2023年4月18日 5:06 PM

オフィスや自宅からの柔軟な働き方をサポートする現場担当者向けの Windows 365

※ 本ブログは、米国時間 4/6 に公開された “Windows 365 offers flexibility from the office or home to the frontline” の抄訳です。

ホーム オフィスから、役員会議室、現場まで、私たちの働き方は絶えず変化と進化を続けています。しかし、「柔軟に働きたい」というニーズは変わりません。Gartner によると、「2023 年末までに、世界中のナレッジ ワーカーの 39% がハイブリッド環境で働くようになり、2022 年の 37% から増加する」ことが見込まれています1。リモート ワークが進み、従業員がさまざまな場所で働くようになったことでインフォメーション ワーカーの業務パターンが大きく変わりました。これに伴い、現場の最前線においても柔軟な働き方へのニーズが高まっています。

マイクロソフトは、優れた事業運営、重要なシステムの構築、満足度の高いカスタマー エクスペリエンスを実現するうえで、現場担当者がどれほど重要な存在であるかを認識しています。カギとなるのは柔軟性ですが、現場担当者の状況によって必要な柔軟性には違いがあります。

Windows 365 Frontline のプレビューに今すぐサインアップする (英語)

ある医療従事者は、3 交代制の病院勤務と 2 日間のオンライン診療を行っています。コール センターのオペレーターは、インフォメーション ワーカーと同様、リモートでもオフィスでも働くことができます。建設業や小売業の従業員、特に現場で働く人は、複数の拠点に移動したり、複数の店舗を担当したりすることもあるため、モバイルという柔軟性を必要としています。

現場業務のあり方はこのようにさまざまですが、共通するのは、テクノロジを利用しているという点です。

現場業務に焦点を当てたマイクロソフトの 2022 年版 Work Trend Index 調査の特別レポートで、回答者の多くは、テクノロジ エクスペリエンスが十分に行き届いていないと感じていることがわかりました。調査対象の現場担当者の 3 分の 1 が、業務を効率化するための適切なテクノロジ ツールを持っていないと答えています2

そうしたことから、マイクロソフトは、働く人の多様なニーズに応えるイノベーションと魅力的なエクスペリエンスを実現することに注力してきました。こうした調査結果やお客様のフィードバックから学んだことを踏まえて、私たちの日常生活を支える重要な役割を担う現場担当者の皆様に、より柔軟性の高い優れたテクノロジ エクスペリエンスを提供したいと考えています。

この記事では、Windows 365 Frontline (英語) によってクラウド上の Windows である Windows 365 がどのように拡張されるかをご紹介します。Windows 365 Frontline は、従業員が持つさまざまなニーズに対応したいと考える組織のためのソリューションです。現在、パブリック プレビューを提供中です。また、クラウド PC をより多くのデバイスで展開するために、LG および Motorola との新たな連携も発表しています。

シフトやパートタイムの従業員がクラウド PC を柔軟に利用できるようにする Windows 365 Frontline

Gartner の推計では、「現場で働く人の数は 27 億人で、デスク ワーカーの 2 倍以上3」とされています。IT と職場のエクスペリエンスのニーズを満たすにあたり、組織は固有の課題を抱えています。企業は従業員に必要なテクノロジをすばやく行き渡らせる必要がありますが、一人につきデバイス 1 台を支給するのは経済的に難しいと考える企業がほとんどです。使用するのが業務中だけであれば、なおさらです。また、現場担当者が物理 PC やキオスク端末を共有で利用するケースも多く、それがセキュリティや ID 管理に深刻な問題をもたらすと指摘している CIO もいます。これが生産性の低下を招き、さらに、知的財産や顧客データなどの重要情報をリスクにさらす原因になり得るのです。

