2021年11月4日 9:01 AM

Microsoft 365 の新機能: 新しいハイブリッド ワークの世界ですべての従業員を支援

※ 本 Blog は米国時間 2021 年 11 月 2 日に投稿された What’s new in Microsoft 365—How we’re empowering everyone for a new world of hybrid work の日本語抄訳です。

もし一つ私たちが知っていることがあるとすれば、ハイブリッド ワークが今後も続くということです。しかし問題は、次の 10 年で働き方はどのように変わり、皆さんはどのように準備しますか? ということです。

長年にわたって当たり前だと思ってきたワーク スタイルは、大きな変化を遂げつつあります。非リアルタイムのコミュニケーションが新たな常識となり、会議を行うために、同じ時間、同じ場所にいる必要はなくなりました。AI の可能性は現実のものとなり、魔法のような方法で人間の創造力を引き出しています。

この新しい世界で組織が成功するためには、デジタル ファブリック (英語) が必要です。このデジタル ファブリックは、安全なコミュニケーション、コラボレーション、創造によって組織を 1 つにまとめ、柔軟性を実現し、従業員やチームのつながりを強化して、データ、自動化、AI を仕事の流れの中にシームレスに組み込みます。このデジタル ファブリックは、組織の枠組みを越えて顧客やパートナーにまで拡張する必要があり、インフォメーション ワーカー、現場担当者、フレキシブル ワーカーなど、あらゆる種類の従業員を含める必要があります。

マイクロソフトは、マイクロソフト クラウドを通じてこのデジタル ファブリックを提供し、この新しい時代のすべての従業員を支援します。そして、すべての中心に Microsoft Teams を据えています。

今回 Ignite で発表した魅力的な新しいアプリや機能は、1 年後には現在の Teams と同じように日々の仕事の流れの中に組み込まれるでしょう。詳しくご説明していきます。

組織の枠組みを越え、仕事の流れに沿ったコラボレーション

コンピューティングが現実世界に組み込まれると同時に、現実世界もコンピューティングに組み込まれます。これを実現するのが、メタバース プラットフォームの Microsoft Mesh (英語) です。Mesh を Teams に直接組み込むことで、人々が一緒にいることの価値が再現され、これまで以上に生産性を高めることができるようになります。

Mesh for Microsoft Teams により、新世代の 2 次元 (2D) および 3 次元 (3D) 会議が実現されます。イマーシブな空間に自分をどのように投影するかは非常に重要です。個人用アバターでは、自分のアバターをカスタマイズすることができます。AI を使用して動作やジェスチャを模倣することで、カメラを切っていても、会話の中で物理的な存在感を示すことができます。

また、会議室やデザイン センター、交流ラウンジといった物理空間に似たイマーシブ スペースでは、仲間意識を高めたり、創造力を発揮したり、給湯室のように偶然居合わせた人々とのつながりを育んだりできます。Mesh for Microsoft Teams の詳細については、こちらのページ (英語) をご覧ください。

組織の枠組みを越え、仕事の流れに沿ったコラボレーション

Teams 会議の新機能

インクルーシブで生産性の高いハイブリッド会議を実現するために、Teams 会議に新機能が追加されます。ユーザーは会議設定フォームから参加者に役割を割り当てたり、すべての参加者が確実に発言できるよう挙手の順番を確認できます。また、モバイル版のオーバーフロー メニューの刷新により、チャットの閲覧などの重要なアクションが優先的に表示されるようになったほか、会議内のシステム メッセージ用の通知ドロワーが追加され、ワンタップですべての通知をプレビュー、折りたたみ、クリアできるようになります。

Teams 会議の新機能

優れたハイブリッド会議エクスペリエンスを実現

世界最高峰のハードウェア パートナー様とのパートナーシップの中で、どこから会議に参加するかにかかわらず、つながりを維持し、会議に全面的に参加できる Teams エクスペリエンスをご提供できるよう尽力しています。

認定手続き中の 24 インチのディスプレイを搭載した新しい Yealink desk Vision AIO24 は、Teams コラボレーション用のスタンドアロン デバイスとして使用することも、PC に接続して 2 台目のモニターとして使用することもできます。

