第6回:全社に増えたエージェント、その座席表は誰が更新するのか
全社の「座席表」を支える Microsoft Agent 365 と Windows 365 for Agents Cloud Endpointsと呼んでいる、Windows 365やAzure Virtual Desktopのソリューション エンジニアを務める曳野 (ヒキノ) と申します。「SE曳野の仮想デスクトップとAI」と題して、私たちの仮想デスクトップサービスとAIやエージェントの関係性を中心にブログをお届けしています。第6回は、1つの現場で育った座席表を、全社へ広げるお話です。執筆者:日本マイクロソフト株式会社 クラウド&AIソリューション事業本部 ソリューション エンジニア 曳野 洋幸 | 2026年9月15日 はじめに:夜勤室の座席表を、全社へ 前回は、運用・監視の夜勤室に、座席表と白紙のノートを置きました。繰り返す判断から手順の候補を見つけ、候補には実行させず、従来の判断と並走させて確かめる。人が承認したものを、次の仕事に使う。作業する席を返しても、そのノートは残ります。 今回は、その座席表を組織全体へ広げます。 ある部門でうまくいけば、隣の部門からも「うちでも使いたい」と声がかかります。席が増え、ノートも増える。ところが、最初に導入した担当者が、すべての席の事情を知っているわけではありません。誰に聞けばよいのか分からない席が、少しずつ生まれます。 第2回の「社員証とスポンサー」が、ここで戻ってきます。社員証を発行しただけでは、その人の異動や担当変更まで面倒を見たことにはなりません。エージェントも同じです。 席を増やすことと、その席の責任を更新し続けることは、別の仕事です。 その仕事を、誰が、いつ、どう引き継ぐか。今回は Microsoft Agent 365 と Windows 365 for Agents を通じて考えます。 隣の部門にも、同じ名前の席ができた 「申請確認エージェントなら、うちでも使っていますよ。」… Read more
東京大学×クアルコム×マイクロソフトが開催「AI プログラミングハッカソン」
2026 年 7 月から 8 月にかけて、東京大学の授業の一環として「AI プログラミングハッカソン」が開催されました。東京大学、クアルコムジャパン、日本マイクロソフトの連携をきっかけに実現した本取り組みでは、学生たちがチームごとにアイデアを出し合い、ローカル AI を活用したアプリケーション開発に取り組みました。本記事では、授業や最終発表会の様子とともに、NPU を活用したローカル AI 開発の可能性を紹介します。 国内でも先進的な産学連携として実施 本取り組みは、クアルコムジャパンと東京大学がQualcomm Academy連携協定を結んだことをきっかけに始まった共同取り組みの一つです。ハッカソンは、7 月 4 日(土)の Day 1 を皮切りに、演習や途中経過の発表を行う Day 2、Day 3 を経て、8 月 1 日(土)の Day 4 で最終成果発表を行う構成で実施されました。 参加者は 28 名で、8 チームに分かれて企画・開発に取り組みました。期間中、参加学生には日本マイクロソフトから、Snapdragon を搭載した Copilot+ PC の Surface… Read more
Microsoft 365 Copilot の新機能 | 2026 年 7 月
※本ブログは、米国時間 7 月 31 日に公開された ‛What’s New in Microsoft 365 Copilot | July 2026’ の抄訳です。 この記事では、2026 年 7 月の Microsoft 365 Copilot に関する最新情報をお届けします。毎月、ユーザーが日々使用するアプリで生産性と効率を高める Copilot の新機能や機能強化をピックアップしてご紹介しています。 それでは、今月の新機能を詳しく見ていきましょう。 目次 ユーザー向け機能: Copilot Chat へのエージェントの追加 Copilot アプリのモデル更新、検索の強化、プッシュ通知 Cowork のモデル更新と新しい働き方 Copilot ノートブックの参照ファイル対応の拡充 Copilot in Word のワークフロー Copilot in Excel の新しいスキルと… Read more
第5回:夜勤室の引き出しに、白紙のノートを置く――運用・監視の座席表と、“育つ”エージェント
Cloud Endpoints と呼んでいる、Windows 365 や Azure Virtual Desktop のソリューション エンジニアを務める曳野(ヒキノ)と申します。「SE曳野の仮想デスクトップとAI」と題して、私たちの仮想デスクトップサービスとAIやエージェントの関係性を中心にブログをお届けしています。第5回目のテーマは「夜勤室の引き出しに、白紙のノートを置く」です。 第1回では、エージェントを「どこで動かすか」という問いから、管理された実行環境である Windows 365 for Agents をご紹介しました。第2回では、“社員証”にあたる Microsoft Entra エージェント ID と、“上司”にあたるスポンサーの必要性を。第3回では、人とエージェントの仕事の持ち方を決める “動く座席表” の描き方を。そして第4回では、その座席表をコンタクトセンターという現場に持ち込みました。 第4回の現場は、人が話している現場でした。今回は、人が寝ている時間も止まらない現場へ持っていきます。