Windows 365 Frontline を導入することで、組織の皆様はシフト勤務者にクラウド PC のパワーとセキュリティを簡単かつ低コストで届けることができます。Windows 365 Frontline を用いたクラウド PC では、現場担当者が自分用にパーソナライズされた Windows アプリ、設定、データにアクセスできるため、時間の節約と業務の効率化が促進され、場所やデバイスにとらわれず働くことができます。IT 管理者が現場担当者を適切に支援するための新機能も提供されます。

Windows 365 Frontline が組織の Do more with less をサポート

Windows 365 Frontline は、パートタイムやシフト制といった現場担当者の勤務形態を考慮して設計されています。勤務中にクラウド PC にアクセスして、勤務終わりに電源をオフにするという使い方ができます。

Windows 365 Frontline >> 詳細を確認する

マイクロソフトはお客様と緊密に連携して Windows 365 Frontline の構築と検証を実施し、クラウド PC へのニーズや使用シナリオに関するフィードバックを集めてきました。病院を掛け持ちする放射線技師、事故現場で記録を取る保険代理店スタッフ、世界各地にクライアントがいるカスタマー サポート担当者など、現場担当者の働き方はさまざまです。自分用のクラウド PC を使用できることが、勤務中の生産的な活動とセキュリティの維持にどれだけ役立つか、おわかりいただけると思います。プレビューに参加した Elanco Animal Health は、この製品がヘルプ デスク担当者にもたらす価値について次のように述べています。

「請負業者側のスタッフを増員し、Windows エクスペリエンスをフルに実装してもらう必要がある場合、Windows 365 ならすばやくそのニーズに対応できます。当社のヘルプ デスクのように、決まったシフトで働くチームにとって、Windows 365 Frontline の価値は明らかです。シフト勤務者間でライセンスを共有できるため、部分的な機能しか使用されないライセンスを個別に購入する必要がなくなります。また、Microsoft Intune によって、構成、展開、管理のすべてを標準マシンと同じ方法で行えるため、管理チームは 1 つでよく、追加のインフラストラクチャも不要なため、時間とコストを節約できます」

– Mike Henry 氏、TechOps 担当 IT エグゼクティブ ディレクター、Elanco Animal Health

Windows 365 Frontline では、購入するライセンス 1 つにつき 3 人のユーザーが、各自の勤務時間中にクラウド PC にアクセスすることができます。つまり、すべてのシフト勤務者向けに 1 つずつライセンスを購入するのではなく、同時に勤務する人数分だけ購入すれば済みます。たとえば、従業員 300 人のうち、同時勤務が 100 人の場合、100 ライセンスだけ購入すれば、300 人全員が各自のシフト中に自分用の Windows エクスペリエンスにアクセスできます。

Windows 365 Frontline の導入で、現場担当者のエクスペリエンスを改善

Windows 365 Frontline の導入で、現場担当者のエクスペリエンスを改善

Windows 365 Frontline では、パーソナライズされた Windows エクスペリエンス全体にアクセスすることができます。このエクスペリエンスは Microsoft Cloud からストリーミングされるもので、他のクラウド PC や物理デバイスと共に Microsoft Intune で購入、展開、管理することができます。詳しい手順については、Tech Community のブログ「Windows 365 Frontline クラウド PC のプロビジョニングと管理 (英語)」をご覧ください。

Windows 365 は、クラウド版の完全な Windows エクスペリエンスであり、マイクロソフトが提供する最高の機能が揃っています。新しい Microsoft TeamsMicrosoft 365 Copilot (後日提供) のようなプレミアム機能など、現場担当者やシフト勤務者向けのリッチな機能とエクスペリエンスを提供するプラットフォームとなります。業界に特化したアプリの機能を、キオスクから携帯型、PC といった幅広い種類のデバイスで利用することができます。

従業員がログインすると、直ちにアプリ、データ、デスクトップ、設定などのすべてのリソースにアクセスできるため、シフト開始時からスムーズに業務に取り組むことができます。

Web または Windows 365 アプリから Windows 365 にサインインするだけで業務を開始し、勤務終了時はサインアウトすれば、次の従業員が利用できるようにクラウド PC がパーソナライズされます。