優れたハイブリッド会議エクスペリエンスを実現

Teams パネルの新製品である Logitech Tap Scheduler (認定審査中) を使用すると、会議室の空き状況や場所の情報、会議の詳細をひとめで確認できます。

直接ゲスト参加機能により、基本的な操作で Teams Rooms からサードパーティの会議に参加することができます。同様に、サードパーティの会議室システムから Teams 会議に参加することもできます。現在、この機能は Zoom と Cisco で利用可能で、来年には BlueJeans と GoToMeeting にも対応する予定です。

他の Teams デバイスと同様に、Surface Hub Teams 管理センターから管理できるようになりました。今後数か月のうちには、クラウドベースの IT 管理および監視サービスである Microsoft Teams Rooms マネージド サービスに Surface Hub が追加されます。

組織間のコラボレーションを簡単かつ安全に

業務を進めるためには、組織内外の人々とのコミュニケーションやコラボレーションが必要です。そこで、組織の障壁を取り除き、だれとでも簡単かつ安全にコラボレーションを行うための新機能を Microsoft Teams Connect で提供します。

この機能を使えば、複数の組織間の個人やチームとチャネルを共有したり、会議をスケジュールしたり、アプリでリアルタイムのコラボレーションを行ったりできます。さらに、50 までのチームや多くの組織とチャネルを共有できるようになります (2022 年の第一四半期にパブリック プレビューとして提供開始)。また、Teams のチャット機能を拡張し、Teams の個人アカウントを使用して、組織外のチーム メンバーとチャットできるようになります。 (2021 年末までに提供開始予定)

組織間のコラボレーションを簡単かつ安全に

魅力的で記憶に残るイベントを配信

多数の新しいウェビナーおよび配信機能により、ビジネス向けの魅力的なイベントを簡単に準備して社内外のユーザーに配信できるようになります。バーチャル グリーン ルームでは、イベント開始前に主催者と発表者が交流、チャットの確認、Q&A の実施、参加者設定の管理、コンテンツの共有を行うことができます。また、主催者や発表者は参加者に表示する内容を管理できるため、参加者は共有コンテンツや画面に映し出された参加者のみを見ることになります。上記の機能は、いずれも 2022 年早々にプレビューとして提供が開始されます。

魅力的で記憶に残るイベントを配信

イベントおよびホスピタリティ管理の主要プラットフォームである Cvent Teams と統合されました。2022 年の始めには、登録やアジェンダ管理などのイベント ライフサイクルを Cvent で管理し、Teams でオンライン会議およびイベント エクスペリエンスを提供できるようになります。

コラボレーション用アプリを使用してチームワークを発揮

コラボレーション用アプリは、コラボレーションを中核とする新世代のアプリケーションです。Microsoft Teams での柔軟なハイブリッド ワークを想定して設計、最適化されており、関連するプロセス、データ、ユーザーを集約することで、生産性の向上を支援します。AtlassianSAPServiceNow などのパートナーが提供する新しいコラボレーション用アプリにより、チャット、チャネル、会議からこれらのアプリにアクセスできます。また、Dynamics 365 と Teams を連携させた新しいエクスペリエンスで、データや接続性をワークフローに取り入れることができます。

コラボレーション用アプリを使用してチームワークを発揮

Teams ストアのデザインが刷新され、ニーズに合ったアプリを簡単かつ効率的に見つけられるようになりました。

コンタクト センター エクスペリエンスを効率化

Microsoft Dynamics 365 Customer Service と Microsoft Teams を基盤とする新しいオールインワンのデジタル コンタクト センターソリューションは、従来のコンタクト センター、統合コミュニケーション、カスタマー サービスの機能を単一の統合型 SaaS ソリューションに集約したものです。この新しいオールインワン ソリューションにより、カスタマー サービス エクスペリエンスの各ステップにおいて、チャットや音声通話の接続、他のビジネス アプリケーションによる拡張、組み込みインテリジェンスを実現できます。

コンタクト センター エクスペリエンスを効率化

あらゆる場所での作成を支援

Office を全面的に再構築することで、従来のドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーションの枠組みを越える新しいメディアを実現します。Teams がコラボレーションと生産性に変革をもたらしたように、Microsoft Loop は Microsoft 365 の次の画期的なエクスペリエンスとなります。