IT運用、監視、サービスデスク。24時間365日、誰かが画面を見ていなければならないとされてきた場所です。 執筆者:日本マイクロソフト株式会社 クラウド&AIソリューション事業本部 ソリューション エンジニア 曳野 洋幸 | 2026年9月1日 はじめに:なぜ、次の現場が「運用・監視」なのか コンタクトセンターと運用・監視は、一見よく似ています。どちらも交代制で、どちらも「席」があり、どちらも件数で語られます。しかし、決定的に違う点が2つあります。 1つ目は、波の形です。コンタクトセンターの一日はなだらかな山でした。朝に増え、昼に落ち、夕方にまた上がる。ところが運用・監視の一日は、山ではなく階段です。何も起きない時間が大半を占め、起きるときは、関連する事象が一斉に鳴ります。1件の障害が、20件のアラートを生むこともあります。 2つ目は、同じことが何度も起こるという点です。コンタクトセンターの入電は、お客様が違えば話も違います。しかし運用の現場では、先月と同じアラートが、今月もまた鳴ります。 同じ機器の、同じ症状に、同じ手順で対処する。この繰り返しが、運用という仕事の大きな部分を占めています。 そしてこの2つ目こそが、今回の本題につながります。同じ仕事を何度も繰り返す現場では、エージェントの判断そのものを、少しずつ定型化していけるからです。 夜勤室の、引き出しの中のノート 比喩から入らせてください。運用の現場を訪ねると、夜勤の席の引き出しに、たいてい一冊のノートがあります。正式な手順書とは別の、誰が書き始めたのか分からない、書き足され続けてきたノートです。 「このアラートが鳴ったら、まず◯◯を見る。だいたい△△が原因」 「このエラーは3分待つと自然に消える。慌てて再起動しないこと」… Read more
5 周年を迎えたWindows 365:柔軟性と信頼性に優れたワークスペースを実現するクラウドPC
本記事は、2026年8月20日に公開された Windows Blog の記事「Windows 365 turns five: Cloud PCs recognized for enabling flexible, trusted workspaces at scale」の抄訳です。原文はこちらをご参照ください。 執筆者:Stefan Kinnestrand - Vice President, Windows Commercial Marketing 5 年前、弊社では Windows 365 を発表し、新たなパーソナル コンピューティングのカテゴリーとして クラウド PC という概念を提案しました。クラウド PC は、Microsoft Cloud を通じて、セキュリティを予め組み込んだWindows デスクトップ環境を提供し、シンプルな管理性と、あらゆるデバイスからのアクセスを実現するものです。Windows 365… Read more
【法人・教育機関向け】 Surface 夏のキャンペーン:在庫限り・期間限定
夏の導入計画を、必要な Surface とサービスまでまとめて進めやすく。 法人・教育機関のお客様を対象に、Surface Pro (第 11 世代)、Surface Laptop (第 7 世代)、Surface デバイス保証サービス、Surface 純正アクセサリを対象とした「Surface 夏のキャンペーン」を実施します。 AI 活用が日常業務に広がる今、PC は単なる作業端末ではなく、会議、資料作成、検索、分析までを支える重要なビジネス基盤です。高い処理性能、携帯性、セキュリティを備えた Surface を、今年度の更新や新学期・新年度に向けた端末準備にぜひご活用ください。 キャンペーン概要 対象:法人・教育機関のお客様 対象期間と対象製品:以下の通り キャンペーン 対象製品 キャンペーン期間 ① Surface Pro 在庫一掃 •Surface Pro 第 11 世代 – Snapdragon 2026 年 8… Read more
教育現場で AI 活用を進めるトップランナー教員座談会 〜教育の現場で、AI が変えることと変えないこと〜
AI は、教師の仕事を奪うのか。それとも、教師が子どもたちと向き合う時間を取り戻すのか。 小中高の教育現場で AI の導入・活用をリードする 3 名の教員をお招きし、座談会を開催しました。授業での活用、校務の効率化、AI リテラシー、そして AI 時代にふさわしい端末の条件まで。教育現場の最前線で試行錯誤を続ける 3 名に、AI によって変わることと、変わらず大切にすべきことを忌憚なく語っていただきました。 【座談会参加者】 変化する学びに対応するため、AIは「特別なもの」ではなくなった ――先生方の学校で、AI を取り入れた授業を始めた経緯についてお聞かせください。 依藤)当校の場合、授業以外の活動や研修などで授業時間が限られてしまうという課題がありました。一方で、子どもたちはすでにプライベートで AI を使い始めており、リテラシー教育を受けないまま無秩序に使っている状況もありました。であれば、学校として正式に AI を採用し、きちんと指導していこうと考えたのが出発点です。そこからどのようなカリキュラムが必要か検討を始めた形ですね。 三好)当校では以前から、これからの教育は一方通行ではなく、生徒の思考を教員が支える形に変えていく必要があると考えていました。ただ、その方針で一人ひとりに対応しようとすると、どうしても時間が足りなくなってしまう。そこで、教員の代わりに AI に添削や壁打ち相手の役割を担ってもらい、教員の負担を減らしながら、生徒の思考を深める方向で活用を始めました。 小池)私が ICT の研究に取り組んでいることもあり、生成 AI が出てきたときに、これは今後子どもたちの学びを支えるテクノロジーになっていくだろうと感じ、「授業化しない手はない」と考えたことがきっかけです。教科書の改訂は 10 年に一度のペースですから、それを待つのではなく、私たちがどう AI を活用できるのか検証しながら導入を進めています。 授業では、AI を「答えを出す道具」ではなく「思考を深める相手」として使う ――どのような形で AI を授業で活用していらっしゃるのかをお聞かせいただけますか? 三好)私の国語の授業では、小論文を書いたり、学習内容をまとめたスライドを作成したりする課題で… Read more