Windows 365 Frontline の以下の機能を利用することで、組織データのセキュリティを確保し、IT 投資効果を最大化し、シフト勤務者 1 人ひとりへのシームレスな Windows エクスペリエンスの提供を実現できます。

  • 画面の自動ロック: 指定したタイムアウト時間が経過すると、クラウド PC から自動でサインアウトされ、画面がロックされます。これにより、不正なアクセスから組織を保護できます。
  • 自動サインアウト: シフト終了時にサインアウトするのを忘れても、次のユーザーがクラウド PC にアクセスできるように、ユーザーのログオフを自動化できます。
  • 自動リセット: シフト終了時にクラウド PC からデータを消去できます。新しいセッションのたびに、クラウド PC が元の状態に戻ります。医療従事者、カスタマー サービス オペレーター、テクニカル サポート チームなど、高度なセキュリティが必要とされる現場の従業員や機密データを扱う従業員が、組織のセキュリティ ポリシーに沿ってクラウド PC で高い生産性を発揮できます(この機能はパブリック プレビューでは提供されません)。
  • アップデートの最適化: 組織が設定した既存の Windows Update for Business ポリシーを活用して、Windows の更新プログラムを適用するタイミングをインテリジェントに最適化し、シフト中の再起動を極力避けることができます。
  • 現場の利用状況レポート: Microsoft Intune のレポート機能でクラウド PC の利用パターンを監視することで、シフト中の従業員のニーズを簡単に把握し、必要な数のクラウド PC を配備できます。
Windows 365 Frontline

Windows 365 Frontline

シフト勤務者にもクラウド PC のパワーとセキュリティを
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クラウド PC をより多くのデバイスに展開し、場所を問わない働き方を実現

Windows 365 は、リモート ワークや柔軟な働き方を実現するために開発されました。この Windows 365 によって、マイクロソフトはワーク スタイルや場所にとらわれない働き方を提案し続けており、Windows 365 の利用によって柔軟な働き方ができるようにすることを前提に、現場のニーズに応えるソリューションを設計したり、新しいエンドポイントへの展開を検討したりしています。

LG の 2023 年新型テレビで Windows 365 が利用可能に

LG Smart TV の新しいホーム画面に、在宅勤務者向けの生産性アプリやサービスをまとめたホーム オフィス カードが搭載されました。そして、2023 年の LG Smart TV の新型モデルで、Windows 365 が利用できるようになりました。Windows 365 を始めとするクラウド ベース仮想化ソリューションをセットアップすることで、LG のテレビが最新のワークステーションに変身します。そこに Bluetooth キーボードとマウスをペアリングすれば、完全なオフィス環境を自宅に設置できます。

Motorola との連携で Windows 365 エクスペリエンスを強化

Motorola とのパートナーシップについてもお伝えします。マイクロソフトは、Lenovo ThinkPhone by Motorola などの Android デバイスにおける Windows 365 エクスペリエンスの強化を、Motorola と共に取り組んでいます。この新たな組み込みのエクスペリエンスにより、外部スクリーンで使用するクラウド PC を ThinkPhone から見つけて自動的に構成し、プラグアンドプレイで Windows 365 に接続できるようになります。

Motorola との連携で Windows 365 エクスペリエンスを強化

クライアントからクラウドへの移動がより迅速に

2022 年 4 月にお伝えしたとおり、新しい Windows 365 アプリからクラウド PC にすばやくアクセスできるようになりました。この Windows 365 アプリは Microsoft ストアを通じて、一般提供が開始され、自分のデスクトップからクラウド PC に直接アクセスし、個人の設定、プロファイル、ワーク スタイルでパーソナライズされたエクスペリエンスを利用することができます。また、従業員のシングル サインオン エクスペリエンスを有効化する IT 管理者の負担が軽減されています。ぜひ Windows 365 アプリをダウンロードして、今すぐお試しください。

