Microsoft Teams の新機能 | 2020 年 5 月
※ 本ブログは、米国時間 5/29 に公開された ”What’s New in Microsoft Teams | May 2020” の抄訳です。
今回は、会議、通話、デバイス、チャット、コラボレーション、プラットフォームに関する新機能や、特定の業界向けの新機能をご紹介します。見逃せない最新情報が盛りだくさんなので、ぜひ最後までお読みください。Microsoft Build の最新情報についてご興味のある方は、こちらのブログ記事をチェックしてください。
会議、通話、デバイスに関する新機能
会議参加時の起動エクスペリエンスの改善
リンクから Teams 会議を起動する際に、会議への参加方法のオプションがわかりやすく表示されるようになります。Web で参加するか、Teams クライアントをダウンロードするか、既存の Teams クライアントで参加するかを選択できます。今後数週間かけて段階的にロールアウトされますが、それまでは、暫定的に以下の画面もしくは従来のエクスペリエンスが表示されます。
Teams 会議中に会議オプションに簡単にアクセス
会議の開催者が、会議の開始後に発表者やロビーの設定をすばやく簡単に変更できるよう、参加者ウィンドウにリンクが表示されるようになります。この新機能は、予定していた会議と「今すぐ会議」の両方で利用可能です。
Teams 会議の参加者レポートのダウンロード
会議の開催者 (特に教職員の場合) は、Teams 会議に参加したユーザーを把握する必要があることが多いため、参加時間と退出時間が記録された参加者レポートを参加者一覧の画面からダウンロードできるようにしました。この機能により、開催者は会議中にどのユーザーが参加したかをレポートで確認できます。この機能は、会議がアクティブになっている間に会議内でのみ利用でき、デスクトップ クライアント (Windows、Mac)と Web アプリで提供されます。
会議の「発表者」の既定の選択をテナント全体に設定
テナント管理者は、会議ポリシーを更新して、新規の Teams 会議で発表できるユーザーを指定する際に、既定の選択項目 (全員、組織内のユーザー、特定のユーザー、自分のみ) を設定できるようになりました。既定では「全員」となっており、会議オプションの設定で開催者が別の選択項目を指定しない限り、そのままです。まず PowerShell コマンドレットでこのポリシーを設定できるようになり、その後間もなく管理ポータルでも設定できるようになります。
ユーザー レベルで背景効果ポリシーを設定
テナント管理者は近日中に、ユーザー レベルのポリシーを割り当てて、Teams 会議でユーザーが使用できる背景効果を制御できるようになります。オプションには、「フィルターなし」「背景のぼかしのみ」「背景のぼかしと既定で提供されている画像」「すべて」があり、ユーザーが独自のカスタム画像をアップロードして使用できるオプションもあります。
チャットからの画面共有に関するポリシー制御を改善
チャットからの画面共有では、1 対 1 のチャット中またはグループ チャット中にすぐに画面共有を開始できます。これを許可するかどうかは AllowPrivateCalling ポリシーで管理されており、このポリシーが無効になっていると、ユーザーはチャットから画面共有を行うことはできませんでした。今後、チャットからの画面共有を許可するオプションは、ScreenSharingMode ポリシーで管理されます。また、チャットからの画面共有に「音声を追加」する (画面共有中に話せるようになる) 機能が、ユーザーの AllowPrivateCalling 設定で管理されるようになります。つまり、AllowPrivateCalling が無効となっているユーザーは、チャットからの画面共有中に音声通話を開始できないということです。
Teams と Skype の相互運用性
Teams と Skype の相互運用性により、コミュニケーション アプリとしてコンシューマー向け Skype を利用している多くのパートナー、顧客、サプライヤーとやり取りできるようになります。どちらのプラットフォームでも、メール検索でユーザーを見つけて、チャットや音声/ビデオ通話ができるようになります。サポートされるクライアントは、デスクトップ、Web、モバイル (iOS、Android) です。管理者は、ユーザーのこの機能へのアクセス権を Teams 管理センターから制御できます。
逆引き番号検索 (RNL) の機能強化
これまでは、電話がかかってきたときに発信者名が表示されないことがありました。そこで、2019 年 10 月に発信者を識別しやすくするための機能をリリースしました。今回の RNL の機能強化により、通信事業者が提供する表示名が、アクティビティ フィード、通話履歴、ボイスメールにも表示されるようになります。
Microsoft Teams Rooms のアプリ バージョン 4.4.41.0 の提供開始
