2020年12月2日 7:36 AM

Teams アプリの構築と管理、運用について

※ 本ブログは、米国時間 11/16 に公開された ”Building and managing amazing Teams apps” の抄訳です。

この 1 年はまさに大きな逆境と混乱の年となりました。私たちの生活環境や働き方は急速に変化しています。その変化に対して、企業は Microsoft Teams のようなツールを迅速に導入し、従業員のサポートとビジネスの継続性を両立させています。現在、組織の多くが将来を見据え、デジタル トランスフォーメーションを推進する方法について模索しています。そこで求められているのは、アプリやワークフローをビジネス プロセスとカスタマー サービスの向上に活用し、業務を効率化して、従業員の生産性向上や心身共に健康な生活を後押しすることです。

こうしたデジタル トランスフォーメーションを成し遂げるには、開発者、IT 部門の担当者や管理者が創造力を発揮し、強い意志を持って、従業員が使用する次世代のアプリケーションの実現を推進しなければなりません。この点を踏まえ、最高品質の開発者ツールと合理的なアプリの管理、有効化を行う機能を提供して Teams プラットフォームの有用性を高めようと、マイクロソフトは莫大な予算を費やし、改良を続けてきました。

最新の Teams アプリの構築に必要な開発者ツールを提供

会議用の Teams アプリがついに一般提供を開始
マイクロソフトの年次イベントである Ignite が今年も開催され、すべてのパートナー様や開発者の皆様が、Teams 会議のエクスペリエンスにアプリを組み込み、カスタマイズおよび拡張を行えるようになる新機能について一足先にご紹介しました。そして本日、会議用の Teams アプリの一般提供を開始することを発表いたします。これにより、新しいコンテンツ表示領域と会議用 API の利用が可能となり、会議のライフサイクル全体でアプリを通じて実行できる機能が増えるほか、キャンバスを使用して新たなシナリオを作成し、ユーザーの Teams 会議エクスペリエンスをいっそう充実させることができます。まずは開発者向けドキュメントで概要をご確認ください。

それだけではありません。約 20 種類の新しい会議用 Teams アプリがマイクロソフト パートナーによって作成され (英語)、今月中にリリースされる予定です。

たとえば、monday.com (英語) のアプリを使用すると、同社の業務支援オペレーティング システムを会議ライフサイクルとシームレスに連携して、Teams 会議内から直接、タスクの計画や追跡、フォローアップを行えるようになります。

また、Teamflect (英語) のアプリでは、フィードバック ループを会議に直接組み込むことが可能です。1 対 1 でのコーチングやスタッフへの声掛けをより効果的に行えるようになり、マネージャーがチーム メンバーのパフォーマンスや意欲を維持するうえで役立ちます。

Teams 向けの新しい Fluent UI デザイン キットを近日公開予定
優れた Teams アプリを設計するには、達成しようとするシナリオや、プラットフォームの機能および統合ポイントについて十分に理解している必要があります。さらには、設計原則のベスト プラクティスに従わなければ、ユーザーに本当に提供したいエクスペリエンスを実現することはできません。しかし、実際に行うのは口で言うほど簡単ではありません。そうした課題を解決するべく、近日中に、各種 UI コンポーネントやテンプレート、ベスト プラクティス、その他リソースから成る、デザイナー向けの新しい Teams UI デザイン キットの提供が開始され、独自の Teams アプリの作成に活用できるようになります。

開発者ツールとアプリの有効化機能の強化
多くの皆様に Teams アプリをできるだけスムーズに構築していただくために、簡単に開発を開始できる包括的な開発者ツールと Teams 用の Graph API、SDK をご用意しました。

Microsoft Teams ツールキットVisual Studio 用 (英語) および Visual Studio Code 用 (英語): Teams アプリを作成するためのオールインワン キットで、各種テクニカル ドキュメントが含まれ、プロジェクトのセットアップ、アプリの構成、検証、発行に対応します。先日、Visual Studio Code 認証の統合がサポートされ、アプリの実装が効率化されたほか、新機能の F5 キーによるインストールの不具合が解消され、ボットの作成ツールも強化されました。近日中には、Microsoft Graph とシングル サインオンをツールキット内から直接活用し、タブベースのアプリを構築できるようになる予定です。詳細については、Teams ツールキットを使用してアプリの作成に着手する方法をご参照ください。

SharePoint Framework (SPFx): SPFx は既に世界中の開発者によって、何千もの基幹業務ソリューションの開発に使用されてきました。SPFx との連携機能は過去 2 ~ 3 年で飛躍的に向上し、SharePoint 開発者による Teams の拡張を可能にする、さまざまな機能やしくみが提供されています。SPFx を使用して Teams アプリを作成すると、IT 部門がホスティング インフラストラクチャのコストを節約でき、アプリの実装と運用のプロセスがシンプルになるだけではありません。SharePoint 開発者がソリューションの範囲と用途を広げ、仕事の場所や内容に関係なく、あらゆるユーザー向けにソリューションを提供できるようになります。詳細については、SPFx を使用して Teams アプリを作成する方法をご参照ください。

