2021年7月21日 2:57 AM

Test Base for Microsoft 365 で Windows 11 を検証

※ 本 Blog は米国時間 2021 年 6 月 28 日に公開された Get early access to Windows 11 validation on Test Base for Microsoft 365 の日本語抄訳です。

Windows 11 でアプリケーションを検証したい場合、Test Base for Microsoft 365 をご利用いただくことができます。

新しいオペレーティング システム (OS) を導入する際は、アプリケーションの互換性の問題が懸念されますが、心配はご無用です。マイクロソフトでは、OS の開発ライフサイクルの一環として「compatible by design (互換性のある設計)」というコンセプトを採用しています。わずかな変更でもアプリ開発者や顧客に影響を及ぼし得ないという問題に、私たちは何度も悩まされてきました。Windows 10 によって、優れたアプリケーション互換性の時代が切り拓かれました。リングベースのテスト フライト戦略などの新たなプロセスを採用したことで、IT プロフェッショナルが多くのエンド ユーザーへの公開を制限しながら、Windows や Office の次期ビルドに対してデバイスを試験運用できるようになりました。

マイクロソフトは、お客様のアプリケーションが最新バージョンのソフトウェアでも確実に動作するように努めており、Windows 11 も、互換性を念頭に置いて開発されています。マイクロソフトがお約束している互換性は、Windows 7/8.x で動作するアプリケーションが Windows 10 でも問題なく動作することです。そして本日は、そのお約束に Windows 11 が加わることになったことをお伝えします。このお約束は、次の 2 つの主力製品によって支えられています。

  • Test Base for Microsoft 365: Windows 11 Insider プレビュー ビルドを使用して、重要なアプリケーションの早期テストを行うことができます。
  • Microsoft App Assure: 互換性の問題の修正を支援します。追加費用なしでご利用いただけます。

Test Base for Microsoft 365 とは?

私たちは 1 年ほど前に、デスクトップ アプリケーションを対象とする新しいテスト サービス、Test Base for Microsoft 365 の提供開始を発表しました (英語)Test Base for Microsoft 365 (英語) は、データ駆動型のアプリケーション テストに役立つ Azure サービス (プライベート プレビュー) です。データとクラウドを活用しているため、アプリケーション開発者や IT プロフェッショナルは、世界中のどこからでもインテリジェントにテストを行えるというメリットがあります。Test Base を使用することで、開発者やテスト担当者は最新の Windows Update による変更など、プラットフォーム依存の変更が起きた後も既存のアプリケーションが問題なく機能するかどうかを確認することができます。また、簡単な操作で時間をかけずにアプリケーションをテストできるほか、複雑なテスト環境の設定や管理も不要です。さらに、Windows 11 や他のプレリリースの Windows Update に対する互換性テストも、安全な仮想マシン (VM) 上で自動的に実施できます。また、アプリケーションで利用できる世界最高クラスのインテリジェンスにもアクセスできます。

Test Base for Microsoft 365 とは

Test Base for Microsoft 365 へのオンボーディングが完了したら、(1) テスト用パッケージのアップロードを簡単な手順で開始できます。アップロードが完了したら、(2) Windows Update に対してそのパッケージのテストが実施されます。テストが完了したら、(3) インサイトと回帰分析の詳細を検討できます。パッケージが不合格だった場合は、メモリや CPU 回帰などのインサイトを利用して (4) 修復を行い、必要に応じてパッケージを更新します。テストが行われたすべてのパッケージは (5) 1 か所で管理することが可能なため、いくつもパッケージをアップロード、更新して、新しいバージョンのアプリケーションを反映するという手間を省くことができます。

デスクトップ アプリケーション プログラム

デスクトップ アプリケーション開発者にとって重要なのは、OS をリリースした後の合計のエラー数、ハング回数、クラッシュ回数などのテスト結果や分析結果を詳しく確認できることです。今回デスク アプリケーション プログラム (DAP) ポータルに Test Base のリンクが統合されました。これにより、このプログラムに参加している開発者は、リリース後の複数のバージョンの Windows OS に対するアプリケーションのパフォーマンスを追跡できるようになりました。また、そのうえでエラーを調査し、それらをレプリケートし、適切な修正プログラムを適用して、アプリケーションのエンド ユーザー エクスペリエンスを改善することができます。

アプリと Test Base: 近日発表

開発者は、増え続けるテスト シナリオのテスト マトリックスのバランスを取る必要があります。これには、月例セキュリティ更新プログラムなどのさまざまな Windows Update が含まれます。限られたインフラストラクチャの容量、デバイスの構成や設定、ソフトウェアのライセンス、自動化といった課題と合わさることで、テストはすぐにコストのかかる作業になります。Test Base では、クラウド ホストの仮想マシン上での Windows ビルドの設定と構成を自動化する、マイクロソフトの管理インフラストラクチャを利用できます。また、マイクロソフトが管理する環境の Windows 11 Insider の Dev および Beta ビルドで、お客様のアプリケーションを簡単に検証することができます。

Test Base を利用することで、IT プロフェッショナルはテストに集中し、より短期間で成果を上げることができます。最初のオファーでは、私たち全員がアプリケーションの面で依存しているエンタープライズの重要な基幹業務 (LOB) アプリケーションにフォーカスしています。Intune をご利用の場合は、Microsoft Endpoint Manager 管理センターの LOB および Win32 のアプリケーション ページで、まもなく Test Base のリンクを確認できるようになります。

アプリと Test Base

アプリと Test Base

Windows 11 と現行の Windows セキュリティ更新および機能更新についてテスト カバレッジが得られるだけでなく、データ インサイトとアプリケーション エラーについてのサポートも提供されます。これにより、組織全体に大規模にリリースする前に、アプリケーションをすばやく修復することができます。

Test Base for Microsoft 365 ロードマップの今後の展望

マイクロソフトは、Test Base を継続的に改善し、将来にかけてより良いものにしていけるよう、フィードバックを収集しています。改善が期待できる機能としては、非同期アラートと通知、API ベースのオンボーディングのサポート、インテリジェント エラー分析、Microsoft 365 クライアント アプリケーションのサポートなどがあります。

Test Base コミュニティにご参加ください

Test Base にご自身のアプリケーションをオンボーディングすることをご検討であれば、ぜひこちら (英語) からご登録ください。

マイクロソフトは、アプリケーション開発者やエンタープライズのお客様のご協力の下で Test Base の価値を高め、解決できる事例をさらに増やせるよう積極的に取り組んでいます。また、Tech Community の新しい Test Base for M365 コミュニティ (英語) への皆様のご参加も働きかけています。このコミュニティでは、皆様の経験をシェアしたり、他のユーザーとつながりを築いたりすることができますのでぜひご参加ください。

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