このような時期に物理的な会議室を頻繁に利用するケースは多くないかもしれませんが、エッセンシャル ワーカー (日々の生活に欠かせない業務に従事している人々。医療従事者、公共機関の職員など) の組織や業界では、依然として会議室が利用されています。また、マイクロソフトは、一般企業のオフィスで業務が再開されたときに Microsoft Teams Rooms が重要な役割を果たすと考えています。今回、最新版のアプリ バージョン 4.4.41.0 の提供が Microsoft Store で開始されました。今後数週間のうちにすべての Teams Rooms に配信される予定です。新機能として、モダン認証のサポート、新しいアプリケーション スプラッシュ スクリーン、デュアル ディスプレイ構成で HDMI ケーブルを使用している場合にコンテンツを 1 つのディスプレイのみに投影する機能、動的緊急通報のサポートなどが含まれます。これらの新機能の詳細については、Microsoft Teams Rooms の 5 月の更新に関するブログ記事をご覧ください。
Poly が Microsoft Teams Rooms 向けの新ソリューションを発表
Poly の Microsoft Teams 向け会議室ソリューションは、Teams に対応した高品質なオーディオ/ビデオ周辺機器を提供するだけでなく、終始一貫したスムーズなエクスペリエンスによって、どんなサイズの部屋でも簡単にインストールとメンテナンスを行うことができます。今年後半にリリース予定の Microsoft Teams Rooms 向け Poly ソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。
Jabra PanaCast が Microsoft Teams の認定を取得
Jabra PanaCast は、Microsoft Teams 認定済みのプラグアンドプレイ デバイスです。3 台の 13 メガピクセルのカメラと、リアルタイムで映像をつなぎ合わせる技術を駆使して、完全な 180°の画角を提供することで、会議の質を高めます。死角がなく、自然で肉眼に近い視野が実現されており、手間をかけずに、迅速かつ簡単に動画と音声でコラボレーションできます。Jabra PanaCast の詳細については、こちらでご確認ください。
Yealink、EPOS、Jabra が新しい Teams 周辺機器を発表
リモート ワークやオンライン コミュニケーションへの高まる需要に伴い、適切な個人用デバイスを一式揃えることで、スムーズな対話が可能になり、他のユーザーとの有意義な時間を増やすことができます。Teams 認定デバイスなら、気が散る周囲の雑音を取り除き、自分の声をはっきりと相手に伝えられる高音質のマイクを使用して、場所を問わずに会議に参加できます。
今月の新製品をご紹介します。
- EPOS ADAPT 360、460T、560、660: ヘッドセット。シリーズによって、イン イヤー型やオーバー イヤー型など、さまざまな種類があります。アクティブ ノイズ キャンセリング、Bluetooth 接続、専用の Teams ボタンを備え、あらゆる環境で集中力と生産性を最大限に高めます。発売日は製品によって異なり、ADAPT 360 は 7 月 3 日、ADAPT 460T は 6 月 29 日、ADAPT 560 は 6 月 26 日、ADAPT 660 は 6 月 22 日です。詳細はこちら (英語) をご覧ください。
- Yealink UH36 Dual/Mono: シンプルで軽量な USB ヘッドセット。専用の Teams ボタンを搭載し、長時間の電話会議でも快適に使用できます。5 月 15 日発売です。詳細はこちら (英語) をご覧ください。
- Jabra Speak 750: 専用の Teams ボタンを備えたスピーカーフォン。USB または Bluetooth を使用して自然な会話が可能です。6 月 1 日発売です。詳細はこちらをご覧ください。
パートナーによる Teams デバイスの期間限定キャンペーン
Crestron
既存のシステムから Microsoft Teams 認定システムへのアップグレードを検討されているお客様を対象に、キャンペーン プログラム (英語) を実施しています。Crestron Smart Soundbar、Flex C シリーズ Integrator Kit、Mercury システムを対象とした特別キャンペーンです。2020 年 6 月 30 日までとなっており、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アジア、EMEA でご利用いただけます。Crestron の正規販売店を通じてご注文いただく必要があります。
Poly
Skype for Business で Trio Visual+ を使用していて、Microsoft Teams 環境への移行をご希望のお客様を対象に、Trio Visual+ から Poly Studio X30 へのアップグレード プログラムを実施しています。このキャンペーンを利用すると、Poly とマイクロソフトをお使いのお客様は、Trio を Poly Studio X30 と TC8 コントローラに置き換えるか、Trio と Poly Studio X30 を連携させて、小規模な会議スペースで Teams ビデオ会議に対応できるようになります。2020 年 4 月 15 日から 12 月 31 日までの期間中、Trio Visual+ を下取りに出して Poly Studio X30 にアップグレードすると最大 200 ドル、TC8 コントローラを付けて Poly Studio X30 にアップグレードすると最大 300 ドルの値引きが受けられます。このプログラムは全世界で利用可能です。
