2021年10月15日 5:24 AM

Microsoft Teams 電話の新機能が通話に新しい風を吹き込む

Nicole Herskowitz (Microsoft Teams 担当ゼネラル マネージャー)

※ 本ブログは、米国時間 9 月 27 日に公開された “New Microsoft Teams Phone features give calling a modern makeover” の抄訳です。

オンライン ミーティングの台頭により、ビデオを介した共同作業が主流となりました。そして、ハイブリッド ワークが新しい常識となる中、多くの人が電話での通話にも同じような変革を期待しています。1 対 1 の通話は、仕事を進めるうえで重要な手段です。実際に、世界 180 か国以上の約 8,000 万人のユーザーが、Microsoft Teams 電話を利用して、より豊かで共同作業のしやすい通話を実現しています。

こうした通話を裏で支えているテクノロジが 2 つあります。1 つは、1800 年代後半から音声通話を可能にしてきた PSTN (公衆交換電話網) で、もう 1 つは、インターネット接続を介して通話を転送し、ビデオ通話や画面共有などのリッチな通話体験を可能にする VoIP (ボイス オーバー インターネット プロトコル) です。どちらも Teams 電話で利用可能です。PSTN 通話は未だに広く利用されている一方で、VoIP 通話は、必要性の高まりを受けて急速に導入が進んでいます。英国を拠点とする通信事業者 BT は、2025 年に英国内の PSTN ネットワーク 1 を廃止し、すべての通話を IP 経由で転送することを発表しています。

この傾向は、通話ソリューション ベンダーにとって、数多くのニッチなテレフォニー機能のコーディングに投資するか、最も重要な PSTN ニーズを優先させて最新の通話体験を開発するかを決断する契機となっています。Teams 電話が歩もうとしている道は、明らかに後者です。マイクロソフトでは、次のような大きな傾向を踏まえて、どのような優先順位でイノベーションを推進していくかを検討しています。

  • 共同作業エクスペリエンスが、通話ソリューションの新たなスタンダードとなりつつある: ユーザーは、連携性のない通話体験ではなく、チャットやビデオ会議を行うのと同じツールで通話を受発信できることを望んでいます。このような傾向は、チャット画面から Teams 電話の通話を開始しているケースが、昨年の同時期に比べて 50% も増加していることからも伺えます。
  • 組織間の通話は、ますます VoIP 経由で行われるようになる: Teams 電話は、組織間のフェデレーションを可能にします。これにより、各組織の従業員は、安全な環境で VoIP ベースの音声通話やビデオ通話、画面共有、チャットを介して連携できるようになります。
  • 場所にとらわれずに働く従業員が増える中、柔軟な通話ソリューションのニーズが高まっている: ハイブリッド ワーカーは、信頼性の高いモバイル通話ソリューションを必要としています。このようなユーザーは、PC やスマートフォンなど、さまざまなデバイスを使用して生産性を維持できることを実感しており、1 日のうちに複数のデバイスを使い分けることも少なくありません。

今回、こうした通話の未来のビジョンに向けた取り組みとして、Teams 電話の新機能を発表します。

仕事の流れの中で通話できるように

仕事の流れの中で通話できるように

通話は、独立したものではなく、共同作業を促進するものであるべきです。Teams 電話の機能には、ユーザーが以前からチャット、ドキュメント保存、共同作業を行っている Teams チャネルに音声通話を追加できる、音声通話対応チャネルなどの独自のものがあります。そこに新たに、仕事の流れの中でスムーズに通話を行えるようにする機能をいくつかリリースします。

  • デバイス間での通話のシームレスな転送: 時には、デスクからモバイル デバイスへ、またはその逆方向に通話を移動する必要があります。Teams 電話では、通話を中断することなく、異なるエンドポイント間で通話を転送できるようになりました。通話を転送する先のデバイスで Microsoft Teams アプリを開き、タップするだけです。
  • スパム電話の識別: スパム電話は、作業の流れを妨げます。着信への応答を避けるようになる一因でもあります。現在一般提供されているスパム識別機能は、高度な業界テクノロジを用いて、スパムの可能性が高い電話を識別し、ユーザーが正当な電話以外は応答を拒否できるようにします。さらに、Teams では、発信通話をデジタルで証明し、外部の受信者に拒否されるのを防げるようになりました。
  • Apple CarPlay のサポート: ハイブリッド ワークの普及により、前のように車通勤する人も増えてくるでしょう。Teams で Apple CarPlay サポートの一般提供が開始となり、車載コントロールや Siri からハンズフリーで通話や会議に参加できるようになりました。
  • 1 1 通話の文字起こしと録音: 外出先やメモ帳が手元にないとき、通話を録音したほうが効率が良い場合もあります。Teams 電話では、2021 年末までに 1 対 1 の通話の録音や文字起こしが可能になります。