Microsoft Loop (英語) は、強力で柔軟なキャンバスと、アプリケーション間で自由に移動して同期できるポータブルなコンポーネントを組み合わせた新しいアプリで、チームが一緒に、考え、計画し、創造することを可能にします。Microsoft Loop には、Loop コンポーネント、Loop ページ、Loop ワークスペースという 3 つの要素があります。

Loop コンポーネントは、チャットや会議、メール、ドキュメント内でコラボレーションを行い、作業を完了するための生産性の最小単位です。独自の Loop コンポーネントを作成することも、以下のような既存の Loop コンポーネントを活用することもできます。

  • 投票テーブル: チームで簡単にブレーンストーミングを行い、合意を得て、最終的な意思決定を行うことができます。
  • ステータス トラッカー: チームから情報を収集し、プロジェクトのあらゆる側面における進捗状況を追跡し、チーム全体で常にプロジェクトの最新情報を把握することができます。

Loop コンポーネント

Loop ページは、プロジェクト固有のニーズに合わせて、コンポーネントを整理し、リンク、ファイル、データなどの便利な要素を取り込むことができる柔軟なキャンバスです。

Loop ワークスペースは、プロジェクトにとって重要なものをすべて表示してグループ化できる共有スペースです。このワークスペースでは、各メンバーが取り組んでいる作業を簡単に把握したり、他のメンバーのアイデアに反応したり、共通の目標に向けた進捗状況を追跡したりできます。

Loop ワークスペース

Microsoft Loop コンポーネントは Microsoft Teams、Outlook、OneNote などのように、Microsoft 365 アプリケーションとして今後数か月以内にプレビューのロールアウトが開始されます。

AI の可能性は、魔法のような方法で人間の能力を拡張することにあります。それを実現するのが Context IQ です。Context IQ はインサイトをアクションに変えるもので、Microsoft Graph を活用して 1 日の業務に関するインサイトを収集したうえで、必要な情報を予測、探索し、アクションを取るタイミングで提案します。

たとえば、Microsoft エディターでは Context IQ を活用することで、関連するファイルやドキュメントを提案したり、コラボレーションを行う相手の予定が空いている時間帯を見つけたり、メールにタグ付けする同僚を提案したり、Microsoft Dynamics 365 のセールス レコードに関連する Loop コンポーネントを提案したりできます。

Microsoft エディター

先日 Office ファミリに Clipchamp を追加したことで、動画作成のサポートが強化されました。Clipchamp を使用すると、プロフェッショナルな見栄えの良い動画をすばやく簡単に作成できます。楽しくて直観的なインターフェイスに加えて、強力な機能と充実したストック ライブラリを利用すれば、動画のアイデアをそのまま形にすることができます。

Office.com および Windows 版 Office アプリでは、[ホーム]、[個人用コンテンツ]、[作成] ページで新機能が提供されます。さまざまなアプリやストレージに保存されているすべてのコンテンツやファイルを簡単に検索し、確認する必要のあるコンテンツを表示したり、業務に必要なアプリやテンプレートを入手したりといった操作をすべて 1 か所から行うことができます。

この新機能は、来週よりロールアウトが開始される予定です。詳細については、Office ブログ (英語) をご覧ください。

従業員のデジタル エクスペリエンスは従業員エクスペリエンスの新常識

従業員エクスペリエンスが物理的な場所によって決まったり、縛られたりするのは過去の話となりました。仕事の流れの中で、従業員のエンゲージメントを確保し、従業員への連絡を徹底する新しい方法が必要とされています。それを実現するのが Microsoft Viva です。

Microsoft Viva は現在、Viva インサイト、Viva ラーニング、Viva トピックの各モジュールを含むスイートとして販売 (英語) されています。先日の Ally.io の買収を受けて、2022 年には新しい目標管理モジュールも追加される予定です。Viva ラーニングは一般提供を開始しました。さらに今回、モバイルおよびデスクトップ版 Viva コネクション向けの新しいエクスペリエンスの提供を開始いたします。

