Windows 11 におけるユニバーサル プリントの新機能
※ 本 Blog は米国時間 2021 年 6 月 29 日に公開された What’s new in Windows 11 for Universal Print の日本語抄訳です。
6 月 24 日の Windows 11 の発表に続いて、Windows 11 におけるユニバーサル プリントの新機能に関する最新情報をお知らせします。ユニバーサル プリントの新機能をすぐにお試しになりたい方は、Windows Insider ブログ (英語) にアクセスし、初回の Windows 11 Insider Preview ビルドの入手方法をご確認ください。今年後半の Windows 11 の一般提供に向けた進捗状況をチェックしたい場合は、Windows Insider ブログの読者登録をお願いします。
ユニバーサル プリントは、マイクロソフトのサーバーレス クラウド サービスを通じて企業の印刷インフラストラクチャを管理できる最新の印刷ソリューションです。Windows 10 バージョン 1903 のリリース以来、このクラウド サービスをサポートするユニバーサル プリント ドライバーを提供してきました。このドライバーを利用するメリットは、デスクトップで複数のプリンター ドライバーを管理する必要がなくなり、単一のドライバーによってすべてのプリンターを利用できる点です。
数週間前のブログ記事 (英語) でご紹介したように、ユニバーサル プリント対応プリンターでユニバーサル プリントを使用すれば、管理者と従業員の両方にとって最適なエクスペリエンスを実現できます。これらのプリンターはクラウドで簡単に管理できて、それぞれの機能がユーザーに提供されます。
Windows 11 では、プリンターのユーザー エクスペリエンスが複数の面でアップグレードされます。まず、Windows 11 で更新されるユーザー エクスペリエンスに合わせて印刷エクスペリエンス全般が強化されます。
さらに、更新後のユニバーサル プリント ドライバーには、環境に優しい機能が追加されます。印刷ジョブに PIN を追加できるようになり、プリンターに同一の PIN が入力されるまでジョブは実行されません。これは、多くのユーザーに喜んでいただける機能だと思います。この点からも、既存のプリンターをユニバーサル プリント対応ファームウェア (利用可能な場合) にアップグレードすることをお勧めします。
この機能により、セキュリティが強化されるという見方もできますが、主たる目的は、用紙とトナーの無駄を減らし、印刷時に一定のプライバシーを確保することです。印刷ジョブがプリンターで無駄になることはありません。この機能は、今年後半にリリースする Windows 10 バージョン 21H2 でも提供する予定です。
Windows 11 では PSA (Print Support Application) を新たにサポートし、Windows のインボックス ドライバーで Mopria 印刷プロトコルの規格に準拠します。これにより、シンプルかつシームレスな印刷エクスペリエンスが実現され、Mopria 認定プリンターに接続して印刷するために追加のソフトウェアやカスタム ドライバーをインストールする必要がなくなります。プリンター メーカーや MPS (マネージド プリント サービス) ソリューションの提供元は、Microsoft Store で PSA を公開することで、Windows 11 のユニバーサル プリント ドライバーを拡張するカスタム機能やワークフローを提供できます。これら UWP アプリはドライバーではなく、ユーザーのコンテキストで実行されます。Windows 11 デバイスにインストールした PSA はバックグラウンドで実行され、対応するプリンターの印刷ジョブが処理されます。さらに、以下のようなシナリオに対応する高度な印刷ユーザー インターフェイスが提供されることも期待できます。
- プリンター固有のカスタムの高度な仕上げオプション
- アカウンティング情報やワークフローの追加
- 透かしの追加 (任意または強制)
管理者は Microsoft Endpoint Manager を使用して、既定の PSA、またはユニバーサル プリント対応プリンターに必要な別のベンダーの PSA をユーザーの Windows 11 デバイスにインストールできます。この機能は、今年後半にリリースする Windows 10 バージョン 21H2 でも提供する予定です。
PSA は、商用ユニバーサル プリント サービスの構成だけでなく、一般ユーザーの Windows 11 デバイスでも利用できるようになります。ホーム ユーザーがプリンターをホーム ネットワークに接続すると、アプリが Microsoft Store から自動的にインストールされます。従来の印刷 UI の詳細設定は Windows 11 では表示されなくなり、その UI に代わって PSA により、ユーザーのプリンター モデルに最適な機能が提供されます。プリンター ドライバーはインストールされず、単一のアプリによってドライバーが操作されることで、より多くの機能が提供されると同時に、デバイスの安定性とセキュリティが向上するという大きなメリットがあります。
さらに、Windows エコシステムで IPP (Internet Printing Protocol) の延長サポートを提供します。2018 年より、IPP は Windows 10 でネットワーク プリンター用に実装されています。Windows 11 では、IPP over USB を追加することで、IPP を使用しているハードウェアのサポートを拡大します。エンタープライズ環境で IPP と PSA をサポートするために、Windows では IPP プリンターの転送検出もサポートしています。また、Windows Server 2022 でも IPP と PSA を利用できるようになるため、ポイント アンド プリントをご利用のお客様は引き続き Windows Server を使用して印刷を行うことができます。このように、使用しているソリューション (ユニバーサル プリント、Windows Server、またはその両方の組み合わせ) を問わず PSA を利用できます。この機能は、今年後半にリリースする Windows 10 バージョン 21H2 でも提供する予定です。
関連情報: Universal Print、Windows 11
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