2026年10月14日 10:37 AM

Copilot の価格モデルの進化

Microsoft Copilot Blog

※本ブログは、米国時間 9 月 25 日に公開された ‘Evolution of the Copilot pricing model’ の抄訳です。

AI にかかるコストを計画に織り込み、管理していくためには、そのコストがどの程度になるのかを把握しておく必要があります。これは当然のご要望です。AI のエージェント化が進む中、私たちは、日常的な AI については予測可能な価値を提供すると同時に、より大きな価値をもたらす一方で実行コストも高くなる最先端の AI エクスペリエンスを実現することに力を注いでいます。そのため、Copilot の価格体系は、予測可能なユーザー単位の価格設定と従量制の価格設定を組み合わせたものへと進化しています。

日常的な AI

日常的な AI とは、全従業員に提供する AI のことです。これは Copilot ユーザー サブスクリプション ライセンス (USL) でカバーされ、価格はユーザーあたりの月額 (長年にわたりソフトウェアを購入してこられたのと同じ方式) で設定されています。また、お客様がすでに得ている価値に変更はありません。

この価格設定は意図的なものです。一部のベンダーは、日常的な AI の作業に従量課金を適用しています。私たちは、それが適切な取引条件だとは考えていません。すべてのタスクが従量課金になると、企業はアクセスを制限することになりかねず、一部の人しか AI を使えなくなるためです。私たちは、誰もが AI を使えるべきだと考えています。

日常的な AI

Microsoft 社内分析 (2026 年 9 月)。コスト比較では、40 件のプロンプトを用いて 2 種類のユーザー プロファイルをモデル化し、各プロンプトを 10 回ずつテストしました。対象としたのは、日常的な AI のユーザー (15 件のプロンプト: Chat で 9 件、Word、Excel、PowerPoint にまたがって 6 件) と、高度な AI のユーザー (25 件のプロンプト: Cowork で 5 件と日常業務のプロンプト 20 件 (Chat で 11 件、Word、Excel、PowerPoint にまたがって 9 件) で構成し、高度なユーザーが Microsoft 365 アプリ全体でより幅広く AI を活用していることを反映して、アプリベースのタスクの比率を高めています) です。Copilot では Chat と Microsoft 365 アプリに Auto を使用し、Copilot Cowork では推論強度「高」の Opus 5 と GPT-5.6 Sol を使用しました。Claude では、Chat に推論強度「中」の Opus 5、Microsoft 365 アドインに extended thinking、Claude Cowork に推論強度「高」の Opus 5 を使用しました。ChatGPT では、Chat と Microsoft 365 アドインに推論強度「中」の GPT-5.6 Sol、ChatGPT Work に推論強度「高」の GPT-5.6 Sol を使用しました。Copilot のコストはサブスクリプションの定価を反映したもので、Copilot Cowork のコストはモデル、コンテキスト、ツール、実行時間に基づく変動料金を用いて算出しています。Claude と ChatGPT のコストは、分析時点で公開されていた定価と API 料金を用いてモデル化しました。コストには、割引、プロモーション、交渉による料金、その他の特別価格は含まれていません。実際の結果は、お客様の使用状況、構成、価格、その他の要因によって異なる場合があります。

日常的な AI に固定価格が適しているのは、私たちが「飽和 (saturation)」と呼ぶ状態があるためです。飽和とは、タスクがそもそもより高性能なモデルを必要としていないために、より高性能なモデルを使っても結果が変わらなくなるポイントのことです。会議のトランスクリプトを箇条書きにまとめる、チーム メンバーから届いたドキュメントを要約するといったタスクは、すでに飽和しています。

Copilot のモデル ピッカーにある Auto は、この考え方に基づいて設計されています。Auto を使用すると、リクエストごとに精度、速度、コストを比較検討し、その作業に最も適したモデルと推論強度のレベルに振り分けます。どのモデルを選ぶかを考えることなく、固定価格で最高の品質を得ることができます。ご自身で選択したい場合は、モデルの選択も USL に含まれているため、選択することができます。GPT-5.6 と Sonnet 5 が含まれているほか、Opus 5 などの新しいモデルも制限付きで含まれる予定です。

USL には従来からフェア ユースが適用されており、これは今後も変わりません。私たちは、大多数のユーザーが上限に達することのないよう使用上限を設定しています。利用量が特に多いユーザーにとっても、上限に達することは行き止まりを意味するものではありません。まず明確な警告が表示され、その後、追加料金なしでモデルの選択を Auto に切り替えるか、クレジットに移行するかを選択できます。