従業員のデジタル エクスペリエンスは従業員エクスペリエンスの新常識

Viva インサイトでは、つながりや生産性、ウェルビーイングを促進する新しい習慣や基準を従業員が構築できるよう支援する新しい効果的な会議エクスペリエンスとマネージャー向けインサイトを提供する予定です。

Viva インサイト

最後に、今年発表した Viva ラーニングおよび Viva コネクションの複数のパートナー (SAP SuccessFactors、Qualtrics、ServiceNow、Cornerstone OnDemand、UKG など) との連携について、一般提供が開始されました。Microsoft Viva に関する発表のすべてについては、こちらをご覧ください。

ハイブリッド ワークの世界に対応する Windows

上記の魅力的な新機能はいずれも、ハイブリッド ワークを想定して設計された唯一の OS である Windows 向けに構築され、Windows を基盤としています。Windows 11 のリリースに伴い、デバイスやツールをゼロタッチで簡単に展開し、個々のチームや従業員の固有のニーズに合わせて調整できるようになりました。

  • Intune をご利用の企業が Windows Update for Business 展開サービスを簡単に利用できるように、Windows の機能更新プログラムのスケジュールを設定して展開するためのコントロールを Intune に直接統合しました。詳細はこちらのブログ (英語) をご覧ください。
  • Microsoft Test Base for Microsoft 365 は、独立系ソフトウェア ベンダー、エンタープライズ パートナー、組織のお客様が自社の基幹業務アプリケーションを Windows クライアントおよび Windows Server の各バージョンでテストすることができるクラウド サービスで、このたび一般提供が開始されました。Test Base for Microsoft 365 の詳細についてはこちらのページ (英語) をご覧ください。

  • ユニバーサル プリントは、印刷サーバー不要で組織内の任意のプリンターから安全に印刷することができるクラウド サービスです。ユニバーサル プリントの詳細についてはこちらのページ (英語) をご覧ください。

Windows 11 の 11 個の機能については Tech Community blog (英語) をご覧ください。

Windows 365 の新たな機能強化 (Business エディションでの Windows 11 のサポートなど)

Windows 365 によって PC をクラウドに移行することで、あらゆる規模の企業で、Windows のすべての機能を任意のデバイスに安全にストリーミングできます。本日より、Windows 365 Enterprise エディションのクラウドで、Windows 11 のエクスペリエンスを選択できます。Business エディションのサポートは近日中に開始される予定です。

Windows 365 サービスでは、以下のような新たな機能強化 (英語) が行われました。

  • Windows 11の仮想 TPM (Trusted Platform Module) チップでセキュリティとサポートを強化
  • Web クライアントのロード タイムの高速化、優れたパフォーマンス、ローカル リソースの設定、アクセシビリティ 機能などの向上
  • Windows 365 と Azure Active Directory の統合で、オンプレミス環境や Azure インフラストラクチャが不要に
  • Microsoft Endpoint Manager のエンドポイント分析リソース レポートで、Windows 365 の CPU および RAM のパフォーマンスに関する指標を確認

最新のデスクトップおよびアプリケーション仮想化クラウド サービスを希望するものの、一部のオンプレミスのアプリやデータをサポートする必要があるお客様のために、Azure Stack HCI 向け Azure Virtual Desktop の プレビューが発表されました。Azure Virtual Desktop に関する発表の詳細については、こちらのページ (英語) をご覧ください。

その他の Microsoft 365 の新機能

マイクロソフトの調査によると、中小企業の 60% 以上が、サイバー攻撃に対応する手段を用意できていないと回答しています。Microsoft Defender for Business は、従業員数 300 人以下の組織をサイバー攻撃から保護するための新しいエンドポイント セキュリティ ソリューションです。スタンドアロン ソリューションとして提供されるほか、Microsoft 365 Business Premium にも含まれる予定です。Microsoft Defender for Business の詳細については、こちらのページ (英語) をご覧ください。

今後の展望

物理的な会議スペースを再設計して他の場所にいるユーザーも参加できるようにしたり、ハイブリッド ワークの世界におけるデジタルでの作成方法を刷新したりと、マイクロソフトはすべての従業員がこの新しい働き方の世界で成功できるように取り組んでいます。この取り組みはまだ始まったばかりであり、今後数か月のうちにさらなる情報をご紹介できる見込みです。どうぞご期待ください。

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