2018年11月5日 7:49 AM

【Mixed Reality × Tech Summit 2018】トヨタ自動車様、 JR東日本様における Mixed Reality / HoloLens を活用した取組みを発表

日本マイクロソフトは、本日より、企業や組織の IT 導入運用にかかわるエンジニアおよび意思決定を行う方を対象に技術カンファレンス Tech Summit 2018 を開催しています。

本日の基調講演に登壇した、マイクロソフト コーポレーション 最高経営責任者のサティア ナデラから、Mixed Reality を活用したトヨタ自動車株式会社様と東日本旅客鉄道株式会社様(以下JR東日本)の取り組みが発表されましたので、本ブログでご紹介します。

マイクロソフト コーポレーション 最高経営責任者 サティア ナデラ

 

トヨタ自動車様における Mixed Reality / HoloLens の活用

トヨタ自動車様では、Mixed Reality / HoloLens を活用した複数の取組み検討が進められており、中でも今回は、「塗装の膜厚検査での活用」および、「試作工場の設備移設での活用」が紹介されました。

塗装の膜厚検査での活用

トヨタ自動車様では、完成車に綺麗に塗装するために、試作車で塗装のチューニングを実施し、ムラなく均一の膜厚がとれているかどうかをチェックされています。従来の膜厚検査では、クルマの曲面に合わせた型紙をつくって、一定間隔で穴を開け、そこに測定器をあてて測定し、そのデータに基づいて塗装設備を調整されます。トヨタは車のバリエーションが多く、型紙をつくるのに非常に多くの手間と時間が必要となります。そこで Microsoft HoloLens を使って、試作車にバーチャルの測定点を重ねて表示し、その点に測定器を当てて測ることにより劇的な作業の効率化と時間短縮が可能となりました。

■これまでの手法

■Microsoft HoloLens を用いた手法

工場の設備移設での活用

もうひとつの取り組みとして、工場の設備移設での活用があります。今回その一例として、トヨタ自動車東日本株式会社様の東富士工場における大型レーザー溶接機の設備入れ替えのシミュレーションがあげられます。Microsoft HoloLensとMRビジネスアプリケーションである「 Dynamics 365 Layout 」を用いることで、実際に設備を移設する前に、実空間に実物大の3次元データによるモデルを配置し、照明や柱にぶつからないか、作業はしやすいか、安全性は確保できるか等を、事前に確認できるため、現場でのトラブルや余計の手戻りを防ぐことができます。さらに、Dynamics 365 Remote Assist を活用することで、遠隔地にいる関係者に、現場で検証している人が見ている映像を瞬時に共有し、遠隔でのコミュニケーションが可能となります。

■Dynamics 365 Remote Assist / Dynamics 365 Layout を用いた作業の様子

本取り組みの詳細はこちらの Web サイト をご確認ください。

 

JR東日本様における Mixed Reality / HoloLens の活用

JR 東日本様では、鉄道信号設備の保守業務および、線路設備の保守訓練において、HoloLens を活用した取組みを進められています。

鉄道信号設備の保守業務

様々な信号設備の保守の拠点となるメンテナンスセンターにおいて、設備の故障時には、設計図や仕様書、検査データが配備されている指令所から、経験に富んだベテラン社員が主として音声で現場に対しさまざまな復旧指示を出しています。しかし音声では、現場への具体的な指示や、現場から指令所への報告が正しく伝わりにくく、説明にも時間がかかるといった課題がありました。そこで HoloLens と Dynamics 365 Remote Assist を用いることで、作業員とリアルタイムに視界が共有でき、音声だけでなく視覚的に指示が行えることで、指令所という離れた場所にいながら、図面や検査データを共有しながら、ベテラン社員の知見や豊富なノウハウを現場で活かすことができます。現場の保守作業の正確性や迅速性の向上が期待できます。

■Dynamics 365 Remote Assist を用いた遠隔支援の様子

 

線路設備の保守訓練

もうひとつの活用例として、HoloLensでいつでもどこでも訓練できる環境を整備し、訓練頻度の増加、習熟度の早期向上を図る取組みを実施されています。特に現在、複雑な構造を持つ電気転てつ機の保守点検手順を3Dアニメーションによって理解することができるアプリケーションを開発されています。これにより、訓練頻度を高め、さらに実機を使った訓練と組み合わせることで習熟のスピードアップが期待できます。

■電気転てつ機の保守手順のトレーニング風景

■Microsoft HoloLens を用いたトレーニング風景

本取り組みの詳細はこちらの Web サイトをご確認ください。

日本マイクロソフトでは、Mixed Reality / Microsoft HoloLens および Dynamics 365 Layout / Dynamics 365 Remote Assist などのテクノロジーを通して、引き続きより多くのお客様におけるデジタルトランスフォーメーションの推進に貢献してまいります。