クライアントからクラウドへの移動がより迅速に

1 年前に発表した Windows 365 Boot と Windows 365 Switch も、間もなく提供が開始されます。これらをご利用いただくことで、クラウド PC へのログインと、クラウド PC と物理デスクトップ環境のシームレスな切り替えがさらに容易になります。さまざまな物理的作業をこなしながら、デバイスを操作している医療機関や小売店のスタッフを思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。これらの機能が利用できるようになると、デバイスでの起動プロセスをスキップして、クラウド PC エクスペリエンスに直接、かつ、安全にログインし、前回ログオフしたときの状態から作業を再開できるようになります。

経費とカーボン フットプリントの削減に関する新たなレポートと事例

Windows 365 の総合経済効果 >> レポートを読む (英語)

経費削減のための新たな方策を模索しているお客様も多くいらっしゃいます。ここでは、クラウド PC が組織にもたらす可能性がある経済的/環境的な効果の一部をご紹介します。

柔軟な働き方への対応という観点から、Windows 365 は業務効率化やコスト削減を進める多くの企業に選ばれるようになっています。たとえば、BPO American (英語) は、セキュリティを維持しながら経費を抑える効果的な手段として Windows 365 を選びました。Grant Thornton UK LLP (英語) もまた、Windows 365 を導入して、従業員が自由に個人所有デバイスを業務に使用できるようにしています。

マイクロソフトが Forrester Consulting に委託した Windows 365 に関する最新の Total Economic Impact™ 調査 (2023 年 3 月) では、「モデル組織では、385 万ドルのコストに対して 3 年間で 537 万ドルの利益、153 万ドルの正味現在価値 (NPV)、40% の ROI が実現される」ことがわかりました。詳細な分析結果については、2023 年 3 月の Total Economic Impact™ of Windows 365 (英語) をご覧ください。

Windows 365 は、従業員がどのようなワーク スタイルでも最高のパフォーマンスを出せるようサポートすると共に、組織に対しては、すべての従業員が生産的に働けるようにするために必要な柔軟性、セキュリティ、展開の容易さを提供できるようにします。また、持続可能な目標に向けた取り組みを加速できることも、Windows 365 が選ばれている理由の 1 つです。Px3 に委託した最新の調査研究 (英語) では、二酸化炭素排出量とエネルギー コストの削減の可能性について、Windows 365 クラウド PC を使用する組織はエンド ユーザーのコンピューティング ワークロードを、再生可能エネルギーによる電力供給が増えている高効率のクラウド データ センターに移行することで、業務運営における二酸化炭素排出量を大幅に削減できることが明らかになりました。

Windows 365 を今すぐご利用ください

Windows 365 は、人々が役割に関係なくさまざまなスタイルで柔軟に働けるようにすること、また IT 部門が組織に新たな価値をもたらせるよう支援することを目指して設計されています。Windows 365 の詳細をご覧ください。新機能に関する最新情報は、Tech Community (英語) でご確認いただけます。マイクロソフトは今後も働くすべての人のニーズに応えるために、Windows 365 の革新と拡張に取り組んでいきます。ぜひ皆様のご意見をお聞かせください。

Windows 365 Frontline は、パブリック プレビューにサインアップ (英語) することですぐにお試しいただけます。詳細は Windows 365 Frontline の Web サイトをご覧ください。Microsoft Tech Community で提供している Windows in the Cloud の新しいエピソードもご視聴ください。


1 Gartner, Inc. プレス リリース、「Gartner Forecasts 39% of Global Knowledge Workers Will Work Hybrid by the End of 2023 (英語)」、2023 年 3 月 1 日

2 マイクロソフト、「Technology Can Help Unlock a New Future for Frontline Workers (microsoft.com) (英語)」、2022 年 1 月 12 日

3 Gartner、「Hype Cycle™ for Digital Workplace Applications, 2022 (英語)」、2022 年 8 月GARTNER および Hype Cycle は、Gartner, Inc. と Gartner, Inc. の関連会社の米国および世界各国における登録商標であり、許可を得て使用されています。All rights reserved.

 

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