第4回:コンタクトセンターに“座席表”を置いてみる――Windows 365 Link と Windows 365 for Agents
Cloud Endpoints と呼んでいる、Windows 365 や Azure Virtual Desktop のソリューション エンジニアを務める曳野(ヒキノ)と申します。「SE曳野の仮想デスクトップとAI」と題して、私たちの仮想デスクトップサービスとAIやエージェントの関係性を中心にブログをお届けしています。第4回目のテーマは「コンタクトセンターに“座席表”を置いてみる」です。 第1回では、エージェントを「どこで動かすか」という問いから、管理された実行環境である Windows 365 for Agents をご紹介しました。第2回では、“社員証”にあたる Microsoft Entra エージェント ID と、“上司”にあたるスポンサーの必要性を。第3回では、人とエージェントの仕事の持ち方を決める “動く座席表” の描き方をお話ししました。ここまではすべて、どの業種にも当てはまる一般論でした。今回は、その座席表を1つの現場に持ち込みます。最初の現場は、コンタクトセンターです。 執筆者:日本マイクロソフト株式会社 クラウド&AIソリューション事業本部 ソリューション エンジニア 曳野 洋幸 | 2026年8月17日 はじめに:なぜ、最初の現場がコンタクトセンターなのか 理由はシンプルです。コンタクトセンターは、もともと“座席表の職場”だからです。 考えてみてください。この現場では、日常会話の中に「席」という言葉が当たり前に登場します。何席用意するか。何席稼働しているか。席の稼働率は何%か。シフトで席をどう回すか。第3回でご紹介した“座席表”という考え方を、比喩ではなく実務の言葉として、すでに持っている数少ない現場です。 そのうえ、コンタクトセンターには、人とエージェントの設計を考えるうえで難しい条件がそろっています。 繁閑差が大きい:朝の30分と深夜で、必要な席数がまったく違う。 人でなければならない仕事と、そうでない仕事が同居している:お詫びと交渉は人の仕事。一方、システムへの入力や履歴の照会は、必ずしもそうではない。 統制が厳しい:個人情報、通話記録、委託先・BPOのアクセス管理。座席を1つ増やすたびに、統制の設計が要る。 人の入れ替わりが速い:短期要員、季節要員、複数拠点。席は同じでも、座る人は日々変わる。 つまりコンタクトセンターは、第3回でお話しした「動く座席表」が一番はっきり効く現場なのです。この記事を読み終わる頃には、1本の入電が、人の席とエージェントの席をどう渡り歩くのかを、具体的に思い描けるようになっています。 まず、1本の電話を作業に分ける… Read more
第3回:あなたのチームに、エージェントは何体必要か――“人とエージェントの比率”の考え方
Cloud Endpoints と呼んでいる、Windows 365 や Azure Virtual Desktop のソリューション エンジニアを務める曳野(ヒキノ)と申します。「SE曳野の仮想デスクトップとAI」と題して、私たちの仮想デスクトップサービスとAIやエージェントの関係性を中心にブログをお届けしています。第3回目のテーマは「あなたのチームに、エージェントは何体必要か」です。 第1回では、エージェントを「どこで動かすか」という問いから、管理された実行環境である Windows 365 for Agents をご紹介しました。第2回では、“社員証”にあたる Microsoft Entra エージェント ID と、“上司”にあたるスポンサーの必要性をお話ししました。職場があり、社員証があり、上司もいる。では、もうチームとして働き始められるでしょうか。実は、もう一枚だけ必要なものがあります。それが、人とエージェントの“座席表”です。ただし、紙に印刷して固定する座席表ではありません。ゴールと需要に応じて必要な席が現れ、仕事が終われば戻っていく――そんな“動く座席表”です。 執筆者:日本マイクロソフト株式会社 クラウド&AIソリューション事業本部 ソリューション エンジニア 曳野 洋幸 | 2026年8月1日 はじめに:正解は「人1人に対してエージェント3体」ではない 前回の最後に、こんな問いを残しました。 あなたの部門に、エージェントは何体必要なのか? 「人1人に対してエージェント3体」「10人のチームなら30体」。そんな分かりやすい基準を期待されたかもしれません。しかし、最初に結論をお伝えすると、全社共通で使える“正解の比率”はありません。 Microsoft の 2025 Work Trend Index でも、これからの組織には 人とエージェントの比率(human-agent ratio)… Read more