USL は Copilot の基盤であり、私たちは引き続き、日常業務に役立つ価値を USL にさらに追加していくことに取り組んでいきます。

高度な AI

高度な AI とは、AI に任せる作業のことです。何時間も稼働するエージェント、監視なしで実行されるワークフロー、作業の多くをエージェントが担う形で再構築されたビジネス プロセスなどがこれにあたります。午後いっぱいかけて実行される複数ステップの財務モデルもその一例です。Cowork、Code、Autopilot、SharePoint などのアプリにおける新しい高度なエクスペリエンス、そして Fable や Astra といったフロンティア モデルも含まれます。タスクに可能な限り最高の品質や最適なモデルが必要な場合、その作業は Copilot Credits による従量課金 (UBB) で実行されます。UBB は USL を基盤としており、これらの機能を利用するには USL が必要です。

USL と UBB はいずれも、複数の AI ラボのモデルで動作します。現在は OpenAI と Anthropic のモデルを利用しており、近日中にさらに多くのラボのモデルやオープンウェイト モデルが加わる予定です。そのメリットは、選択肢が増えることだけにとどまりません。ラボごとにモデルの強みが異なるため、モデル同士が互いを補完し合います。

私たちの課金モデルは、プラグイン ハイブリッド車のようなものだとお考えください。USL はバッテリーにあたり、固定の月額料金で走行の大部分をカバーします。UBB はガソリン タンクにあたり、バッテリーで賄える以上の航続距離がタスクに必要なときのために用意されています。どちらを使うかは、タスクごとにお客様が選択できます。

FinOps

主導権は常にお客様にあります。Copilot でできることをすべての人に知っていただきたいと考えているため、UBB の機能は製品内に表示されます。エンタープライズのお客様の場合、管理者が Microsoft 365 管理センターで支出ポリシーを作成するまで UBB サービスはオフのままで、それまでは一切課金されません。

意思決定は支出ポリシーで行われます。管理者は、グループ ポリシー内でのユーザー単位の上限を含め、テナント レベルとグループ レベルで予算を設定し、支出がしきい値に達したときのアラートを設定します。ユーザーが上限に近づいたときの動作は、お客様が決定できます。警告を表示する、追加をリクエストする手段を提供する、あるいはユーザーに一切見せたくない場合は何も表示しない、といった選択が可能です。

支出は、他の予算と同じように組織に対応付けられます。部門ごとのコストを Azure サブスクリプションやリソース グループで管理している場合は、使用量を適切なサブスクリプションやリソース グループに割り当てることができます。これにより、AI の支出が、そのチームが費用を支出している他のあらゆるものと同じ場所に表示されます。レポートも同じ考え方に基づいており、ユーザー、グループ、ワークロード、ポリシー、支払い方法ごとに内訳が示されます。

私たちはお客様の声に耳を傾け、FinOps の改善に迅速に取り組んでいます。本日、AI の支出をより簡単に把握、管理、最適化できるようにするため、以下の追加機能の提供を開始します。

  • コスト管理の対象ワークロードを拡大: コスト管理の対象が、Cowork と Work IQ API に加えて Code と Managed Runtime にも拡大され、10 月には Copilot Studio エージェントも対象となる予定です。今後、さらに多くの AI ワークロードが追加される予定です。
  • モデルの選択を管理: グループごとにモデル ファミリーへのアクセスを調整できるため、管理者は適切なモデルを適切なユーザーやシナリオに割り当て、生み出される価値を最大化できます。Cowork で提供を開始しており、今後ほかのワークロードにも拡大する予定です。
  • Cowork の消費インサイト: どのシナリオがクレジットの消費を押し上げているのか、またそれによってどのような成果が生まれたのかを確認できるため、どこで現状を維持し、拡大し、最適化するかを判断できます。
  • API によるプログラムでのポリシー管理: Microsoft Graph API を使用して、お客様が選択したビジネス インテリジェンス ツールや FinOps ツールで支出ポリシーを大規模に管理できます。これにより、組織はすでに業務で使用しているシステムやプロセスを用いて自動化を進められます。
  • エンド ユーザー向けの支出の可視化: 従業員は、Microsoft Copilot 内でクレジットの使用量、残りのクレジット、使用履歴を直接確認し、自身の使用状況を管理できます。

詳細については、こちらをご覧ください。

今後の展望

モデルは性能も効率も向上し続けているため、一部の機能はまず UBB で提供を開始し、経済性が許すようになった段階で USL に移行します。最初は使用上限付きで提供される場合もありますが、これにより、そうでない場合よりも早く利用できるようになります。

ほとんどのお客様は、すでに日常業務に Copilot を活用されています。より複雑な作業を任せていく際には、業務を遂行するための他の投資と同じように、総コストを代替手段と比較してください。

新しい Copilot の詳細については、こちらをご覧ください。

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