Teams 用の Microsoft Graph API: 開発者や管理者が、Microsoft Graph の機能を活用してアプリの管理や有効化を行えるようになります。たとえば、マイクロソフトは先日、開発者の皆様から特にご要望の多かった、リソース固有の同意 (RSC) 機能の一般提供を開始 (英語) しました。これは、チームの所有者がアプリケーションに対して、チームの特定のデータへのアクセス権やデータを修正する権限を付与できる機能です。もう 1 つ、要望が多かったのは、Teams メッセージの変更通知 (英語) に関する API です。こちらは既に今秋から一般提供が開始されており、ポーリングをしなくても、ほぼリアルタイムで Teams のメッセージをアプリで受信できる機能を提供します。データ損失防止やエンタープライズ情報のアーカイブといったシナリオのほか、@メンションされていないメッセージをボットで待ち受ける場合などに有効です。最後にもう 1 つ、重要な更新として、今夏から Teams App Submission API の利用が可能になりました (英語)。この API を使用すると、組織内のあらゆるユーザーが任意のプラットフォームでアプリを開発し、手間をかけずに Teams に送信できます。その結果、そうしたアプリの検出や承認、パッケージ作成、実装といった IT 部門による作業の負担が軽減されます。

ボットに対するシングル サインオン (SSO) のサポート
ボットとのやり取りのたびにユーザー名とパスワードを入力する必要がなく、複数のデバイス間でスムーズにサインオンできることを、今日のユーザーは望んでいます。そこで今回、ボットに対するシングル サインオン (SSO) のサポートを開始しました。Azure Active Directory (Azure AD) の SSO 認証は、認証トークンをサイレントに更新することで、ユーザーがログイン資格情報を入力する回数を最小限に抑えます。ユーザーは一度アプリの使用に同意すれば、他のデバイスで改めて同意する必要はなく、自動でサインインできるようになります。詳細については、ボットに対する SSO を有効化する方法をご参照ください。

Microsoft Teams アプリ開発コンテスト
マイクロソフトは開発者コミュニティとの交流にも力を入れており、新たなイベントや手段を常に計画しています。その一環として、Microsoft Teams アプリの開発コンテストを開催することにしました。コンテストの期間は 2020 年 11 月 16 日から 2021 年 2 月 8 日までです。開発者、パートナー企業、その他企業の皆様は奮ってご参加ください。AppSource で公開可能な新しい画期的な Teams アプリを開発すれば、総額 45,000 ドル分の賞金および賞品を獲得できるチャンスです。コンテストの詳細については、http://microsoftteams.devpost.com (英語) をご確認ください。

IT 部門による Teams アプリの管理と有効化の手間を軽減

アプリの承認状況の確認と管理者による承認の付与が容易に
管理者はさまざまなアプリを管理し、企業データを保護するという重責を負っています。そこで、管理者が Teams 管理センターを使用して、アプリのさまざまな種類のアクセス許可を簡単に管理できるようにしました。この更新により、グローバル管理者がアプリの要求するアクセス許可をテナント全体の代表として確認し、Azure Active Directory 内に登録された Graph API へのアクセス権を付与できるようになります。IT 管理者は、Teams の管理センター内でリソース固有の同意 (RSC) の状況を確認することも可能です。この機能により、管理者が既に確認を終え、組織内での使用を認めたサード パーティ製アプリに対し、ユーザーのブロックを解除することができます。詳細については、アプリのアクセス許可をご参照ください。

チームへのアプリの追加
特定のチームにアプリを追加できる機能も、お客様からご要望が多かった機能です。今回の更新により、管理者が特定のチームに対し、チームの所有者に代わってアプリ (チームのスコープに当てはまるアプリのみが対象) を追加することで、プロセスを効率化できるようになります。詳細については、チームへのアプリの追加方法をご参照ください。

Microsoft Teams 管理センター内での Power Platform アプリの管理
Teams 内では、マイクロソフトのローコード ソリューションで構築されたアプリの使用が増加しています。これに伴い、Teams のアプリ ページ上の「Built by your colleague’s (同僚が作成したアプリ)」の一覧に、Microsoft Power Platform アプリを表示するかどうかを管理者が制御できるようになりました。Power Apps で作成されたアプリや Power Virtual Agents で作成されたアプリのすべてについて、アプリの管理ページ上で、組織レベルで一括して表示をブロックまたは許可することもできれば、アプリのアクセス許可ポリシーによって特定のユーザーのアクセスのみを制御することも可能です。詳細については、Microsoft Teams 管理センターでの Microsoft Power Platform アプリの管理をご参照ください。

ブランディングによる、基幹業務用 Teams アプリ カタログのカスタマイズ
各組織にはビジネスの運営に欠かせない固有のビジネス ニーズに対応した独自の基幹業務アプリケーションがあります。Teams を使用すれば、各ユーザーの業務環境に、そうしたソリューションを直接提供することができます。現状では、基幹業務アプリは Teams アプリ ストア内で、組織の専用アプリとして表示されていますが、今後は各組織のブランディングの仕様に沿って、Teams の基幹業務アプリ ストアのデザインを IT 管理者がカスタマイズできるようになります。この機能により、エンド ユーザーのエクスペリエンスが向上すると共に、各組織の基幹業務アプリが自然と目に入るようになり、アプリの使用率の向上につながります。

マイクロソフトの開発者エコシステムの皆様、IT 部門の担当者および管理者の皆様には、Teams に関する多くのご意見とご感想を頂き、心より感謝を申し上げます。Teams は新たな働き方を実現し、Teams アプリの統合によって業務をさらに容易にします。

詳細については、Teams 用アプリの作成方法をご参照ください。

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