Yealink
期間限定で、リモート ワーカー向けのデバイス バンドル トライアル プログラム (英語) を実施しており、リモート ワーク用デバイスを 2 台 (デバイス モデルごとに 1 台まで) 購入すると、メーカー希望小売価格から 50% 割引となります。2020 年 7 月 31 日まで全世界で利用可能です。さらに、Microsoft Teams デバイスの紹介ページ (英語) には、VC210 Teams エディション コラボレーション バーのクーポン コードが記載されています。会計時にクーポン コード「Yealink4Teams」を入力すると、割引価格が適用されます。これは米国とカナダでのみ利用可能で、2020 年 7 月 31 日まで有効です。
チャットとコラボレーションに関する新機能
Teams のテンプレート
チームを新規作成する場合に、一般的なチーム タイプ用の各種テンプレートを使用して、これまで以上に迅速に作成できるようになりました。イベント管理、危機対応、病棟、銀行の支店などのテンプレートを選択できます。各テンプレートには、チャネル、アプリ、利用およびカスタマイズ方法を示したガイダンスがあらかじめ定義されています。また、IT 担当者が組織の新しいカスタム テンプレートを作成することで、チーム構造を標準化することもできます。Teams のテンプレートは、数か月以内にロールアウトされ、自動的に表示されるようになります。詳細については、こちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。
Teams での Microsoft Lists の利用
Microsoft Lists アプリを使用すると、情報を追跡して作業を整理できます。シンプルかつスマートで、柔軟にカスタマイズできるため、カスタマイズ可能なビューやスマートなルールとアラートを使用して、問題、アセット、定型業務、連絡先、在庫などを追跡すれば、メンバー全員で最新情報を共有できます。詳細については、新しい Microsoft Lists リソース センター (英語) にアクセスするか、Microsoft Lists の製品デモ動画 (英語) をご覧ください。
大人数のユーザーをグループ チャットやチームでつなぐ
大きなプロジェクトを進めるために他のユーザーと連携したり、一時的に大人数で作業したりする必要がある場合も、Microsoft Teams で多くのユーザーをまとめられるようになりました。グループ チャットでは最大 250 人、チームでは最大 10,000 人をメンバーに含めることができます。
チャットを別ウィンドウにポップアウト
チャットを別ウィンドウで開いて、ワークフローを効率化できるようになりました。これにより、複数の進行中の会話を並行してスムーズに進めることができます。この機能は、現在一般提供中です。
組織への Teams の導入準備に関する新機能
新しい Skype for Business から Teams へのアップグレード アドバイザー
最新の Teams のアドバイザー、Skype for Business アップグレード プランを Microsoft Teams 管理センターで公開しました。Microsoft Teams の利用を開始したばかりでも、既に Teams と Skype for Business を共存させている場合でも、あるいはアップグレードの準備ができている場合でも、このプランには移行を成功させるために必要なものがすべて揃っているため、安心です。オンライン環境またはオンプレミス環境の Skype for Business のお客様を対象に設計されており、変更を実施するための実績ある有効なフレームワークと段階的なプロセスを紹介することで、組織の技術面での準備とエンドユーザーの準備ができるように支援します。このプランでは、計画についてのガイダンスやベスト プラクティス、無料のワークブック、スケジュール、コミュニケーション テンプレート、ライブで行う 1 対多での計画ワークショップといった、アップグレードのための有用なリソースをご利用いただけます。Teams の展開と Skype for Business からのアップグレードを支援する Teams のアドバイザーの利用については、こちらをご確認ください。
開発、プラットフォーム、アプリ管理に関する新機能
Teams 用の Visual Studio および Visual Studio Code 拡張機能
新しい Teams 用の Visual Studio および Visual Studio Code 拡張機能を使用して、開発者はプロジェクトのスキャフォールディングの生成、機能の構成、アプリ パッケージ マニフェストの作成とホスティングのセットアップ、アプリ パッケージ マニフェストの検証をすばやく行い、(自分、組織のアプリ カタログ、Teams アプリ ストアへの) アプリの公開プロセスを開始できます。Visual Studio Code 拡張機能は、本日よりパブリック プレビュー (英語) で利用可能です。Visual Studio 拡張機能は近日中に公開予定です。
Power Virtual Agents を利用して Teams からボットをローコードで作成
