジェクトの中での自分の役割など、Copilot に提供する背景情報が多いほど、より有益な応答が返ってくるでしょう。
これらのヒントがすべてのユーザーにとって効果的な理由
上記の戦略は私のようなニューロダイバージェントの人々にとって特に有益なだけでなく、仕事の多さに負担を感じているすべての人にとって非常に有用です。その理由は以下のとおりです。
整理と集中: Copilot にタスクを伝えて整理してもらうことで、本当に重要なことに集中できるようになります。
体系化: タスクを小さなステップに分割すると、複雑さを問わずあらゆるプロジェクトを管理しやすくなります。
効率: Copilot を活用してタスクの管理をサポートしてもらうことで、必要な情報にすばやくアクセスできるようになり、効率が大幅に向上します。
Copilot を導入して生産性を高める
この記事でご紹介したのは、Copilot で日常業務への取り組み方を変革する方法のほんの一部です。ニューロダイバージェントを自認している方にとっても、同僚がそうだという方にとっても、あるいは単に生産性を向上させる方法をお探しの方にとっても、Copilot は効果を感じられるツールとなるはずです。
今回ご紹介したヒントやプロンプトがお役に立ったかどうかや、皆様自身の生産性向上のノウハウについてぜひお聞かせください。それぞれの強みを活かして、共により良い成果を目指しましょう。
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