2019年3月25日 2:32 AM

Windows Virtual Desktop のパブリック プレビュー開始を発表

※本ブログは、米国時間 3/21 に公開された”Announcing the public preview of Windows Virtual Desktop” の抄訳です。

昨年 9 月、マイクロソフトは Windows Virtual Desktop を発表し、プライベート プレビューを開始しました。それ以降、真のマルチセッション Windows 10 仮想デスクトップのスケーリングとあらゆるデバイスでの Office 365 ProPlus アプリの利用を実現するために全力で取り組んできました。

その成果の 1 つとして、本日マイクロソフトは、次段階である Microsoft Windows Virtual Desktop のパブリック プレビューを開始したことを発表します。このパブリック プレビューはすべてのお客様にご利用いただけます。Windows Virtual Desktop は、マルチセッションの Windows 10 エクスペリエンスの配信と管理の簡素化を実現する唯一のサービスで、Office 365 ProPlus に最適化されているほか、Windows Server リモート デスクトップ サービス (RDS) のデスクトップとアプリにも対応しています。Windows Virtual Desktop では、組み込みのセキュリティで安全性を確保したうえで、Windows デスクトップやアプリをわずか数分で Azure 上にデプロイし、スケーリングできます。

プライベート プレビューでは、お客様やパートナー様に密にご協力いただき、機能の改良に取り組んできました。そこで得られた成果として、Warner Music Group の子会社である X5 Music Group 様の声をご紹介します。

「音楽業界では、大量の複雑なメタデータに対する安全なアクセス、管理、保管を実現することが求められます。Windows Virtual Desktop を使用すれば、データを大量に消費するアプリに対して、書き換えを行うことなく、自社のクラウド プラットフォームに移行できます。また、Windows Virtual Desktop にはユーザーの数を簡単にスケーリングしたり、アプリの攻撃範囲を最小化したりできるなど、ほかにもさまざまなメリットがあります。」
—Klas Broman 氏 (X5 Music Group、CTO 兼開発責任者)

このパブリック プレビュー期間中も、引き続きお客様の声に耳を傾け、2019 年後半に予定している一般提供の開始までにそのニーズにお応えできるよう取り組みを続けてまいります。

また、2020 年 1 月には Windows 7 の延長サポートが終了します。一部のお客様からは、Windows 10 への移行が完了するまで Windows 7 レガシ アプリのサポートを続けてほしいというリクエストをいただきました。これを受け、マイクロソフトは Windows 7 仮想デスクトップを Windows Virtual Desktop でご利用いただけるように、2023 年 1 月まで無料で延長セキュリティ プログラム (ESU) を提供 (英語) する予定です。提供は間もなく開始されます。これで、Windows 10 と Windows Server のデスクトップとアプリだけでなく、Windows 7 の仮想化ソリューションまでもまとめてサポートされます。

Windows Virtual Desktop を拡張するソリューション

2018 年 11 月、マイクロソフトは次世代アプリのプロビジョニング プラットフォームである FSLogix (英語) を買収しました。このプラットフォームを利用すれば、デスクトップやアプリを仮想化するために必要なリソース、時間、労力を削減できます。FSLogix テクノロジにより、非永続的なユーザーによる Outlook や OneDrive へのアクセスの読み込みが高速化するほか、このテクノロジはクライアントとサーバーの両方の RDS 環境に対応しているため、オンプレミスのお客様の Windows Virtual Desktop への移行が容易になるだけでなく、ハイブリッド環境のお客様にとっても最適なソリューションとなっています。

また、Windows Virtual Desktop には、機能を拡張する次のパートナー ソリューションが展開されています。

  • Citrix: Windows Virtual Desktop の機能を拡張する Citrix Cloud サービス
  • Samsung: フロントライン ワーカーが Windows 10 と Office 365 ProPlus のすべての機能をモバイルで利用できるようにする Samsung DeX
  • ソフトウェア/サービス プロバイダー各社: Azure Marketplace を通じて Windows Virtual Desktop の拡張ソリューションを提供
  • マイクロソフト クラウド ソリューション プロバイダー (CSP): エンドツーエンドの DaaS (サービスとしてのデスクトップ) や高付加価値サービスを提供

Windows Virtual Desktop を利用するには

仮想環境をデプロイおよび管理するには、Azure サブスクリプションをセットアップする必要があります。お客様の環境に適した仮想マシン (VM) とストレージを選択してください。Reserved Instances を利用することで、コストを最大 72% 削減できるほか、マルチセッションの Windows 10 を使用してもコストを削減できます。

Microsoft 365 F1/E3/E5、Windows 10 Enterprise E3/E5、Windows VDA をお持ちのお客様は、Windows 10 と Windows 7 のデスクトップとアプリを無料でご利用いただけます。また、Microsoft RDS クライアント アクセス ライセンス (CAL) をお持ちのお客様は、Windows Server デスクトップとアプリを無料でご利用いただけます。

Windows Virtual Desktop パブリック プレビューの使用を開始する

Windows Virtual Desktop を構成するのは、Windows デスクトップ、お客様がユーザーに配信しているアプリ、マイクロソフトが Azure 上でサービスとしてホストしている管理ソリューションです。パブリック プレビュー期間中、デスクトップとアプリは任意の Azure リージョンの VM にデプロイできますが、その VM の管理ソリューションとデータは米国 (米国東部 2 リージョン) でホストされます。このため、パブリック プレビュー期間中のサービスのテストでは、米国との間でデータ転送が発生します。

一般提供を開始する際には、すべての Azure リージョンで管理ソリューションとデータをホストできるようになる予定です。使用の開始やデプロイ時の考慮事項、またプレビューに関するフィードバックについては、Windows Virtual Desktop プレビュー ページ (英語) をご確認ください。