Power Platform (英語) の最新コンポーネントである Power Virtual Agents は、ローコード チャットボット プラットフォームです。Power Virtual Agents との連携により、今回新たに、Teams からローコード チャットボットを簡単に作成、管理できると共に、エンド ユーザーが Teams で Power Virtual Agents ボットを手軽に使用できるようになります。以下、新機能についてご紹介します。
- ボット テンプレート: GitHub で FAQ ボット テンプレート (英語) が公開されています。
- シングル サインオン: ユーザーが Teams で Power Virtual Agents ボットを使用する場合に、再度サインインしなくても済むようになります。
Power Apps や Power Virtual Agents から Teams への追加が容易に
近日中に、Power Apps の [Add to Teams] ボタンをクリックするだけで、アプリを Teams アプリ ストアにプッシュできるようになります。同様に、Power Virtual Agents からローコード ボットを追加するプロセスも簡素化されるため、開発者はボットの展開ではなく作成に時間をかけることができます。
Power Automate と Teams によるワークフロー自動化の強化
新たに Teams 専用の Power Automate トリガーとアクションが複数追加され、カスタム メッセージの拡張機能の利用、@メンションの自動化、ボット エクスペリエンスのカスタマイズなどが可能になります。マイクロソフトは、ワークフロー自動化の作成プロセスをさらに簡単にするために、Teams 向けの新しいビジネス プロセス シナリオ テンプレートもロールアウトしていく予定です。これらのテンプレートは、フローの新規作成時に [Create from template] オプションを選択した場合に表示されます。
Power BI と Teams の共有機能の強化
Teams への Power BI レポートの共有がさらに簡単になりました。共有するレポートを選択して、Power BI の新しい [Share to Teams] ボタンをクリックすると、送信先のユーザーまたはチャネルを選択する画面が表示され、その会話にレポートが自動的に投稿されます。
また、Power BI レポート内のグラフを個別にコピーできるようになったほか、そのグラフを Teams の会話に貼り付けると、グラフのリッチなサムネイル プレビューに加えて、アダプティブ カードが表示され、ユーザーがそのグラフに対してアクションを実行することができます。
これらの開発者向けの新機能の詳細については、Build 2020 で発表された Microsoft Teams Platform の新機能 (英語) に関する記事をご覧ください。
教育機関向けの新機能
教育機関のお客様の会議参加エクスペリエンスの変更
現在は、会議の開催者であるか否かにかかわらず、組織内のだれでも Teams 会議を開始できるようになっています。今後は、組織内で会議を作成する権限が割り当てられているユーザーのみが会議を開始できるようになります。会議を作成する権限のない会議参加者には、会議が開始されていないことを示す参加前画面が表示されます。そして、権限を持つユーザーが会議を開始すると、自動的に会議に参加できるようになります。たとえば、会議を作成する権限を教師に割り当て、学生には割り当てていない場合、学生はまだ開始されていない Teams 会議をクリックしても、教師が会議を開始するまでは会議に参加できません。
遠隔学習への取り組みの継続と安全性の確保
多くの教育機関が当面の間休校となる中、Teams は、教職員や学生の皆様がつながり、コミュニケーションをとり、学べるようにサポートしています。遠隔学習の効果を最大限に高め、学生の安全を確保するための最新のガイドを以下にご紹介します。
- ミーティング、ライブ イベント、チャットなどの学生、教職員のやり取りを管理しましょう。詳しい設定や管理方法については、こちらをご覧ください。
- 学生向け、教師向けのクイック スタート ガイドを活用して、Teams の利用を開始しましょう。Teams 会議の作成、実施、安全な参加方法については、こちらのガイドをご参照ください。
- 遠隔学習ツール キットをカスタマイズするには、Teams の LMS 統合機能をご活用ください。
米国政府機関向けの新機能
GCC および GCC High でのインライン メッセージ翻訳
インライン メッセージ翻訳を使用すれば、チーム メンバー全員が気兼ねなく意見を述べ、グローバルな共同作業を促進することができます。クリックするだけでチャネルやチャットの投稿が翻訳されるため、言語の壁を越えて円滑にコミュニケーションできます。この機能は、現在一般提供中です。
Microsoft Mechanics の動画「Microsoft Teams Updates | May 2020 and Beyond (英語)」では、今回ご紹介した新機能の多くのデモをご覧いただけます。
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