既存のテレフォニーと Microsoft Teams をつなぐ

既存のテレフォニーと Microsoft Teams をつなぐ

通話の未来を担っていくのは VoIP ですが、PSTN 通話の受発信機能は、多くの組織に依然として重要であり、Teams 電話はそのような組織に信頼性の高いダイヤル サービスを約束します。既存の PSTN 通話を未来へ向けて橋渡しするために、Teams 電話の機能の一般提供を開始します。また、サービスの提供範囲を拡大します。

  • Operator Connect: 今週一般提供を開始する Operator Connect は、マネージド型のエクスペリエンスを通じて、通信事業者の PSTN サービスを Microsoft Teams に簡単に接続できるようにします。これにより、インフラストラクチャのコスト、セットアップ作業、管理の手間が省かれ、マイクロソフトと通信事業者が共同で提供する技術サポートとサービス レベル アグリーメント (SLA) を利用できます。
  • Microsoft Teams 通話プランの提供拡大: Microsoft Teams 通話プランでは、オンプレミスの機器がなくても、通話機能を簡単に Teams に導入できます。今回新たに、エストニア、ラトビア、リトアニア、スロベニア、クロアチアの 5 つの地域が加わり、提供地域は合計 33 となりました。
  • 独自のコンタクト センターの活用: 新しいコンタクト センター ソリューションを選択して展開し、担当者にトレーニングを実施するには、膨大な時間とリソースが必要になります。幸い Teams 電話は、既存のコンタクト センター ソリューションと統合でき、コネクテッド コンタクト センター認定プログラムを通じて、厳格な第三者機関のテストによる一段階上の検証を行うことで、その統合がシームレスで信頼できるものであることを保証しています。現在、NICE InContact、Genesys、Five9 をはじめとする 8 つのコンタクト センター ソリューションが認定されており、さらに 12 のソリューションの認定手続きが進められています。

専用デバイスで自然な通話エクスペリエンスを実現

専用デバイスで自然な通話エクスペリエンスを実現

  • Better Together」エクスペリエンス: 新しい Better Together エクスペリエンスでは、Teams デバイスが相互に補完し合い、デバイスや Teams クライアントのいずれかで、着信への応答、ミュートまたはミュート解除、通話の終了を行えるようにします。
  • 固定電話機向け Walkie Talkie (トランシーバー機能): 新しいトランシーバー エクスペリエンスを 2021 年 10 月に固定電話機向けにリリースする予定です。これにより、プッシュ トゥ トーク (Push-to Talk) 機能を使って、チームのメンバーどうしが即座にコミュニケーションを取れるようになります。

未来に向けた構築とお客様へのサービスの継続

ここまで紹介してきたものは、マイクロソフトの継続的な取り組みのほんの一部であり、引き続き、自然と生まれる共同作業をサポートし、組織が通話の未来に備えられるよう支援していきたいと考えています。また、Gartner が発表した 2020 年のサービスとしてのユニファイド コミュニケーションのマジック クアドラント (英語) では、リーダーの評価も獲得しています。

世界中の組織が、コミュニケーションとコラボレーションのためのソリューションとして Teams を利用しています。たとえば、ラグジュアリー ブランドの LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン (英語) は、Teams 電話を同社のワークプレース刷新戦略の不可欠な要素と捉えており、従来の電話インフラストラクチャを拡張性の高いクラウドに置き換え、通話、チャット、共同作業を統合することで、全員が仕事の流れを維持できるようにしています。

「Teams の数々の機能には、ドキュメントの共有や保存、メッセージ、ビデオ、Teams 電話でのテレフォニーを介した共同作業など、当社がコミュニケーションの要と考えているものが揃っています。このソリューションは、運用チーム、IT チーム、そして各事業分野のメンバーのかけ橋となって、コミュニケーションを促進しています」—LVMH、最高情報責任者、Frank Le Moal 氏

Microsoft Teams 電話の利用

詳しくは、LVMH (英語)TransCore (英語)Cambia Health Solutions (英語)ZF グループ (英語) の各事例をご覧になり、Teams 電話の活用によって、どのようにつながりを維持しているのかをお確かめください。

Teams 電話によって組織の通話環境を刷新する方法については、以下のリンクのガイドやリソースをご覧ください。


1 英国の PSTN ネットワークは 2025 年に廃止予定 (英語)。BT 発表、2021 年

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